まず動く

「動く」と,ものごとが見えてきます。仕事や旅などで動きまわり、そこで経験したことや見聞したことについて述べたいと思っています。ここで、「動く」という意味は身体だけでなく、頭も口もです。  いつまでも元気でありたいと願い、「動き」を実践しています。
 
ハワイで迎えるMakikoの誕生日
 今日は11月28日Makikoの誕生日。夕方6時から「サンライズの会」がサンライズ・レストランで開催された。この会はハワイに住む人、ハワイを訪れる人達が集まり、情報交換や親睦を深める会である。その会には会長のSさんと元会長のJさんが参加。Jさんは我々がハワイに来る度にお世話になる若い内科医で今年の初めまでハワイ大学で研究生活を送っていて、現在日本に帰り活躍中の方である。そのJさんにMakikoの誕生日のことを知らせたのでJさんはサプライズを準備しましょうと提案してくれた。月の最後の火曜日に開催される「サンライズの会」に今日28日(火)は10人が集まった。皆さんハワイに長くお住まいの方ばかりである。今日の「サンライズの会」で、Makikoの誕生会を行うことを知らされた参加者お二人がウクレレを持ってきて弾いてくれた。会食・懇談が終わりに近づくころ、会長のSさんがMakikoの誕生日が今日であるとアナウンスしてくれた。そこでみんなでウクレレ伴奏付きでハッピーバースデーの歌を大合唱した。誕生祝いとして首に掛けるレイを用意して頂いた。会場となったサンライズ・レストランは、新婚さんいらっしゃいというテレビ番組に以前取り上げられ、日本人にとって知名度の高いレストランである。
 
 Makikoはこんなに盛大に誕生日を祝ってもらえたのは初めてだといい涙を流さんばかりに感動した様子だ。「サンライズの会」会場からの帰りは、隣に座ったハワイ長期滞在の女性Sさんが車でイリカイ・ホテルまで送ってくれた。ホテルを出るときにはまだ、準備中だったクリスマスツリーが夜の9時に帰ったときには、出来上がっていて綺麗に飾られていた。また、中庭を覗くと大きな木々は、イルミネーションできれいに輝いていた。こうして、ハワイに到着2日目というのに、当地の人達に誕生日を祝ってもらえたMakikoは幸せ者である。来年彼女は、いよいよ大台の超高齢者の仲間入りする。【2017年11月28日】
 
平成29年11月30日(木) イリカイ・ホテルにて記す







ハワイへ向け出発〜〜
 羽田国際空港行きの所沢駅東口バス停まで重いスーツケースを引きずりやってきた。バスに乗り遅れないようにと早めにタクシーを呼び自宅をでたら、40分も早くバス停に着いた。時間があったので駅改札口前の店で好物のたい焼きを買い、寒々とするバス停で暖かいたい焼きを食べながらバスがくるのを待っ(写真左と中上)。羽田空港までのリムジンバス代は一人1,530円である。

 出国手続きの際、空港内中に入ってから搭乗口までは遠いので遅れないようにと注意を受けた。出発まで1時間ほど余裕があるのでラウンジで40分ほど過ごす。スーツケースはチェックイン時に預けたので、機内持ち込みバックだけで遠い出発ゲートまで歩くことは問題ない。ゴルフ場で使っているカートのような車に偶然出くわし、無料で乗せてくれるというサインを見たので乗ってみた(写真右上)。初めての経験だ。歩くより少し早い速度の電気自動車だ。
 搭乗機は三分の一以上、日本製部品が使われているといわれる機体ボーイング787で席は満席だ。トイレによく行くので、機体後部でトイレに近い3人がけ席の通路側に座る。窓側に座った人がトイレによく行くので、その都度席を立ちよく寝れない。

 ホノルル国際空港へついて順調にタクシー乗り場まで移動。タクシーはイリカイ・ホテルまで35ドル、チップ込みで40ドル支払う。重い荷物を4個運ぶのに快く手伝ってくれたからだ。ここで、到着空港の名前をホノルル国際空港と記したが、実は2017年4月からこの空港は「ダニエル・K・イノウエ空港」と名称変更になっている。当地に着いてから3日後の11月30日(木)に参加した木曜午餐会の講演を聴き、詳細が分かった。
 
 イリカイ・ホテル(写真中左)の部屋は20階の眺めのよい2018号室である。この番号は来年2018年1月まで滞在するので、その年号と一致していて覚えやすい。部屋に入ると床はフローリング(板張りの床、英語で“wooden floor”)で、改装した形跡がある(写真中中・右)。所々古いままの箇所があり不満なところがある。特に台所のシンク、シャワールームなど水まわりがいけない。シンクに溜まった水はけが良くない。溜まった水が流れ終わるのに相当の時間がかかる。そこで翌日、不具合箇所を直してくれるテクニシャンに来てもらう手続きをとる。翌日、朝9時に来てくれ不具合箇所を検査し直してくれる。流し台はディスポーザルになっていて、野菜や食べ残しをはけ口に入れると回転翼が高速で周り、廃棄した食物が砕けて流れていく仕組みになっている。そのはけ口内部に、先住した宿泊客が誤って入れたと思われるプラスチックの破片が3つほど引っかかっていた。それらを長いペンチで取り除いたら、水はけはよくなった。
 以上のようで、所沢駅バス停および羽田国際空港でそれぞれ1〜2時間待たされ、無事に「ダニエル・K・イノウエ空港」に着き、タクシーに乗ってイリカイ・ホテルに、そして眺めのよい20階の部屋(写真下中・右)に落ち着くことが出来た。【2017年11月27日】
 
