なんとも陳腐な邦名です。もう少ししゃれた題名にならなかったものか・・・・・・・。
WOWOWで観る。存外印象が強かったので。
大人の少女マンガ。主人公の最初の出会いから目的地に到着するあたりまでは、まんま少女マンガ!!って感じでやや引いてしまうくらい。しかし、映画が進むにつれ登場人物の抱えるリアルが浮かび上がってくる、不思議な映画です。
しかしまあ、ピアース・ブロスナンなんて、こんなステキな人に口説かれたら、そりゃあコロッといっちゃいますよね。割と登場人物は多いのだけれど、彼はどうしても目立ちまくる。そりゃそうですよ、なんたって元007なんだから!!おまけに舞台はソレント。こーんな美しい風景をバックにして、いい男ぶりの人物に口説かれたら、誰だってヒロインになっちゃうでしょ。
なのに、巷の男って、どうしてこう無防備なんだか。アホやなあ、と思うのは、自分が浮気しようがなにしようが、女房が自分から離れっこないって、根拠なく確信してること。んで、自分が捨てられるなんて夢にも思わない、らしいこと。バカじゃないか?女房が自分よりか長生きしてくれて、自分を看病して看取ってくれる、なんてどうして信じられるのかねえ?
介護してもらえなくなるかも、という危機感、男って自分のことばかり考えてるようですけど、現実はもっとシビアです。男の側の両親を介護なんか、してくれないわけよ。当り前さ、製造元責任というやつがあるでしょ、こんな奴の製造元をどうして介護しなくちゃならんの?っていう。
美しい映画なんだけどそんな事を書いた新聞記事を思い出しつつ観てしまいました。
主人公を演じられたトリーネ・ディアホルムが素晴らしいです。微妙な表情の変化で、彼女の気持ちの揺らぎが分かる。大変難しい役だと思うんだけど。で、話を見続けていると、「うわ〜〜〜、少女マンガ!」って思ってた最初のシーンの重要性が分かってくる。誰に対しても一歩引いていた彼女が、初めて言いたい放題言ってる相手がブロスナンなんですよね。これ、かなり重要な伏線だと思います。
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