まず動く

「動く」と,ものごとが見えてきます。仕事や旅などで動きまわり、そこで経験したことや見聞したことについて述べたいと思っています。ここで、「動く」という意味は身体だけでなく、頭も口もです。  いつまでも元気でありたいと願い、「動き」を実践しています。
 
アムトラック(AMTRAK)と赤帽
  アメリカには、全米鉄道旅客公社(National Railroad Passenger Corporation)が運営するアメリカ都市間旅客鉄道があり、それは通称アムトラック(AMTRAK)といわれている。この“AMTRAK”は、2つの語“American”と“Track”を合成した用語である。いろいろあるAMTRAKの路線のうちで、ボストン−ニューヨーク−フィラデルフィア−ワシントンDC間のAMTRAKを北東回廊(Northeast Corridor)という。この北東回廊が旅客数、列車運行本数で全米ナンバーワンの鉄道路線だといわれている。

  この北東回廊を今回、ワシントンDCから乗ってボストンまで移動した。旅客数が1番多い鉄道路線だと知り、その路線を利用するというので、万が一乗車出来ないと予定の旅行日程が狂うと思い、バスで移動することも考えておいた。AMTRAK乗車券の予約をインターネットで購入しようと試みたが、記入欄に現地の住所や電話番号欄があるので、面倒でやめた。今回の旅行で初めて乗るワシントンDCの駅“ユニオンステーション”へ出かけると思っていたより構内は空いている。ここワシントンDCのAMTRAK駅「ユニオンステーション」で、フィラデルフィアの「38thストリート駅」行き予約切符2枚(1人78ドル)を出発2日前に列を作らなくても買えた。シニア割引だと言われたが、どの程度の割引きがあったのか不明だ。AMTRAKの切符は、早くに買えば安い早割運賃、その日の時間帯で異なる割引運賃、土日とウイークディで異なる運賃、シニア割引運賃などと各種の割引があるのでその運賃体系がどうなっているのかよくわからない。

  ワシントンDCで市内観光をした時に、ガイドから駅の赤帽のことを教えてもらった。赤帽に荷物を依頼すると、$5のチップで車内まで重い荷を運んでくれるという。日本でも昔赤い服着た赤帽を東京駅や上野駅で見た記憶がある。荷物を運んでくれる人だとは分かっていたが、自身で赤帽を依頼したことはない。上記のことを聞いたので、ワシントンDCからフィラデルフィアへ移動する際、ワシントンD.C.のユニオンステーションで、初めての試みで赤帽に重い荷物を依頼した。

  まず、「I need your help.」と赤帽に言ってみた。そうしたら、どの荷物を運ぶのかといい、切符を見せろと言う。切符を見せると何処行き列車、何時発車ということがわかるので、まだ時間が早いのでここに発車20分前に来いという。荷物を台車に乗せ、俺の名前はMikeだと担当の赤帽は自身の名前を名乗る。1時間ほど時間があったので、構内を散歩したり、お茶を飲んだりして時間調整をして戻る。発車時刻が迫ると、同じ列車にのる乗客が駅構内で列をなして待っている。その列を素通りして赤帽は前へ進むので彼の後を着いていく。どうも一般乗客が進む経路と異なる裏道のようなところを通って、ホームにでたようだ。AMTRAKは座席数しか切符を売らないようなので、必ず座れると言われている。駅構内に “Red Cap”と書かれた場所があり、そこに赤帽たちが待機している。そこでは列車運航状況や到着・発車時間などの詳細がわかる仕組みになっているようだ。

  一般乗客に先立ち、ホームに入るとまもなく列車が入線する。20s近くある重い荷物を軽々と車内の荷物置き場に運んでくれ、まだ誰も座っていない席を指さし、どこでもすきな場所に座れてと言って帰りかける。そのタイミングを見て、チップ5ドルを渡す。赤帽と別れてふと思ったのは、2人分の荷物を運んでくれたので10ドル渡すべきで申し訳ないことをしたと反省している。あとフィラデルフィア→ニューヨーク、ニューヨーク→ボストンと2回乗らなくてはならないので、次回から2人分を支払うことに決め、そのようにした。
 こうして、駅構内で赤帽に荷物を依頼したおかげで、ホームまで重い荷物を運ばなく済み、一般乗客より先に列車に乗れるという便利なことがわかった。日本で旅行を計画しているときは、AMTRAKで移動すると決めてはいたものの、その切符が無事に買えるかどうか心配であった。発車直前に出向いて求めるのはいかがかと思うが、余裕みて出発の数日前に買っておけば、早割という割引で買え安心だ。バスで移動すればAMTRAKに比べ時間はかかるだろうがかなり安く行けるようだ。

  ワシントンDCからニューヨークまでは普通列車で行った。最後の区間であるニューヨークからボストンまでは、ちょっと贅沢かと思ったがビジネスクラスの切符を買った。ビジネスクラスといっても、普通車より座席が広いこととコーヒーのサービスがあるだけだ。日本の新幹線のグリーン車のような快適さは感じられない。
 
平成27年11月30日(月) 自宅にて記す







ボストンの想い出
   ニューヨークから乗った最後のAMTRAKは、ボストン南駅に着く。この駅の構内も他の都市の駅同様とても広いのでタクシー乗り場がどこにあるか不明。そこで駅構内案内所のおばさんにタクシー乗り場を聞くと、乗り場まで一緒についてきてタクシーを止めようとしてくれる。しかし、先客が列をなすわけでもなく来た順に要領よく乗り込むので、つい乗り遅れる。おばさんはここで待っていればくるよといって、案内カウンターへ戻ってしまう。   そうこうしているうちにタクシーがつかまり、「Milner Hotel Boston Common」ホテルに着く。税込みで1泊250ドルだから、さぞかしよいホテルかと期待してきた。しかし、道路に面した2階の部屋で、車の騒音と近くの大学から学生の大声や楽器の音などが聞こえてきて、うるさくて寝られない部屋だ。2日目に部屋変えをしてもらったが、今度は窓なしで狭い部屋。ニューヨークのホテルに比べればましだが、これで250ドルとは高すぎると2人で愚痴をこぼす。おまけにベッドフレーム下端角の金属がむき出していて、足が当たり切り傷を負う。再度の部屋変えを申し出るが、満席だといい変更出来ない。こうして、狭くて暗い部屋に残す3泊を不本意ながら留まる。このホテルより100ドルも安くて快適であったワシントンDC、フィラデルフィアのホテルが懐かしい。
  ボストンに来たら、MIT、ハーバード大学、ボストン美術館を訪れたい。そして、プリマスにあるプリマス・ロックとメイフラワー号をみて、ボストンフリーダムトレイルを歩きたい。滞在日数が限られているので観光スポットを見学するにはツアーを利用するのが手っ取り早いと思い、いずれもツアーを利用した。
 
