社労士からのおたより

 
2008/11/26 18:30:47|ねづ通信
12月号
日雇派遣禁止法案を国会へ提出(11/4)
日雇派遣の原則禁止は、平成22年4月1日施行する方向で、11/4 国会へ提出されました。おもな
改正内容としては、
 @日雇派遣(日々又は30日以内の期間を定めて雇用する労働者の派遣)の原則禁止
 Aグループ企業内派遣の8割以下に規制
 B登録型派遣労働者の常用化を努力義務化
 C派遣料金と派遣労働者の賃金の差額の派遣料金に占める割合(マージン)などの情報公開義務化
 D派遣先に対する労働契約申込の勧告制度創設
 E処分逃れを防止するため欠格事由を整備

派遣先に対する労働者災害補償保険法上の検査権の強化など、派遣労働者の雇用安定等の措置の充実を目的としています。

フリーター支援策の動向
厚生労働省が検討していた35歳以上のフリーター支援策が12月から動き出すようです。
具体的には以下のとおりです。
 
☆一次☆
 ・35歳以上のフリーターを試験的に雇用した場合に奨励金を支給
 ・住居のないフリーターなどへ住宅入居初期費用を貸し付け
☆二次☆
 ・年長フリーターらを雇用した企業に最大100万円支給
 ・年長フリーターらを介護職員として雇用した場合に最大100万円支給
 ・2500億円の基金を創設。3年間で10万人の雇用創出
  
この支援策に、助成金がついてくるわけですが、企業としては、助成金ほしさに、採用するのではなく、やはり適正をしっかりみて、適切に採用することが重要です。 雇用契約途中で解雇が
発生すると、条件によっては、助成金を返金する場合もあり得ますので注意して下さい。

近況報告
10月末から1泊で山形へ行ってきました。30年来どうしても行きたかった「山寺」へ行くことが出来、感激してしまいました。朝9時頃到着したので、まだ人も少なく、芭蕉の「静けさや〜岩にしみいる蝉の声(蝉はいないですが・・・)〜」をつい口ずさんでしまいました。さすが芭蕉!!
この俳句とマッチした風情。 しかし、階段の先を行けば行く程、ハーハー言う自分の息遣いを感じてしまい、体力の衰えを痛感してしまいました。杖をついても元気よく登っているご老齢の方たちは、毎年来ているというのにまたビックリです。山寺は岩に守られた荘厳な寺でした。







2008/10/24 13:07:29|ねづ通信
10月号
★出産一時金が38万円にアップ(H21/1)

現行の出産一時金は35万円となっていますが、来年1月から「産業医療補償制度」導入に合わせて3万円アップの38万円になる予定です。
「産業医療補償制度」というのは、医療機関が民間保険に加入して出産1回あたり3万円負担すれば出産時の不慮の事故により重い脳性マヒなどになった場合の補償金として設けられて制度です。
障害を残した場合、家族に補償金合計3000万円を支給するという内容です。出産する家庭にとっては、医療機関が被保険者に補償保険分を転化するだろうから負担は変わらないけど、万が一の場合補償をしてくれるシステムはありがたいものですね。
何故このような制度がもうけられるのか考えると、面白いですね。昔はなかった制度です。しっかり権利主張ができるようになったためでしょうか? 少子化によるものだからでしょうか? それとも医者が未熟になったせいでしょうか? いづれも当てはまると思います。

★9月分から厚生年金保険料率が0.354%アップします
7月に基礎算定した結果、等級が変更になった方は9月から厚生年金保険料率が変更になりますので、給与計算は注意して下さい。9月分の給与を10月支給する場合、新保険料率に応じて10月支給分から控除します。

★ 配達記録郵便廃止(H20.11.16)

