先週のお便りレポートは【美味しい「肉じゃが」ができた!】というタイトルであった。今回は【美味しい「カレーライス」ができた!】を報告する。
肉ジャガ同様に2人前カレーライスを何回か作ったが、2人前のジャガイモや人参の量が多かったり、味が辛かったり、塩気が強かったりして、真喜子から「美味しい」という合格点を貰えない。再挑戦しようと思うのだが、手元の食材が一部不足していたりしていたことで、最近は作っていない。
今週、生協の食品通販でカレーライス用肉、細切れ牛肉、ジャガイモ、人参、カレールーが配達されたので、急に作りたくなり2人前作った。ところが、出来上がると2人で2回食べられる量を遥かに超えたカレーが出来上がり、分量のコントロールが上手くできていない。そこで、4回目の試作カレーライスを一昨日作った。ご飯の量をいつも(飯茶碗半人前)より倍以上の大盛りにし、カレーと共に大皿に入れ食べたところ「美味い」「美味い」を連発し、大盛り試作カレーライスをペロリと食べてしまった。この大盛り新カレーライスの出来具合は成功し、合格したようである。
眞喜子は失明に近い状態で毎日の生活を過ごしている。目の手術後しばらく、デイサービスに参加することを拒否していた。幸いにも鑛一も要支援1の認定を受けていたので、リラクサイズ武蔵藤沢の半日デイサービスに夫婦揃って参加できることになり、眞喜子は渋々と2人で参加していたころがあった。
それ以来、眞喜子はデイサービスが楽しいといい、参加利用者の皆さんと会話を交わすことができ、参加することの楽しさが実感出来るようになった。目が見えなくなり将来を失望していたのだが、デイサービスに参加できるようになり、参加拒否も徐々になくなった。目は見えないが喋る楽しみ、食べる楽しみに専念できるようになった。喋る楽しみは、デイサービス利用者、職員の皆さん、あるいは鑛一と出来る。食べる楽しみは、外食や宿泊旅行で、これまで何回も経験している。運転免許証返上後は、外食・旅行が不可能となり、食の楽しみは奪われた。そこで、外食で楽しんだ食べる喜びを自宅で可能にしようと鑛一が目下食事の工夫・研究?をしている最中である。
食事の際は真喜子の食卓目の前に、周辺縁の高さ1cm、縦横長さ30cm x 40cmの矩形お盆を置く。そのお盆の中にご飯茶碗、お菜皿、味噌汁お椀、箸、スプーンなど真喜子専用の食器を置く。お盆の縁を指で触ると食器の位置関係がわかり、食事介護を受けずに自分の箸で食物を掴める。お盆上に配置した食器類を認識してもらい、その位置関係を覚えてもらうようにして食事をしている。食器の中にある食べ物の色、形、大きさなどは認識できないので、箸でランダムに掴んだ食物を口に入れている。口に食物を入れれば、それが人参であるか、大根であるかは食感と味で認識できる。その結果、「美味しい」という言葉を発しているようだ。箸を持つ手の触覚で食物の大小、形、硬さなどを認識している。しばしば、箸で掴んだ食物を落とすことがある。お盆や食器の中に落とすならば問題ないのだが、それをお盆外に落とすと、衣類や床の絨毯を汚してしまう。目が見えない眞喜子は、かつては家族5人の料理を作り、配膳、食後の後始末など一切が仕事領域であった。ところが今ではその仕事が一切できなくなり、鑛一が全面的にその仕事をカバーしている。
2024年6月19日(水)