報道によれば,
陸上自衛隊のヘリコプターが沖縄県の宮古島の周辺で消息を絶った事故で,ヘリコプターは,レーダーから航跡が消える直前に法令で定められた最低安全高度の150メートル前後で飛行していたとみられることが防衛省関係者への取材でわかった。
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ここでいう150メートルは,水面からの高さのことと思われるが,この報道には誤解を招く表現がある。もしかしたら,取材に応じた防衛省関係者の表現が誤解を招くものであったかもしれない。
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最低安全高度は次のとおり,航空法施行規則第174条に規定されている。
(最低安全高度)
第百七十四条 法第八十一条の規定による航空機の最低安全高度は、次のとおりとする。 一 有視界飛行方式により飛行する航空機にあつては、飛行中動力装置のみが停止した場合に地上又は水上の人又は物件に危険を及ぼすことなく着陸できる高度及び次の高度のうちいずれか高いもの
イ 人又は家屋の密集している地域の上空にあつては、当該航空機を中心として水平距離六百メートルの範囲内の最も高い障害物の上端から三百メートルの高度
ロ 人又は家屋のない地域及び広い水面の上空にあつては、地上又は水上の人又は物件から百五十メートル以上の距離を保つて飛行することのできる高度
ハ イ及びロに規定する地域以外の地域の上空にあつては、地表面又は水面から百五十メートル以上の高度
二 計器飛行方式により飛行する航空機にあつては、告示で定める高度
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報道されている範囲で,レーダー消失した場所は伊良部島海岸から2Km程度離れた海上であり,この地点には上記第174条第一号ロが適用されると思われる。その場合最低安全高度は水面から150mではない。
船などがいれば,その船から150mの距離が最低安全高度となり,水面からの高度は限りなく0mに近くてもかまわない。
反論があるとすれば,当該海域は本施行規則における「『広い水面』ではない」とする論だ。
2023.4.12(水)