入間の空、そして日本の空をおよそ50年にわたり守り続けてきた航空自衛隊入間基地所属の輸送機「C-1」。 その一部が役目を終え、新たな場所へと旅立ちました。
■ 真夜中の搬出―歴史を背負った巨大な機体が動き出す
2025年12月12日(金)午前1時30分すぎ。 静まり返った入間基地のゲートから、ブルーシートで厳重に包まれた巨大な物体がゆっくりと姿を現しました。
それは、国産輸送機「C-1」の操縦席を含む機体前方部分。 半世紀近く、訓練や航空輸送で活躍してきた歴史ある機体です。
向かった先は、航空発祥の地・所沢市にある「所沢航空発祥記念館」。 現在リニューアル工事のため休館中ですが、埼玉県への“無償貸付”という形で展示されることが決まり、今回の搬出作業となりました。
■ C-1輸送機とは?
1975年4月に実運用が始まり、計31機が製造された国産輸送機。 入間基地にも長年配備され、災害派遣や荷物輸送、訓練など、多くの任務で空を支えてきました。
しかし、耐用年数の経過と後継機「C-2」の導入により、すべてのC-1は2025年3月で引退。 今回の機体は、19番目に製造されたものです。
近年は、他の機体を飛ばすための“部品取り”としてその役割を果たしていましたが、ついにその務めも終え、展示用として新しいステージへ進むことになりました。
■ 解体作業は“280本のボルト”との戦い
展示されるのは前方部分のみ。 とはいえ、機体は約280本のボルトと強力な接着剤でがっちりと結合されており、取り外しは大変な作業でした。
12月から行われた解体は、細心の注意を払って進められ、11日(木)にはクレーンを使って前方部分を無事に切り離すことに成功。 その翌日、慎重にブルーシートで覆われ、いよいよ搬出の瞬間を迎えました。
■ 見送る隊員たちの思い
長年日本の空を支えた機体が静かに基地を離れていく姿。 自衛隊員たちは敬意を込めてその旅立ちを見送りました。
なお、今回展示される前方部分以外の胴体部分は、今年度中にスクラップ処理される予定です。
■ リニューアル後の展示が楽しみ
所沢航空発祥記念館のリニューアルオープン後、C-1の前方部分がどのように展示されるのか、今から楽しみです。 半世紀の歴史を間近で感じられる貴重な機体。 多くの来館者に、航空自衛隊の活動や国産輸送機の歩みを伝える存在となるでしょう。 |