「私は2歳」という題名の映画があった。この映画にかこつけ、2歳に80歳を足して「私は82歳」というテーマとした。今年5月の82歳の誕生日当日は、成田市にある二葉看護学院で摩擦、重心、支持基底面など物理・力学を応用し、看護動作の負担を軽減させるための看護人間工学2コマ3時間の講義を行った。その後、千葉県旭市にある旭中央病院に移動し、病院内のゲストルームに宿泊、そこで本ブログを書いている。ここで1泊した翌日は、この病院内にある旭中央病院付属看護専門学校で、面白くてためになる看護人間工学の講義を行う。なにが面白いかというと、講義に看護と関係ある実験とムービーを取り入れているので、学生が楽しみにしている。摩擦の話は、身近にある文鎮をサンドペーパーに乗せ引かせその時の力と机の上に直接置いた場合の引く力を比べ、2つの物体が接触している面の荒さと重さにより摩擦力が異なることを理解してもらう。看護作業を行う場合の姿勢の安定は身体の重心位置と支持基底面に依存するということを説明。つぎに、作業負担に関しては力のモーメントを説明し、腕の長さを調節することで負担は減らせることを説明する。
埼玉県の自宅から千葉県の旭駅まで直接移動することはない。講義の旅と称し戸田市、川口市、成田市にある看護学校で講義を連日行いながら旭市に移動する。ここ旭中央病院付属看護専門学校でも上記した二葉看護学院同様の講義を行う。ところが、4月と5月の2回、姫路市へ移動し姫路医療センター付属看護学校で集中講義を行う。姫路へ毎週通うことは困難なので、集中講義の形式をとっている。すでに4月に2泊3日の予定で1度講義を終えている。誕生日の翌日は2度目で、2泊3日の予定ででかけ集中講義を行い土曜日に自宅にもどる。
例年82歳の誕生日は、上述したように自宅にいないことが多い。丁度今年は、二葉看護学院で講義の日に誕生日を迎える。この歳まで教壇に立てたことを感謝し、妻Makikoの提案もあって鎌倉名物「鳩さぶれ」を学生達にプレゼントし、誕生を強引に祝ってもらう。おかしな講師だ。Makikoから1人の「お目出とう」と一言いわれるのと異なり、学生30人からまとまった大きな祝いの声が聴け嬉しい誕生祝いとなった。
ブログのタイトルを「まず動く」としているように、手足ばかりではなく口も耳も頭も、血が巡っている身体部位を全てよく動かし、それらを使うことによって人は正常な活動ができるのだと信じている。ある日突然世の中から消えるという”ピンピンコロリン”を願い、それを実践している最中である。【2017年5月17日】