平成29年11月30日(木) イリカイ・ホテルにて記す







2017/11/27 11:17:01|研究・教育の思い出
敦賀へ特別講義と研究発表の旅
 敦賀市立看護大学から依頼を受け特別講義を、その翌日同大学内において開催された看護人間工学部会総会・研究発表会に参加した。
 敦賀市を訪れたのは初めてである。宿泊する東横イン敦賀駅前は、敦賀駅から歩いて3分ほどのところにある。その途中に滑稽な「佐渡酒造」モニュメントがある。このようなモニュメントが、市内のところどころに設置されている。ホテルの受付で聞くところによると、ここ敦賀は映画にもなったリトアニア領事代理・杉原千畝が日本通過の「命のビザ」を発給し、そのビザを持ったポーランド系のユダヤ人6,000人もが敦賀港に上陸し救われたことで有名な場所だという。その当時の記録を残し展示してある「人道の港 敦賀ムゼウム」が敦賀港にあると教えてくれた。そこで、講義は午後2時からなので、午前中に港近くにある敦賀ムゼウムを目指して歩いた。
 歩いたお陰で、いくつかの珍しいモニュメントを見ることができ、気比神社にも訪れることが出来た。気比神社の正面に構える大鳥居は、日本三大木造大鳥居の一つで国の重要文化財に指定されていて、芭蕉も訪れているそうだ。この神社前の交差点に「お砂持ち神事の像」モニュメントがある。その横に“名月や北国日和定なき(めいげつや ほっこびより さだめなき)”という芭蕉の句が書かれてあった。この句は、「今夜は中秋の名月を期待していたのに、あいにく雨になってしまった。本当に北国の天気は変わりやすいものなのだな」という意味である。この句から分かるように、ここ北陸地方では「弁当忘れても、傘忘れるな」と言うほど、冬は朝晴れていても、突然雨が降り出したり雪が降り出したりと天候が変わりやすいところだそうである。
 気比神社を通り過ぎ、さらに15分ほど歩くと入場無料の敦賀鉄道資料館がある。ここは旧敦賀港駅舎だったところで、敦賀の鉄道に関する資料や列車模型を展示し、その歴史を紹介している。この資料館よりさらに2分ほど歩くと目的とする「人道の港 敦賀ムゼウム」がある。ここは入場無料だが、寄付としてパンフレット受け取り100円を箱に入れるようになっている。内部には、杉原千畝が発給した「命のビザ」の複製をはじめ、当時日本を通過したユダヤ人たちの写真、ウラジオストックから日本海を渡り敦賀に上陸し、日本人からもてなしを受けたことなど心温まるストーリーの説明がある。また、ビデオでも紹介されているので、訪れたら観るとよい。
 
 午後の特別講義は卒業研究中の4年生を対象にした講義で、午後2時から午後5時まである。人間工学を中心にした講義で、ボディメカニクス、質的データの処理に有効なKJ法とその使い方を説明。前回のブログで紹介した看護・介護介助木製モデルをはじめいくつか看護・介護動作が理解しやすい模型を持参してきたので、看護師が脊柱障害や腰痛を起こしやすい理由やその予防方法などを講義した。特に試作した看護師が患者を椅子から立ち上げる介助動作が分かる試作木製モデルは、とても良くわかると好評であった。
 
 翌日は研究発表会である。「KJ法的図解化講義のノート作り演習の効果」と「ボディメカニクス理解のための看護介助モデルについて」の2演題について報告した。試作木製モデルの出來がよかったのか、作って欲しいと何人かの看護大学の先生から言われた。
 
 夜は解禁になったばかりのカニ料理を頂きながらの懇親会だ。といっても会費5,000円会費なので、大きなカニは期待できない。カニは小さいが他の料理は、東京では食べきれないほどの海鮮料理がでて満足な懇親会であった。
 
