G7伊勢志摩サミットに続き,オバマ大統領は広島を訪問した。現職の大統領が広島を訪問することの可否について,米政府は相当深く検討し,総合的判断の結果Goとしたハズだ。
オバマ大統領の意向を踏まえた上で,原爆投下が太平洋戦争終結の切っ掛けとなったと考える米国民,とりわけ戦争に参加した退役軍人の心情,他の核保有国に対する影響,それに日本国民の原爆に関する意識,日本政府として謝罪を求めない姿勢等,評価要素は想像を超えて広範だったに違いない。
私が一つ気になるのは,トランプ大統領候補の発言が影響しているのではないかという点だ。トランプ候補は,日本が在日米軍の経費を全額負担すべきであり,そうでなければ米軍を引き揚げると言っている。その際,日本や韓国が核武装することに異論はない旨発言している。
もしトランプ大統領が実現すれば,そのような流れとなる可能性があり,日本の核武装に対する最大の抑止力である米国の意向が,現在とは大きく異なってしまう危険性を,米政府が考慮したと考えられる。
任期を若干残したこのタイミングで現職大統領が広島を訪問し,今後核兵器を使用しない決意を表明することにより,日本の核武装論に対する一定の抑止効果を狙った面があるのではないか?
もし将来,トランプ候補の言うシナリオが現実化したとしても,オバマ大統領の広島訪問を歓迎した日本人が,掌を返して核武装論に走ることに抵抗を感ずるであろう特性に期待した,米政府の思惑があったのではないかと考える。
2016.5.28(土)-2
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