長江三国志の旅物語(その1)
1.序>/>
後漢末の勢力図は、劉備は徐州(長江北部、淮水あたり)に、曹操は、汝南、許昌、南陽がある豫州北部、袁術が、寿春、合肥がある豫州南部で長江に最も近い地域に拠っていた。
また劉表は襄陽を含む豫州西部で長江の北に位置した。その他、董卓(長安、洛陽のある司州)、張角(兗州)、袁紹(冀州)、公孫瓉(幽州)が黄河の南北で勢力を張っていた。
それに、孫堅、孫策の呉で、当時は揚州で富春、会稽、銭塘、新都と長江東部を含有する。天下三分して抗争した時代に主戦場となる赤壁、洞庭湖、江陵、武陵、長沙のある荊州は劉表の影響力は大きかったが、この州に最初から拠った英雄は居ない。
今回、訪問した観光地の、浙江省杭州市にある諸葛八卦村は諸葛孔明の後裔達が現在も住居し、孔明を祀る色彩が強く、呉に仕えた諸葛謹や、魏に仕えた族弟(遠縁の従弟、はとこ)の諸葛誕は家系図に載っているが、殆ど注目されていないことを思うと、蜀文化の色彩がつよい地。
それに比べ、龍門古鎮は孫権の根拠地であり、その後裔が現在も生活している呉文化の色彩がつよい地。
また観光先の安徽省にある合肥、寿春は、三国志の攻防に敗れた袁術が拠っていた地域であり、この地を巡って、劉備軍と呂布軍、その後の呂布軍と袁術軍の攻防が有名。
合肥にある三国遺址公園あたりは曹操が武器を製造する工場があったあたりであり、その意味では魏国の文化の色彩がつよい地と言えるかも知れないと勝手に思っていた。
ただ寿春は、旧称は郢、といい、南北交通の要衝であり、古来より兵家必争の地であった。三国志時代の約100年後の五胡十六国時代に淝水の戦いの古戦場ともなっている。三国志時代をはるかに遡る春秋戦国時代の楚の都であったことも興味を持たせ、訪問先として直前に追加した理由となっている。
2.日程詳細>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
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◆D1、5月22日(金)
NH929東京(成田10:10)−杭州(12:50)、
杭州空港へ出迎え
杭州泊 杭州華僑飯店(★★★)
(310006 中国杭州上城区湖滨路39号)
・ホテルチェックイン後、
・西湖湖畔散策、
・駱さん、張さんに夕食御馳走になる)
◆D2、5月23日(土)
専用車で諸葛八卦村へ日帰り観光。
杭州泊 杭州華僑飯店 (★★★)
・夕食はコンビニ弁当
(フルーツ、ソフトクリーム付き)
◆D3、5月24日(日)
専用車で竜門古鎮へ日帰り観光。
杭州泊 杭州華僑飯店 (★★★)
・帰途、荻浦古民家群へ立ち寄った。
(申賭氏宗廟等)
・帰途、杭州中心部(清河坊(河坊街))
にある中国茶、漢方薬専門店
(胡慶余堂?)へ 立ち寄る
・近くの生鮮スーパーを見学後、
・駱さん、張さん宅訪問
・張さん弟夫婦を交え、焼肉店で8年ぶり
再会パーティー
◆D4 、5月25日(月)
ホテルを6:30に出発 新幹線で合肥へ
(7:33(杭州東駅出発)〜10:54(合肥南駅到着)
合肥到着後車で寿春へ、寿春古城、寿県博物館
孔廟見学 合肥へ戻る(寿県博物館は休館)
安徽省博物院、逍遥津公園見学。
合肥泊 合肥百花賓館(★★★)
・合肥中心街で食事
・スーパーで土産(「徽永祥」,「月餅」等)
◆D5、5月26日(火)
午前三国新城遺址公園観光。
午後新幹線で(15:11発ー17:24到着)杭州に戻る。
・杭州東駅から西湖湖畔広場駅までは地下鉄
・ホテルで旅費精算
杭州泊 杭州華僑飯店(★★★)
◆D6、5月27日(水)
午前中自由行動、11時頃迎えに、
NH930杭州(13:40)−東京(成田17:50)帰国。
