社労士からのおたより

 
2010/01/26 16:05:53|ねづ通信
2月号(25号)
★ 日本年金機構がスタートしています 
 平成22年1月から、社会保険庁⇒日本年金機構となり、各地の社会保険事務所は「年金事務所」と名前が変わりました。今のところ名称が変わっただけで、実施している業務には変更はありませんので、今まで通りの内容でご利用できます。
 年金事務所では、@3回コール以内に電話に出る。A30分以上待たせないようにする。B笑顔で対応。などサービス面をアピールしていますが、そう直ぐに習慣は直せるものではありません。まして、人員削減しているので、どのくらい満足できるサービスを提供できるのか疑問です。3回コール以内で電話に出ることで担当窓口の人は、本来の業務が出来ないと嘆いています。今後、申請後の手続き等が遅れる可能性も無きにしも非ずですね。
 
 日本年金機構・・・非公務員型の公法人(特殊法人)
             職員数は、22,713人(内有期雇用11,913人)・・・半分は有期雇用者です。
             運営業務(適用・徴収・記録管理・相談・裁定・給付など)

 社会保険庁 → 廃止!!
                →日本年金機構(運営業務)
                →厚生労働省(財政責任・運営責任)

◎「お客様へのお約束10カ条」(職員の行動規範)をご紹介します。(一部略)
  @わかりやすい言葉で、ていねいにご説明。  A年金のご相談はお客様にとってプラスとなる「もう一声」を心がけ。 B電話は3コール以内。C来所相談や電話によるお問い合わせには迅速に。その場で答えできない場合には、速やかに確認の上、2日以内に確認の状況をご連絡。 Dお待たせ時間は30分以内とすることを目指す。混雑時でも、お待たせ時間短縮に努めるとともに、待ち時間の目安を表示。 Eお知らせ文書や届出申請書類は、できるだけやかりやすく、読みやすく。 Fご意見・ご要望を、積極的にサービス改善につなげる。 G迅速な対応で、正しく確実に、できるだけ早く年金をお届け。 H定期便をはじめ、年金情報提供サービスの充実。 I個人情報管理の徹底
 ・・・・以上の約束を守れたか否か、毎年の実績を公表するそうです。

★ 派遣労働者雇用安定化特別奨励金(H21.2.6〜H24.3.31)

「2009年問題」対応の一環として派遣労働者の失業防止、雇用の安定化を目的として創設された助成金です。派遣先企業が、6か月超えて継続して受け入れている業務に従事している派遣労働者を、派遣期間満了前までに、派遣先企業が直接雇用した場合に下記の内容で助成金が出ます。正社員だけでなく、6か月以上の契約社員(更新有が条件)として雇用された場合にも対象となります。ただし、その場合には、受給額は半額となります。

   中小企業  
     期間の定めない雇用・・・・・・・・・・・第1期=50万円、第2期=25万円、第3期=25万円  
     合計100万円
     6か月以上の有期雇用の場合・・・ 第1期=30万円、第2期=10万円、第3期=10万円  
     合計50万円
   窓口は、管轄のハローワーク
   対象者が途中で退職した場合には、申請できません。
 







2009/12/28 9:08:25|その他
1月号
★ 新型インフルエンザ感染時の対応
 12月7日、新型インフルエンザによる死者が全国で100名になった記事が記載されていました。持病持っている方及び持っていない方含んでの数字です。勿論、糖尿病や何かしらの疾患を持っている方の死亡率が高いですが、これからの時期まだまだ油断できない状況です。そのような中で、中小企業にとっては新型インフルエンザ感染は脅威と言えます。最小限の人数で業務をこなしている中で、1名でも1週間休まれた場合、またその1名からの感染で他の従業員も休むことになった場合、中小企業の経営状態は停滞してしまします。仕事依頼が来ても対応できないことになり、大げさかもしれませんが最悪のパターンだと会社倒産の危機を招くことになりかねません。そのようなことを招かない為にも、常日頃から危機感をもって予防対策をしておいた方が良いと言えます。
 業務内容を1名しか知らず、かつ1名だけで対応しているということをせず、誰もが業務に対応できるという全員体制を確立していく方が、中小企業にとってはベストな方法だと思います。