フリーダムトレイルウォーキングツアー
 ボストンコモンからチャールズタウンのバンカーヒル記念塔まで全長約4kmはフリーダム・トレイルと呼ばれ、このトレイルをたどると市内の観光地16ヶ所を巡ることができるという。日本語ガイドと一緒に歩いて解説をしてくれるというボストンの歴史を探るウォーキングツアーツアーに参加した。
  マリオット・コプレープレイス ホテル1階ロビー集合だというが、その集合場所を探すのに大変苦労した。我々のホテルから集合場所のホテルまで歩いていけると判断し地図を頼りに歩き出す。 ビルに囲まれた広い道路を歩くが、自分が歩いている道が何という道路(St.、Ave)かを交差点に差しかかるたびに確認する。道行く人に何度か尋ね、やっと集合場所のホテルにたどり着く。ここまで来るのにすでに1万歩以上歩いている。そこからツアー出発し、全長約4kmのフリーダム・トレイルを歩くのだから、ガイドと出会うころにかなり疲れている。ガイドは中年の日本女性、フリーダム・トレイル ウォーキングツアーはスタートするが、ガイドの歩く速さが速く感じ足が重い。ツアーは、ボストンコモン、マサチューセッツ州議事堂、パークストリート教会、グラナリー墓地、キングスチャペル、オールドシティーホール、オールドサウスミーティング場、オールドステイトハウス、ファニュエルホール、オールドノースチャーチ、ノースエンドなどを観ながら歩き終了。この時点で、帰りの地下鉄切符を受け取りガイドと分かれ、我々は地下鉄に乗りホテルへ戻る。
  ホテルにもどり万歩計をのぞくと、2万歩を越えた20,805歩だ。2万歩以上を歩くと過去の経験から、夫婦で言葉を交わすのもいやになるほどだ。こうして、ボストンの旧市街地を歩いてゆっくり観光というはずだったが、集合場所まで行き着くまでに迷ってしまい、体力は消耗。当初予定していたゆっくりのんびりの歩いて観光は、かなえられなかった。
【2015/09/18 (金):地下鉄で行くボストン観光!フリーダムトレイルウォーキングツアー<日本語ガイド>2時間ツアー、$77(¥9,473)】
 
マサチューセッツ工科大学とハーバード大学をめぐるキャンパスツアー
 世界トップクラスの大学の日常をじっくり見学できるということで参加した。9:00ホテル出迎え。このツアーは、ホテルまで送迎してくれるので助かる。我々2人を乗せたあと、別のホテルでもう一組のツアー客を乗せるというのでそのホテルまで出迎える。このツアーガイドは年配の男性だ。それだけに、大学の様子をよく知っていて説明が上手だ。
  ホテルから約15分のドライブでマサチューセッツ工科大学(MIT)に着き、見学。30年以上前、日本の東京工業大学(TIT)工学部の制御工学科に勤めていて、ロボコンが広まり始めたころMITの学生とTITの学生が交流しあって、ロボット作りを行っていたので技術レベルの高いMITを知った。そのMITの見学ツアーがあると知り参加した。あいにく、ツアー当日は土曜日、キャンパス内にいる学生、教職員の姿は少ない。本来なら見学できるという研究室に入れない。金属の研究をしている一部の研究室を窓越しにみることが出来た。工学系の研究室内の様子は、アメリカの大学も日本の大学も同じだ。ただ、キャンパスの建物は大きく、芝生の庭が広いのはうらやましい。MIT学生館内のフードコートにてランチタイム、寿司が食べられるのには驚く。 昼食後、車で10分のところにあるハーバード大学へ移動。こちらの大学も広い。広いアメリカだけあって、大学キャンパスも広い。図書館・メモリアルホール等外観観光 、ハーバードCOOP(大学生協)でのお買い物タイムと称し、ハーバード大学のお土産探しだ。チョコレートがよく売れているというが、それはぼったくりチョコだとガイドはいう。何しろ、世界のノーベル賞授賞者数はハーバード大学が1位で151人ということもあって、この地からのお土産は気分的に有り難いと思われる。一方のMITノーベル賞授賞者数は5位で83人という。こうしたノーベル賞授賞者数が世界の上位にある大学がボストン市内にあって、お互いのキャンパスの位置もわずか5 kmしか離れていない。
【2015/09/19 (土):世界の頭脳MITとアメリカ最古の大学ハーバード大学 キャンパスツアー<日本語ガイド>5時間ツアー、$135(¥16,609)】
 
アメリカの故郷 プリマス日帰りツアー
 個人旅行のツアーはホテルまで送迎してくれる場合と指定された集合場所まで行く場合がある。ホテルまで送迎してくれるツアーは、他に参加者がいれば同乗するようだが、プリマス・ロックとメイフラワー号二世号のツアーは我々夫婦2人だけのツアーであった。出迎えてくれたのは美人ガイドのIさん、ベンツに乗っての快適ツアーだ。2010年にモンシャンミッシェルそして近くのロスコフという港からフェリーでイギリスのプリマスへ渡った。この地から1620年にアメリカ東海岸へ向けてメイフラワー号が出港、そのときにピルグラムファーザーズが踏んだ石が大事に保存されていた。それをみたら、いつかアメリカサイドの踏み石プリマス・ロックも見たくなりこのツアーを選んだ。ガイドのIさんは、ボストン市内案内のベテランのようで説明も上手だ。
  踏み石プリマス・ロックとメイフラワー二世号を目指して1時間ほどドライブ、踏み石を見る前にプリマス・プランテーションに案内された。ここには、入植した当時の原住民の生活ぶり、それに1620年にメイフラワー号で渡ってきたイギリス人たちの住居とその内部の生活様式が手に取るように展示されている。当時の服装をした男女住民がここで生活しているかのように住居の中や畑で作業をしている。ここでは、アメリカ原住民の人たちと入植した当時のイギリス人たちの様子がうかがえ、ツアーに参加してとてもよかった。
  この入植地を出て、海岸にある踏み石を目指してドライブ。目前にメイフラワー号二世が停泊しているのが見える。この船は博物館として中に入れるようになっている復元されたメイフラワー号二世だ。この復元されたメイフラワー号二世も大西洋を渡ってきたものだということだ。180トンという小さな船に102人が乗ってよくも大西洋を航海し、アメリカにたどり着けたものと感心する。目的の踏み石プリマス・ロックは海岸に静かに横たわっている。その石は立派な石柱で支えられた建物風モニュメントの中に保存されている。これでイギリス側とアメリカ側のプリマスの「プリマス・ロック」見ることができた。
  ボストンに戻る道すがら、明日帰国するのでホテルに戻らずボストン美術館にもよってみたいとガイドのIさんに相談した。Iさんはこころよく承諾してくれ、しかも月曜日で4時半に終わるということも調べてくれ、美術館へ向かった。閉館まで2時間しかないので、入場券の手配、入館したらまず日本人なら見ておくとよいという要点を館内案内図にマークしてくれた。こうして、かねてから念願であったプリマスを訪問し、メイフラワー号二世、プリマス・ロックをこの目で見ることができ、さらに半分諦めていたボストン美術館も見学出来た。親切なガイドのIさんに出会え、晴天に恵まれ、帰国直前の貴重な1日をツアーに有効に過ごすことが出来た。この場をかりてIさんに感謝する。
【2015/09/20 (日):アメリカの故郷 プリマス日帰りツアー<4〜11月/日本語ガイド>$145(¥17,839)】