・西湖湖畔の朝散歩
・本屋へ、「中国民間故事」と中国民歌
(宋祖英、彭麗媛)CDを購入
・杭州空港で土産(杭州特産「黒麻糕」、
「海苔香脆片」、「折叠盒」)
◆帰国後 駱さんから中国人の沖縄ツアーガイドで来日時にコンビニから宅急便にてCD2枚(チベット民歌とモンゴル民歌)を送付、受領
3.観光内容詳細
杭州空港に出迎えてくれた駱さんは、8年前の新彊ウィグルの旅以来の対面だが、その若さと美貌は変わらない。それに力強さが加わった様に思えた。空港から西湖湖畔にあるホテルまで、駱さんの運転、車は新彊ウィグルの旅でも大活躍の三菱パジェロで、今回の杭州での観光は全て、この車で観光(張さん運転)と送迎(駱さん運転)をしてくれた。
杭州華僑飯店は三ッ星だが浴槽はあるし、朝食も癖の無い食べやすいものであった。水廻り環境は全く問題無し。夜お腹がすいた時の為にと、枇杷30個以上入った箱を手渡してくれた。
その他、別の日だったか記憶があまりないが、ライチと花桃を一度には食べきれない量を駱さんからいただいてしまっている。因みに花桃は生まれて初めての賞味だったがおいしかった。
杭州華僑飯店にチェックインし、少し休憩後、西湖湖畔夕景を駱さんの案内で散策。西湖夕景は、黄金色に染まった湖面に黒い影となった観光船が浮き上がって美しい(写真22-1)。
その美しい夕景を背景にして人物写真を撮ろうとすると、逆光になり自分は良いが(写真22-2)、駱さんの写真はそうは行かない。逆光にならない角度に向きを変えてパチリ(写真22-3)。
湖畔には小さな広場がところどころにあり、そこでは広場毎にダンス自慢、歌自慢、楽器演奏自慢、飼っている鳥自慢などの人たちが集って自慢の技を披露しているが、競い合うということは無く、自分流で楽しんでいるようで、中高年男女の舞台となっている。
更に老境に達した人たちはベンチに浅く座り、対岸を静かに遠目に眺めている。彼岸を眺めているのかも知れない。
そして、しばらく行くと、樹木の周りに人垣が見えた。近づくと、リスが見えた。人が食べているトウモロコシを失敬するリス(写真22-4)もいる。9年前に来たときには見られなかった光景である。
少し夕日の方に向かって歩くと、一人の女性が、駱さんにカメラのシャッター押しを頼んできた。そういえば9年前に来たときにもそういうことがあった。時がゆっくりと流れている様に感じた。9年前に来たときは「梁祝」という曲が流れ、自分の知っていた曲なので、心躍らせる気持ちで湖畔を巡った記憶があるが、今回はそれは無い。
御主人の張さんともども夕食を一緒にしようということになり、近くの喫茶店で張さんを待ち合わせることになった。「McCaffe」というマクドナルド系列(?)の喫茶店の様だ。
しばらくして、張さんが現れた。8年振りだ。勤務先の車で、ホテルの駐車場まで来たのだそうだ。
少し歩いた先のレストランへ入った。落ち着いた感じで、喧騒さや、紫煙の匂いも無く、明るさをいくらか抑えた寛げる雰囲気の店である。
これまで中国旅行で困ったのが食事であった。食べきれない量が出てくるのと、なじめない香辛料が使われた料理が出てくると、野菜だろうが、肉だろうが、魚だろうがお手上げとなる。
今回もそれが気になったが、杭州独特の料理法で姿、味が異なるものの(特にナンは日本に無い味)、全体に日本人の自分には心地良い味であった(写真22-6、22-7)食事代は駱さん夫婦が持ってくれた。謝々!
帰りに再度西湖湖畔の夜景を楽しみ、写真を撮り(写真22-8、22-9)ホテルに戻り、今後利用する可能性の高い、ホテルに隣接したコンビニを下見して、翌日の出発時刻8:00を約し、ホテルの部屋に戻った。
>>>>>> 続く <<<<<<