シネマ日乗

入間アイポットのユナイテッド・シネマ入間で観た映画の感想が中心になります(多分)。 ネタバレになってしまう可能性も・・・・・・。 その辺、ご留意ください。
 
2015/12/30 18:37:00|映画 さ行
杉原千畝
 邦画のいい作品が続いています。これも素晴らしい!!

 外交官杉原千畝氏の仕事、ビザ発給の事しか知らなかったので、諜報員としての杉原氏がきちんと描かれているのはとてもよかったと思います。その上での判断だったわけで、このビザ発給というのはつくづく重い決断だったんだろうと。
 にしても、情報を持ってて判断できる人間はつらい。どうしたって、正確な明日が見えてしまう。杉原さんには実際、おそらく日本が戦争を始める時にもう敗戦が見えてたのではないか。一人の力でどうにかなるものでもない。でもねえ、やっぱり、何か実行すると変わる場合もある。その「場合」の1つを描いた映画なんです。

 英語と日本語がほぼ同じくらいの割合で出てくる映画なんですけど、どちらのセリフも気持ちが入っていて納得がいく、これは監督さんの力量でしょうね。チェリン・グラックさん、これから大監督になられるかもしれない、注目です。

 この映画にはビザを発給された人達のその後も描かれています。ビザを握りしめてソ連を横断して(!)、ウラジオストクから日本へ、その船に乗せる決断をした人達の存在も大きい。杉原さんだけじゃないんですよね、重い決断をして実行した人って。その一人、大迫氏を演じた濱田岳さん、短い出演時間なんだけど、印象が強い。
 杉原さんのビザ発給が、全然違う場所にいる違う人達を動かしたわけですけども、人を動かす原動力は結局信頼感と、どうやら「熱さ」らしいですね。それがよく分かる。

 小雪さんは、平成の原節子だな、と思いました。おおらかで美しい。いいなあ、と。

 日本人の悪い癖は、すぐ「お上の言う事」にへいこらする点。へいこらする前に見極めること、重要だと思います。日本人の美質は「可哀想な人を助けたくなっちゃう」点。ユダヤ難民に対する、当時の報道の論調も極めて同情的だったらしい。杉原さんの判断を、実は国民が支持していたわけで、それを理解しなかった外務省はアホたれだった、という事ですね。

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2015/12/30 0:08:29|映画 さ行
スター・ウォーズ エピソードZ フォースの覚醒
 初4DXです。いや〜〜面白かった〜〜〜!!

 まずは、エピソード4〜6のメインキャストの皆さんがご健在で、この映画に登場して下さったことを喜びたい!!

 で、改めて、映画は未来を語るべきものだと思いました。過去をぐじゅぐじゅしてるよりか、未来を熱く語る時に説得力が出るんです。

 ということで、4DX、とにかく面白いです。次はじっくり見れる2Dで観ましょう。どう感じ方が変わるか、も楽しみです!!

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p.s ラストシーンを観てつくづく思ったのは。マーク・ハミルさん、この方はまさに「ルーク・スカイウオーカー」を生きていく人なんだなあ、と。この事には、ご自身は相当葛藤があるに違いないと思う、でも、やっぱり我々スター・ウォーズファンにとっては、ルークといえば、この方なんです。







2015/12/23 22:03:00|映画 か行
海難1890
 東映渾身の撮影!!!凄い作品ではないかと思います。

 この手の大作にありがちな、大仰な話の進行&大げさな音楽、じゃないんですよ。まるで、ドキュメンタリーを観ているようなリアルな迫力があるんです。トルコの軍艦が少しずつ悲劇に近づいていく描写・全く表情を変えてしまう海・壊れてゆく船・たいまつの乏しい明りに一瞬映し出される光景・そこから始まる救出劇、凄い緊迫感。

 特に海については、ないでいる時、嵐の時、実際にそうした時を捉えて撮影しているのだと思うんですが、そういう風景を捕まえて撮影するのはかなり難しいと思うし、嵐の時の撮影は、ヘタすると命がけだったんじゃないかと。

 それにしても、125年前の普通の日本人の行動力には驚かされます。現場はおそらくハンパないパニックに陥ってたんだろうけど、的確に判断し、行動する、のを自発的にやっちゃうというのは、一体どういう事なんだろう?内野さん演ずる田村医師のリーダーシップも凄いが。当時の救急治療の記録を調べると、今の災害時救急医療さながらのトリアージが実施されていたらしい。カルテも極めて詳細なものが残っている。自分の殴り書きのカルテ、反省・・・・・・。丁寧・真面目・几帳面な日本人の美質が自然に映画ににじみ出てるんです。

 後半はテヘラン編。これもドキュメンタリータッチで、一体どうやって撮影したんだろう、と。

 この件は、子供の頃だったけど、確かに覚えている。子供ながら、この国は何やってるんだろう、と思ったもんです。当時の大人って、本当に問題解決能力がない。よくゴジラ映画でやってる、「国会で右往左往」というのを実際にやってたんかい!!!