 ボストンではロブスターとクラムチャウダー(牛乳を使い二枚貝が入ったさらっとしたスープ)が有名だといわれるので、ホテル近くのシーフードレストランに入り食べた。味の比較は難しい。ロブスターもクラムチャウダーも確かにうまい、が鰻重の方がうまい!と2人の感想。
 
平成27年11月22日(日) 自宅にて記す







ニューヨークの想い出
   ニューヨークに行ったら何を観たい、何をしたいのかMakikoと相談した。その結果、@ミュージカルを観たい、Aナイアガラの滝を訪れたい、Bアーミッシュ村を訪れたい、Cゴスペルを聴きたい、Dセントラルパークで自転車に乗りたい(Koichiの希望)が候補にあがった。現地オプショナルツアー予約専門サイトVELTRA(ベルトラ)という世界各地のツアーを扱っているサイトのホームページを見たら、上記希望をかなえるツアーがあることがわかり予約し、ニューヨーク入りした。
 ホテルもインターネットで調べ、ワシントンDCとフィラデルフィアはBooking.com、ニューヨークとボストンはBudgetplaces.comというサイトを使い見つけた。ミュージカルを観たいのでタイムス スケアに近く安いところということでNew York InnというホテルをBudgetplaces.comで予約した。
 
ニューヨーク入り
  フィラデルフィアからニューヨークへの移動は、Amtrak(乗車運賃1人46ドル)を利用。ワシントンD.C.で市内観光をした折り、ガイドから赤帽(Red Cap)の利用方法を教わった。それによると、5ドルチップを払うと重いトランクを車内まで運んでくれ、しかも行列している客とは別ルートで列車内に誘導してくれるので早くに車内に入れると聞いた。フィラデルフィアのユニオン駅で初めてその赤帽を利用した。
 12時54分発のニューヨーク行きが50分遅れで発車。当地では遅れることが多いようなので待つことに慣れてないとイライラする。午後3時に2時間ほどの列車の旅でニューヨークのペンステーション(ペンシルベニア駅、通常ペンステーションというようだ)に着く。ペンステーションは渋谷、新宿、池袋並みかそれ以上の混雑ぶりだ。ホテルNew York Innは、ペンステーションとセントラル パークとの中間(8番街、47丁目、8th  Ave.、 W.47th)にある。荷物があるのでタクシーを利用してホテルへ向かう。駅のタクシー乗り場は長蛇の列だが、何台もくるので思ったより早く乗れる。チップ込みで13ドルだからそれほど遠くではない。
   ホテルNew York Innは名前のとおり宿屋風でエレベーターなし、部屋は4階の401号室。屋根裏のようで部屋で狭く、机、椅子、バスタブ、ロッカー無し。部屋に入っても座るところはベッド端。部屋の変更を申し出るが、満室なので今日は出来ないという。明日は11時には空きができるので、それ以降なら移動可能だという。今日は我慢せよとのこと。明日を期待して、夕方、直ぐ近くのタイムズスケアへ行き、食事し当日売りチケットを求めマンマミヤを鑑賞。その翌日は、「ライオン キング」、またその翌日は「レミゼラブル」を鑑賞。3日連日ミュージカルを鑑賞した。
 
セントラル パーク自転車ツアーの想い出
   ホテルから徒歩20分で行けるセントラルパークの自転車ツアーに参加した。「NYで一度は必ず訪れたいのは、ハリウッド映画にもよく登場するセントラルパーク。広すぎて何を見ればいいのかわからない!という方にはこのガイド付の自転車ツアーがオススメ。効率よく公園内を満喫出来ます」とツアー案内にある。確かに、過去2度ほどニューヨークのセントラルパークを訪れたことがあるが、あまりにも広くて何処へ行ったらよいかわからない。歩いて一回りするには相当な距離がありそうだということはわかる。
  朝9時15分、Bike and Roll NYC タバーン・オン・ザ・グリーン集合とあるが、その場所が公園内道路から引っ込んだところにあり見逃して通り過ぎる。園内売店のおじさん、園内パトロール中のパトカー警察官に聞くがあっちだというが見当たらない。あきらめて帰ろうと入り口方面へ行ったところ、道路の奥まったところに自転車が並べられてある集合場所を発見。既に10人ほどの客がガイドと共に出発寸前。迷った理由を告げ、仲間に入れてもらう。ヘルメットと身体に合う自転車を選び、ペットボトル一本を受け取りなんとか、仲間入りし出発。中年 女性のガイドは、発音からしてどうもフランス系のアメリカ人のようで、説明がききにくい。しかし、とても親切で、スピードを出せないMakikoのなにかと面倒をみてくれ、遅れると途中で待ってくれたりした。園内は平坦地だけではなく、上り下りの坂がある。Makikoはどうしてもその坂にさしかかると遅れ気味、下る坂になると怖いといいブレーキをかけながら走るのでこちらでも遅れがちだ。こうして遅れがちのMakikoだが、ガイドはいつも後ろを振り向き気にしてくれている。
   セントラルパークは南北に4 km、東西に0.8 kmと細長くてとても広い公園である。あまりにも広いので歩いて一回りするは困難、自転車ツアーに参加してよかった。英語ガイドではあったがガイドはとても親切だ。園内で案内された箇所は、ベセスダの噴水、ストロベリー・フィールド、ダコタ・ハウスやジャクリーン・ケネディ・オナシス貯水池などセントラルパークを代表するモニュメントの数々。他には、「クレオパトラの針」、「シープ・メドウ」、「シェイクスピア・ガーデン」や「マリオネット・シアター」など、セントラルパークの歴史で重要な役割を果たしてきたところを見学した。いろいろ案内され説明を受けたが英語力不足で理解できなりことばかりだ。公園の南端で広い範囲にわたり、かつて多くのホームレスが住みついていたという。それが、今では整備され池をつくり、まるで自然の中にいて絵になりそうな素晴らしい景観に様変わりし、渡り鳥たちのオアシスになっているという説明が印象に残る。ニューヨークは硬い岩盤の上にあり、その岩盤の一部がこの園内のところどころに露出しているので見ることができる。園内にはジョンレノン“Imagin”と書かれた大きな円形名盤が地面に設置され、多くの観光客がその円盤上で記念写真を撮っている。いくつもの銅像が建っていて、その説明をするがついていけない。残念!Makikoは長い坂道を乗り切れず歩くこと多し。その度にガイドが心配して出迎えに来てくれる。体力に限界がきたようだ。その一方、Koichiは普通に乗りこなし、セントラルパーク自転車ツアーをエンジョイしている。
 
