ワシントンD.C.のダレス国際空港に着いた。直ぐにリムジンを見つけることができワシントン・コートホテルに順調に着きアメリカの生活が始まった。ここワシントンD.C.では、スミソニアン航空宇宙物館、アーリントン墓地、セグウェイでホアイトハウスとリンカーン記念館などを訪れる計画をあらかじめしてある。広いアメリカなのでレンタカーを借りて訪れるのがよいことはわかっている。しかし、日本とアメリカのハンドル位置が異なることから、運転に自信なく訪れる都市ではツアーを利用することにした。その第1番目がワシントンD.C.市内観光ツアーである。旅の一連のツアーは、インターネットで申し込めるツアー会社VELTRAを利用し、あらかじめツアー計画は立ておいた。英語に自信がないので、できる限り日本語ツアーを選んだ。
いくつかあるワシントンD.C.の観光コースのなかで、「首都ワシントンDCの見どころ網羅!じっくり観光できる 市内1日観光ツアー<日本語ガイド> 6時間ツアー $95」を選んだ。ツアー案内の概要説明に“アメリカの首都にして世界的な政治の中心地、ワシントンDC。ホワイトハウスやリンカーン記念堂、スミソニアン博物館などテレビでしか見たことのない有名スポットが沢山!ケネディ元大統領夫妻が眠るアーリントン国立墓地、世界的に貴重な展示物をとりそろえた博物館群スミソニアン博物館も観光する充実のプランです!”とある。訪れる箇所は以下の通りである。
●国会議事堂(下車、観光のみ)
●ペンシルバニア通り(車窓)
●ホワイトハウス(下車、外観のみ)
●ワシントン記念塔(車窓)
●ジェファーソン記念堂(車窓)
●リンカーン記念堂(入場)
●フードコートにて各自でランチをとる。
●アーリントン国立墓地(入場)。ケネディ元大統領の墓を訪れる。
●スミソニアン博物館(入場)
ツアー集合場所は、
ユニオン駅 (Union Station)構内、Amtrak ゲートA前と明記されてある。男性ガイドが定刻に現れ、もう一組の客がニューヨークからAMTRAKでやってくるという。列車が20分ほど送れるという情報が入っているので、少々待つ。まもなくして、一組の女性親子が集合場所にやってきたので、今日は4人のツアーであるとガイドがいう。
海外の大きな都市を訪れるとまず半日もしくは1日観光ツアーバスに乗ることにしている。それは、大まかに市内の様子と観光スポット所在位置を確認するためである。ワシントンD.C.へ行ったら、スミソニアン博物館、ケネディ元大統領の墓があるアーリントン国立墓地、ホアイトハウスはぜひ訪れたい。これが可能な市内観光1日ツアーが上述したツアーであることが分かり予約した。ケネディ元大統領の墓はぜひ墓参りしたとかねてより思っていた。その理由は、1963年11月22日にケネディ元大統領がダラスで狙撃、暗殺された時、ペンシルベニア州ベスレヘム市に留学していたからである。当日、日本にいる彼女(今の妻)にクリスマスプレゼントを送るため郵便局にいた。局員たちは呆然とし、送ろうとしている私の郵便物を受け取ろうともしない。涙ぐむ人もいる。こうしたこともあって、いつかはアーリントン国立墓地を訪れ、ケネディ元大統領の墓参りをしたいと思っていた。その願いがかなえられた。
もう一箇所、どうしても訪れたいところは、飛行機、ロケットなどの実物が展示されているスミソニアン航空宇宙博物館である。若い頃、飛行機やロケットが大好きで航空宇宙技術研究所というところで研究を行っていた。その大好きな飛行機、ロケット、人類初のフライトに成功したライト兄弟の飛行機、ゼロ戦などの実物を観ることがスミソニアン航空宇宙博物館できる。有名な展示品についての解説をツアーガイドがしてくれるので、広いスミソニアン博物館内を要領よく見学ができる。ガイドの説明なしでは、短時間ではとても見きれない。ツアーのメリットはここにあると思った。
その他の観光でも、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件でアメリカン航空77便(ボーイング757-200)が国防総省本庁舎(ペンタゴン)に激突し、炎上したときの建屋の焼けた壁を車中から見学できたし、ワシントン記念塔の中間ほどから色が変色している理由などの説明もしてくれた。塔の変色は南北戦争が起こったので、数年の間工事が一時中断したためであるとの説明があり納得。さらには、1963年8月にキング牧師がリンカーン記念館の階段に立って演説した箇所は、階段中間に刻まれた「I have a dream.」の文字のところだというような説明もある。そこに立ったら、当時の想いがよみがえってきた。こうした秘話はツアーでなければ聞けない話である。
