シネマ日乗

入間アイポットのユナイテッド・シネマ入間で観た映画の感想が中心になります(多分)。 ネタバレになってしまう可能性も・・・・・・。 その辺、ご留意ください。
 
2015/02/02 23:23:59|映画 あ行
アニー
 超有名なミュージカルの映画化。しかし、お話は知らないので、どんなんだろうと楽しみにしてました。

 舞台はニューヨーク。里子といえば聞こえはいいけど、孤児の女の子たちがしょーもない大家の女の家で何人も暮らしている。この大家の女がなんでそうしてるかというと、おそらくは孤児を預かると一人頭いくらで助成金かなんかが出るんでしょう、それ目当てっぽいんです。

 その中の一人、アニーという子がひょんなことから大金持ちの次期NY市長候補のおじさんと知り合って、彼の選挙キャンペーンに使われて・・・・、という話。大金持ちのおじさんの仕事がケータイ会社の社長である、というのが今風のアレンジなんでしょう。

 うーん、芸達者な役者さんが揃ってるし、主役の女の子も実にキュートで魅力的なんですが・・・・・・。


 なにか、映画としての魅力がないんです。なぜなんだろうか?

 ミュージカルとしての演出が中途半端だからかなあ?どちらかというと「ミュージカル風」といいますか。もうちょっとこう、ミュージカルとしてきっちりしているとよかったのかもしれない。なんとなくカメラワークが雑というか、ごちゃごちゃしてて、画面が見づらいのもちょっとなあ・・・・・。

 イライラ不機嫌な大家の女をキャメロン・ディアスが演じてますが、すげえ憎たらしくてなんか主役を食ってる雰囲気で、その辺も痛かったかも。なーんか可愛げがなくて。いやな奴のさじ加減、難しいなあ・・・・・・。

 ということで、ちょっと残念でした。

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2014/12/31 12:49:30|その他
今年のまとめ(2014)
 相変わらず邦画がナイスな一年。アクションものも邦画の出来が極めて良い。アメリカの映画でよかったのは「オール・ユー・ニード・イズ・キル」。トム・クルーズさすが!「スノー・ピアサー」も割と面白かったけど、これはどちらかというと韓国系だし。

 「るろうに剣心」の2部作は、今しかできない!!という映画でした。この作品はずうっと残るんじゃないか。

 「アナ雪」は、映画というより「現象」みたいになったけど。この映画を観て、歌を歌いまくってた子供が20年後あたりどうなってるか(特に男の子)興味あります。この間、狂言役者の野村萬斎さんのインタビューが毎日新聞に載ってたんだけど、中で「アナ雪」について言及されていたのでビックリしました。色んな人にあの映画も歌も訴えかける力があるのだな。

 コメディーは「超高速!参勤交代」ですねえ。大笑い〜〜〜。

 で、「太秦ライムライト」。今年のベスト、かな。

 来年は、「寄生獣」後編。アメリカ映画だと「アニー」かな。「寄生獣」は、どうやら話がかなり難しいものになりそうだ・・・・・・。どうなるのか、楽しみ。
 で、日本人って、歌って踊る映画が好き、なんだから、日本でもミュージカルっぽい映画を作ればいいのになあ。結構昔はクレイジーキャッツとかがしょーもない歌って踊る映画を作ってたのに。そういうのができないか、期待しましょう。







2014/12/18 23:43:03|映画 さ行
西遊記 はじまりのはじまり
 金をかけたチープな映画。

 チャウ・シンチー、ちょっと間違えちゃったんじゃないか?

 このテイストはなんだろう?「キョンシー」映画だなあ・・・・・・・、と思いながら見てました。

 「西遊真詮」を持ってて、何百回も読んでる人間としては、色々言いたいこともあるが、まあいいですよ。

 西遊記って、誰もが知ってる話のようだけど、この話の全貌を知っている人はほとんどいないんじゃないかな。

 ということで、西遊真詮は今はほぼ読めないと思いますけど、岩波文庫にはもっと長い奴の完訳版があるので、読んでみてはいかがでしょうか?本の方が数倍面白いです。


 しかし、どうも続編を作る気らしいんだけど・・・・・・。日本で公開できるんですかねえ?っていうか、作れるだろうか?

