シネマ日乗

入間アイポットのユナイテッド・シネマ入間で観た映画の感想が中心になります(多分)。 ネタバレになってしまう可能性も・・・・・・。 その辺、ご留意ください。
 
2020/12/27 20:09:00|映画 た行
天外者
 この映画の主人公である五代友厚氏は、全日本的に名の通った人物ではないけれど、大阪では大有名人。東に渋沢栄一、西に五代友厚、という感じでしょうか。製作にあたっては、関西方面の商工会議所等々、一般の人達が集まってお金を出し合い、更にはふるさと納税も使って製作したとのこと。NHK様に「大河ドラマの主人公にしてよ〜〜」なんて泣きつかず、自分らで映画一本つくったる!という意気込みやよし、そこで、三浦春馬君らの最高なキャスティングを得て、出来上がった作品です。三浦君亡き今、彼の渾身の演技を大画面に残せた作品となってしまったわけですが・・・・・。

 映画としては、やや脚本がごちゃごちゃしてるというか、特に前半が駆け足なんです。エピソードを詰め込んでるので、ちょっとついていくのが難しい・・・。後半から人物が段々整理されて色々な事が見えるようになってきます。というか、それほどに、幕末というのは色んな人達がドカーンと爆発した時期だったんでしょう。
 この映画では、しかし、そうした時代の変わり目についていけない、または間に合わなかった、市井の人達の悲鳴のようなものもちゃんと描かれています。それに目を向けて、なんとか全員を引っ張り上げたい、そのためには仕事をつくらにゃ、産業を興さにゃ、という五代氏の奔走ぶりが空回りするさまがリアルなんですね。こういう「2歩半以上前が見えてしまう」人って、全く理解されないから。

 ということで、来年の大河ドラマと見比べたらどうなるか、と。でね、もう一つ、三浦春馬という前途ある若い俳優さんを全く支えられなかった、というのが今の日本社会の現実の一つで、それをどう考えればいいのか、と思っちゃうんですよ。

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2020/12/09 22:11:00|映画 た行
トータル・リコール(1990年版)
 もう一回Movix昭島。この映画(R15とは知らなんだ)が本当は観たかったので。

 これ、ビデオで散々観てまして、筋もほぼ分かってるんですが、映画館で観れるのと、この映画の音楽がいいんですよ、サウンドトラックを買っちゃった位なので。それを思う存分聞きたかった、というのもあります。満足満足。

 原作はフィリップ・K・ディック。「ブレードランナー」や「マイノリティ・リポート」の原作もこの人なんですが、とにかくトチ狂った作風で、次から次へ話が二転三転するのが特徴。まあ、ヤク中だったから・・・。この映画の原作は和訳名が「追憶売ります」という短編なんです。それを大きく膨らませて、ついでに根本的なテーマもほぼ反対にしたのがこの映画。映画はメチャ面白いんですが、原作のテーマが「なにもしないけど、いなければならない」男の話、映画の「でかい事を成し遂げる」とは真逆なんですよ。ええんかいな〜〜??とは思うんですが、まあいいか。ちなみにディックさんは、この映画の製作中に亡くなったんじゃなかったっけなあ。。。

 今観ると、観た当時は「SFだなあ」と思った「電車の広告が動画」とか「リモコンで好きな風景動画を大画面で」なんてのがもはや軽く普通の風景になってしまっていることが驚きなんですが、アナログな手法で大掛かりなSF映画をつくっていた時代のラスト辺りの作品ってことで、逆にリアル感が増す。こないだの「テネット」もその手法を使ったもんだから大金が吹っ飛んでったようなんですが。
 あと、この映画にはシャロン・ストーンが出てます。エロカッコイイお姉さんで、シュワ氏の奥さん、というスゴイ配役。これだけでも見る価値あります。

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2020/12/02 20:04:03|映画 さ行
十二単を着た悪魔
 主演した俳優さんのトラブル(どんなトラブルでしたっけ?)のせいなのか、あまり公開劇場が多くないようなんですが、面白そうだったので。MOVIX昭島で観る。

 原作は内館牧子さん。「プラダを着た悪魔」って映画(未見ですが)に触発されて書いた、との事。それの映画化です。主人公のお兄ちゃんからすると、一種の「タイムトラベル」もの、と言えなくもない。物語の中に入り込んじゃって、右往左往、なんですが、源氏物語で悪役になっている女の人達を、別視点から見たら、いや〜〜そうでもないんじゃない?というお話。それはそうで、物事というのは大体、別の場所から見ると同じ事が全然違っちゃうし。だから、何か事件が起こるたびにいつまでたっても「真実が分からん」とか言い続ける人が出てきちゃうんですよね。

