【絵付けの村「ボーサーン」(Bor Sang)】 ここで「絵付け」というのは、有料で写真のような花模様や動物の絵を客の面前で、職人がものの5分もかからない早業で、注文した絵を描いてくれるものことをいう。普通に描く絵は白色の画板に描く。ところが、ここで描いてくれる絵の対象物は、対象物の色に関係なく携帯品ならなんにでも描いてくれる。描いてもらえる絵の見本は座っている職人の前に沢山並べられてある。客はその絵の中から選んで絵付けの注文をする。 前のブログに掲載した写真に道路を横断する大きな門を示した。その門の手前には「Umbrella Making Center」と書かれた横長な塔があり、その先に大きな土産物屋がある。中に入り土産物売り場を通り抜けると10人ほどの絵付け職人が座って客を待っているところにいたる。ここが、絵付けを行ってくれる場所である。絵付け職人は、携帯電話、財布、ジーンズ、シャツなど何にでも絵を描いてくれる。絵付け職人は男女何人もいて、座っている自分の前に得意とする風景、花、象などいろいろな絵の見本を並べて置いてある。絵を描いてもらう客は、座っている職人の絵の見本を観ながら一回りし、気に入った絵柄があるとその職人に対象の品物を差しだし、どの絵をどこに描くか指示する。職人が描いている手先を見ていると、細い筆、絵の具、絵を描く対象物の間を忙しく動きまわり、数分で描き終えるという見事な技で描いていることがわかる。 絵付けの値段は小さくて簡単な絵であるなら50バーツ(150円)、やや大きく複雑だと100バーツ(300円)である。土産屋に入ると客が目に付きやすいところにキャッシャーがある。そこで、土産物と土産物に絵付けをしてもらう大か小かのサイズを告げ金額を払う。そうするとチケットを渡されるので、それを職人に手渡すと絵を描く作業に入る。絵付けはここで買った土産物に限らず、持参した携帯電話の裏側でも財布でもよい。我々は、Makikoが財布と靴べらに、夫婦でロングステイクラブのネームカードの裏面に象の絵を描いてもらった。当地でゴルフをやる人は、ゴルフのクラブヘッドに描いてもらった人もいる。最初は1つの絵を描いてもらうためのチケットを購入する。1度、職人に絵を描いてもらうとなにか他に自分の持ち物に描いてもらいたくなる。このような場合は、いちいちキャッシャーに行かず、職人に小さい絵なら50バーツ、小さい絵なら100バーツを直接支払うと描いてくれる。 この絵付けは大変人気がある。そのため、キャッシャー(売店の金銭取り扱い所)は、お土産を買う客、絵付けのチケットを買う客が合流し混み合う。係は疲れ切ってか機嫌が悪い。財布から現金を取り出そうとするが、紙幣のバーツに慣れないのでもたつく。それを見ていたキャッシャーの係が、こちらがお金を出す以前に抜き取るように100バーツ紙幣を持っていったのには驚く。買う意志があったので問題がないが、財布から紙幣が少しでたところで急に抜き取られるよう恰好で持っていかれたので気分を害している。あまりにも早業だったので、100バーツのつもりが1,000バーツ紙幣なら詐欺である。未知の国での買い物は、その国の貨幣になかなか慣れないので、こうしたいやな想い、あるいは金銭トラブルに巻き込まれる懸念がある。【2017年2月5日】 平成29年3月17日(金) 自宅にて記す |