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2014/12/17 23:59:00|映画 か行
寄生獣
 年末の「腰が抜けた」映画。やだよもう〜〜カンベンして〜〜〜ムンク

 仕事柄、寄生虫ってのに対する知識は、多分普通の人よりかある、はず。ので、背筋がぞわぞわして・・・・・・。リアル過ぎるよ〜〜。
 しかし、この「寄生獣」はですね、寄生虫の基本原則をちょっと誤ってます。寄生虫が寄生虫たるうまい処世術はですね、「宿主をなるべく殺さずに共存共栄」ってやつ。犬の代表的な寄生虫であるところのフィラリアなんかは、その辺が実にうまい。寄生しても、なかなか症状を表に出さずに、しかし仲間を回りにばらまく、もんだから、1匹フィラリアに感染すると、周囲が大迷惑する、というわけ。

 だから、宿主をバクバク食べちゃダメなんですよ、寄生獣さん。学名がついてないから(とりあえず、この前編では)、こう言うしかないんですが。

 多分ノーメイクの深津絵里さんが怖いです・・・・・・・。で、最後に大物登場!!となりまして、後編へ、となります。結論を見ないと、こりゃどうにもならん。

 駆虫薬でどうにかならんか、ということで、イベルメックを一気飲みしたくなりました・・・・・・・・。

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P.S この映画を見ていてちょっとひるんだこと。女って、妊娠すると退職させられるんだ・・・・・・。「結婚もしてないのに妊娠」っていうのは、どうやら悪事らしいのね。呆れたもんだ。まあ、最近では安藤美姫さんのこともありましたっけ。あの反応はありゃなんだろう?と思ったんですけどさ。

 これじゃー少子化なんか、あったりまえですわ。

 深津絵里さんが「私もこんなことで退職するとは思わなかった」と語りますが、この映画で一番リアルに響くセリフだったと思います。







2014/11/19 20:09:05|映画 あ行
太秦ライムライト
 イオン日の出モールで観る。ずうっと観たくてしょうがなくて、ようやく観れた。

 もしかすると、今年1番の映画になるかもしれない。

 福本清三さんを知ったのは「ラストサムライ」だけど、その前から気になる人ではあった。名前が分からないもんで、謎の人だったわけです。確か「暮らしの手帖」の読者投稿コーナーだったかな?「ノーズシャドウの彼」とその方は書いてらした。いつもいつも時代劇の悪役で斬られるばかりなんだけど、どうも気にかかる、その人はそのうち、うらぶれたムードを更に強めるためなのか、ノーズシャドウを塗って画面に登場するようになった。しかし役名すら付かない役ばかりで、出演者のエンドロールを見ても誰なのか全く分からない、仕方なく「ノーズシャドウの彼」と名前を付けて見入っているうちに、とうとう手が画面に映っただけで「彼だ!!」と見分けがつくようになってしまった・・・・・・。こんなような話だった、確か。

 「ラストサムライ」で、よくもまあこの方をキャスティングしたものだ、と思う。ハリウッドの眼力も捨てたもんじゃないですよね。あの時の身のこなし、立ち居振る舞い、セリフは一言だけだったと思うけど、印象が強くてよく覚えている。

 その福本さんが主役を演じられた映画です。というか、福本さんご自身の変形のドキュメントのようなもの、ともいえる。描かれている「時代劇」をめぐる状況の変化や、大部屋役者制度の変質みたいな話は、全て事実だし。

 観てて感嘆していた。カメラワーク・照明・美術・役者陣・音楽・すべてが素晴らしい!!
 カメラが主人公に寄り添うように、滑るように動いてゆくシーン、影を使った障子の演出、時代劇を知る往年の役者陣、その中で、淡々と状況を受け入れてゆく主人公を、福本さんが演じている、といより、生きている感じがするんです。うん、ある意味「演じて」はいらっしゃらないなあ、福本さんご自身が映し出されているというか。
 で、福本さんを囲む俳優陣、凄い人たちばかりなんですけど、その方たちが実に丁寧にそれぞれの役を演じておられます。なんというか、愛情が溢れているんですね。

 で、この映画は、別の方向から見ると「映画を作るって大変だけど、いいよね」という映画愛ムービーでもあるんですね。「アメリカの夜」みたいな。太秦スタジオが舞台なんだから当然とも思うけれど。それにしても、この映画を通して、改めて日本の「時代劇」の世界というのは一種の演技文化であり、映像作成文化でもあり、演出技術なんかも含めて、廃れさせちゃっていいんですか?という危機感を感じてしまう。絶滅危惧種みたいな扱いではいけないとは思うんだけど・・・・・・。

 「るろうに剣心」のシリーズについて「剣戟アクション映画」と書いたけど、るろうにのシリーズは、時代劇とは別ジャンルだと思うんですよ。様式美を伴う「殺陣」ではないから。今回は松方弘樹さんの殺陣を久しぶりに観て堪能しましたが、歌舞伎のような、一種独特の型がつくる美しさなんですよね。

 この間福本さんのインタビュー番組を見ましたが、福本さんはいろんなスター俳優の殺陣をすべて覚えていらっしゃるようなんです。殺陣は映像美で、例えば田村正和の殺陣なんか、実際にはああは斬れっこない、筈なんだけど、田村さんがやるからカッコよく決まって見える、という話は実に興味深いものがありました。

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