シネマ日乗

入間アイポットのユナイテッド・シネマ入間で観た映画の感想が中心になります(多分)。 ネタバレになってしまう可能性も・・・・・・。 その辺、ご留意ください。
 
2023/07/31 23:44:00|映画 あ行
インディ・ジョーンズと運命のダイヤル
 「インディアナ・ジョーンズ」という考古学者さんの大冒険譚は、今まで4作製作されてて、今回で5作目、になります。ハリソン・フォード氏の凄いとこですが、「ハリソン・フォードも年取ったなあ」じゃなく「インディも年取ったなあ」に見せてるんですよ。さすがと言おうか・・・・。

 で、舞台設定ですけど、アメリカはちょうどアポロの月面着陸に沸き返ってて、今さら考古学なんか、だーれも興味なし、という時期。インディ教授の講義にも学生は全くやる気なくて、もう引退だなあって時になっちゃってるんです。

 そこに、以前インディが名付け親になった、という人が現れるんですが、そこから話が二転三転します。いつものパターンといえばいえるけど、ナチスがらみの悪だくみにお宝が絡んですったもんだ、という感じ。話はパキパキ進んで分かりやすいのは脚本と編集の力でしょうか。結構人が入乱れるので、分かんなくなると困るなあと思ってたんですが、スッスと頭に入ったから。

 勿論、前4作みたいなアクションをインディさんがフルでこなす(いや、最初の前置き話では結構なアクションですけど)ことはできないけど、そこを若い役者さん達がうまくカバーして、話が面白いまま転がっていきます。いやあ、楽し〜〜。

 いつもと違うのは、お宝は敵に取られちゃうし、敵がそれを使っちゃうとこ。で、どうなるのか?がお楽しみですねー。

 しかしまあ、20世紀後半映画を牽引してきたスター俳優さん達が引退したら、どうなっちゃうんでしょうか?いささか不安・・・・。

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2023/06/29 7:54:23|映画 た行
大名倒産
 神木隆之介君といえば、今やってる朝ドラの主人公役(見てないのでよく知らないんですが)。映画では、「るろうに剣心」シリーズで、剣心さんをやたら苦しめる剣術遣いの役が印象強い。今回は、剣術のけの字も無理そうなお殿様、という役柄でしかも主役になってます。

 コメディーなんですけど、色んな映画や時代劇ドラマの「あるある」を小出しにしてくるもんで、それに気付くか、で、それを面白いと思うかどうか、で分かれそうですわね、感想が。脇の役者さんがすんごい重鎮ばかりなので神木君は大変だったと思うんですが、好演されていると思います。

 しかしなあ、「借金100億」っていうけどさ、今、国の借金は兆単位、一企業に過ぎない、筈の楽天の負債2500億円、ソフトバンクは4500億円(しかもややマシになった、というんだ)、こんな情報が入ってくるもんで、100億という数字がチャラく感じられてしまう今日この頃。あと、映画で描かれている涙ぐましい節約術ですけど、そんな程度で100億返せるわけねえべ、と醒めちゃうところあり。実際の金の動きが分かりづらいもんで、それが弱点かなあと。

 佐藤浩市さんのうさん臭さがよかったです。下手くそな習字が笑える。役回りはちょっと「スティング」風なんですよね。佐藤さんのコメディーは初めて見た気がするんだけど、さすがですわ〜〜。







2023/03/25 17:51:02|映画 やらわ行
わたしの幸せな結婚
 ただのアイドル映画ではないです。なんでだろうと思ったんですが、撮影に使われている建物群が「本物」だからでしょう。ので、場面場面に「つくりもの感」がない。観る甲斐のある映画です。

 原作というか、そのコミカライズ作を以前から読んでいて途中までの筋は分かってました。この映画はマンガ化されてる分のやや先まで描いています。漫画の実写化というのは、毎度賛否が起きますけど、特にそういうのは考えず、映画としてどう表現されるのか、が楽しみでした。それに十分に応えてくれてます。

 ジャニーズの男の子たちはやっぱり水準以上の方々だから、観てて楽しかったんですが、アクションも本物で、それも入り乱れての攻防なので、撮影は大変だったんじゃないかと思う。一方、主人公二人のラブストーリーでもある、その辺もきっちり描かれてて、納得するものがある。う〜〜ん、続編はもちろんありそうだし、作ってほしいな〜〜と思うんですが、マンガも、先が楽しみじゃ!!
 
