シネマ日乗

入間アイポットのユナイテッド・シネマ入間で観た映画の感想が中心になります(多分)。 ネタバレになってしまう可能性も・・・・・・。 その辺、ご留意ください。
 
2021/09/08 13:43:58|映画 か行
キネマの神様
 この映画については、映画そのものより、主演の交代とそのいきさつが猛烈なインパクトで、映画の製作自体どうなっちゃうのか?という所まで行きました。恐らくはその後脚本をかなり見直したと思うんですが、その結果、とんでもない稀有な映画になったんじゃないかと思います。山田洋次監督と、スタッフ・キャストの熱量が、色んなことを吹っ飛ばしてしまいました。

 お話は、もう、映画を知ってる人間なら陳腐といっていいエピソードの連なりなんです。ダメじいさんがいて、家族に大苦労させている。それが一発逆転、という、いや、そうはならないんだけど。

 まず、主演を演じられた沢田研二さんですが。一言で言うと「名演」ではないかと思います。沢田さんのお芝居って、実は舞台で観たことがあって、しかも相手は志村けんさんだったんですが。志村さんとのコンビが本当に面白かったんだよなあ。この映画では、沢田さんに志村さんが乗り移っているような、しかし、沢田さんの存在感の大きさよ、という観ていて本当に不思議な気持ちになりました。こんな事ってあるんだ・・・・・。
 このじいさんが、なにかと「金貸してくれ」って言う訳。不快に思った、みたいな感想も読んだけど、自分はチャーミングだなあ、と。現実だったらドタマくるとは思うんだけど、なんか笑っちゃうんだ。
 その金は競馬・酒・麻雀に消えちゃって、しかも昔っから繰り返されてたみたいで、なぜにこんな奴とくっついてるのか、と娘が母親をなじる。それが、今風に言うと「それは依存症っていう脳の病気で、家族が本気で突き放さないと脱却のとっかかりさえつかめません」というのも、ちゃんと映画の中で説明されてて、それも凄いなと。山田監督は、家族の「分かっちゃいるけど〜〜〜」という葛藤もきちんと映し出しています。

 もう一つ、この映画の重要なエピソードはもちろん「映画」なんですが。要は山田監督の「思い出話」だと思う。それがヘンな郷愁やノスタルジーにまみれた話にならない。話自体は陳腐なはずなんだけど・・・・・。ちょっと信じられない。。。。。往年のスターを演じられた北川景子さんがとにかく美しいです。

 もう一つ、これも驚いたんだけど、今回のコロナ騒動がちゃんと描かれてます。ドラマ・映画含めて初めて観た。だから、客は観ていて否応なく志村さんを思い出しちゃうんですよ。辛いな・・・・・・。

 「東京物語」の1シーンも出てきて、小津安二郎の映画を一応観たことがある人間としては、嬉しかったです。ちょっとした小津批判も出てくるし。あー楽し楽し!

 ということで、映画を知ってる人間がすごく共鳴する映画だと思う。映画ファン必見!!

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2021/08/17 22:04:00|映画 あ行
イン・ザ・ハイツ
 久しぶりに、「あ〜〜観てよかった〜〜〜〜!!」と思いました。いや〜〜楽しい!!

 ニューヨークを舞台にした傑作といえば、「スモーク」ですけど、それに迫る、傑作じゃないかと思います。というか、「スモーク」をミュージカルにしたような。
 舞台になってるワシントンハイツ地区は、「スモーク」の舞台のブルックリン地区にほど近くて、プエルトリコ等々の移民の方が多く住んでる場所。そこで暮らしている、アメリカに夢持って来たけど、アメリカに夢を奪われちゃった人達のお話です。
 主人公のお兄ちゃんは、「スモーク」の舞台と同じような、アメリカ風のコンビニ(というか、何でも屋)を親の代からやってるんだけど、まあ地域住民が客だから、儲からないんだ。客の皆様は、無理だろうけど一攫千金!と思って、毎日宝くじをこのお店で買ったりしてる。移民としての団結はあるけど、一方で、この町からさっさとおさらばしたい、とも思ってたり。そんな複雑な感情をミュージカルに落とし込むって凄いなあ・・・・・。

 移民の問題は、今やどの国も抱えてるわけだけど、アメリカはそもそも移民で国が成り立っているのに、どうしてこうなるかなあ?という大きい疑問があるんですけども。その国のメイン集団のために、周囲から人を入れて、低賃金でこき使う、というパターン、日本でも普通にある事ですが、一方、日本人が他の国に行けばやっぱり、周辺民として、同じ待遇が待っている。どうなんだろう?これ?

