シネマ日乗

入間アイポットのユナイテッド・シネマ入間で観た映画の感想が中心になります(多分)。 ネタバレになってしまう可能性も・・・・・・。 その辺、ご留意ください。
 
2015/07/29 18:39:00|映画 あ行
アリのままでいたい
 うーん、邦題がイマイチ・・・・・・。だって、アリはあまり出てこないし。主にカブトムシ・カマキリ・トンボってところだったかなあ。

 子供の頃は「ファーブル昆虫記」にハマってた。今思うと、あの全6巻本は、ファーブルさんの書いた「昆虫記」から抜粋して再構成したもので、本当の「昆虫記」とは似て非なるもの。小学生向けのそうした本は他にもありましたね。「怪盗ルパン」ものとか。後でルブランの原作を読んでみたら、ルパンは猛烈なマザコン男&目立ちたがり、奴のあまりの幼稚さに辟易したもんだ。で、恐れをなしてファーブルさんの原作はまだ手付かずなんです。

 今思うと、ファーブルさんは相当な変人だったんだ……、と周囲には思われてたに違いない。いい年したおっさんが這いつくばって家畜の糞をひたすら眺めてる(フンコロガシの観察ってそういうことです)って、どう考えてもヘンだもん。で、南フランスってきっとド田舎だったんでしょうね。今はどうか知らないけど。

 ところが、虫好きの変人って今も日本には結構いるみたい。そのうちのお一人である栗林慧氏が撮りためてきた映像を映画に構成してまとめたもの、という感じの映画。「ダーウィンが来た!」で見たような映像がでかでかと迫ってくるのは結構迫力がありました。

 夏休み映画ということで、観客は親子セットが多かった。で、子供の反応も気になってたんですが。子供って、映画の中の「子供向け」の部分についてはあまり集中してないのね。のに、栗林さんのインタビューや虫同士の相当なシーンはものすごく集中して観てる。子供に媚びても子供には届かないんですよね。ジブリ映画の凄さは、そこを一切排除している点なんだけども。この映画も、その辺をもうちょっと考え直しても良かったんじゃないかな。映像自体はとにかく凄いので。

 最後に栗林さんが、「虫が減っている」とおっしゃっていた。これ、自分も気になってしょうがないのだ。自分が子供の頃は、わらわら虫がいたのになあ、全然見なくなった虫が何種類もある。たまーに見かけるとホッとするんです。これはどういう事なんだろうか?子供が虫捕りしすぎていなくなった、ってことはない。最近の虫はアゲハチョウだって、羽がきれいだもん。補虫網にとっ捕まっていない証拠だ。なのにいなくなる。なぜ?
 自分が疑ってるのはホームセンターの訳の分からない殺虫剤の類。「アリ殺し」だの「クモ殺し」だの「ナメクジ殺し」だの。この辺は、基本益虫ってことで、手を出さないことになってたはずなのに。おそらくは、これ、女の目線ですよね。「ジャポニカ学習帳」の虫の表紙写真が気持ち悪いとかぬかす連中。こういうのに迎合してヘンな薬を売りまくるから虫が減っちゃうんだよ。こぎれいな庭はできるかもしれないけどね。ちょっといい加減色々考え直したほうがいいんじゃないか?

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P.S カマキリが卵から生まれてくるシーンを見てて思い出した事。カマキリの卵を冬に見つけて、洋服のクローゼットに隠しといたら(なぜそこに隠したんでしょうねえ?)、春のある日、エライことになった!!カマキリの幼虫がウジャウジャ生まれてきちゃって洋服がカマキリだらけになっちゃって、奴らを全部外に逃がすのに大騒動になった覚えが・・・・・・・。幼虫だってたまげたろうなあ、生まれて初めて見たのが洋服っていうのは違うでしょう・・・・・・。 







