まず動く

「動く」と,ものごとが見えてきます。仕事や旅などで動きまわり、そこで経験したことや見聞したことについて述べたいと思っています。ここで、「動く」という意味は身体だけでなく、頭も口もです。  いつまでも元気でありたいと願い、「動き」を実践しています。
 
2013/04/05 17:00:00|研究・教育の思い出
注射の技を圧力で!

 看護初学者が一番苦手とするのは注射手技と聞く。その練習用にと注射器シミュレータの開発をはじめ10年ほどが経つ。開発を開始したころは、注射器内の薬液の圧力をどのようにして測るかが課題となった。注射器内に小型圧力センサーを封入したいところだが、注射器の内筒(ピストン)部分が動くことと、仮に封入できたとしても圧力計から出ている細い電線の引き出しはできない。そこで、注射器先端付近に小さな筒を取り付け、写真1のようにチューブを繋げるように改造し、それを実験用注射器とした。この小さな筒は、別のプラスチック注射器の先端部分を切り取ったものである。昔のガラス製注射器であったらこのような改造はできないが、今の注射器はプラスチックであるから、先端部分を切り取ることは容易に出来る。写真1の実験用注射器に示すように、切り取った部分(小さな筒)は、実験用注射器先端部分に穴を開け、そこに接着剤で固定した。取り付けた小さな筒は注射器の一部であるから、そこにはチューブを容易にはめ込むことが出来る。こうして、注射器内の薬液はチューブを介して外へ導けるようにした。
 
 次は薬液圧力の測定である。写真1の新型圧力変換器(注射器を応用)に示すように、ひずみゲージ式超小型圧力センサー(直径5mm、厚さ0.5mm)をプラスチック注射器内に封入する。これを新型圧力変換器と名付けるが、その先端にはチューブを繋ぐ。反対側の端は、注射器内筒エンド部分を切り取ったプラスチックを蓋として応用し、その蓋を接着材で固定した。実験用注射器と新型圧力変換器はチューブで結ぶ。看護初学者が実験用注射器を操作すると圧力が変動するので、その圧力を新型圧力変換器がキャッチする。こうして注射手技の圧力変動は測定可能となった。
 
写真1に示すように実験用注射器と新型圧力変換器をチューブで結ぶ。超小型圧力センサーからのリード線をひずみ測定器に接続し、ひずみ測定器からの“出力”はノートパソコンに接続する。圧力変動はノートパソコンの表示画面に描かれる。以上が実験システムの構成である。
 
 看護初学者、ベテラン看護師を被験者にお願いし、上述の実験システムと腕モデルを使い注射(インジェクション)と採血(サクション)の実験を重ねてきた。このシステムを使うと、注射手技の上達具合、初学者、経験者の注射手技の現状が視覚的にわかる。注射手技の練習効果が視覚的にグラフ変動(圧力変動)で分かるので、内筒の押し方が速いか遅いか、滑らかかに押しているかどうか、注射時間は何秒かかるかなどがわかる。
 
 以上の研究は、埼玉県立大学のK先生、S先生らと共同研究で約10年行ってきた。最近、この研究成果を製品化したいと企業(ICST)から申し出があり、「インジェクション・トレーナー」として写真2に示すような商品がデビューすることとなった。その商品が世に出る前に問題がないかということを調べるために臨床現場で働いているベテラン看護師による使用性の実験を行った。使い勝手やベテラン看護師の技(データ)を調査する実験は、埼玉県越谷市病院のベテラン看護師17名に行ってもらった。写真3はそのときの様子を示す。得られた圧力変動データは写真4に示すような形で表されるので視覚的に被験者自身の技が直ちに分かる。このデータのように平坦であれば、一定に内筒を押したことが分かる。また、最初の圧力急上昇時点から注射終了時の圧力急下降時点までに要する時間は直ぐ読み取れるので、手技に要した所要時間もわかる。【2013.3.18】
 
写真1:研究段階の「注射手技シミュレータ」実験システムの構成
写真2:商品化された「インジェクション・トレーナー」
写真3:ベテラン看護師の使用性評価実験
写真4:測定された圧力データの一例
 