  ツアーを終え、自転車から下りたMakikoは安堵のため息。丁度昼にさしかかったので園内レストランに入る。隣の席にフロリダから来たという老夫婦が、話しかけて来た。日本から来たというと夫婦の娘さんが高校生のころ、日本に交換留学し、日本の高校生を面倒みたという話しになった。食事の注文にサジェスチョンを頂き、夫婦が食べたサラダとパン・コーヒーにする。夫婦は先に帰るといい、支払いを済ませた。直ぐに我々の席に戻ってきて、あなたたちの分も精算済みなので払わなくてよいという。なぜ、と聞くと会話をしたなかで金婚式を迎えたのでアメリカ東海岸列車の旅をしていると話したので、そのお祝いだという。何気なく話した話題なのに、気を使ってそつなくご馳走してくれる、スマートなやり方に感心し、嬉しく思う。先に帰ったかと思った夫婦はトイレに行っていたので、レストラン入り口でまた会った。記念写真を撮って分かれた。後日、写真を送るということでメールを出すというのでメールアドレスを知らせる。その返事を待って写真を添付することの約束をした。だが、いまのところまだ返事がないのでお礼の言いようがない。乏しい会話力であったが、全く未知な人とふれあい金婚式のお祝いだといいご馳走になった。とても嬉しいので、そのお礼がしたいのだが、メールが来ないので残念に思っている。
<ニューヨーク セントラル・パークでサイクリングツアー:超人気観光スポットを自転車で回ろう!憧れのセントラルパークでサイクリングツアー<午前/英語ガイド>2.5時間ツアー、$45>
 
ミュージカルのはしご
  ミュージカルは大好きなので、しばしば行くわけではないがニューヨーク、ロンドンへ行ったときには必ず鑑賞している。タイムズスケア付近はブロードウェイ・ミュージカル劇場がたくさんある。ホテルの部屋は狭くてサービスは悪いが、劇場が多く並ぶタイムスケアやブロードウエイまで1、2分で行け、ミュージカルを観に行くにはとても良い位置にある。そのため、マンマミヤ、ライオン キング、レミゼラブルを三夜連続で観て、数日おいてマチルダというミュージカルも観た。
  今回の旅ではホテルがブロードウエイの直ぐ近くなので、4回も鑑賞した。その第1回目はニューヨークに到着した日(9月9日)に「マンマミヤ(Mamma Mia)」、10日に「ライオン キング(The Lion King)」、11日に「レミゼラブル(Les Misérables)」を鑑賞した。そして、12、13日はナイアガラの滝見学し、14日はFree。15日アーミッシュ村とフィラデルフィア観光、16日ハーレムツアーとゴスペル鑑賞、夜ミュージカル「マチルダ(Matilda)」鑑賞。結構ハードなスケジュールだが、好きなことをするには楽しく疲れない。旅行中は毎日一万歩以上歩く。
    ミュージカルのチケットは、当日あるいは前日に劇場へ出向き買うのだが、最後のマチルダは、タイムズスケアで客引きダフ屋から買った。客引きダフ屋はその場でチケットは売らず、近くの事務所へ客を案内する。その事務所は、チケット専門に扱うらしくカウンターがあって、事務員が2人いる。客引きダフ屋からその事務員にバトンタッチされ、鑑賞したい演目を告げるとそのチケットが買える。劇場へ直接行っても買えるが、ダフ屋から買った方がやすいかもと思い、初めて買ってみた。本当に安いかどうかは確認していない。
 
★マンマミヤ:ニューヨーク入りしたときに直ぐにマンマミヤの看板が目に入り、一番安い席の当日売り1人70ドルを求める。8時開幕だ。このミュージカルは、最初映画で観た。その後、イギリスへ行った時ロンドンで観た。さらに日本で本場ブロードウエイ・ミュージカルが上演するというので観た。今日観ると舞台のマンマミヤ・ミュージカルは3回も観たことになる。既に観ているので筋は理解出来た。音楽と舞台演技は陽気で楽しい、それに音楽のノリがよく気に入っている。夜10時頃終わる。見終わった感想はただただ楽しかった。
★ライオン キング:初めて観たので筋は少ししか理解出来ないが、狭い舞台上でライオンはじめいろいろな動物を表現しているのは素晴らしい。
★レミゼラブル:これも映画とミュージカルを観ているので、ストーリーは理解できる。聞き慣れた素晴らしい音楽も聴けて楽しめた。
★マチルダ:初めて観たので、ストーリーはやや消化不良だ。ただ、子どもが主体のミュージカルなので、それなりに楽しめた。
 ミュージカルは音楽劇なので、楽しい音楽、知っている音楽が歌われると心温まる。マンマミヤは9月12日に終演ということだったので、その4日前に鑑賞でき良かったと思っている。
 
