中国 雲南の旅 昆明(11)
9)大石林と小石林 中国雲南石林、昆明市南約86kmの石林イー族自治県にあるカルストの景勝地。二億年前は広々とした海の底だったが、ヒマラヤ造山運動によって海底の基盤が盛り上がり、長い年月の風化と浸食によって出来た奇観。350m2ほどにわたって聳えている高さが20ー30mクラスのそれぞれ形の石峰が連なり、自然に作り出した壮大な光景が。奇岩怪石も沢山ある。地質の特殊さから、世界地質博物館と命名された。
入場門を通過する前の広場には、雲南の果物や穀物を販売する市が目に入った。(写真上1)そして、チケットを切ってもらって、中に入って行くと、道路の右手に色の濃い雲南桜が池の周囲に咲いている。花弁は八重桜に近いが、一本の木に咲く花の密度は小さい(写真上2)。イ族自治県ということでイ族の民族衣装を着たガイドが目に入る(写真上3)。被る帽子に三角の一対の角が立っている人は未婚の女性を示し、それが倒されていると既婚であることを示しているのだそうだ。男が、立っているその角に手を触れることは求婚を意味し、相手が受諾すると、後には戻れないのだそうである。だから、「手を触れないように。」と安さんから注意をされた。
大石林に入ってすぐの「石林勝景」には、大きく『天下第一奇観』、『石林』の文字が彫られた石の壁がそびえ立っており(写真上4)、雄大な剣峰池、スリルに富んだ蓮花峰、いろいろ珍しい形をした石峰など。例えば、“孔雀梳翼”、“象踞石台”、“双鳥渡食”などはその形がそれぞれ鳥や象によく似ている(つづき記事写真1)。
石林の中に入ってゆくと、天に向かって聳え立つ刃物の様な岩(つづき記事写真2)。両側から岩が迫り、僅かな隙間を縫って行く歩行路(つづき記事写真3)。そして岩がシルエットとして浮かび、様々な動物の姿に見える(つづき記事写真4)。
奥には「望峰亭」という展望台(続つづき記事写真上1)も設けられており、ここからは大自然の奇観の石の森を一望でき大自然を満喫できるというので足をそちらの方へ向けたが、幾筋も合流しながら展望台に向かうので、もの凄い混雑、押しくら饅頭そのもの。地元の人が観光することはなく、中国全土から曜日に関係なくツアーとして来るので、いつもこうであるとのこと。たまたま近くに日本人がいて、曰く、「中国人は譲りあうことを知らない。」。したがって、日本人はどんどん流れに遅れてゆく。礼の精神を重視した孔子も”謙譲”という精神の重要さは説かなかったのかも知れない。日本人が多々持っている譲り合いの精神は欧米から移入したものなのだろうか。
中国雲南石林の大石林隣の小石林は険しくないが、有名な“アシマ(阿詩瑪)”と呼ばれる巨石はここに聳えている。大石林がZ軸方向に展開されているとすると、小石林は面に展開されていて、造園されているという印象を受けた。(続つづき記事写真上1)
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