 Q.新型インフルエンザ発病者を出勤停止にできるか?
    ⇒ 労働安全衛生法第68条の伝染病感染者について記載されています。インフルエンザは、
    5類感染症に分類されているので、出勤停止にできますが、実際停止にする場合には医師の
    意見を聞かなければいけません。
    この場合、法的には賃金の支払い義務は発生しません。
    ただし、会社の判断で休業させた場合は、平均賃金の6割以上の休業手当を支払わなければ
    いけません。
    この際、年次有給休暇を消化してもらうことも検討してみてはいかがでしょうか。
    
 Q.新型インフルエンザで売上がダウンした場合、損害補償制度のようなものはありますか?
    ⇒ 中小企業緊急雇用安定助成金の支給対象に「新型インフルエンザの影響による需要(客
    数・受注量等)の減少を理由とする休業等」が含まれることになりました。
    本来は、休業開始日の前日までに休業計画届を提出する必要がありますが、一定の要件を
    満たしている場合、H21.5.16(新型インフルエンザが国内発生確認された日)まで遡っての
    申請が可能です。

★ 健康診断は年1回実施していますか?
 労働安全衛生規則の第43条及び第44条より、雇入れ時及び定期健康診断の実施は義務化されています。
 
  ◎雇入れ時・・・・常時使用する労働者を雇い入れするとき(雇入れする前3か月以内の診断書提
   出でOK)
  ◎定期健康診断・・・・常時使用する労働者に対し、1年以内ごとに1回、定期的に実施
   パートは努力義務ですが、一般労働者なみの労働時間(3/4以上)であれば義務
  ◎深夜業・・・・・業務配置換え時及び6か月毎に1回、定期的に実施

  健康診断の記録作成したものは、5年間保存義務。
  50人以上の労働者を使用する事業所は、労働基準監督署に健康診断結果報告書を提出。
  
  ◎長時間労働者への医師による面接指導の実施・・・・週40時間を超える労働が1月当たり100
  時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる場合は、労働者の申出により、面接指導実施







2009/12/02 8:59:42|ねづ通信
12月号
★ 実習型雇用助成金等(H21.7〜H24.3)
  
H21.7から新しい助成金がスタートしています。希望分野で働きたいけど、十分な知識・技能・経験がないという求職者を会社等で実習をかねて雇用した会社に対し、月額10万円を6か月間支給します。さらに、6か月経過後社員として採用し一定期間定着している場合、最高100万円まで支給するという助成金です。これは、H24.3迄の期間限定です。
要件
 ・ハローワークで実習型雇用の求人登録をしておき、ハローワーク経由で採用した場合
  ・6か月間の有期契約を締結
  ・その6か月間で実習や座学を実施
目的
  これは、技能や経験ある指導者のもとで仕事を覚えてもらうことを目的にしています。OJTでもまたOFF−OJTのように取引先での実習も含んでOK。研修会参加して受講してもOKです。時間や割合などの制限はありません。
  6か月間どのような研修をし、いかに未経験者をレベルアップさせるか。積極的に雇用対策に取り組んでいる会社に対して支給されます。
  似たもので、トライアル雇用がありますが、これは、3か月間お試し期間ということで月4万円が支給されています。また、これは年齢制限もありますが、実習型雇用助成金の方は年齢制限もない上、支給額も大幅なアップとなっています。
支給額
 @実習型雇用助成金   
   基金から月6万円×3か月、月10万円×4か月、ハローワーク   から月4万円×3か月   計月10万円×6か月
 A正規雇用奨励金  
   正規雇用後6か月経過後、さらにその後定着をしている場合   50万円×2回
 B教育訓練助成金
   正規雇用後、さらに必要な教育訓練を実施したとき (OJT   又はOFF-OJTによる)  上限50万円


★ 残業をさせるのは、違法だと知っていますか?

