確か、去年の夏頃公開じゃありませんでしたっけ?なのに未だ上映中、だけじゃなくてずう〜〜〜っとランクインしているし。「エブエブ」の不評ぶりと相まって、とにかく観てみようと。
成程〜〜〜〜、このレベルの映画を観たら、並みの映画は吹っ飛んでしまうでしょう。色々ビックリすること多し。しかもそれがアニメなんだもんね。
まず、この映画はプロットが凄い。「戸を閉めて鍵かけて」というのは、田舎やバラックじゃない場所に住んでいなければ、ほぼ全員が、子供だってやってる日常動作で(もう最近は田舎だって戸締りしろ〜〜ってやってますよね、強盗が多いもの)、そこから、どーしてああいう大きな話に持っていけるのか?
それから、この映画は震災とがっぷり四つに組んでるところが凄い。あの時、TVで散々見せられた、しかし、TVを止めることができなかった、あの風景が再現されてて。アニメだから、そのリアルがいい感じにトーンダウンするんですけど。だから、なんとか観ていられる。
しかし、自分が一番共感したのはそこじゃない。この映画で一番真っ黒なセリフ、それです。あの言葉、別に普通じゃないか、と思う訳よ。実の親子であっても、いや、むしろ実の親子だから、子供が障がい持ち・難しい精神疾患・暴力や依存症・不登校や引きこもらー、あるいは、親側の認知症・精神疾患・依存症・大怪我や病気に由来する障がい・金を無心してくるとか等々、世話をさせられて、自分の人生を削られまくってる人は、総じて同じ思いがあると思う。
家族という名前の元に、犠牲を強いられる部分が多すぎる。昔は、そういう人間は早死にするか、縁切りもできたと思うんだけど、今はいつまでもだらだら生きてて、縁も切れない。これ以上無理ですって、義務なんだか役割なんだかから降りることが極めて難しい。保護者責任遺棄致死って犯罪がある位ですもんね。いったん「家族」になっちゃうと、保護者の責任を一生降りられない、これは恐怖ですよ。
だから、だーれも子供なんか産まなくなる。少子化の大きな理由の一つじゃないかな。
あとねえ、「神頼み」ってなぜ?これは、このお話の根幹に関わるから困るんだけど、現在の日本で災害をかわしているのはテクノロジーです。極めつけにキビシイ耐震基準やハザードマップを作ってる行政と、それを守って建築してる建築業界と、それを担保する建築技術や資材。実は、そういう人達が「戸を閉める」人なんですよ。神なんぞ糞の役にも立ってません。
そういう人や技術を軽視してませんか?この映画に使われてるアニメ技術だって最先端で、それもテクノロジーに支えられてる訳でしょ。だから、納得できないんです。
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