車の車輪が外れて他者が怪我をしたり死亡する事故がこの十年で急増しているらしい。特にトラックの左後輪が外れることが圧倒的に多い。
調べてみると,従来左車輪はJIS規格で逆ネジが使われていたところ,2010年以降ISO規格の順ネジに変更されている。
つまり走行することにより左側車輪を止めるネジは,緩みにくい逆ネジから,緩みやすい順ネジにわざわざ変更したということだ。
前輪の場合は緩めばハンドルへの違和感が生じるだろうことから気付き易いのに対し,特に二軸以上の後輪は気付き難いという点もありそうだ。
規定トルクで締めても,少し走ると緩みが発生する場合があるのは乗用車でも同様だが,大型車の場合はかかる力が大きいから,JIS規格では逆ネジとなっていたのだろう。
単車の車軸を止めるナットは,セルフロックナット又はコッターピンを使用するのが一般的だ。
点検を確実に行うことは大前提ながら,緩み難いよう対策することも重要であり,外れた時の影響がより大きなトラックやバスに,何故単車のような緩み止めが使われないのか疑問だ。
2023.12.4(月) |