外国のツアーで戸惑うのは、ツアー集合場所を見つけることである。本ツアーはユニオン駅構内のAMTRAKゲートA前とある。地図が添付されていたので、大まかな所在地はわかる。駅構内に入りAMTRAK(初めての人ならこれ何?と思う)ゲートAを探すのがまた難しい。我々の場合、前日にわざわざユニオン駅まで行って、ゲートAを確認しておいたので問題なかった。しかし、初めてだとすると迷うことがあるかもしれない。現に後日参加したニューヨークの自転車ツアーの集合場所、ゴスペルツアーのビル2階の集合場所、ボストンのフリーダムトレイルツアーのホテルロビー集合場所など、何カ所かの集合場所は見つけるのに本当に苦労した。場所が特定出来れば、そこへ行けばガイドがツアー名を書いた用紙を掲げてくれるので直ぐにわかる。
ガイドから赤帽(Red Cap)のことを教えてもらった。赤帽のチップは5ドルだという。赤帽は重い旅行鞄のような荷物を運んでくれると同時に、列をなす一般乗客に先駆けて列車内の座席まで荷物を運んでくれるという。大きな荷物を持って列車で移動する場合、大変助かるので赤帽を利用するとよいことを教えてくれた。
赤帽に荷物を運んでもらう手順は、まず運ぶ荷物を確認してもらい乗車券を見せ発車時刻とどこ行きの列車かを確認してもらう。発車までの時間がなければ、そのまま赤帽と一緒にホームへ向かう。時間があるなら、赤帽の名前を覚え(赤帽が名前を名乗る)台車に乗せた荷物を預けて食事なり買い物に出かける。発車時刻(赤帽が発車何分前にここに来いと時間を指定する)ので、その時刻の少し前に戻ると荷物のそばに頼んだ赤帽がいるので、彼と一緒にホームへ進む。列車が入ると、指定席ならその場所まで、そうでなければ列車内の荷物置き場に荷物を置いてくれる。その時点でチップ5ドルを支払う。ワシントンD.C.のユニオン駅では5ドル支払った。よく考えたら、このチップは1人分の荷物のような気もしたので、ニューヨークからボストンへの移動時には夫婦2人なので10ドル支払った。
アメリカではこうしたチップがホテルのボーイ、部屋掃除のメイド、レストランのボーイ、タクシー運転手、ツアーガイドなどなどで必要になる。大まかなチップの額(割合)はガイドブックに書いてあるが、赤帽に関しては不明であった。それを、ワシントンD.C.観光ツアーに参加したお陰で明らかになり、利用し大変助かった。よく、外国で観光バスにのるとツアーが終わり、別れ際にガイドと運転手にチップを出す。その額は1日ツアーで10ドルぐらいのチップだと日本人ツアーガイドから聞いたことがある。チップは特別な配慮に対する感謝のしるしなので、人個人で異なる。額を決めることはないが、ある程度の相場は知っていたほうがよいと思いここに記した。
“セグウェイ”というのは立ち乗り電動二輪車だ。それに乗って警察官がパトロールしている姿をテレビで見たことがある。日本では今のところ乗れない、そのセグウェイに乗り、ホワイトハウス、リンカーン記念館など観光スポットをスムーズにさわやかに駆け抜けるという2時間ツアーを見つけた。そのツアー名は「セグウェイを体験しながら名所めぐり!ワシントンDC 2時間観光ツアー<午前/英語ガイド>2.5時間ツアー $65」である。Makikoには内緒で、2人の参加を申し込んでおいた。その日が来た。
集合場所である「シティ・セグウェイ・ツアーズ・オフィス」は、ユニオンステーションに近くにある我々のホテルから歩いては無理なところだ。地下鉄ユニオン駅から1回乗り換えで6駅ある。地下鉄駅には自動券売機しかなく、切符の買い方がわからない。切符の値段は時間帯によって異なるので、時間帯も購入時に選ばなければならないのでますます買い方がわからない。自動販売機で切符購入は難しいと判断し、親切な黒人駅員に助けを求め購入する。目的の駅名はフォギーボトムメトロ駅という。下車したらなんとこの駅は「ジョージ・ワシントン大学」のキャンパス内にある。駅から歩いて約10分、セグウェイが10数台店頭に並べてあるシティ・セグウェイ・ツアーズ・オフィスを見つける。ここに来るまで、2人の通行人に道を聞く。10時スタートの30分前に着き、怪我した場合の保険の手続き、および万が一セグウェイを壊した場合の補償金支払いのためのカード提出を求められる。カードはツアーが終わると返却される。山積みされてあるヘルメット入れから自身に合うサイズのヘルメットを選ぶ。店の前にはちょっとしたセグウェイ練習場があり、出発前、そこで20分ほど乗り降りやり方のコツを教えてくれる。Makikoも一緒に習い始めるがどうしても怖いという。我々以外にもう一組の若いカップルがいるが、彼らは練習して直ぐに乗れるようになる。結局、Makikoはリタイアを宣言し、店で待っているという。
