映画館は人でいっぱい。で、終わった後は、うーん、という感じの空気に。。。。
これは、ミュージカルの皮をかぶったジャズ映画です。どうしてそうなったか、というのは、監督さんが「セッション」を撮った方だからだと思う。「セッション」は観てないんだけど、ジャズドラムのレッスンのお話でしたね。「ラ・ラ・ランド」はどうかと言うと、ジャズという音楽をどういう切り口で映画に仕立てるか、に対する新しい回答ではないかな。アカデミー賞はその辺を評価してるんじゃないかと思う。
音楽をテーマにすると、よくあるのは、天才の評伝もの。これは、特にジャズ映画に多いと思う。もう一つは根性で練習して大成するのだ、という話。「セッション」もその系譜に入ると思う。この映画はどっちにもくみしない。夢はある、けど芸で身を立てるというのはなかなかうまくいかないんだよね、というお話にジャズが絡み、それをミュージカル仕立てにしてるんです。だもんだから、スチール写真や予告編に使われてる「ザ・ミュージカル」というシーンは本編中本当に数秒程度でねえ・・・・。カメラがさっさと撮り飛ばしている印象。けど、観る側はそれを期待して見に行くから、なんとなく肩透かしになっちゃってるわけ。ミュージカルシーンは本当に綺麗なんだけど・・・・・・。冒頭なんか、凄い長回し(のように見える)の撮影で圧巻のダンスを撮る、素敵なんですが。全体的には夢のある楽しいお話とも言えないので、味わうのが難しいです。
観つつ思った事。安倍政権が女性の活躍を促進とか何とか言ってます。となると、そこらじゅうでこういう話が出てきちゃうんだろうな。お互いにお互いの夢や希望を尊重して動くと、いわゆる従来の「結婚生活」なんか成り立ちようもない。一緒に住んで、一緒になんかして、みたいな。あとね、女が本気で仕事する、それに本気でリスペクトする男なんか、日本にいるわけない。ずうっと仕事をしてる自分は、この件に本気で絶望してるところがあるので、観ていてその辺を突かれるのが嫌でしたね。日本は、何かしらんけど結婚しなくちゃ子供を生んだり育てたりする権利もないらしい(世間様的にそうなっちゃってる。ヘンな話だけどさ)ので、活躍して〜〜、と政府が言えば言うほど少子化が進む、ということになるのも確実だな、と。あーあ。
公式サイト P.S エマ・ストーンがアカデミー主演女優賞獲得。おめでとうございます。この映画のもう一つのテーマはズバリ「映画」ですけども、彼女はそれを的確に表現していたと思います。一生懸命なんだけど、なかなか報われない、その不安定さがよかった。作品賞は最後の最後でずっこけるという、アカデミー賞おそらく始まって以来の大間違いに巻き込まれちゃいましたけどね。