    ニューヨークの市内観光は以前きたときに行っている。今回は上述したようにセントラル パーク自転車ツアー、ミュージカル鑑賞、ゴスペル鑑賞、それにニューヨークを基点にアーミッシュ村とナイアガラの滝ツアーを行った。ナイアガラの滝については、左側にあるカレンダーの9月15日、アーミッシュ村については9月17日、ゴスペル鑑賞については9月18日に投稿してあるので、カレンダーにアンダーラインを引いてある9月15日、17日、18日をクリックするとその様子を述べてある記事が現れる。【2015.9.9〜17】
 







フィラデルフィアの想い出
  ワシントンDCに4泊した後、2015年9月5日、ワシントンDC ユニオン駅11:25発が20分遅れで11:45に発車、1時間50分ほどでフィラデルフィア30th Street Station駅に着く。フィラデルフィアのこのAMTRAK路線は、今年の5月にカーブでスピードを出しすぎ脱線転覆し、多くの死傷者を出した路線だ。今は修復し正常に列車は動いている。フィラデルフィアの30th Street Stationという駅は、ワシントンDCのユニオンステーションとおもむきが異なり、何となく落ち着いた感じで感じの良い駅である。どの駅にも構内には食事ができるフードコートがある。一回りしたところ、中華風の食べ物もあり駅でゆっくりと食事ができそうだ。9月9日にこの駅からAMTRAKでニューヨーク(ペンシルベニア駅)に行くことわかっているので、1人46ドルで0乗車券を求めておいた。この区間は、それほど遠くなく1時間20分ほどで行ける。
 
  ここフィラデルフィアで4泊するホテル名は「Embassy Suites Philadelphia -Center City」という長い名前のホテルだ。なぜ、スイートという名前がついているのか不明であったが、聞いて見てわかった。それはホテルの建物は円柱形で28階の高いビル。そのビルすべての部屋がスイートルームのようなのだ。その部屋代が一泊137ドルなので大変安い。部屋は、ベッドルームと居間の2部屋あって広くて清潔で落ちつける。ホテルは駅より近いと判断して選んだので歩いても行ける距離だ。しかし、重い旅行用トランクを引きずって歩くには少々つらいと判断しタクシーを使う。やはり近いのであろう8ドルのタクシー代でホテルに着く。
  ホテルのチェックインカウンター周囲は、異常なほど若い人でごった返している。話しによると、着いた日は土曜、この土日にかけ、アメリカの有名な女性アーティスト“ビアンセ”他の歌手が来るコンサートがホテル近くの公園で夕方から始まるという。そのためホテルは、到着したばかりのチェックイン客、新たに空き部屋を探し求めている若者たちで混雑していたようだ。11階の部屋から階下を覗くと、ゾクゾクと近くにある会場へ向かう女性の集団が見える。このホテルにも多くの若い女性が泊まっているようだ。ロビーが混んだのは、コンサートへ行く女性たちであった。
 
  フィラデルフィア入りして2日目。ツアーの予定を入れていないのでホテルから20分ほどで歩いて行けるところにあるアメリカ独立時に打ち鳴らしたという自由の鐘を見学。この鐘はアメリカ独立を記念する鐘で、ペンシルヴェニア州植民地議事堂(インディペンデンス・ホール)において1776年7月8日独立を宣言し、民衆に独立宣言を公表した際、それを 祝して打ち鳴らされたという鐘である。その鐘が展示されている建物が近くにあることを知り徒歩で出かけた。世界各地およびアメリカ全国から大勢の観光客が 訪れ賑わっている。この自由の鐘がある建物周辺を一回りする観光馬車がある。今回の旅は我々の金婚式を祝う旅なので、乗って見たい気がする。5台ほど馬車が待機している。御者(馬車を走らせる人)は男性が多いが女性もいる。たまたま通り過ぎようとしたとき、若い女性御者と目が合い、お値段を聞いたところ20分間ツアーで40ドルという。Makikoはこの女性御者は可愛いのでこの馬車に乗ると言いだしたので乗ることにする。移動が遅い馬車だから周辺の由緒ある物をゆっくりと説明をしてくれる。雑談を交えながらのびりと自由の鐘の周辺を2 0 分間観光ができた。乗ったことのない珍しい馬車に乗り古都の観光ができ、可愛い女性と英会話実践ができた20分間、これで40ドルとは安い!!!
 
  この自由の鐘の 近くにグレンハウンドという全米を走るバスの発着所がある。そこで、翌日訪問予定のリーハイ大学(ベスレヘム市)までのバス発車時刻の確認と乗車券の買い方を調べにでかけた。ついでに、乗車券を求められるかと聞くと、自動販売機で求められるというので中国系アメリカ人の操作の助けを借り、フィラデルフィア発12時半(この時間以前の便はない)、帰りは夕方ベスレヘム5時55分の乗車券を求めた。このとき、シニア割引の手続きもしてくれ、往復1人25ドルの切符を入手した。1日に3往復ぐらいしか走っていないので帰りのバスを見逃すとベスレヘムに泊まらなくてならない。
 
  こうして自由の鐘、馬車観光、ベスレヘム往復切符を入手し帰路についた。午後5時なので、早い夕食と思いレストランを探すが、日曜日で開いている店がない。とある中華店が開いているので入った。どうもテークアウト専門店の ようだ。椅子とテーブルがあるので座り、オーダーした。焼きそば1人前(2人でシェアで丁度よい)、セブンナップ、カットスイカ、ワンタン スープで計21ドルと安い夕食だ。ホテル近くに来ると相変わらず若い人がゾクゾクと音楽会会場向へ向かっている。周辺は警察車両、ゴミ収集車(バリケート代わり?)、パトカーを使い会場に通じる道路を封鎖している。朝、自由の鐘見学前に近くにある音楽会会場を見に行った。入り口には大きく《Made in America》と書かれた横断幕がある。この文字は音楽会のタイトルで、音楽会には有名なアメリカ人の“ビアンセ”がくるようだ。そのためにどうも全米から若者が集まってきたような雰囲気である。なにしろ2日間にわたり、ホテルの窓から様子を眺めていると夜に始まるというのに午前中から入場者が集まり出し、信じられないほどの多くの若い女性が群れをなして集まるといっても過言ではない。しかも、髪の毛を逆立てたり、動物のようなお化粧をしたりした若者たちもいる。我々はさんざん歩きまわり疲れたので、早々に寝る。
 