日本郵便事業会社は、11月16日分の取扱を最後に「配達記録郵便」を廃止する内容の新聞記事がありました。「配達記録郵便」は、郵便物の配達と引き受けの記録が残るもので、各資格試験申込書類やクレジットカードなど重要な郵便物に利用されていました。ただ、受取人が不在の場合は再配達し、休日希望なら休日配達をするなどのサービスで人件費が膨らみ赤字状態が続いていたのが現状でした。
そこで、引き受けのみの記録を残す「特定記録郵便」が新設されることになり、コストが大幅に削減されるため配達記録郵便より50円安く160円で利用できます。配達時の受取サインを省く代わりに差出人はHPで配達状況を確認できるシステムになっています。
安く利用できるのは大変魅力的ですが、PCを利用できない年配者にとってはHPで配達状況の確認は容易ではないと思います。そのような人が貴重な書類等を送付する場合、簡易書留などを利用することになり割高になる可能性もあります。
しかし、世の中は電子化の方向に着実に進んでいることを実感しますね。









2008/10/24 12:55:38|ねづ通信
11月号
★最低賃金が変わりました
各地域の最低賃金が変わりました。埼玉県はH20.10.17から722円(以前は702円で20円アップ)になりました。東京都はH20.10.19から766円で、大幅に見直しがされました。東京都の産業別を見ると、各種商品小売業は799円、情報電信気化器器具・精密機械器具製造業は806円で、時給800円を超える業種もあります。最低賃金を守らないと罰則がかかりますのでご注意下さい。
  ☆最低賃金には次の賃金は含まれません。
   ・精皆勤手当、通勤手当及び家族手当
   ・臨時に支払われる賃金
   ・時間外労働、休日労働、深夜労働の手当
   ・1月を超える期間ごとに支払われる賃金

★ ねんきん特別便の現状等
現在、第3号被保険者及び第1号被保険者に「ねんきん特別便」が送付されていますが、10月末で一応「特別便」の送付は終了します。その後は「定期便」が送付される予定です。
ちなみに第1号被保険者とは、国民年金に加入している自営業の人、無職の人、会社自体が厚生年金に加入していないため独自で国民年金に加入している人などです。
第3号被保険者とは、会社の方で厚生年金に入っている人の配偶者、主に妻(夫でもOK)が対象となります。第3号被保険者になると、自分では年金保険料を支払わなくても配偶者の加入してい
る厚生年金から支払われています。25年(300月)という加入期間を満たせば、65歳から基礎年金がもらえる仕組みです。第3号被保険者の届出は、会社経由で提出されることになっています。

私は行政協力で行っている社会保険事務所では、10月毎日150人程度の人が「とくべつ便」で来訪しています。特に女性の方は、旧姓でもう1通手帳を持っており、統合されていない履歴が多いです。男性の場合多いのは、平成3年4月以降学生であり、平成8年12月までの間会社勤務されている方が手帳2通持っている可能性が高いので、履歴が統合されていないということもあります。

以前、調査依頼(訂正や間違いがある)をかけた方たちへ、その後の結果報告が現状遅れており、受付当時ご回答が6か月後になると言っていましたが、現在1年以上回答にかかっているそうです。
また、新たに厚生年金加入月数が見つかり、年金額の再裁定にも時間がかかっており、年金が増加支給されるのに1年以上かかっています。中には社会保険事務所に「6ヶ月後と言っていたが、まだ連絡がこない!!」と怒って来訪する方も結構います。確かに6か月待っていたにもかかわらず、何の音沙汰もないというのは待つ方にしてみれば不安だらけです。社会保険庁もアップアップの状態だと思いますが、不安払拭に全力を注いでいただきたいと思います。ただ、現場の職員は一生懸命対処しておりますことを一言付け加えさせていただきます。







