まず動く

「動く」と,ものごとが見えてきます。仕事や旅などで動きまわり、そこで経験したことや見聞したことについて述べたいと思っています。ここで、「動く」という意味は身体だけでなく、頭も口もです。  いつまでも元気でありたいと願い、「動き」を実践しています。
 
2013/05/12 17:00:00|研究・教育の思い出
看護と力学

  前傾姿勢で患者ケアすることが多い看護師の腰痛発症率は70%〜80%と高い。その予防策の一環として看護学校でボディメカニクスの講義をしている。このボディメカニクスというのは「人間の動作、姿勢に関わる手や足、肘や膝、脊柱など身体各部に力学原理を応用した運動や姿勢保持の技術」である。力学原理とあるように、力、圧力、摩擦、テコの原理、重心、重心線、力のモーメント、慣性などの物理、特に力学に関する基礎の話しをする。
 
 高校で物理を履修していない学生が大半を占める看護学生を対象にしているから、力学の基礎をいかにわかりやすく伝えるかに苦慮する。5月の連休に重心を理解してもらうため、厚紙で人形を作った。その人形の2、3ヵ所に穴をあけた。その穴にピン(針金)を通し、同時にピンから重り付き細紐を垂らす。紐に沿って紙人形に線を書き込む。穴の位置を変え同様に線を引く。それらの線の交点が重心である。求まった重心にピンを通すと、どの位置でも静止する【重心とはあらゆる方向から外力をかけても物体が回転しない点】。重心を軸としているから回してやるとよく回る。重心から外れた位置にピンを通すと回りが悪くすぐに振動してしまう。重心とはこのようなものだと説明し、その重心は人間にもあることを理解してもらう(写真1)。重力:F=mg
 
 患者の臥床位置を整えようとする場合、あるいはベッドからストレッチャーに移すような場合、看護師は大きな力をだす。このときの負担を軽減するため、市販されている摩擦の少ない布を利用することがある。この布を患者とベッドとの間に敷いて患者を引く(押す)と半分の力で動く。これを使って摩擦の話しを展開する(写真2)。摩擦のない世界はどうなるかと質問を投げかける。摩擦力:F=μN 
 
 点滴をする場合、薬液の入った輸液ボトルは刺入部位から75p以上に設置する。この時の輸液ボトルと刺入部との高さの差は落差という。その落差が低すぎると圧力が低くなり、点滴に時間がかかる。内筒を取り除いた2本の水入注射器チューブをつなげる。落差をつけるため、片方を高くすると低い方の注射器に向けて水は移動する。落差を大きくとると、高い位置の注射器の水が低い位置の注射器内へ向け勢いよく移動する様子が分かる。圧力:P=F/S
 
 つぎに、内筒を取り付けた大小の水入り注射器をチューブで連絡する。片方の注射器内筒端に負荷(例えば消しゴム)を乗せる。もう一方の注射器内筒を押すと消しゴムを乗せた内筒は持ち上がる。注射器のサイズを小さくして同様に内筒を押すと、今度は小さな力で消しゴムは持ち上がる(写真3)。この事実から液体の圧力はどこへでも伝わるパスカルの原理が理解できる。
 
 力のモーメントは回そうとする能力のことで[腕の長さ]×[力]で表される。手を伸ばして重い物を持つと肩関節に負担がかかることは力のモーメントで理解できる。これを理解した一人の学生は、アルバイト先で写真4のような姿勢をやってみたという。その結果、確かに力のモーメントの理屈を理解でき、お盆を持つ腕が楽になったと授業評価の紙にスケッチ入りで報告してくれた。講義内容を理解し、それを実践してくれたことが嬉しい。看護師として活躍するようになり、講義内容を臨床の場で実践・応用してくれることを願う。
 
 先週は、千葉県旭市にある旭中央病院付属看護専門学校で、授業風景の写真撮影を要請された。今回の投稿写真は、事務職員が授業風景をデジカメで撮ったものである。看護学生は実践が好きなようで、実験を見せると目の色を変え、喜び、面白がり、よくわかったといってくれる。模型を作製した側もそう言ってくれると作った甲斐があり嬉しい。【2013.5.9】
 