  フィラデルフィアのホテル「エンバシー・スイート・ホテル Embassy Suites Philadelphia -Center City」周辺はこの2日間、大きなコンサートが近くで開催されたので周辺は大混乱。そのため、部屋に不具合があったのでクレームをつけても相手にしてくれない。意見だけ聞き、対応は明日にしてくれという。ドアの不具合、電子キーの不具合のために部屋を変えて欲しいと申し出たところ、コンサートが終わった3日目になって11階から26階の眺めがよい部屋に交換してくれた。 
 
   9月7日はレイバー・ディでどこも休みだ。リーハイ大学へ行き、50年前にお世話になった研究所を尋ねる予定であったが、休みで誰もいないと意味ないのでその翌日に行くことにした。求めておいたバス乗車券を翌日に変更してもらいにグレンハウンドバス発着所に行った。その切符は1週間有効だと言われベスレヘム行きを翌日にした。発着所からタクシーを使い、政治家、物理学者として有名なベンジャミン・フランクリン博物館へ移動。フランクリン博物館の入場料は1人19.8ドルと比較的高いと思ったが、楽しめる内容、展示物が多い。その博物館は我々のホテル「エンバシー・スイート・ホテル」の直ぐ近くにある。この博物館は物理、科学、原子力、通信、宇宙探険などのテーマを自分で操作しながら子供でも大人でも楽しみながら理解できるようになっている博物館である。大型の蒸気機関車、宇宙飛行に関する展示物、人体のことが分かる摸型、飛行機が飛ぶ原理など、それにここにも月の石が展示されていた。体験コーナーもあっていろいろ物をいじらしてくれ、楽しい1日を過ごすことができた。
 
  ホテルに戻り部屋の変更について、いろいろと世話になったマネージャーのマックさんにけん玉をプレゼント。彼の前でけん玉を披露すると目の色を変えて大喜び。こうして、賑やかだった2日間の滞在の後、眺めのよい26階という高階で眺めのよい部屋に落ち着いた。この階から昨夜まで行われたコンサート会場が遠くに、それに今日訪れたフランクリン科学博物館が眼下によく見える。
 
  眺めはよい部屋だが、こんどは入り口の蛍光灯が切れそうで点滅状態、それに机上スタンドの電球の根本が誰かが倒して壊したままのようで折れている。それに加えてトイレの水の流れが悪い。折角眺めのよい 高階に移してもらったので、あと2晩すればニュウヨークに移るので部屋より景色を優先させ我慢することにした。値段の割にはとてもよい部屋だと思ったが、細かいところで手抜きがあるホテルだ 。ホテルの星:☆☆☆☆
 
 リーハイ大学は1865年設立というから、150年の歴史がある。それに比べて、ハーバード大学は1636年設立で379年の歴史、日本の最古の大学である東京大学は1877年設立で138年の歴史がある。リーハイ大学は東京大学より少々古く歴史ある大学だ。この大学はもともと男子校であったが、1971年から共学。ペンシルヴェニア州ベスレヘム市(人口約71,000)に位置する中規模都市型の私立大学で、フィラデルフィアまで約90キロに位置する。
 
 この大学で1963年から1965年にわたり2年間大学院で学んだ。この間、ケネディー大統領が暗殺され、また東京オリンピックが開催された。帰国してから20年位に1度だけ訪れたことがある。今後いつ行かれるか分からないのでフィラデルフィアに滞在している今、Makikoと大学を訪れることにした。50年前はキャンパスの芝生が多くリスをよく見かけた。今でも芝生は当時と同じだが、リスの姿は見られない。当時は男子校であったが上述したように1971年から共学になり女子学生の姿も多く見られ、地味だったキャンパスが華やいで見える。キャンパスは昔の通りに美しい。大学は宿題が多く、宿題と言葉の壁で苦しんだころが懐かしい。今思うと、その苦しみが今の自分を支えているようだ。
 
  ベツレヘムには今は倒産したベツレヘム製鉄会社の本社があった。当時は会社が元気であったので街も活気を帯びていた。ベツレヘムは製鉄会社がある街としても有名である。大学は橋梁や高層ビルに使う鉄の構造物の研究が盛んで、委託試験・研究を数多く行っていた。その研究を行っているFritz Laboratory Civil and Engineering Environmental、通称フリッツ・ラボと呼んでいる研究所の実験計測研究室に所属し、力を加えた鉄鋼、鉄柱、構造物などのひずみ計測を行った。研究を半日行い、残る半日大学院の講義を聴くということで、授業料と生活費を大学から受け留学を果たした。「Half Time Research Assistant」という奨学制度を受け、その身分で訪米した。この時、毎日のように実験に使用していた最大2,000トンの力で圧縮、引っ張りテストが行える当時世界最大の試験機が今も50年前の姿のまま使われている姿を見ることができ感動した。
 こうして、土木工学科の研究所に所属し働き、学業は電気工学科に所属しながら学ぶという二またをかけた生活を2年間行い、修士号を取得し1965年8月に帰国した。その年の10月に結婚したので、今年で丁度結婚50年目、つまり金婚式を迎えた。
 
  以上のようにリーハイ大学を訪問するためにフィラデルフィアからグレイハンドバスに乗り片道90キロのところにあるベスレヘム市を往復することも出来た。バスは、1日3往復しかないので、帰路のバスを見逃すと大変だということでかなり気をつかった。今も変わらぬリーハイ大学を訪れ、50年前の思い出がよみがえりとてもよい訪問ができた。恐らく、もう二度と訪れることはないと思われる。今回訪れることができ本当によかった。
 フィラデルフィア滞在中はツアーを申し込まなかった。しかし、ニューヨークか出発するアーミッシュ村訪問ツアーにはフィラデルフィアツアーも含まれているので、ニューヨークから日帰りでフィラデルフィアに再度訪問することになる。
 
平成27年11月3日(火) 自宅にて記す







ワシントンDCの想い出
   ワシントンD.C.のダレス国際空港に着いた。直ぐにリムジンを見つけることができワシントン・コートホテルに順調に着きアメリカの生活が始まった。ここワシントンD.C.では、スミソニアン航空宇宙物館、アーリントン墓地、セグウェイでホアイトハウスとリンカーン記念館などを訪れる計画をあらかじめしてある。広いアメリカなのでレンタカーを借りて訪れるのがよいことはわかっている。しかし、日本とアメリカのハンドル位置が異なることから、運転に自信なく訪れる都市ではツアーを利用することにした。その第1番目がワシントンD.C.市内観光ツアーである。旅の一連のツアーは、インターネットで申し込めるツアー会社VELTRAを利用し、あらかじめツアー計画は立ておいた。英語に自信がないので、できる限り日本語ツアーを選んだ。
 