2013.4.5 自宅にて記す







2013/04/04 17:00:00|思い出
Spring Ginza Lunch

 株式会社エスプリライン主催の英語でおしゃべりを楽しむ昼食会“Spring Ginza Lunch”が3月17日東京の中心、銀座で開催された。会場はイタリアンレストラン「トラットリア ラ ココリコ」。昼食をしながら英会話を楽しむという催しである。ネイティブが5人、バイリンガル職員が2人を含むスピードラーニング会員(学習者)約40人が集まり、美味しいイタリアン料理を食べ、ワイン・ジュースを飲みながら英語でおしゃべりを楽しんだ。
 
 スピードラーニングで英会話を学習しはじめ9年ほどが過ぎた。それ以前に外国へ何度か行っているが、行くたびに会話力の不足を実感して帰ってくる。スピードラーニングをはじめる前に何種類もの英会話テープやCDの英会話通信教育を受講したが、長続きしなかった。それは、ネイティブの英会話CDを聞いて分からないところが出てくると購入時に一緒についてくる対訳の教科書を見ないと英語の意味が分からなかったからだと思っている。つまり、面倒くさいということだ。ところが、スピードラーニングは英語の次に日本語の意味が聞こえてくるので、宣伝にある「辞書いらずで英会話が学習できる」ということなので何十回も聞いているうちにしゃべっている英語とその意味の対応がつくようになる。あるとき「突然はじけるように英語の内容が分かるようになる」と言われる通りである。昔の録音テープではないが、テープが擦り切れるほど聞けば必ず英語は聞き取れるようになる。耳から入ってくる言葉の回数、頻度に比例して英語の理解は高まるようだ。
 
 入会時に送られてくる教材の中に英語だけ録音されたCDもある。ある程度英語−日本語CDの内容に自信がついてきたら英語だけのCDに切りかえる。すると、白内障で目が見えにくくなり眼レンズ手術をすると世の中が見違えるように明るく良く見えるようになると同じように英語を聞く耳も同様にはっきり英話が聞き取れるようになる。これは、白内障手術を行った者、スピードラーニングで英会話を学習した者にしか分からないであろう。
 
 後述する4月2日の夜のこと。四国旅行からの帰り、品川から山手線で渋谷、新宿を経て池袋まで帰る電車のなかでとある外国人カップルが座席に座っていた。我々の姿を見ると年寄に見えたのか即座に席を譲ってくれた。このことがきっかけになり、“Where are you from?”から会話が始まり、ブラジルという。どこで降りるのかを聞くと「新宿」という。新宿駅についたら教えてあげると言うと彼らは一安心し、会話はさらに弾む。ご主人はカメラマン、きれいな奥さんはファッションデザイナーであるという。箱根へ行き大変気に入ったといい、明日は京都へ行くともいう。日本人に道を尋ねると英語はよくしゃべれないが、親切に教えようと努力してくれると日本人の親切さを感心していた。あと1週間、日本に滞在するとのこととか、ブラジルから日本へくるのに30時間ぐらいかかるとも教えてくれた。こうした突然の出会いを楽しめるのも英会話学習の成果である。
 
 以上のように、普段習っている英会話がひょっとしたことで役にたった。アメリカやイギリスへ行けば、英語でしゃべるのは当たり前のことだが、日本にいる限りしゃべる機会は皆無に近い。その機会を与えてくれたのが、前述の英会話昼食会“Spring Ginza Lunch”である。午後2時半に会は終了。楽しい思いをした後、久しぶりに銀ブラして帰路につく。【2013.3.17】
 
写真1:ジョンとホープ
写真2:MJとジェイソンによる英語クイズのイベント
写真3:MJとホープ
写真4:歩行者天国で賑わう銀座通り
 
2013.4.4  自宅にて記す







2013/04/04 10:00:00|思い出
映画2
 映画が好きなので、テレビ放送される映画をかたっぱしから2台のBD(ブルーレイ)レコーダーのHD(ハードディスク)に録画している。それをこれまではDVDに、最近ではブルーレイBDに記録し保存している。VHS時代に溜め込んだ映画はすでにDVDに移し変えてある。DVDでは映画1本しか録音できなかった。ところがBD(ブルーレイディスク)では画質をDVD並に落とせば1枚のBDに、放映時間にもよるが4本から7本が収まる。便利になった。
 