写真1:重心の話し
写真2:摩擦の話し
写真3:圧力の話し
写真4:学生が試した力のモーメントの応用(右がこれまでの姿勢、左が楽になった姿勢)
 
2013.5.12  自宅にて記す







2013/05/12 12:51:03|思い出
バラ・バラ・バラ! その2
 今年も第15回のバラ展が西武ドームで5月11日〜16日まで開催される。明日、13日(月)に眞喜子は西武ドームへそのバラ展に行くという。そうすると、またまた、新種のバラが増えるのでないかと思う。私は、バラ展へ行くなら秋葉原の電気屋街に行ったほうが楽しいので、今回も失礼する。といっても、明日月曜日から、また、講義の旅が始まるので木曜日まで家にいない。最後の写真は、バラの管理者真喜子です。【2013.5.12】
 
2013.5.12  自宅にて記す







2013/05/12 12:47:15|思い出
バラ・バラ・バラ! その1
 我が家の小さな庭に所狭しとばかりバラが植えてある。バラが大好きな眞喜子が毎年、少しずつではあるが植え続けてきたものである。気候がよくなった先月から今月にかけ、きれいなバラが次々に咲き出した。その株の数を数えたら、大ざっぱだが100株を超えるそうだ。毎日、新たに咲くバラを見て楽しんでいる眞喜子は幸せものだ。2013.5.12

2013.5.12  自宅にて記す







2013/05/08 18:00:34|思い出
トイレの行列!
 一般社団法人 日本ポピュラー音楽協会主催の「BIG BAND FESTIVAL 2013」が下記の案内が届いたので5月3日に地下鉄後楽園前のシビックホールへ出かけた。小林幸子が芸能生活50周年記念ということで共演、ジャズを歌うということでもあり、眞喜子と久ぶりにビック・バンドのジャズ演奏を聴いてきた。
 
・2013年5月3日(金・祝)
・BIG BAND FESTIVAL 2013 Vol.15
・日本を代表する4大ビッグバンド
・ビッグバンドに挑戦し続ける豪華アーティストたちの二度と実現しえぬ華やかなる饗宴!
・開場14時00分 開演15時00分(終演予定19時00分)
 
・出演者
●エリック・ミヤシロ EM BAND / ゲスト:桑山哲也(Accoアコーディオン)
【曲目】:Winter Games / Samba Song / Maria他
 
● 岡本章生とゲイスターズ / ゲスト:SHANTI(Vo ヴォーカル) / Shanti Snyder(シャンティ・スナイダー)
【曲目】:Fly Me to The Moon(SHANTI(Voヴォーカル)) / Song of Indio / Dream Dancing
 
●見砂和照と東京キューバンボーイズ / ディーバ・ノリコ(Voヴォーカル) / ラス・ペルラス(Chorコーラス)
【曲目】:よさこいマンボ / アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク / Mambo No.5 / 想い出のラテン・ソング・メロデレー(ベサメ・ムーチョ、キサス・キサス・キサス、アモール・アモール・アモール)(ディーバ・ノリコ(Voヴォーカル) / ラス・ペルラス(Chorコーラス))他
 
●森 寿男とブルーコーツ / スペシャルゲスト:小林幸子(Vo)、マルタ(Saxサックス)|MC:牧岩雅夫
【曲目】:Sing Sing Sing / Love Letters(小林幸子(Vo:ヴォーカル)) / Caravan(マルタSax)他
 
 1950年〜1960年代であったかと思うが、グレン・ミラー、ベニィ・グッドマン、トミー・ドーシー、ハリー・ジェームス、カウント・ベイシー、デューク・エリントン、ライオネル・ハンプトンなどのビッグバンド演奏がラジオから流れていたのでよく聴いた。特に映画になったグレン・ミラー物語(1954)とベニィ・グッドマン物語(1955)は何回となく観ているし、LPレコード、CDも買って今でも大事に持っている。こうしたアメリカのビッグバンド演奏で聴いたことがある曲が何曲も演奏されるという今回のBIG BAND FESTIVAL 2013を楽しみに出かけた。前述したように出演バンドは4バンド。各バンドが1時間ほど演奏するので4時間という長い演奏会となった。10分の休憩時間が3回あり、その都度トイレに行った。
 