 いくつかあるワシントンD.C.の観光コースのなかで、「首都ワシントンDCの見どころ網羅!じっくり観光できる 市内1日観光ツアー<日本語ガイド> 6時間ツアー $95」を選んだ。ツアー案内の概要説明に“アメリカの首都にして世界的な政治の中心地、ワシントンDC。ホワイトハウスやリンカーン記念堂、スミソニアン博物館などテレビでしか見たことのない有名スポットが沢山!ケネディ元大統領夫妻が眠るアーリントン国立墓地、世界的に貴重な展示物をとりそろえた博物館群スミソニアン博物館も観光する充実のプランです!”とある。訪れる箇所は以下の通りである。
●国会議事堂(下車、観光のみ)
●ペンシルバニア通り(車窓)
●ホワイトハウス(下車、外観のみ)
●ワシントン記念塔(車窓)
●ジェファーソン記念堂(車窓) 
●リンカーン記念堂(入場)
●フードコートにて各自でランチをとる。
●アーリントン国立墓地(入場)。ケネディ元大統領の墓を訪れる。
●スミソニアン博物館(入場)
 ツアー集合場所は、ユニオン駅 (Union Station)構内、Amtrak ゲートA前と明記されてある。男性ガイドが定刻に現れ、もう一組の客がニューヨークからAMTRAKでやってくるという。列車が20分ほど送れるという情報が入っているので、少々待つ。まもなくして、一組の女性親子が集合場所にやってきたので、今日は4人のツアーであるとガイドがいう。
 
 海外の大きな都市を訪れるとまず半日もしくは1日観光ツアーバスに乗ることにしている。それは、大まかに市内の様子と観光スポット所在位置を確認するためである。ワシントンD.C.へ行ったら、スミソニアン博物館、ケネディ元大統領の墓があるアーリントン国立墓地、ホアイトハウスはぜひ訪れたい。これが可能な市内観光1日ツアーが上述したツアーであることが分かり予約した。ケネディ元大統領の墓はぜひ墓参りしたとかねてより思っていた。その理由は、1963年11月22日にケネディ元大統領がダラスで狙撃、暗殺された時、ペンシルベニア州ベスレヘム市に留学していたからである。当日、日本にいる彼女(今の妻)にクリスマスプレゼントを送るため郵便局にいた。局員たちは呆然とし、送ろうとしている私の郵便物を受け取ろうともしない。涙ぐむ人もいる。こうしたこともあって、いつかはアーリントン国立墓地を訪れ、ケネディ元大統領の墓参りをしたいと思っていた。その願いがかなえられた。
 
 もう一箇所、どうしても訪れたいところは、飛行機、ロケットなどの実物が展示されているスミソニアン航空宇宙博物館である。若い頃、飛行機やロケットが大好きで航空宇宙技術研究所というところで研究を行っていた。その大好きな飛行機、ロケット、人類初のフライトに成功したライト兄弟の飛行機、ゼロ戦などの実物を観ることがスミソニアン航空宇宙博物館できる。有名な展示品についての解説をツアーガイドがしてくれるので、広いスミソニアン博物館内を要領よく見学ができる。ガイドの説明なしでは、短時間ではとても見きれない。ツアーのメリットはここにあると思った。
 その他の観光でも、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件でアメリカン航空77便(ボーイング757-200)が国防総省本庁舎(ペンタゴン)に激突し、炎上したときの建屋の焼けた壁を車中から見学できたし、ワシントン記念塔の中間ほどから色が変色している理由などの説明もしてくれた。塔の変色は南北戦争が起こったので、数年の間工事が一時中断したためであるとの説明があり納得。さらには、1963年8月にキング牧師がリンカーン記念館の階段に立って演説した箇所は、階段中間に刻まれた「I have a dream.」の文字のところだというような説明もある。そこに立ったら、当時の想いがよみがえってきた。こうした秘話はツアーでなければ聞けない話である。
 
 外国のツアーで戸惑うのは、ツアー集合場所を見つけることである。本ツアーはユニオン駅構内のAMTRAKゲートA前とある。地図が添付されていたので、大まかな所在地はわかる。駅構内に入りAMTRAK(初めての人ならこれ何?と思う)ゲートAを探すのがまた難しい。我々の場合、前日にわざわざユニオン駅まで行って、ゲートAを確認しておいたので問題なかった。しかし、初めてだとすると迷うことがあるかもしれない。現に後日参加したニューヨークの自転車ツアーの集合場所、ゴスペルツアーのビル2階の集合場所、ボストンのフリーダムトレイルツアーのホテルロビー集合場所など、何カ所かの集合場所は見つけるのに本当に苦労した。場所が特定出来れば、そこへ行けばガイドがツアー名を書いた用紙を掲げてくれるので直ぐにわかる。
 ガイドから赤帽(Red Cap)のことを教えてもらった。赤帽のチップは5ドルだという。赤帽は重い旅行鞄のような荷物を運んでくれると同時に、列をなす一般乗客に先駆けて列車内の座席まで荷物を運んでくれるという。大きな荷物を持って列車で移動する場合、大変助かるので赤帽を利用するとよいことを教えてくれた。
 赤帽に荷物を運んでもらう手順は、まず運ぶ荷物を確認してもらい乗車券を見せ発車時刻とどこ行きの列車かを確認してもらう。発車までの時間がなければ、そのまま赤帽と一緒にホームへ向かう。時間があるなら、赤帽の名前を覚え(赤帽が名前を名乗る)台車に乗せた荷物を預けて食事なり買い物に出かける。発車時刻(赤帽が発車何分前にここに来いと時間を指定する)ので、その時刻の少し前に戻ると荷物のそばに頼んだ赤帽がいるので、彼と一緒にホームへ進む。列車が入ると、指定席ならその場所まで、そうでなければ列車内の荷物置き場に荷物を置いてくれる。その時点でチップ5ドルを支払う。ワシントンD.C.のユニオン駅では5ドル支払った。よく考えたら、このチップは1人分の荷物のような気もしたので、ニューヨークからボストンへの移動時には夫婦2人なので10ドル支払った。
 アメリカではこうしたチップがホテルのボーイ、部屋掃除のメイド、レストランのボーイ、タクシー運転手、ツアーガイドなどなどで必要になる。大まかなチップの額(割合)はガイドブックに書いてあるが、赤帽に関しては不明であった。それを、ワシントンD.C.観光ツアーに参加したお陰で明らかになり、利用し大変助かった。よく、外国で観光バスにのるとツアーが終わり、別れ際にガイドと運転手にチップを出す。その額は1日ツアーで10ドルぐらいのチップだと日本人ツアーガイドから聞いたことがある。チップは特別な配慮に対する感謝のしるしなので、人個人で異なる。額を決めることはないが、ある程度の相場は知っていたほうがよいと思いここに記した。
 
