3)十和田湖 湖岸散策 八重桜が盛りである。途中の道の駅公園でも、見たが、十和田湖湖岸の八重桜は満開であった。少し雨がパラつく曇天の下なので、映えている、とはお世辞にも言えないが、肌寒く、無彩色の光景のなかで、暖色のピンクが僅かにアクセント、飾りとなって見えた。映画「シンドラーのリスト」の一場面、白黒画面のなかを赤い服を着た少女がさまよい歩いている場面を思い出した。
桜の向こうに見える遊覧船は暇そうである。桟橋の入り口は閉じられていて、本日の予定は終了しました、と言っている(写真1a)。既に17;30を過ぎていて店じまいしたのだろう。
桜はソメイヨシノが散り始め、八重桜が満開というところだろう。関東以南であれば、すでにつつじが満開または散り始めであるが、ここではやっと蕾の先が赤くなった程度のものが鉛直に 立っている(写真1b)。
すぐ目の前のピンク色の八重桜から目をずらし、望遠しても湖面との境界がぼんやりと見える程度で、ましてや対岸にある山の輪郭など見えるはずが無かった(写真1c)。そして、また駐車場に戻り宿泊予定の十和田プリンスホテルに向った。
時間が遅いためか、湖岸道路を走っていても対向車と行き交うことは少ない。天気が悪くても、ところどころで写真に撮るの絶好の景色に出逢うが、そういうところに限って車を停車させる路肩は殆どなく、カーナビと前方とを交互にみながらの運転になった。
途中平屋または二階程度の学校の様な建屋が、向って右手にみ見えたが、カーナビに表示されたマークが高層ホテルだったのと、建屋を隠すように見事に咲いた枝垂れ桜にのみ気を取られ、ついやり過ごしてしまったが、それこそが、目指す十和田プリンスホテルだった。オーバーランして5分程行ってもそれらしきが現れないので、「右手に見えたのが、そうではないの?」と家内が言い始め、その言葉に頼らざるを得なくなり、Uターンして、そのあたりに戻った。はたして、確かにそれが十和田プリンスホテルだった。 4)十和田プリンスホテル 広大な敷地を思わせる駐車場のある奥行きのあるロータリー広場の奥の方に、どっしり構えた木造二階建てのホテル出入り口があった。18:00を過ぎてはいたが、まだ写真を撮るには十分な明るさである。
桜の花の向こうの景色は五月のみどり豊かな光景ではあった。さらにその向こうの山々は霞んで輪郭を確認するのが難しかった(写真2a)。その方向に向って写真を撮ろうとしても、その視野の少なくても片隅に桜の花が入る(写真2b、2c)。
その入り口をその方向に向って立ち並んだ枝垂れ桜に沿って歩いて行くと、制服を着たホテルマンが現れ、「いらっしゃいませ」との挨拶。中に入り、モタモタしていると、後から来た団体客だろうか、自分たちと同年配の男女がツアーディレクターらしき人に誘導されてチェックインしてゆく。皆関西弁を使っているので、自分達より遠来のようだ。
チェックイン・カウンターの向こう正面にロビー、左手にレストランがある。右手に客室があり、その終端に温泉がある、との説明があった。部屋に入ると、テーブルの上にてるてる坊主が置かれ、「ようこそ十和田湖へ、あした天気にな〜れ」と書いた短冊が置いてあった(写真2d左)。 おそらく、ここ数日雨つづきなのであろうということが、このもてなしで推測できた。
ロビー前面には洋風庭園が開け、そのすぐむこうに十和田湖が接している(写真2d、写真2e)。全面芝生の庭園には白樺が埋まり、白いベンチもいくつか置かれている。これでチャペルがあれば、格好の結婚式場もしくは披露宴会場だろう。
このホテルの温泉には2回入ったが、時刻が遅かったこともあり、人は少なく閑散としていて、露天ということもあり、少し寒かった。ヒートショックが厳しい老齢の人には厳しいのか、短時間で上がってしまう人が多いようであった。
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