 主人公を演じた伊藤健太郎君、かなりの力演じゃないでしょうか。何だったか忘れましたけど、ご本人のやらかしと映画の価値は全然別物と考えて観てみるとよいのではないかと思います。一種恋愛ものでもあって、その辺の描写は切なくてね。。。。
 
 こう見てみると、千年前の物語なのに、まあ切り口の多い事にビックリします。自分的には、ありゃうつ病小説だと思ってるんだけど、これも一種別の捉え方だし。多面性のあるお話なんですね。だから、未だに愛読者が多いということか。

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2020/11/22 23:07:02|その他
こもりびと
 NHKが以前から大きいテーマとして取り上げ続けている「引きこもり」をドラマ化したもの。極めて珍しいと思うが「NHKスペシャル」の枠で放映されました。松山ケンイチさんが迫真の演技で当事者を描写しています。

 以前から、この件には重大な関心を持っていて、その理由は、自分も引きこもらーになっておかしくなかったから。今も、基本的には「準引きこもらー」的な生活をしていて、自分とこに仕事以外の電話だのメールだの、年にほとんどかかってこないし。別にそれでいいや、と思ってるし。

 このドラマは、当事者の方々のお話を汲んでオリジナル脚本をつくって製作されたという。凄くリアルで、もう一つ、いわゆる「8050」問題について、成程そうだよ、と改めて納得させられるものがあった。なにかというと、「8050問題」は絶対に解決しない、という事。その理由は、親が心底から自分の子供に謝ることはない、と断言できるから。このドラマでも、武田鉄矢さんが演じてた父親は、最後の最後まで、息子に要求ばかりしている。「生きててくれ」だの「許してほしい」だの。謝れよびっくりと思うのだが、この世代の連中は、「ゴメン」なんて一言が、どうしても口から出てこないらしい。風呂の栓みたいになってるようなんですよ。栓を抜けよ、と思うんだが。

 また、逆に、「ゴメン」ったって、態度から謝って「やってる」ってのが見え見えなんですよねえ。何について「申し訳ない」と思っておるのか?結局、自分の子供なんか、どーでもいいんでしょうね、この世代の親ってのは。
 その理由も分かる。今80代の人間は、子供時代戦争だった。あの厳しい時代を我々は生きてきたんだ、お前らは何だ、高度経済成長期(それも自分たちが築いたのだ)に子供時代で、何一つ不自由もなかったくせして!てなもんでしょ。腹の底にこの意識がある限り、どう謝ったって、「本気」にはならないでしょ。

 自分の子供を殺した農水省事務次官のオヤジに心底ムカついてるのだが(獣医のボスは農水省だから、なおさら腹が立つ)、自分の子供を殺しといて、被害者面してるらしいから。自己保身の固まり。これが今の80代で「偉そうな」役職についてた連中の意識ですよ。こういう連中がつくったのが今の日本だってこと。

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2020/10/25 21:40:57|映画 その他
TENET テネット
 話がこんがらがって訳分らなくなる、と脅されてる映画。うーむ、なんとかついていけたと思ったんだけど、後で「ん??!」ってなるところもあって。。。

 時間をテーマにすると大体こんがらがりますよね。タイムループもそうだし、その仕組みというか方法も含めて。今回は、「エントロピーは増大する」という法則の逆を使う作戦です。エントロピーが減少する世界=時間の逆流で、それを使って世界を原初に戻しちゃうぞ〜〜、とどうやら未来の人間が図ったらしい、それを食い止めようと主人公のチームが悪戦苦闘します。

 さすが「インセプション」を撮った方だけあって、話がとりあえずは破綻しないんです。エントロピーが減少する中にいると、呼吸もできないから酸素ボンベ、とか。しかあし、途中からなぜかタイムスリップして過去の時間に普通に現れることもできるらしい、となります。あとから考えるとよー分らんのですが、観ている時は、ああそうか、と簡単に納得してしまっていたなあ・・監督さんの術中にはまっちゃってますなあ・・・・。上映時間は長めなはずなんですが、椅子に座り直す余裕もなかった、、、位、緊迫したシーンが続きます。疲れたよ〜〜。いつか、ビデオかなんかで観て、戻ったり進んだりあれこれやらないとちゃんとした理解はできないんじゃないかな。

 主人公を演じた方、ひょっとして「ブラックパンサー」の後継もやれるんじゃないかしら、と思ってしまった。「ブラックパンサー」の主役の方が亡くなられたのはつくづく残念で。

 そういえば、「エントロピーは増大する。その逆はない」ってのは高校の時に習って、すごく納得した覚えが。「エントロピー=乱雑さ」だそうですが、成程、だから自分の部屋が散らかるわけね、別にそうしようと思ったわけでもないのに、と。エントロピーが減少してくれれば部屋ももそっと綺麗になるのになあ、なんて。

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