 にしても、最近は、こういう「政略結婚だけど、あとから情がわいてきて、距離が縮まる」という話が多いんですよ。ある意味、相手を見つける所から始めなくちゃならない恋愛に、みんな疲れてるのかもしれないなあ。無理筋ですよね、元来そういうのって。

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2023/03/22 10:31:27|映画 さ行
すずめの戸締り
 確か、去年の夏頃公開じゃありませんでしたっけ?なのに未だ上映中、だけじゃなくてずう〜〜〜っとランクインしているし。「エブエブ」の不評ぶりと相まって、とにかく観てみようと。

 成程〜〜〜〜、このレベルの映画を観たら、並みの映画は吹っ飛んでしまうでしょう。色々ビックリすること多し。しかもそれがアニメなんだもんね。

 まず、この映画はプロットが凄い。「戸を閉めて鍵かけて」というのは、田舎やバラックじゃない場所に住んでいなければ、ほぼ全員が、子供だってやってる日常動作で(もう最近は田舎だって戸締りしろ〜〜ってやってますよね、強盗が多いもの)、そこから、どーしてああいう大きな話に持っていけるのか?
 それから、この映画は震災とがっぷり四つに組んでるところが凄い。あの時、TVで散々見せられた、しかし、TVを止めることができなかった、あの風景が再現されてて。アニメだから、そのリアルがいい感じにトーンダウンするんですけど。だから、なんとか観ていられる。

 しかし、自分が一番共感したのはそこじゃない。この映画で一番真っ黒なセリフ、それです。あの言葉、別に普通じゃないか、と思う訳よ。実の親子であっても、いや、むしろ実の親子だから、子供が障がい持ち・難しい精神疾患・暴力や依存症・不登校や引きこもらー、あるいは、親側の認知症・精神疾患・依存症・大怪我や病気に由来する障がい・金を無心してくるとか等々、世話をさせられて、自分の人生を削られまくってる人は、総じて同じ思いがあると思う。

 家族という名前の元に、犠牲を強いられる部分が多すぎる。昔は、そういう人間は早死にするか、縁切りもできたと思うんだけど、今はいつまでもだらだら生きてて、縁も切れない。これ以上無理ですって、義務なんだか役割なんだかから降りることが極めて難しい。保護者責任遺棄致死って犯罪がある位ですもんね。いったん「家族」になっちゃうと、保護者の責任を一生降りられない、これは恐怖ですよ。

 だから、だーれも子供なんか産まなくなる。少子化の大きな理由の一つじゃないかな。

 あとねえ、「神頼み」ってなぜ?これは、このお話の根幹に関わるから困るんだけど、現在の日本で災害をかわしているのはテクノロジーです。極めつけにキビシイ耐震基準やハザードマップを作ってる行政と、それを守って建築してる建築業界と、それを担保する建築技術や資材。実は、そういう人達が「戸を閉める」人なんですよ。神なんぞ糞の役にも立ってません。
 そういう人や技術を軽視してませんか?この映画に使われてるアニメ技術だって最先端で、それもテクノロジーに支えられてる訳でしょ。だから、納得できないんです。

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2023/03/18 8:16:38|映画 あ行
エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
 久しぶりに映画観て酔ってしまった〜〜〜。そのぐらい画面がカオスです。かなり観る人を選ぶ。酔い止め飲んでから観た方がいいかも。

 どちらかというと「地下鉄のザジ」系の映画なんですけど、とにかくスケールがものすごいので「なんじゃこりゃ?」と思うヒマを貰えない。画面に飲み込まれちゃうんです。さすが、作品賞を獲るだけの事はあると。

 あちこちに、他の映画のシーンの引用が出てきます(その映画をコケにしているわけではない)。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」とか「マトリックス」とか・・・。自分が気が付いたのが「グランド・マスター」。優れた映画ではありますけど、そんなに有名な作品でもないので、監督さんや脚本書いた方は映画オタクなんだろーなー、と。引用する映画に節操がないもんなー。

 でね、アカデミー助演女優賞をジェイミー・リー・カーティスさんが獲りましたが、勿論彼女も凄いんですが、印象強いのが、ミシェル・ヨーさんの娘を演じたステファニー・スー。いい映画には、必ず下の世代の凄い役者さんが現れる。彼女、今後注目です。

 この映画がアカデミーを獲れた理由は、ずばり「賞狙いではない」に尽きるでしょうねえ。大掛かりなおふざけ映画と言っていいんですが、それを全員がとことんやってます。ミシェル・ヨーさんは、本当に大変だったと思う・・・・・。

 ところで、このお話は、税務署でミシェルさん演じるエブリン夫妻が経営してるコインランドリーの経理について、税務官とやりあう(これ、経費じゃないでしょって奴)のが発端なんですけど、分かるわあ。経理業務ってゲロ吐きそうになる位、きっついんですよ、決算時。こないだ、PCがクラッシュして1年分の会計データがぶっ飛んだ自分としては、他人ごとじゃありませんでした。。。

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P.S:この映画は、とにかく色彩が多いんです。ジブリ映画っぽい。それが実写ってのがねえ。最初の感想は「こりゃ、変形の『ハウルの動く城』だな」でした。