【D2-3:トルファン・蘇公塔】
トルファンの宿泊予定のホテルで2時間ほど休憩したあと蘇公塔に向かった。蘇公塔に着いた頃は気温が40℃は越えていただろう。経験したことの無い熱さを肌で感じた。しかしかえって気持ちが良い。汗が服に留まらずベタベタした感じがしないからだろう。空は青くまぶしい。早速、高さがある塔(37m)を写真に撮ろうとすると、真っ黒のシルエットになって写ってしまう。
清の乾隆帝時代(18世紀後半)トルファン郡の王ソライマンが父のために建立したイスラム寺院。その父の像?と蘇公塔全景を背景に写真を撮るも、像も自分も真っ黒、帰ってから、明るさとコントラストでやっと写真上1まで修正。像の足元には白い花の低木が見られるが、何の花か。
そして、蘇公塔に近づき、その手前の円形広場の中心に立ち写真を撮るも、やはり、黒いシルエット。明るさとコントラスト調整でなんとか見れる様になる(写真2右下)。この中心点に立ち手を拝むように叩くと、鳴き竜の様に音の残響が聞える。鳴き竜は床と天井との間に定在波が立ち、ちょうど定在波の腹の位置に耳が来るので、ビ~~ンという残響が聞えるのだが、ここは床はあるが、上にあるのは青天井のみで、定在波が立つはずが無い。それでは何故残響が?
塔の側からこの広場を見れば分かるかもしれない。階段を上り(写真上2左)、見晴らしの良いところへ向かう。明るさ調整をしないとこれほどの青い空となり、建造物の輪郭が浮き上がる。塔は全てレンガを積み重ねて建てられている(写真上2右上)。幾何学模様が美しい。建物の上階の見晴らしの良い場所に上り、そこから円形広場を見おろす(写真上3)と残響の理由が、円形広場の円周部に配置し、広場を囲む様に配置した低い壁ではないかと推測。円形の直径と音速の関係から周波数を計算すると、10Hzを切る。(超)音波が研究対象の自分としては考え込んでしまうネタである。以上の音のことはどんな旅行案内にも書いていない。この残響を故意に実現しようと思って建造物を設計しているのなら大したもので、たとえこの円形広場のみ最近造られたとしても、中国人の科学に基づいた遊び心が伺い知れる。
そんなことを考えながら、目を右手に移すと、緑野に所々土で出来た建物が崩れ落ちた姿をほうぼうに認めた(写真上4)。これらが、交河故城や高昌故城の様な遺跡でないと言える証拠は無いのでは無いか。目を凝らして見ると、それらの広大な地域は緑の塀で囲まれていて、入り口の門が施錠されているようにも見える。
発掘調査が予定されているのかも知れない。胸がワクワクする。時計を見ると、すでに北京時間であるが、18:30を過ぎている。