セグウェイは重心移動で前後進、左右回転ができる乗り物だ。乗り方もほんの10分もあれば、普通なら出来るようになり、直ぐに乗れる。幅広い一般車道を快走。走りながら右だとか左だとガイドが指示するのでその指示通りに走る。セグウェイの走る速度は自転車なみだそうで、普通に走って時速10キロぐらいだという。ガイド用のセグウェイの走行速度は、それより速く走れるように調整してあるそうだ。Makikoは店で2時間待つというので彼女を残し、我々3人とガイドを合わせ4人は、ホアイトハウスへ向け10時に店を出発する。
事前に知らされているセグウェイ・ツアーハイライトは、以下の通りである。
●ホワイトハウス
●アイゼンハワー行政府ビル
●リンカーン記念館
●世界第二次大戦記念碑
●ワシントン記念塔
●国立公園ナショナル・モール
●ラファイエットパーク
このツアーは英語ツアーだ。英語の解説なので聞き取れないところが多々ある。ツアーが終わってみるとホワイトハウス、リンカーン記念館、ワシントン記念塔の3つが強く印象に残る。とくに印象に残っているのは、リンカーン記念館前の広場での自由走行である。一緒に走った仲間のカップル2人は、この広場端にセグウェイを置いてリンカーン記念館へ出かけた。私は2日前にワシントンD.C.市内観光ツアーで見学していたので、リンカーン記念館見学は済んでいる旨をガイドに伝える。ガイドはこの広いリンカーン記念館広場でセグウェイを乗り回してもよいというので、この広場でセグウェイの快適な走行を楽しむ。とくにどのくらいのスピードがでるかに興味があったので、最高と思われる速度を試して見た。感覚的には、時速10〜20 kmでやや速めの自転車速度ぐらいかと思う。それに、その場で回転ができるなど結構自由自在に操れることがわかった。今日は、金曜日で観光客が少なく広場は空いているので、セグウェイの乗り場としては非常に都合がよい。前進・後退、高速・低速、ジグザグ走行など自由に勝手な動きを楽しむ。セグウェイは立ちっぱなしで走るので、やや足がくたびれる以外は、快適でとても楽しい乗り物だ。2時間のセグウェイ走行を終え、Makikoが待つシティ・セグウェイ・ツアーズ・オフィスに戻りこのツアーは終了。
ワシントンD.C.は、アメリカ東海岸の旅の始まりだ。ここからフィラデルフィア、ニューヨーク、ボストンへとAMTRAK(American Travel by Track)で移動する予定だ。乗車切符は日本で予約していなかったので、ワシントンD.C.のユニオン駅で出発前日に求める。ユニオン駅の出札口は空いていていたので、ニューヨーク行き切符は直ぐに買えた。ワシントンD.C.からフィラデルフィアまでの切符を買うのにパスポートの提示が求められる。出札係はシニア割引で1人72ドルだという。週末、ウイークディ、時間帯、年齢などによってAMTRAKの運賃は異なるようだが詳細はよくわからない。いずれにしてもシニア料金で買えたようなので10数ドルは安くなったようだ。指定席はなく、定員数を発売すると聞いているので、切符さえ求めれば必ず座れる。この切符を前述した赤帽に見せれば、発車時間に合わせて列車が入るホームへ、そして列車の中まで荷物を運んでくれる。9月5日にこのユニオン駅からフィラデルフィアの30th Street Station駅へ向かう。これで4泊5日のワシントンD.C.の観光を終え、フィラデルフィアに移る。
ワシントンD.C.のホテルの印象:ホテルの名前は「Washington Court Hotel」,
ユニオン駅まで徒歩10分ぐらいのところで、食事なし1泊137ドルだ。部屋は、大きくてきれいだ。立派ではないがレストランはあるので、簡単な食事は出来る。周辺にレストランが見あたらないので散歩がてらユニオン駅まで歩いてでかけ食事する。ホテルの受付係は黒人で愛想なく対応が悪い。星:☆☆☆
平成27年11月2日(月) 自宅にて記す