シネマ日乗

入間アイポットのユナイテッド・シネマ入間で観た映画の感想が中心になります(多分)。 ネタバレになってしまう可能性も・・・・・・。 その辺、ご留意ください。
 
2019/09/21 21:48:03|映画 か行
かぐや姫の物語
 2013年公開の映画。今回は、稲荷山公園の無料映画会、という野外イベントで観ました。色々と不手際が多い会でしたけど、とりあえず、途中でいきなり電源が落ちて終了とはならなかったのでまあ良しと。

 竹取物語。日本最古の小説であり、日本最古の(もしかすると世界最古かもしれない)SF小説である、と思ってます。その映画化。どういう風にするんだろうと思ってたんですが、意外と、オリジナルな創作部分は少なくて、基本的にはまんま竹取物語です。最初のナレーションで竹取物語の文面がそのまま語られます。そこで入り込んでしまいました。

 それにしても、世界的に、大昔の話って、マハーバーラタみたいな叙事詩というか、英雄がいて、神様とももめたりとか、チャンバラやったりとか、という「凄いだろう」話が定番。日本では、竹取物語にせよ、源氏物語にせよ、主人公の気持ちというか内側にフォーカスがいって、で、ハッピーエンドには、まず、ならないのね。つくづく独特だと思う。で、この映画では、ラスト、月に帰らざるを得なくなるのは、どうしてなのか、が大テーマらしい。竹取物語に出てくる色々なエピソードが、その理由を少しづつみせる、というような構成になっています。しかし、パキッと結論が出るわけでもないので、分かりづらいのね。どう受け止めるか、観る側に対する投げかけが大きい。

 自分的には、「あーあ、子供のためとか言ってて、それが親の欲目に変わっちゃう、あーあ」と思いながら観てたんです。で、それに逆らえない、のか・・・・、とね。より良い生活、というのは誰だって願う事だしねえ、難しいな。

 この映画は、その絵柄がアニメ離れしていて、作画は大変だったんじゃないでしょうか。気持ちの疾走感がバーッと出てくるシーンがいくつか、それには圧倒されました。アニメ離れしてるんだけど、アニメでないとつくれない。音楽も凄い。とりわけ琴が印象的です。なにか、前衛的な響きすら感じて驚いてました。

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2019/09/18 13:20:10|映画 ま行
マトリックス
 この映画が20年前って、信じられないんですけど・・・・・。ということで、4DXで観る。キアヌ、若い!!

 一回観たきりの筈なんだけど、その割にはストーリーもアクションもかなりよく覚えてました。観た当初は、凄く衝撃的だったんだろうなー。当時はスマスマが華やかなりし頃だったんですけど、コントで「マトリックス」ならぬ「カトリックス」とかやってましたっけ。香取君が、映画の中のアクションというか、そっくり返って弾をよけるだの、空中に浮かんで銃撃戦だの、というのを真似して笑いを取ってました。そういうウッソ〜〜〜〜ってなアクションができる、のは、仮想空間だから、というのも筋としては割と通ってる風で。
 この映画以降、ゲームの中の世界でドンパチだの、別世界に転生だの、というお話が増えた気がします。そういう意味でも先駆的ですよね。

 今観直すと、この映画の予言的なところ(AIを発明してどうこうだとか)がピタッと当たっていますね。以前、NHKがAIになんか色々質問するみたいな番組をつくって、変な事するなあと思ったんですけど。AIなら解決できる?って、神様みたいに捉えていいもんなの?と思っちゃって。どっちかといいうと、この映画にあるような、戦争に活用して、そのうち乗っ取られる、というほうが自然な気がしちゃう。やだなあ。

 けど、この映画についての感想は、また別にあるんです。なんというか「マカロニほうれん荘」みたいなシリーズになっちゃったなあ、という。うーん、例えば、この第1作ではなにかと偉そうなことを言ってたモーフィアスですが、第3作では、元カノだか元嫁だかの尻に敷かれてるオジサン化しちゃって・・・・。
 ジブリ映画って、結構筋が破綻してる事が多いように思うけど、映像で騙されちゃう。けど、このシリーズは3部作で順番に崩しちゃったもんだから、なんだかなあ、となっちゃって。第3作目で覚えてるのは、ミフネ船長の鼻の穴くらいだもんなあ。。。2作目はえーと高速道路の逆走か。ということで、困った映画でもあるのだよねえ。

 ということで、危なそうなのが「ブレードランナー」。続編つくらんといてください。つくったら最後、「ターミネーター」シリーズみたいにとっ散らかっちゃう可能性大です。

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2019/09/15 18:42:02|映画 は行
引っ越し大名!
 いや〜〜面白かった〜〜。時代劇ってTV地上波でこそ消えちゃいましたけど、いくらでも鉱脈があるんですねえ。毎年面白い時代劇映画が出る。今回も外してないです。

 要するに藩の引っ越しの話なんですが、古今東西、引っ越しって大変です。かなうなら、一生引っ越しなんかしたくない。でも、江戸時代の諸藩大名&その配下の皆さんはいきなり引っ越せって言われて、そのまま従わなくちゃならない。これに参勤交代もあるんだもの、ビンボーになっちゃうよね。どうやって、藩の財政を維持してたんでしょう?段々分からなくなってきてます。

 で、その差配を無理やり引き受けさせられたお兄さんが主人公、星野源ちゃんが、らしい感じでやってます。高橋一生さんは細っこい「どら平太」って感じ。井伊家の家臣としては、いつもいつもジトーっとした役回りだったし、この位はっちゃけた役をやりたかったんじゃないでしょうか、大暴れしております。すっごく楽しそう。
 で、江戸時代なんだけど、ちょこっとミュージカルの味付けをしてあるんです。しゃれてる。ミュージカル部分の監修を野村萬斎さんがやってます。面白いに決まってるわなあ。こないだの「ダンスウイズミー」は、ミュージカルって変じゃね、というところを使って映画に仕立ててましたけど、この映画は、ミュージカルがヘンに見えない、一つの回答になるのではないかと思います。