 こうして、2日間にわたる特別講義と研究発表を無事終え、翌日午前に敦賀をあとにした。【2017年11月10日〜11日】
 
平成29年11月27日(月) 自宅に記す
 







2017/11/26 20:29:04|その他
看護・介護支援介助動作が良くわかる木製モデルの試作
 40年前の1977年に森政弘編者「機構学(共立出版社)」という本を共著で書いた。この本は、リンク機構、カム機構、歯車機構など機械の元となる要素について書かれ、その中のリンク機構について主に担当した。このリンク機構は、例えば、蒸気機関車の動輪の駆動機構あるいは電車のパンダグラフに応用されている。ところが人間の骨格を良く見ると各骨の部位は筋肉が付いていて、筋肉の動きで膝、肘、腰などの部位が動くようになっているので、機械工学のリンク機構の原理でその動きを説明することができる。
 図の右側は機械の元であるリンク機構の考え方を人間の構造に応用したモデルである。このリンク機構は、座位の患者を看護師が立位に支援するという介助をモデル化したものである。金属リンクの左側が看護師リンク、右側が患者リンクのつもりで作った。上段は患者が座位で、看護師が前傾姿勢をとり患者の脇を抱えている様子を示す。お互いの膝部は接触させていて、この部分を基点(テコの支点)にして両者が左回りに回転、つまり看護師リンクが左回りに腰を下げるようにして動くと患者リンクは立ち上がるような恰好になる(中段)。そして、下段に示すように患者リンクが立ち上がるとそれに合わせて、看護師リンクも立ち上がる。こうして、座位の患者を立位へ支援するという一連の動作がこのリンク機構モデルから推察出来る。筋肉に相当する動力(モータやアクチュエータ)が付加されていないので、自動的には動かない。もっぱら手動でゆっくり動かし、立位介助の動作を説明することができる。
 物理や力学を履修していない多くの看護大学や看護専門学校生に人間の動きを説明することは難しい。そこで、看護動作の負担軽減に関わる力学を看護学生に説明するため、40年前の仕事であったリンク機構を思い出し、手動であるが動く人間木製モデルを試作した。その木製モデルが左側の写真である。写真右側の金属は、看護師、患者の動きが少々わかりづらい。ところが写真左側の木製モデルは、頭、腕、胴体、脚などが人間の姿に似ているので見ていて介助支援動作をイメージしやすい。各関節部にはネジとナットを使っているので、動かす時は緩め、注目すべき姿勢になったときはネジを絞め、その姿勢が崩れないように姿勢を維持した状態で看護動作の解説を行う。
 このモデルをよく観察すると、人間が行う動作には物理・力学、機械工学などの学問分野では基本中の基本であるテコの原理、力のモーメント、トルクというような分野が関わっていることが分かる。これまで、単体の人間モデルを試作し、講義の理解を深める努力をしてきた。今回は看護師と患者が一体となって動く木製モデルを試作したのでさらによく理解できると思っている。来春の講義にはこの試作木製モデルを使い、看護師の腰痛予防や看護負担軽減に役立つような講義を展開する予定である。【2017年11月3日】
 
平成29年11月26日(日) 自宅にて記す
 







「矢切の渡し」と柴又「寅さん記念館」
 先月末、台風21号、22号が関東地方を襲った。その台風が通過後の10月31日、ロングステイクラブの仲間と荒川を渡る矢切の渡し船に乗り、映画寅さんで有名な柴又帝釈天をお参りするというツアーに参加した。集合場所は、北総線の矢切駅改札口午後1時である。ところが、歩きはじめて矢切の渡し場まで来ると、台風により桟橋は流され、運航停止であった。荒川を渡れないので、やむを得ず歩いて近くの国道六号線に架かる新葛西橋を渡り寅さん記念館がある対岸へ移動する。橋を渡り江戸川土手沿いを歩くと金町浄水場の裏側に出る。しばらく歩くと「山本亭」、その前に「葛飾柴又寅さん記念館」と「山田洋二ミュージアム」がある。ここで、山本亭というのは、地元ゆかりのカメラ部品を製造していた山本工場の創立者である山本栄之助翁の自宅跡地である。和洋折衷の建物と純和風の庭園があってとても美しい。今では葛飾区が取得し一般に公開し、建屋内部で有料の抹茶、善哉などが味わえる。ここで、矢切の渡しから休まずに歩き続けてきたので疲れ、小休止。その後、寅さん記念館に入り寅さんに面会しその後、寅さん映画の制作者山田洋二監督ミュージアムに入る。渥美清演じる寅さんシリーズ映画はなんと48本もあるというから驚く。それを作った山田洋二監督は、「華族はつらいよ」「小さいおうち」「東京家族」「幸福の黄色いハンカチ」「釣りバカ日記」「武士の一分」など100本以上制作したというからさらに驚く。
 
 山本亭、寅さん記念館、山田洋二ミュージアムを見学の後、それほど遠くない柴又帝釈天へ向けて歩く。帝釈天の参道に並ぶ土産物屋、食事処などは寅さん映画の舞台になったところである。帝釈天を背にして参道を抜けると、直ぐに京成金町線の柴又駅に至る。この駅前には寅さんの立派な銅像がある。ここに着いた時は、すでに夕闇が迫り暗くなりはじめ、寅さん銅像をツーショット写真を撮るには光量が足りない。時計を見ると午後五時だ。こうして今日は午後1時に北総線の矢切駅を出発し、午後5時まで4時間ほど歩き、京成線柴又駅に至った。万歩計の数字は、約16,000歩と近頃にない歩数を示す。今日歩いたようにまだ長時間歩ける。元気な証拠だと今回のウオーキングで自信を持つことが出来た。【2017年10月31日】
 
平成28年11月22日  自宅にて記す