 ということで、この映画は入管管理局の役人に観てほしいと思います。

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2021/08/14 21:54:48|映画 か行
ゴジラVSコング
 引き続き、アクション&VSX映画です。アメリカでの「ゴジラ」シリーズ、今回は、キングコングを相手役に持ってきてます。どういう風に物語をつくるんだろうと思ってたんですが、成程、しっかりした群像劇になってました。

 エイペックス社(エイベックスじゃありません)という会社が、ゴジラをやっつける方法を実行しようとして、それにキングコング及びその関係者が巻き込まれる、というのが概要でしょうか。日本人キャストとして、小栗旬君が参加しています。

 日本でゴジラものというと、必ずと言っていいほど、国だの政府組織だのが出てきますけど、アメリカ映画ではほぼほぼないのね。一企業があれこれやっちゃうんだよなあ。。。政府の権限が小さいという事なのか?それほどに政府の力が喪われてるという事なのか?

 こないだやってたオリンピックですけど、主催者の体たらくと、企業の姿勢の明晰さ(特にトヨタや全日空)が明瞭で、あー政府の凋落ぶり、企業の方が力を持ち始めている可能性を考えちゃいましたが、この映画でも、それを感じましたね。どうなっちゃうんでしょう、これから。

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2021/08/11 21:26:01|映画 は行
ブラック・ウィドウ
 さて、この映画をめぐっては、主演のスカーレット・ヨハンソンがディズニーを訴える事態になってて、どうやら泥仕合になってきてる。スカーレット側としては、この映画は劇場公開のみになる、という契約を結んだはずなのに、勝手に配信に乗せちゃって!ということで、ディズニーはそんな契約はしてないわい、と、こういう話のようなんです。観てみて、成程、スカーレットさんの言いたいことはまあ、分かるかなあと。TVやスマホのチマチマした画面で見るのには、そもそも向いていない感じがしました。

 マーヴェルのヒーロー映画もほとんど観てないから、話がよく見えないんですが、アベンジャーズというマーヴェルヒーローのスター軍団みたいなユニットがあって、ウルトラ兄弟みたいに世直しをしている、そのメンバーの一人である「ブラック・ウィドウ」が、そもそもそういうパワーを持つようになったのはどうしてでしょうか?みたいな話です。
 やっぱり悪い奴がいて、そいつを追っかけて世界中をバタバタ駆け回る、で、アクションだらけ、という事で、今日はこういうアクションてんこ盛り映画2本立てだったわけですけど、話もなんだか似たような・・・・・・。主人公の「家族」は寄せ集めの偽物だった、そうですが。

 そうねえ、今回2本観て感じたのは、アメリカ映画における「白人」の立ち位置が微妙になってきてるなあ、と。白人を「らしくなく」撮ってるんですよ。スペイン語もバンバン出てくるし。結局、中南米移民がどんどん増えてて、白人がアメリカでマイノリティーになりつつある、その辺がみえるような。
 
 スカーレット・ヨハンソンさんは、「モンタナの風に抱かれて」(この時は、彼女はまだ少女でしたが)や「ロスト・イン・トランスレーション」の繊細な演技しか見てなかったんですが、まあ、なんでもできる人なんですねえ。凄いなあ・・・・・・。

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2021/08/11 21:07:19|映画 やらわ行
ワイルド・スピード/ジェットブレイク
 このシリーズは1作しか見たことなくて、しかも、それは番外編みたいな話だそうなので。話の成り行きがぜ〜〜んぜん分からないまま観たんですけど。別に分からなくてもよかったみたい。
 要するに、世界を支配できるガジェットみたいなのがあって、それの争奪戦をやって、世界のあちこちでど派手なカーチェイスをやって、ついでに宇宙まで行ってしまう、という、「ありえヘン」お話です。
 驚くほどに、味方が死なないんだよなあ〜〜〜。ええんかいな〜〜?
 前回も思ったんだけど、女性が強いです。

 あと、思ったのは「逆007」だなあという事。とにかくあっちこっちに行く(トーキョーまで舞台になってた。実際はタイでロケしたみたいですけど。なんか違うなあと気になってたんですけど)し、対する悪の組織(?)もワールドワイドだし、車に変な秘密兵器があるし・・・・・。

 宇宙ってのはいくらなんでもやり過ぎじゃあないか、とは思うけど、そういうのが売りの映画なんだし。それに「家族がどうこう」というのを振りかけていっちょ上がり、しかし、金はめっちゃっかってそうですけどね〜〜。

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