2015.7.26(日)1058ごろ調布飛行場近くで発生した,パイパー式 PA-46-350P型(JA4060)の墜落事故について,運輸安全委員会から昨日事故調査報告書が公表されたので,最後まで読んでみた。
フライトレコーダーが搭載されていない(搭載義務はない)こと,機長が死亡していることから断定はできないとしつつ,搭乗者の写した画像を含む複数のカメラによる画像,録音,目撃証言があること,墜落した機体が現存することから,客観的に原因を推定できたことが伺える。この事故調査報告書において『推定』とは,断定ではないが,ほぼ間違いない場合に使われる言葉だ。
それによると原因は,離陸上昇中,速度が低下したため失速して飛行場周辺の住宅地に墜落したものと推定されている。
速度が低下したことについては,重量が最大離陸重量を超過した状態で飛行したこと,低速で離陸したこと,過度な機首上げ姿勢を継続したことが推定されている。
過度の機首上げ姿勢を継続した点について,重心位置が最大離陸重量時の後方限界に近かったため,機首上げが発生しやすい状態において,機長が速度よりも上昇を優先させて機首上げ姿勢を維持した可能性が考えられる,としている。
また,速度が低下したことについては,これらの要因に加えて,エンジンの出力が低下していたことによる可能性も考えられるが,これを明らかにすることはできなかった,としている。
注目すべきは,最大離陸重量を超過していたことだ。機長が重量重心の確認をした形跡は,残されていないとのこと。その上過度な機首上げとなれば,失速しかない。
事故当日,低空飛行する画像が放送されていた。エンジンの出力が落ちていたのかと思っていたが,重量オーバーとは。
2017.7.19(水)
PS 速度が増加しない時,機首を下げて増速することが必要と,頭ではわかっていても,低高度でそれを行うのは困難だろう。それでもそうしなければ,墜落を免れることはできない。感覚的には困難でも,蟻地獄から脱出するにはそれしかない。それでダメなら,手抜き計画だったと諦め,被害が最低限となるよう,最後までコントロールを継続することだ。 |