シネマ日乗

入間アイポットのユナイテッド・シネマ入間で観た映画の感想が中心になります(多分)。 ネタバレになってしまう可能性も・・・・・・。 その辺、ご留意ください。
 
2015/08/17 18:32:00|映画 な行
日本のいちばん長い日
 壮大なギャグ。にしか見えなかった。何回も失笑したり、呆れてため息をついたり。


 分からんよ。目の前の風景が焼野原だってのに、それでも勝てるとか、本土決戦だあ!とか。どこに目がついてるのか?目の代わりに銀紙でも貼ってあったのか?

 ということで、鈴木総理大臣のタヌキおやじぶりがなかなか良かったです。鈴木さんって、しかし、肝が据わってらっしゃる、その理由は226事件の生き残りだからでしょう。この人を総理大臣に据えたのは昭和天皇ということに映画ではなっていて、もし本当にそうなら、天皇陛下の判断力は相当なものだったのだな、と思う。鈴木さん以外の人では収拾つかなかったでしょうから。

 それにしても、男というかオヤジというか、どうやっても「変化」と「責任」が嫌いなんですなあ。判断の場に、一切女がいないのが印象的だった。これじゃーまともな判断なんぞできるわけなし。現実を正確に見る目がないんだから。

 で、陸軍大臣にも呆れる。自分の部下がクーデターまがいのことやってるのに、気付くこともできずに酒を煽って自決ですかあ。自己憐憫の固まりにしか見えなくて。

 映画としては、なんだかよく分からなかった。皆が同じ顔に見えるし、制服も同じに見えるしで。5時間くらいの長尺ならもう少し分かりやすく描けたんじゃないかと思うんだけど。ドキュメントか、ストーリーなのか、どっちつかずの演出だし・・・・・。「24」シリーズみたいな手法を使えば、色々整理して描けたかもしれませんが。結局わかったのは、天皇陛下とタヌキおやじと何考えてるのかさっぱり分からん陸軍大臣と生意気な青年将校くらい。クーデター軍団なんぞは誰が誰やら・・・・。ので、あらかじめ予習していった方がいいかもしれません。

 にしても、ホント、日本のおじさんたちの本質って変わりませんなあ〜〜。国立競技場問題なんかその典型ですけども。安保法案、いやなのは、実際何か起こそうって時に、誰が責任取るのか、まーただーれも責任取らないという、訳わからん状況になるのでは、という懸念。

 で、一方思うのは。クーデター連中もそうだけど、あの手のテロリストに「話せば分かる」は無茶です。ISなんか、思いっきりそうでしょ。だから、戦争ハンターイって言ってる人たちの話って全く説得性がない。なんかね、戦争反対です、悲惨だからです、ってすごく馬鹿らしい理由だと思います。ISに支配されたら平和ですか?悲惨の固まりみたいじゃん。そういうのについてはどう考えるのか、知りたいもんですよ。

公式サイト

P.S  昭和天皇のドキュメントTVを大昔に見たのだけど、まだ覚えているシーン。何かの記者会見で、「天皇陛下は戦争責任をどうお考えになりますか?」という質問が出て、それに対して陛下が「そういう文学的な質問にはお答えしかねる」と返答されてた。文学的・・・・・・・かあ・・・・・、と思って。けど、玉音放送の内容等々を見ると、天皇陛下は一番その件について痛切に考えておられたんじゃないかと思うんですよ。







2015/08/12 23:26:00|映画 は行
バケモノの子
 この監督さんの映画、ぜひ観たかったんです。で、まーた痛いとこついてくるなあ、と。

 主人公とバケモノさんの熊鉄との関係、かなり意表をついてきます。こういう関係性になるとは、驚きました。で、かなり腑に落ちる。師匠と弟子、というよりも、どっちかというと友情チックか?で、そういう関係の方が「愛情」なんかより強い、とも思えるし、いや、こういうのが愛情かも、とか。色々考えさせられます。

 主人公は一人ぼっちだった筈なんだけど、いつの間にか色々な関係性が生まれてきて、変化が起きて、という過程が納得させられるんです。子供はそういうのが強いね。大人とその辺が違うんですよ。

 痛いとこついてくるなあ、というのは、主人公じゃなくて、楓ちゃん。彼女の語る話は、自分の事とかなりかぶってくるので。あー同じ事考えてたな〜〜。というか、自分の場合はもっとしたたかだ。親から金を搾り取ってやる、と思ってましたね。親の期待通りにやってやってるんだから、金もらって当然だってね。そういう取引に落とし込まないとやってられなかった。それでも、色々清算するのに随分時間もロスしましたね。全く・・・・・。そういうの、自分一人で解決するのはほぼ無理、やっぱり仲間が必要なんです。自分の場合は自助グループもそうだし、数少ない友人もそうだったか。

