阿部寛さん、凄いわ〜〜〜。とてもドラム初心者だったとは思えない・・・・。
予告編で、この映画を観た気分になっちゃいがちですけど、実は、このお話にはもう一捻りあります。だから、本編を観たほうが得じゃないかな。
こういう音楽もの、吹奏楽だと有名なのは、イギリス映画の「ブラス!」ですが、あたしゃ、この映画が嫌いなんだ。だって、吹いてないもん。そんなの、音楽をちょっとでもやってる人間が観たら即分かりますって。そういう噓が大嫌いなもんで、実際に役者さん達が演奏してるのがはっきり分かる、だけで、こっちの方が格上だと思っちゃうんですよ。しかし、どの楽器も難しい、特にドラムはリズムがちょっとでも狂うともろ分かりなので、本当にすごいなあと思います。
映画で使われている音楽もなかなかいいんですが、特にラスト。「茶色の小瓶」ですが、これは「グレン・ミラー物語」の切ないラストシーンを飾ってる曲ですよね。しゃれたオマージュだと思ってうれしくなっちゃいました。
公式サイトP.S 主人公はパワハラって告発されて、音楽隊に飛ばされる、という話の発端ですが、このエピソードが、どう見ても「太陽に吠えろ」風なんです。成程、と思うのは我々くらいの世代って(阿部さんもそうだと思うけど)、ああいう暴力だのパワハラだのっていうのをテレビで刷り込まれてるんだよ。だから、あんまり違和感がない、わけ。非常に怖い事だと思いました。日本人が死刑制度に賛成なのも、多分、時代劇で「打ち首・獄門!」なんてのを聞き慣れてるというのがあるんじゃないかしら。これって、とんでもない刑罰の筈なんすけどねえ、ああもサクッと言われちゃう、それも毎週となると、悪い奴はそれでいいのだ!って思考に刷り込まれるところがあったんじゃないかなあ。ちょっと考えた方がいいでしょうね、こういうの。変な所で、思いもかけないことを刷り込まれてる可能性をね。