 これらの映画は暇になったら、ゆっくり観ようと集めだし、今では数えてみないので正確な本数は不明だが2000本ぐらいにはなっているかと思うほどの数を録画メディア(DVD、BD)にコピーしてある。NHKのBSで放送されるものはコマーシャルがないが、民放が放送する映画はコマーシャルが入っている。そのコマーシャルは全て除いて記録してある。これほど沢山自宅に映画があるのに、なぜか映画館へ行くことが多い。動けなくなったら集めた映画をゆっくり観ようと思っているのだが、一生かかっても観きれないであろうことはわかっている。映画を集めることが趣味になったみたいだ。
 
 新聞のテレビ放送時間欄を観なくても一週間の放送予定プログラムが今では分かるので、映画があると予約する。HDディスクに記録ができた映画の頭出し(タイトルが分かるように)を行い、洋画と邦画に分けてBDに録画している。ジャンル別に録画したいが、毎日のように放送される映画であるから、あまりにも多く、分類する手間と時間がないので、放送された順序にBDにコピーしている。2日に一度ほどBDレコーダーのハードディスクを確認し、頭出しとコマーシャルを抜く作業をし、BDにコピーを行う。眞喜子いわく、この作業が出来なくなったらボケのはじまりだと。確かにそう思う。それは、テレビ番組を録音・再生したり、録音した画像をBDに再度コピーしたりすることを行うと分かるように、それなりの手順と録音・開始時間と停止時間などを頭に入れておかないと操作が出来ない。これが結構面倒なため、この操作を行えなくなるということは、それはボケの始まりかと私自身も思っている。
 
写真1:ジャンゴ
写真2:フライト
写真3:ラルゴ
 
2013.4.4  自宅にて記す







2013/04/03 23:19:01|思い出
映画1
 昨年8月から今年の3月にかけ、渋谷のミュージカル劇場「東急シアターオーブ」でミュージカル「ミリオンダラー」、「五右衛門ロックV」、浅草演芸館と大阪うめだ花月で「落語、漫才」、日比谷公会堂で音楽「栄光のビックバンド」などを観たり聴いたりした。映画も好きだ。思うような時間がとれないが1ヵ月に一度くらい映画観賞をしている。昨年8月にその映画「あなたへ」を観て以来、「終の信託」、「北のかなりや」、「ジャンゴ」、「フライト」、「ラルゴ」を観た。なぜか、あまり明るい映画ではなかったが、いずれも良い映画であった。
 
写真1:あなたへ
写真2:終の信託
写真3:北のかなりや
 
2013.4.2  自宅にて記す







2013/03/29 13:40:00|思い出
さくら

 我が家の前に狭い道路がある。その道路を隔てたところに小さな川が流れている。その川の土手に大と小の2本の桜の木がある。昭和42年に近所の人たちで力を合わせ8本植えた桜だが、いつの間にか6本が枯れ今では2本になってしまった。3人の子供たちが小学校へ上がる以前、この桜の木に彼らはよく登って遊んでいたことを思い出す。当時でも子供たちが昇って遊べるくらいの太い幹であったが、今ではさらに太くなり、30°〜40°傾く老木となった。それでも、毎年美しい花を咲かせ近所の人を和ませてくれ続けている。

 桜を植えたころ、写真に見える桜の後ろの家はなく、そこは一面カブトムシやクワガタが生息していた林であった。また、自宅前の川は2mほどの小さい川だが、その川には沢山のエビガニが住み、子供たちはそれを捕まえるのを日課としていた。

 この大樹となった桜を毎日ベランダから眺めることが出来るので、花が咲き始めてから毎日のように写真を撮っている。太陽光線の加減で、夕方の太陽に照らされた桜がきれいだ。しかし、思うような好天に恵まれないままに満開の時期を迎えた。今日は3月29日、そろそろ花びらが落ちるのが目立ち始め、路上は花びらで白く染まりだした。満開の時期を終えようとしている。ほんの1週間ほどの桜の開花劇であったが、その美しさが我々の心を癒してくれた。【2013.3.29】

 
写真1:3月24日、花びらが顔をだした桜
写真2:3月26日、2日しか経たないのにこのように見事
写真3:3月28日、ほぼ満開
写真4:3月29日、満開で美しい桜
 
2013.3.29  自宅にて記す