 まあね、結局自分の人生は自分で責任取らなくちゃならないんですけども。

 そういう事を語っている映画です。必見かと思います。

公式サイト

P.S この映画が渋谷を舞台にしているのは、秀逸ではないでしょうか。渋谷って、人はウジャウジャいるけど、関係性はものすごく希薄な感じがして、大嫌いな街です。以前、誰かと劇かなんか見て、帰りがけにカフェ的な所に立ち寄った時、そこのウエイターの慇懃無礼さに唖然。今もよく憶えている。渋谷を大嫌いになったきっかけがそれ。で、ちょっと裏通りに入るといきなりヤな雰囲気になるし。

P.S2 この映画、色々な映画に対するオマージュがあります。「酔拳」とか。あと、ジブリ映画のムードもあるんです。あーこれ、わざとやってるなあ、と。面白いと思います。

P.S3 この映画の中に出てくる本。極めて示唆的ですね。メルヴィルの「白鯨」と中島敦の「悟浄出世」。「白鯨」は読みかけて挫折したんですが、「悟浄出世」は何度も読んでいる。映画の中での本の立ち位置は「白鯨」の方が大きいんですが、「悟浄出世」が出てきたのは、西遊記&中島敦好きの自分としては嬉しかったです。







2015/07/29 18:39:00|映画 あ行
アリのままでいたい
 うーん、邦題がイマイチ・・・・・・。だって、アリはあまり出てこないし。主にカブトムシ・カマキリ・トンボってところだったかなあ。

 子供の頃は「ファーブル昆虫記」にハマってた。今思うと、あの全6巻本は、ファーブルさんの書いた「昆虫記」から抜粋して再構成したもので、本当の「昆虫記」とは似て非なるもの。小学生向けのそうした本は他にもありましたね。「怪盗ルパン」ものとか。後でルブランの原作を読んでみたら、ルパンは猛烈なマザコン男&目立ちたがり、奴のあまりの幼稚さに辟易したもんだ。で、恐れをなしてファーブルさんの原作はまだ手付かずなんです。

 今思うと、ファーブルさんは相当な変人だったんだ……、と周囲には思われてたに違いない。いい年したおっさんが這いつくばって家畜の糞をひたすら眺めてる(フンコロガシの観察ってそういうことです)って、どう考えてもヘンだもん。で、南フランスってきっとド田舎だったんでしょうね。今はどうか知らないけど。

 ところが、虫好きの変人って今も日本には結構いるみたい。そのうちのお一人である栗林慧氏が撮りためてきた映像を映画に構成してまとめたもの、という感じの映画。「ダーウィンが来た!」で見たような映像がでかでかと迫ってくるのは結構迫力がありました。

 夏休み映画ということで、観客は親子セットが多かった。で、子供の反応も気になってたんですが。子供って、映画の中の「子供向け」の部分についてはあまり集中してないのね。のに、栗林さんのインタビューや虫同士の相当なシーンはものすごく集中して観てる。子供に媚びても子供には届かないんですよね。ジブリ映画の凄さは、そこを一切排除している点なんだけども。この映画も、その辺をもうちょっと考え直しても良かったんじゃないかな。映像自体はとにかく凄いので。

 最後に栗林さんが、「虫が減っている」とおっしゃっていた。これ、自分も気になってしょうがないのだ。自分が子供の頃は、わらわら虫がいたのになあ、全然見なくなった虫が何種類もある。たまーに見かけるとホッとするんです。これはどういう事なんだろうか?子供が虫捕りしすぎていなくなった、ってことはない。最近の虫はアゲハチョウだって、羽がきれいだもん。補虫網にとっ捕まっていない証拠だ。なのにいなくなる。なぜ?
 自分が疑ってるのはホームセンターの訳の分からない殺虫剤の類。「アリ殺し」だの「クモ殺し」だの「ナメクジ殺し」だの。この辺は、基本益虫ってことで、手を出さないことになってたはずなのに。おそらくは、これ、女の目線ですよね。「ジャポニカ学習帳」の虫の表紙写真が気持ち悪いとかぬかす連中。こういうのに迎合してヘンな薬を売りまくるから虫が減っちゃうんだよ。こぎれいな庭はできるかもしれないけどね。ちょっといい加減色々考え直したほうがいいんじゃないか?