 この映画が興行的にやや苦戦中なのは、日本人として、ある意味「身内の恥さらし」みたいな話が出てくるから、ヤだなあ、という意識が働いているかも。トルコの方々には、頭が上がらないですよ。申し訳ない!!

 でも、そういうのを取っ払って観る、に値する映画だと思います。大画面で見ないともったいないです。

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PS.エンドクレジット、立ち上がっちゃう人多かったですけども、最後まできちんと見ることをオススメします。







2015/12/21 23:13:00|その他
下町ロケット
 TBS版が昨日終了です。最後までワクワク・ハラハラしつつ楽しんじゃってました。

 言ってみれば、おじさん達の「少年ジャンプ」か。努力・友情・勝利を大人向けに改変するとこんな感じになるんだ。大人になっちゃうと、考え方とか行動とかが、段々思い通りにならなくなるわけなんだけど、それは世界がどんどん複雑になっちゃうからですね。それとどう折り合いを付けて納得いく生き方に近づけるか、というお話とも思える。

 一方では、このドラマは変形の「水戸黄門」でもあるんです。勧善懲悪がはっきりしてて、特に悪役連中の立て方が上手い。小泉幸太郎君にはたまげちゃいましたけども。もうね、観つつ思わず「ヤな奴〜〜!!」と言いたくなるような輩に変貌してて。その辺はキャスティングも極めてうまい、というか大当たりという感じで。
 「水戸黄門」の行き詰まりは、やっぱり時代劇だから勧善懲悪がシンプル過ぎちゃって、というのがあるだろうな。現代劇にすると、悪事のレベルやその方法、それに対抗するやっつけ方も盛り沢山という奴で、成程なあ、と感心するんです。

 面白かったのは、このドラマは前半と後半に3年半くらいのタイムラグがあるのだけれど、3年半後の佃社長さんが、割と経営者としての自信がみえるというか、社長らしくなってるというか、そこら辺に「ちゃんと時間がたってます」のが分かる、存外芸が細かい脚本なんですよね。で、前半は見えにくかった社員の皆さんが、後半は光が当たって一人一人が見えるようになる、群像劇をきちんと見せるのは難しいと思うんだけど、その辺も実にうまい。連ドラとしてはものすごく優秀な作品だったんじゃないかと思うんです。
 この話って、前半なんかは特許権争いとかで、実は地味〜〜〜なテーマなんですよね、それを面白いエンターテイメントにするというのは驚きです。

 ロケ地も実際の工場等を使ってたそうで、手術シーンは埼玉医科大だし、そういうのも手抜きしてない。あと、音楽!メインテーマ、あれ、聴いてるとホントに気分が上がりますなあ。テーマ曲が「少年ジャンプ」そのものみたいで。オーソドックスなオーケストラ音楽なんだけど、いい曲ですよね。

 ということで、地味に仕事をしている人達を全力肯定する作品。連ドラだからこそ作れる時間や人のうねりが見えて、実に楽しかったです。

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2015/12/16 22:22:03|映画 か行
コードネーム U.N.C.L.E.
  多分今年一番つまらない映画でした。

 スパイものなんだろうけど、ぜーんぜんドキドキもしないしワクワクもしないし。

 主役の一人、ギャビーのレトロファッションくらいしか見るところがない。オードリー・ヘップバーンの「おしゃれ泥棒」みたいな「懐かしのおしゃれ」ファッションが好き、という人にはいいのかもしれません。こっちは全く興味ないし。

 映画の画面が途中でいきなり(それもアクションシーンの最中に)2・3・4画面とかに分割表示される。これが全く分からない。単に見づらくなるだけ。演出のつもりなのかなあ?
 なぜかエンドロールで、色々種明かしされます。しかし、別にもうどうでもいいやと思ってるもんだから、あーそうかい、で終わっちゃうんですよね。種明かしして続編につなげようという事でしょうか?というのも、題名の「UNCLE」ですけど、ミッションが終わってから(つまり、話が終わっちゃってから)「次のミッションがあるから」とか出てきて、で、「UNCLE」って名前のチームにするから、って話になる。なーんだ。続編なんか作れるのかしらん?

 
 そんなこんなで何が面白いのか全く分からず。続編はもっとつまらなくなりそうだ・・・・・・。

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