うーん、邦題がイマイチ・・・・・・。だって、アリはあまり出てこないし。主にカブトムシ・カマキリ・トンボってところだったかなあ。
子供の頃は「ファーブル昆虫記」にハマってた。今思うと、あの全6巻本は、ファーブルさんの書いた「昆虫記」から抜粋して再構成したもので、本当の「昆虫記」とは似て非なるもの。小学生向けのそうした本は他にもありましたね。「怪盗ルパン」ものとか。後でルブランの原作を読んでみたら、ルパンは猛烈なマザコン男&目立ちたがり、奴のあまりの幼稚さに辟易したもんだ。で、恐れをなしてファーブルさんの原作はまだ手付かずなんです。
今思うと、ファーブルさんは相当な変人だったんだ……、と周囲には思われてたに違いない。いい年したおっさんが這いつくばって家畜の糞をひたすら眺めてる(フンコロガシの観察ってそういうことです)って、どう考えてもヘンだもん。で、南フランスってきっとド田舎だったんでしょうね。今はどうか知らないけど。
ところが、虫好きの変人って今も日本には結構いるみたい。そのうちのお一人である栗林慧氏が撮りためてきた映像を映画に構成してまとめたもの、という感じの映画。「ダーウィンが来た!」で見たような映像がでかでかと迫ってくるのは結構迫力がありました。
夏休み映画ということで、観客は親子セットが多かった。で、子供の反応も気になってたんですが。子供って、映画の中の「子供向け」の部分についてはあまり集中してないのね。のに、栗林さんのインタビューや虫同士の相当なシーンはものすごく集中して観てる。子供に媚びても子供には届かないんですよね。ジブリ映画の凄さは、そこを一切排除している点なんだけども。この映画も、その辺をもうちょっと考え直しても良かったんじゃないかな。映像自体はとにかく凄いので。
最後に栗林さんが、「虫が減っている」とおっしゃっていた。これ、自分も気になってしょうがないのだ。自分が子供の頃は、わらわら虫がいたのになあ、全然見なくなった虫が何種類もある。たまーに見かけるとホッとするんです。これはどういう事なんだろうか?子供が虫捕りしすぎていなくなった、ってことはない。最近の虫はアゲハチョウだって、羽がきれいだもん。補虫網にとっ捕まっていない証拠だ。なのにいなくなる。なぜ?
自分が疑ってるのはホームセンターの訳の分からない殺虫剤の類。「アリ殺し」だの「クモ殺し」だの「ナメクジ殺し」だの。この辺は、基本益虫ってことで、手を出さないことになってたはずなのに。おそらくは、これ、
女の目線ですよね。「ジャポニカ学習帳」の虫の表紙写真が気持ち悪いとかぬかす連中。こういうのに迎合してヘンな薬を売りまくるから虫が減っちゃうんだよ。こぎれいな庭はできるかもしれないけどね。ちょっといい加減色々考え直したほうがいいんじゃないか?
公式サイトP.S カマキリが卵から生まれてくるシーンを見てて思い出した事。カマキリの卵を冬に見つけて、洋服のクローゼットに隠しといたら(なぜそこに隠したんでしょうねえ?)、春のある日、エライことになった!!カマキリの幼虫がウジャウジャ生まれてきちゃって洋服がカマキリだらけになっちゃって、奴らを全部外に逃がすのに大騒動になった覚えが・・・・・・・。幼虫だってたまげたろうなあ、生まれて初めて見たのが洋服っていうのは違うでしょう・・・・・・。