 “セグウェイ”というのは立ち乗り電動二輪車だ。それに乗って警察官がパトロールしている姿をテレビで見たことがある。日本では今のところ乗れない、そのセグウェイに乗り、ホワイトハウス、リンカーン記念館など観光スポットをスムーズにさわやかに駆け抜けるという2時間ツアーを見つけた。そのツアー名は「セグウェイを体験しながら名所めぐり!ワシントンDC 2時間観光ツアー<午前/英語ガイド>2.5時間ツアー $65」である。Makikoには内緒で、2人の参加を申し込んでおいた。その日が来た。
 集合場所である「シティ・セグウェイ・ツアーズ・オフィス」は、ユニオンステーションに近くにある我々のホテルから歩いては無理なところだ。地下鉄ユニオン駅から1回乗り換えで6駅ある。地下鉄駅には自動券売機しかなく、切符の買い方がわからない。切符の値段は時間帯によって異なるので、時間帯も購入時に選ばなければならないのでますます買い方がわからない。自動販売機で切符購入は難しいと判断し、親切な黒人駅員に助けを求め購入する。目的の駅名はフォギーボトムメトロ駅という。下車したらなんとこの駅は「ジョージ・ワシントン大学」のキャンパス内にある。駅から歩いて約10分、セグウェイが10数台店頭に並べてあるシティ・セグウェイ・ツアーズ・オフィスを見つける。ここに来るまで、2人の通行人に道を聞く。10時スタートの30分前に着き、怪我した場合の保険の手続き、および万が一セグウェイを壊した場合の補償金支払いのためのカード提出を求められる。カードはツアーが終わると返却される。山積みされてあるヘルメット入れから自身に合うサイズのヘルメットを選ぶ。店の前にはちょっとしたセグウェイ練習場があり、出発前、そこで20分ほど乗り降りやり方のコツを教えてくれる。Makikoも一緒に習い始めるがどうしても怖いという。我々以外にもう一組の若いカップルがいるが、彼らは練習して直ぐに乗れるようになる。結局、Makikoはリタイアを宣言し、店で待っているという。
 
 セグウェイは重心移動で前後進、左右回転ができる乗り物だ。乗り方もほんの10分もあれば、普通なら出来るようになり、直ぐに乗れる。幅広い一般車道を快走。走りながら右だとか左だとガイドが指示するのでその指示通りに走る。セグウェイの走る速度は自転車なみだそうで、普通に走って時速10キロぐらいだという。ガイド用のセグウェイの走行速度は、それより速く走れるように調整してあるそうだ。Makikoは店で2時間待つというので彼女を残し、我々3人とガイドを合わせ4人は、ホアイトハウスへ向け10時に店を出発する。
 事前に知らされているセグウェイ・ツアーハイライトは、以下の通りである。
●ホワイトハウス
●アイゼンハワー行政府ビル
●リンカーン記念館
●世界第二次大戦記念碑
●ワシントン記念塔
●国立公園ナショナル・モール
●ラファイエットパーク
 このツアーは英語ツアーだ。英語の解説なので聞き取れないところが多々ある。ツアーが終わってみるとホワイトハウス、リンカーン記念館、ワシントン記念塔の3つが強く印象に残る。とくに印象に残っているのは、リンカーン記念館前の広場での自由走行である。一緒に走った仲間のカップル2人は、この広場端にセグウェイを置いてリンカーン記念館へ出かけた。私は2日前にワシントンD.C.市内観光ツアーで見学していたので、リンカーン記念館見学は済んでいる旨をガイドに伝える。ガイドはこの広いリンカーン記念館広場でセグウェイを乗り回してもよいというので、この広場でセグウェイの快適な走行を楽しむ。とくにどのくらいのスピードがでるかに興味があったので、最高と思われる速度を試して見た。感覚的には、時速10〜20 kmでやや速めの自転車速度ぐらいかと思う。それに、その場で回転ができるなど結構自由自在に操れることがわかった。今日は、金曜日で観光客が少なく広場は空いているので、セグウェイの乗り場としては非常に都合がよい。前進・後退、高速・低速、ジグザグ走行など自由に勝手な動きを楽しむ。セグウェイは立ちっぱなしで走るので、やや足がくたびれる以外は、快適でとても楽しい乗り物だ。2時間のセグウェイ走行を終え、Makikoが待つシティ・セグウェイ・ツアーズ・オフィスに戻りこのツアーは終了。
 
 ワシントンD.C.は、アメリカ東海岸の旅の始まりだ。ここからフィラデルフィア、ニューヨーク、ボストンへとAMTRAK(American Travel by Track)で移動する予定だ。乗車切符は日本で予約していなかったので、ワシントンD.C.のユニオン駅で出発前日に求める。ユニオン駅の出札口は空いていていたので、ニューヨーク行き切符は直ぐに買えた。ワシントンD.C.からフィラデルフィアまでの切符を買うのにパスポートの提示が求められる。出札係はシニア割引で1人72ドルだという。週末、ウイークディ、時間帯、年齢などによってAMTRAKの運賃は異なるようだが詳細はよくわからない。いずれにしてもシニア料金で買えたようなので10数ドルは安くなったようだ。指定席はなく、定員数を発売すると聞いているので、切符さえ求めれば必ず座れる。この切符を前述した赤帽に見せれば、発車時間に合わせて列車が入るホームへ、そして列車の中まで荷物を運んでくれる。9月5日にこのユニオン駅からフィラデルフィアの30th Street Station駅へ向かう。これで4泊5日のワシントンD.C.の観光を終え、フィラデルフィアに移る。
 
 ワシントンD.C.のホテルの印象:ホテルの名前は「Washington Court Hotel」,
ユニオン駅まで徒歩10分ぐらいのところで、食事なし1泊137ドルだ。部屋は、大きくてきれいだ。立派ではないがレストランはあるので、簡単な食事は出来る。周辺にレストランが見あたらないので散歩がてらユニオン駅まで歩いてでかけ食事する。ホテルの受付係は黒人で愛想なく対応が悪い。星:☆☆☆
 
平成27年11月2日(月) 自宅にて記す