2015/07/15 23:58:00|映画 た行
ターミネーター 新起動/ジェニシス
 第一作目は学生の時友達が観て、とにかく追っかけてくる、ものすごーく怖いんだ〜〜!と興奮して喋ってました。後で観て、確かに、すんごく怖かった・・・・・・。基本的にはB級ムービーなんですが。

 「2」は映画館で観て感動した。あれだけ怖い思いをさせられたのに、ラストシーンはもう涙涙。これは今思い返しても名作だと思う。

 なのになのに〜〜!!その後はこの映画のシリーズはとっ散らかってしまいましたっけ。どんどん劣化するもんで、やんなっちゃって。で、この映画、シュワちゃんを復帰させてどうするつもりなんだ〜〜?と思ったんですが。おまけに悪役がイ・ビョンホンってなんだよ〜〜、と思ったんですけど。

 驚きました!!これは秀作だと思います。


 
プロットの展開が、完全にSFのそれなんです。脚本が秀逸なんですね。K.ディックの世界みたいで。

 「2」を見た頃、「スカイネット」なんちゃらが世界を支配する、なんて事が実際にあり得るとは思えなかった。でも、今は違う。現実に起こり得るなあ、と思って背筋がぞわぞわするんです。人工知能は確かにどんどん進んでいる。将棋ソフトが例の1。開発者の皆さんは夢中になってるみたいですけど、あれは一種の戦争シミュレーションでしょ。開発して、その先どうするの?ドローンも怖い。あれに銃や矢を持たせて攻撃させるのは簡単じゃないか、対象が人になったら?それを人工知能が操るようになったら?

 シュワルツェネッガーですが、ターミネーター役が一番ハマリ役に見える。そういう役を持てるというのは幸せなことじゃないでしょうか。

 どうも続きがあるみたいですが、このプロットをしっかり継承してぐちゃぐちゃにならないよう希望いたします。まだ、話の半分も理解できてませんので。

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2015/07/12 23:29:00|映画 あ行
海街diary
 観ながら、「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」を思い出していた。これは変形の「マイライフ・・・・」だな、と。サッカーが出てくるあたりもそっくりだ。で、家族なんぞまっぴらだと思っている人間には、こういう映画はキツイんですよ。

 こんなに丁寧な語り口の映画も少ないと思う。こういう映画を観ちゃうと、ハリウッド映画なんかお粗末でどーしよーもなく感じるんです。ハリウッド、どうなってるんでしょうねえ、最近は。とにかく画像処理が多過ぎて、きちんとした照明だの、丁寧なロケハンだの、基本的な「映画を作る技術」が失われつつあるんじゃないだろうか、と心配になるんですよ。

 4人姉妹の映画というと、確か向田邦子原作の「阿修羅のごとく」がありましたね。この映画で長女を演じておられた大竹しのぶさんが、今回はだらしのない母親役を務めてます。観てて、あーあ、となる。大竹しのぶさんVS樹木希林さんVS綾瀬はるかさんのやり合い、あーやだやだ、実家の正月に母親とその妹(だったっけか?)がわざわざ顔を突き合わせてケンカする、のとそっくり同じなんだもの。是枝監督、なんでこーいう女のしょーもないケンカをご存じなんですかあ?
 
 これが嫌だから、実家なんかに立ち入りたくないんだよなあ。

 で、普段はそういう事に蓋をして楽しく暮らしているから、あまり揺さぶられたくはないんですよ。

 ということで、いい映画だけど、テーマは、思い出したくないことばっかりなので、観るのはしんどかったですね。「マイライフ・・・・・」は一回観たきり、もう二度と見たくないと思って、その通りになってるんだけど。

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P.S 作中に出てくるサッカーについて。「マイライフ・・・・・」では、女の子が(主人公の男の子よりうんとデキル)中学に上がってもサッカーを続けるのに、女だというのを隠す、みたいなシーンがありました。これが50年前位(今から逆算すると、多分そんなもんだろう)のスウェーデンの状況。で、今の日本、中学生が男女混合で自由にボールを蹴り合ってる、のがこの映画。世の中はそこら辺まで進歩してるんですね。興味深いものがありました。