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P.S カマキリが卵から生まれてくるシーンを見てて思い出した事。カマキリの卵を冬に見つけて、洋服のクローゼットに隠しといたら(なぜそこに隠したんでしょうねえ?)、春のある日、エライことになった!!カマキリの幼虫がウジャウジャ生まれてきちゃって洋服がカマキリだらけになっちゃって、奴らを全部外に逃がすのに大騒動になった覚えが・・・・・・・。幼虫だってたまげたろうなあ、生まれて初めて見たのが洋服っていうのは違うでしょう・・・・・・。 







2015/07/15 23:58:00|映画 た行
ターミネーター 新起動/ジェニシス
 第一作目は学生の時友達が観て、とにかく追っかけてくる、ものすごーく怖いんだ〜〜!と興奮して喋ってました。後で観て、確かに、すんごく怖かった・・・・・・。基本的にはB級ムービーなんですが。

 「2」は映画館で観て感動した。あれだけ怖い思いをさせられたのに、ラストシーンはもう涙涙。これは今思い返しても名作だと思う。

 なのになのに〜〜!!その後はこの映画のシリーズはとっ散らかってしまいましたっけ。どんどん劣化するもんで、やんなっちゃって。で、この映画、シュワちゃんを復帰させてどうするつもりなんだ〜〜?と思ったんですが。おまけに悪役がイ・ビョンホンってなんだよ〜〜、と思ったんですけど。

 驚きました!!これは秀作だと思います。


 
プロットの展開が、完全にSFのそれなんです。脚本が秀逸なんですね。K.ディックの世界みたいで。

 「2」を見た頃、「スカイネット」なんちゃらが世界を支配する、なんて事が実際にあり得るとは思えなかった。でも、今は違う。現実に起こり得るなあ、と思って背筋がぞわぞわするんです。人工知能は確かにどんどん進んでいる。将棋ソフトが例の1。開発者の皆さんは夢中になってるみたいですけど、あれは一種の戦争シミュレーションでしょ。開発して、その先どうするの?ドローンも怖い。あれに銃や矢を持たせて攻撃させるのは簡単じゃないか、対象が人になったら?それを人工知能が操るようになったら?

 シュワルツェネッガーですが、ターミネーター役が一番ハマリ役に見える。そういう役を持てるというのは幸せなことじゃないでしょうか。

 どうも続きがあるみたいですが、このプロットをしっかり継承してぐちゃぐちゃにならないよう希望いたします。まだ、話の半分も理解できてませんので。

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2015/07/12 23:29:00|映画 あ行
海街diary
 観ながら、「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」を思い出していた。これは変形の「マイライフ・・・・」だな、と。サッカーが出てくるあたりもそっくりだ。で、家族なんぞまっぴらだと思っている人間には、こういう映画はキツイんですよ。

 こんなに丁寧な語り口の映画も少ないと思う。こういう映画を観ちゃうと、ハリウッド映画なんかお粗末でどーしよーもなく感じるんです。ハリウッド、どうなってるんでしょうねえ、最近は。とにかく画像処理が多過ぎて、きちんとした照明だの、丁寧なロケハンだの、基本的な「映画を作る技術」が失われつつあるんじゃないだろうか、と心配になるんですよ。

 4人姉妹の映画というと、確か向田邦子原作の「阿修羅のごとく」がありましたね。この映画で長女を演じておられた大竹しのぶさんが、今回はだらしのない母親役を務めてます。観てて、あーあ、となる。大竹しのぶさんVS樹木希林さんVS綾瀬はるかさんのやり合い、あーやだやだ、実家の正月に母親とその妹(だったっけか?)がわざわざ顔を突き合わせてケンカする、のとそっくり同じなんだもの。是枝監督、なんでこーいう女のしょーもないケンカをご存じなんですかあ?
 
 これが嫌だから、実家なんかに立ち入りたくないんだよなあ。

 で、普段はそういう事に蓋をして楽しく暮らしているから、あまり揺さぶられたくはないんですよ。

 ということで、いい映画だけど、テーマは、思い出したくないことばっかりなので、観るのはしんどかったですね。「マイライフ・・・・・」は一回観たきり、もう二度と見たくないと思って、その通りになってるんだけど。

公式サイト     

P.S 作中に出てくるサッカーについて。「マイライフ・・・・・」では、女の子が(主人公の男の子よりうんとデキル)中学に上がってもサッカーを続けるのに、女だというのを隠す、みたいなシーンがありました。これが50年前位(今から逆算すると、多分そんなもんだろう)のスウェーデンの状況。で、今の日本、中学生が男女混合で自由にボールを蹴り合ってる、のがこの映画。世の中はそこら辺まで進歩してるんですね。興味深いものがありました。