東映渾身の撮影!!!凄い作品ではないかと思います。
この手の大作にありがちな、大仰な話の進行&大げさな音楽、じゃないんですよ。まるで、ドキュメンタリーを観ているようなリアルな迫力があるんです。トルコの軍艦が少しずつ悲劇に近づいていく描写・全く表情を変えてしまう海・壊れてゆく船・たいまつの乏しい明りに一瞬映し出される光景・そこから始まる救出劇、凄い緊迫感。
特に海については、ないでいる時、嵐の時、実際にそうした時を捉えて撮影しているのだと思うんですが、そういう風景を捕まえて撮影するのはかなり難しいと思うし、嵐の時の撮影は、ヘタすると命がけだったんじゃないかと。
それにしても、125年前の普通の日本人の行動力には驚かされます。現場はおそらくハンパないパニックに陥ってたんだろうけど、的確に判断し、行動する、のを自発的にやっちゃうというのは、一体どういう事なんだろう?内野さん演ずる田村医師のリーダーシップも凄いが。当時の救急治療の記録を調べると、今の災害時救急医療さながらのトリアージが実施されていたらしい。カルテも極めて詳細なものが残っている。自分の殴り書きのカルテ、反省・・・・・・。丁寧・真面目・几帳面な日本人の美質が自然に映画ににじみ出てるんです。
後半はテヘラン編。これもドキュメンタリータッチで、一体どうやって撮影したんだろう、と。
この件は、子供の頃だったけど、確かに覚えている。子供ながら、この国は何やってるんだろう、と思ったもんです。当時の大人って、本当に問題解決能力がない。よくゴジラ映画でやってる、「国会で右往左往」というのを実際にやってたんかい!!!
この映画が興行的にやや苦戦中なのは、日本人として、ある意味「身内の恥さらし」みたいな話が出てくるから、ヤだなあ、という意識が働いているかも。トルコの方々には、頭が上がらないですよ。申し訳ない!!
でも、そういうのを取っ払って観る、に値する映画だと思います。大画面で見ないともったいないです。
公式サイトPS.エンドクレジット、立ち上がっちゃう人多かったですけども、最後まできちんと見ることをオススメします。