壮大なギャグ。にしか見えなかった。何回も失笑したり、呆れてため息をついたり。
分からんよ。目の前の風景が焼野原だってのに、それでも勝てるとか、本土決戦だあ!とか。どこに目がついてるのか?目の代わりに銀紙でも貼ってあったのか?
ということで、鈴木総理大臣のタヌキおやじぶりがなかなか良かったです。鈴木さんって、しかし、肝が据わってらっしゃる、その理由は226事件の生き残りだからでしょう。この人を総理大臣に据えたのは昭和天皇ということに映画ではなっていて、もし本当にそうなら、天皇陛下の判断力は相当なものだったのだな、と思う。鈴木さん以外の人では収拾つかなかったでしょうから。
それにしても、男というかオヤジというか、どうやっても「変化」と「責任」が嫌いなんですなあ。判断の場に、一切女がいないのが印象的だった。これじゃーまともな判断なんぞできるわけなし。現実を正確に見る目がないんだから。
で、陸軍大臣にも呆れる。自分の部下がクーデターまがいのことやってるのに、気付くこともできずに酒を煽って自決ですかあ。自己憐憫の固まりにしか見えなくて。
映画としては、なんだかよく分からなかった。皆が同じ顔に見えるし、制服も同じに見えるしで。5時間くらいの長尺ならもう少し分かりやすく描けたんじゃないかと思うんだけど。ドキュメントか、ストーリーなのか、どっちつかずの演出だし・・・・・。「24」シリーズみたいな手法を使えば、色々整理して描けたかもしれませんが。結局わかったのは、天皇陛下とタヌキおやじと何考えてるのかさっぱり分からん陸軍大臣と生意気な青年将校くらい。クーデター軍団なんぞは誰が誰やら・・・・。ので、あらかじめ予習していった方がいいかもしれません。
にしても、ホント、日本のおじさんたちの本質って変わりませんなあ〜〜。国立競技場問題なんかその典型ですけども。安保法案、いやなのは、実際何か起こそうって時に、誰が責任取るのか、まーただーれも責任取らないという、訳わからん状況になるのでは、という懸念。
で、一方思うのは。クーデター連中もそうだけど、あの手のテロリストに「話せば分かる」は無茶です。ISなんか、思いっきりそうでしょ。だから、戦争ハンターイって言ってる人たちの話って全く説得性がない。なんかね、戦争反対です、悲惨だからです、ってすごく馬鹿らしい理由だと思います。ISに支配されたら平和ですか?悲惨の固まりみたいじゃん。そういうのについてはどう考えるのか、知りたいもんですよ。
公式サイトP.S 昭和天皇のドキュメントTVを大昔に見たのだけど、まだ覚えているシーン。何かの記者会見で、「天皇陛下は戦争責任をどうお考えになりますか?」という質問が出て、それに対して陛下が「そういう文学的な質問にはお答えしかねる」と返答されてた。文学的・・・・・・・かあ・・・・・、と思って。けど、玉音放送の内容等々を見ると、天皇陛下は一番その件について痛切に考えておられたんじゃないかと思うんですよ。