2015/05/18 15:42:00|映画 は行
ふたりにクギづけ
 絶っ対〜〜〜〜に面白いだろう、と思ってて、観たら本当に面白かった〜〜。

 とにかく笑える、映画館で観たら大笑いの揚句周囲ドン引きだったかもです。

 主演はマット・デイモンとグレッグ・キニア。この二人、結合性双生児ってことで、何でもかんでも二人セットなんです。お兄ちゃんは陽気でノー天気で目立ちたがり屋、弟は内気で奥手でアガリ症なんだけど運動神経はめっちゃいいし頭もいい、すごい凸凹コンビ!

 二人は田舎で(マサチューセッツ州ってド田舎らしいですね)ハンバーガー屋を営んでて、色んなスポーツをやっては大活躍!してるんだけど、お兄ちゃんはその他に、年1回のお芝居に主演するのが楽しみでならない。弟はそれが超苦手、なんだけど、とうとうお兄ちゃんが「ハリウッドに行って俳優になる!!」って言い出して、LAに行っちゃう、当然弟もいやいや引っ付いて・・・・。というお話。

 シンプルで笑いのツボ多し、話のテンポも速くて、面白いの一言なんですが、何気に凄いなと思うのは、二人でタッグを組んであれこれやるシーン。ハンバーガーづくりから始まって、野球・アイスホッケー・ボクシング・ケンカ等々・・・・・。いやあ、主演のお二人、ものすごく運動神経いいわ!!
 で、恋バナもありあり。LA在住の女の子と弟が3年前からメル友なんだけど、そこからうじうじしてるのをお兄ちゃんがけしかけてドタバタ〜〜、というのもオカシイんです。

 で、お兄ちゃんのおかしな野望は、アカデミー賞女優のシェリルさん(ご本人役で出演!)が出演するTVドラマで彼女の相手役になる、というトンデモ展開で実現します。で、弟をどうやって映さないようにするか、とかでてんやわんやになるし。

 で、シェリルさんのほかにも大女優、メリル・ストリープがまんまご本人役で出演されてます。彼女、相当楽しそうなんだ・・・・・・。ラストあたりはかなりびっくりして、嬉しくなっちゃいました。

 一応障碍者についての話なんだけど、自分的にはそれはただのプロットであって、ひたすら面白いや〜〜、という映画だと。この流れが「バリバラ」とかに継承されているのではないかな。観てよかったなあ、という余韻が強いな〜〜。あと、邦題が割とナイスなんじゃないでしょうか?確かにクギづけになるよ!!

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「バリバラ」

 







2015/05/05 22:14:00|映画 か行
寄生獣 完結編
 獣医および獣医科の学生は必見だと思う。 

 多分そうなるんじゃないかと思ってはいたんですが、極めて深いテーマ性のある映画になりました。この手のアクション系映画でこう考えさせられるのは初めて。観るのはおっかなかったんですが、観てよかったです。読んではいないんですが、もしこういう切り口でこういうテーマを掘り下げているとすれば、恐ろしい原作だ・・・・・。また、それを(多分)きちんと映画にしているのも凄いと思う。

 ギャア、どうなっちゃうんだ?の連続なんですけど、それだけじゃなくて、セリフですね。自分ならどう言うだろうか?一つ一つのセリフが重くて、そのせいで観ていて息が詰まるんです。クライマックスシーンの一つがゴミ処理場というのも示唆的。

 まあね、我々獣医ってのは、人間と動物を取り持てる唯一の国家資格の持ち主だから、そこんとこ、ちゃんと自覚して資格を使わないとね。それは観終わった後、改めて思いましたけども。

 染谷将太君と橋本愛さんが実にいいです。あと、ご本人は出てきてはいないけど(いや、出ずっぱりともいえるか)阿部サダヲさんの存在感抜きでは、この映画は上手くいかなかったかも。

 この映画、何か賞を取ってしかるべきじゃないかと思うんですが・・・・・・・。

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