 シビックホールの男子トイレには小便器が8か所あり、そのうちの1か所が手すり付き小便器である。普通、女子トイレに行列ができる様子はよく見かける。しかし、このホールの男子トイレで驚くほどの長い行列ができた。10分間の休憩時間で終えることが出来そうにない。トイレでこんなに長い行列に並んだのは初めてのことだ。開演のブザーが鳴ってもトイレを終えない観客が何人もいた。
 
 これまで見たことのない長いトイレ行列はなぜ起こったのかを考えた。推測だが、観客の多くは70才前後の男子が圧倒的に多いことと、この年齢になると私の経験からであるが、トイレが近いことによるものと思われる。4つのバンド演奏があるので、中3回10分間の休憩がある。その都度、トイレに行ったがいつも長い行列ができている。それに比べ,女子トイレはガラガラに空いている。通常の劇場風景とは逆の現象である。
 
 もうひとつ珍しいことが起こった。それは、3回のトイレ休憩で3回とも手すり付き男子便器に遭遇したことである。長い行列の末、便器にたどり着いたら、3回ともそこは手すり付き便器であったというから、私にとって珍しい偶然に出会ったことになる。なにしろ、手すりがついていると、放水距離が長くなるのでやりにくい。そのため、この場所にまた当たったかと思うことが3回もあったので印象に残る。
 
 午後3時から7時までの4時間、長いようであったが昔聴いた懐かしい音楽を日本の一流ビック・バンドが演奏してくれたので十分楽しむことが出来た。「マンボNo.5」、「黄金の腕」、「Sing Sing Sing」などを聴け、あまりにも懐かしく、またよい演奏でもあったので、次回8月に日比谷公会堂で開催されるサマージャズフェスティバルの入場券もこの場で求めて帰宅した。【2013.5.3】
 
写真:BIG BAND FESTIVAL 2013 Vol.15の案内
 
20131.5.7 コンフォートホテル成田にて記す







2013/05/04 22:03:40|思い出
戴帽式

 ナースキャップをつけなくても困らない、つけないことで衛生面や仕事の効率が上がるなどの理由でナースキャップの廃止が進んでいると聞く。廃止の理由としては、ナースキャップのかたちを整えるために使われている糊が、院内感染の原因になりかねないということのようだ。ナースキャップをつけないという病院が増え、戴帽式をやらない学校も出てきているとも聞く。
 
 こうした状況のなかで、済生会川口看護専門学校から4月27日(土) 川口総合文化センター リリア 4階 音楽ホールで行う戴帽式(たいぼうしき)の招待を受け家内と一緒に参列してきた。ナースキャップを与えられたのは2年生40名である。戴帽式は、看護師を目指す学生たちが、初めての病院実習に臨む直前、学生一人一人が教員からナースキャップを与えられ、看護師を目指すものとしての職業に対する意識を高め、またその責任の重さを自覚させるための儀式である。ナースキャップをつけてもらった戴帽生が、ナイチンゲール像から灯りを受け取り、そのキャンドルの明かりの中でナイチンゲール誓詞を朗読する。これら一連の行事が荘厳な音楽を背景に厳かに続く。
 
 戴帽式は予定通り厳粛に行われた。看護学生にとって戴帽式は、看護師になるという気持ちを引き締め、同時に気持ちを新たにするよい区切りなったのではないかと思う。参列した我々も見ていて感動を覚える。人生のほんの一コマであるが、こうした厳粛な時を過ごし、心を引き締めることができた看護学生たちは幸せなことと思う。【2013.4.27】
 
写真1:ナースキャップを与えられる
写真2:男子の場合腕章を与えられる
写真3:ナイチンゲール誓詞を朗読
写真4:ナースキャップを与えられ来賓から祝辞を受ける学生
 
2013.5.3  自宅にて記す