 星野君演ずる主人公のお兄ちゃんは、割とひきこもらーで、本の虫という人なんですけど、その知識が後々生きてくる、という筋立てですね。で、日本人ってなんでも几帳面に記録するんだなあ、と感心してしまった。で、それを取っておきたがるんだなあ〜〜。やっぱ、引っ越しは大変だわ。

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2019/09/03 0:10:24|その他
リーガル・ハート 命の再建弁護士
 今期引き込まれてたドラマ。いやーよかったっす。

 テレ東のドラマBzシリーズは今まで見たことなかったんですが、今回は企業倒産等々、もう明日は我が身というお話なので、多少参考になるかなあと思って見始めたんですが、あっという間に引き込まれちゃいました。

 中小企業って、本当に後ろ盾がないんですよ。大企業だと、関わる企業・従業員等々影響が甚大だから、下手をすると国まで関与して、なんとかならんかとしようとするんだけど、中小零細については「あーじゃ、しょうがないですね」でオシマイ。不公平だと思うけど、中小零細は、根性で自力でどうにかしなくちゃならない。それで自殺という手を使う人も後を絶たないわけ。
 
 それを何とかするために経営者と一緒に尽力する、弁護士活動を描いたドラマです。反町隆史さんが主演。この方初めて見るんですが、やっぱかっこいいわあ〜〜。
 ただ、このドラマの良さは、勿論そこじゃないです。一番感心したのは「顔ハラ」じゃなかったこと。只今流行りの池井戸ドラマ、悪人面が悪い奴って、時代劇ならいざ知らず、現代劇でそれやるのは絶対よくない、と思って、やんなっちゃったんですよね。見る気失くした。それ、小林よしのりの漫画と同じ手口じゃない。
 小林よしのり、奴の漫画って、気に入った奴をよさげに描いて、気に入らん人を悪人面に描く、印象操作も甚だしい。それで大嫌いになったんだ。たかが漫画家のくせして偉そうにするなっつの。

 このドラマは、全くそういうことがなかったです。債権者の銀行の方等々、なんとかならんかと尽力してくださる方も多い。現実はそうでしょ。そこがちゃんと描かれてた。
 あと、このドラマでは、こうやって再建できますよ、という道筋を分かりやすく解説してくれたんです。これはありがたかったです。万一の時(というか、零細は百一くらいなんだ)こうすればなんとかなるかも、という手法が見えるような解説をドラマでやってくれたのを見たのは、初めてかも。

 例えば、DV被害に遭ってる人が、どうすれば逃げられるのか、きちんとドラマで解説してくれれば、助かる人って多いと思うんですけどね。以前、病院に逃げてきた人には教えまくったんだけど。

 役者さんたちのアンサンブルも最高でしたね。大好きな小池栄子さん、コミカルな橋爪功さん等々、上手い!!!と唸ってしまう〜〜。深刻な話題になりがちなんだけど、楽しかったです。続編も期待!!!

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2019/08/29 23:59:03|映画 あ行
アルキメデスの大戦
 今年、今までのベスト1だと思います。映画に飲み込まれたのは、本当に久しぶり。

 太平洋戦争が起こる直前、軍備増強に走りまくっていた日本で、海軍が戦艦を造るか空母を造るかで揉めている、なんとか空母にしたい山本五十六が数学の天才のお兄さんを引っ張りこんで、戦艦の見積もりの不正を暴こうとする、そのお兄さんが主人公です。話がスリリングに進みます。いったいどうなっちゃうんだ〜〜〜!!
 で、しかも、観ている我々は、結局造られた戦艦「大和」がどうなったか知っている。それを、映画の冒頭でこれでもか、と見せられます。本当に残酷な・・・・。しかも、今まで見た事のない視点から見せられる。確かに、こりゃどうにもならん、というのを真から見せられるわけ。

 それに至る経緯は勿論フィクションですが、話の構造がとてもユニークなんですね。数学で対抗しようというのが。それをどうやって映画の中で見せていくのだろうかと思ったんですが、実に巧い。

 主人公を演じた菅田将暉君、さすが井伊家の跡取りじゃ、とどうしても直虎さんモードになっちゃうんですが。で、この映画には、大御所俳優さん達が山ほど出てます。舘ひろし・國村準・橋爪功・小日向文世・笑福亭鶴瓶等々・・・・。これだけ並ぶと、大体うまくいかない、筈なんですが、見事にミスキャストなし!!舘さんと橋爪さんのしょうもない言い争いなんか、実に笑える。巧いんですが、それが浮かないんですよ。

 うーん、男って、それにしても、ああいう階級だのなんだのってのがお好きなんですねえ。バカみたい。あと思う事。世の中の趨勢というものに竿刺して流れを変えるって本当に難しいんだなあ。今、馬にハミ使うな、蹄鉄やめろ、という活動を細々と続けているんですけど、世の中の常識が「馬にはハミ・蹄鉄」って固まっちゃってるもんだから、それにエビデンスで対抗しても全くダメなんですよ。もうね、最近は疲れちゃっててね・・・・・。でもねえ、国家資格者である以上、動物の代弁者でなくちゃならないから、やっぱりやめるわけにはいかない。そんなことを考えさせられました。

 冒頭のシーンは特に、大画面で観ないといけないと思います。

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P.S 戦艦大和、勿論CGで作られているんですが、なんとなく「ハウルの動く城」を思わせるんですよ。あれはなんだ???どういうことだ?ジブリが模しているのだろうか?