2008/09/03 16:20:17|雑学
内縁でも被扶養者になれますか?
世の中には結婚という法的な手続きを踏まず、同居生活をしている人達が多くなっています。そのような人達の形態を事実婚(言うなれば内縁関係)として一般的にとらえます。
事実婚という状態であれば、同居している相手の会社(社会保険加入していることが前提ですが)に〖被扶養者異動届〗を提出して健康保険と第3号被扶養者に加入する手続きをしてもらいます。(異動届は会社にあります)
⇒ それによって、今まであなたが加入していた国民年金(第1号被保険者)と国民健康の保険料を支払わなくて良くなります。
同居している相手が支払っている健康保険および厚生年金の保険料からあなたの分も払っているということになりますので、負担の大きかった保険料が削減できます。相手の男性の負担が増えるかというと違います。今まで通りの保険料だけで済みます。
しかし、配偶者控除は対象外ですので注意して下さい。

被扶養者として届けるときの書類は、相手と住所が同じである住民票が必要となります。あと、所得証明が必要になる場合もあります。年金番号がわかる年金手帳も必要です。
ただ、健康保険組合に加入されている場合は、条件が違ってきますので組合の方へお聞きして下さい。


ちなみに、夫A男さんの第3号被保険者であったY子さんは、5月28日に離婚するや6月15日からB男さんと内縁関係になりました。7月20日にB男さんの会社で加入手続きをしました。
その場合を例にとって説明すると・・・
  5/28  4月分までは第3号被保険者である(A男の)
  5〜6月 国民年金第1号被保険者加入手続きし、2か月分納付
  7/20〜  7月分から第3号被保険者になる(B男の)


あと余談ですが、住民票に【未届けの妻(夫)】という登録があれば、いろいろな場面で活用できます。
例えば、離婚分割などの手続き上、事実婚を証明する書類を準備するのは大変です。そこで住民票に未届けの妻などの記載があれば、書類を準備するのも楽です。








2008/08/26 18:59:40|ねづ通信
事務所通信9月号

★70歳以上の在職者の社会保険の取り扱いは?

70歳になると、厚生年金保険料の負担はご本人も事業所分もなくなります。ただし、70歳以上で
在職している場合現在同様の在職老齢支給年金の支給調整があります。この規定は、平成19年
4月から世代間の公平を図る目的で70歳以上の在職者にも適用されています。

 @施行日に70歳以上過ぎている人には、厚生年金保険は適用されません。
   (ただし、保険加入期間満たしていなければ70歳以上でも加入できる場合があります)
 A70歳以上は厚生年金保険料の負担ないが、健康保険料は徴収されます。

社保事務所への届出
 @70歳以上を引き続き雇用・・・「厚生年金保険70歳以上被用者該当・不該当届」
 A新たに採用・・・・・・・・・・・「該当届」・「健康保険被保険者資格取得届」
 B70歳到達して引き続き雇用・・・「該当届」・「厚生年年金保険被保険者資格喪失届」
 C70歳過ぎて退職・・・・・・・「不該当届」・「健康保険被保険者資格喪失届」
 D報酬・賞与の届出・・・・・「厚生年金保険70歳以上被保険者算定基礎・月額変更・賞与支払届」
 E2以上事業所勤務・・・・・さらに「所属選択届・二以上事業所勤務届」


★ 全国健康保険協会スタート

平成20年10月1日から社会保険庁の解体として「全国健康保険協会」(協会けんぽ)がスタート
します。
そこで、政府管掌健康保険に加入されている方へは、10月以降順次新たな保険者証への切り
替えが行われます。切り替え終了するまで、現行の保険者証が使用できます。
政府管掌健康保険の運営が、全国健康保険協会に変更になるだけなので、保険料納付手続き
や資格得喪などについては変更なく、従前どおりです。
協会設立時(10月)の健康保険料率は、9月30日までの政府管掌健康保険の保険料率がその
まま適用になります。
設立後1年以内に都道府県ごとの医療費を反映した保険料を設定することになっているので、
今後は都道府県ごとに保険料が異なってきますのでご注意ください。
事務手続きの窓口は、従来通り社保事務所で取扱うことになりますが、個人が手続きするもの
(任継・保険給付請求等)に関しては、協会けんぽ(都道府県に設置される各支部)になる予定
です。
年金部門は平成22年1月、日本年金機構に組織替えをし、これで社会保険庁が完全に解体されます。