労働基準法第32条
 「@休憩時間を除き1週間につき40時間を超えて労働させてはならない。
  A休憩時間を除き1日について8時間を超えて労働をさせてはならない。」
 と明記されています。ということは、それ以上労働をさせることは違法になります。
 
        ↑   ↑   ↑    ↑

 しかし
 ⇒労働基準法第36条
 協定(労働者の過半数を代表する者)を締結し、労働基準監督署に届け出た場合においてのみ、時間外労働及び休日労働をさせることができます。これを、サブロク(36)協定と通常よんでいます。これにより残業させるのが、適法となります。
 36協定は、出したから毎年安心して残業させることができると思わないで下さい。自動更新規定を設けていても、労使双方異議がなく、同一内容の36協定を行使する旨の書面の届出は毎年必要となります。







2009/10/28 12:04:12|ねづ通信
11月号
★出産手当一時金の支給額アップ(H21.10〜)

 出産手当一時金の支給額が、今年1月に35万円から39万円に変更されましたが、この10月に再度39万から42万円に変更されました(産科医療補償制度未加入の病院等は39万円)。今年10月以降の出産が対象となっています。出産手当一時金は今まで各自で協会けんぽの窓口に申請し、後日入金されるというシステムでしたが、今回からは被保険者からの手続きを簡略化し、直接出産する病院に支払われることになりました。出産費用に不足がある場合には不足分を被保険者が直接病院に支払い、42万円未満なら協会けんぽに差額を請求することになります。また、病院等に直接振り込まれることを望まない場合には、従来の方法でも可能です。その場合には、病院等にその旨を申出しなければいけません。
 これで、出産時の莫大な費用の工面に奔走せずに済みそうですね。ただ、協会けんぽから病院に出産費用として、振り込まれるのに1ケ月以上かかる見込みだそうです。病院の資金繰りに影響しそうです。

 被保険者等→→ 病院等の費用50万なら→→ 8万円自腹支払い
 被保険者等→→   〃      36万なら→→ 6万円被保険者へ
 被保険者等→→ (直接支払希望)病院に申出→→費用全額支払い後→→協会けんぽへ請求



★改正育児・介護休業法の一部実施(H21.9.30〜)

改正育児・介護休業法は、本来はH22.4.1からスタートしますが、一部先行して施行する決定をしました。
  @育児休業をとった社員を解雇した企業名の公表
  A労働局が情報提供を求めたにも関わらず、虚偽の報告をした企業に過料 
  B育児・介護休業法に基づく紛争解決援助制度のスタート(調停制度はH22.4.1〜)
   都道府県労働局長による援助(助言・指導・勧告)・・・雇用均等室
育児休業を理由とした解雇が多いため、来年4月まで待つことなく、緊急を要する事案であることがわかります。少子化傾向の中、少しでも安心して子供を産んでもらえる労働環境を整備したい国の政策が見えます。

●育児・介護休業法に基づく紛争解決援助の対象
  対象者:紛争の当事者である男女労働者及び事業主の方
  @育児休業制度A介護休業制度B子の看護休暇制度C時間外労働の制限D深夜業の制限
  E勤務時間の短縮等の措置F育児休業等を理由とする不利益取扱いG労働者の配置に関する
   配慮

★中小企業定年引上げ等奨励金(申請しやすい助成金の一つ)
@雇用保険適用事業所で、既に1名でも60歳以上65歳未満の雇用保険被保険者がいること。
AH21.4.1以降、65歳以上の定年制や継続雇用制度等の導入をしていること。
B就業規則にH21.3.31までに定年年齢について記載されていること。
10人未満の事業所でも就業規則に準ずるものであればOK
C20万〜160万支給されます。過去に継続雇用制度奨励金(第1種)受給している場合、受給不可。
D高年齢者雇用開発協会へ申請









2009/09/15 21:56:08|ねづ通信
10月号
★改正労働基準法

労働基準法の一部が改正され、平成22年4月1日から施行されます。それに伴い就業規則の見直
し等が必要となります。施行規則・告示・施行通達があり、取扱いが明らかになりましたので、ご紹介 します。
当分の間(3年程度と思われます)、中小企業は、割増賃金を50%に引上げる部分については、猶予されていますが、3年経過後はどのようになるか不明なため、早め早めの対応をとることが大事になります。

A.「特別条項付き36協定」を結ぶ際、次の3点に気をつけること(限度基準公示の改正)
  @特別条項結ぶ際、割増率を明記すること(義務)
  A特別条項による時間外をできるだけ抑えること(努力義務)
  B特別条項を結ぶ際、割増率を25%超にすること(努力義務)

  ⇒ @は義務なので、特別条項付き36協定を提出する際、割増率が明記されていないと
 指導を受けることになります。中小企業も同様です。@は猶予されていませんので、ご注意下さい。
 この割増率は、中小企業は別に25%超えていなくても、ただ25%増しの分だけでもOKです。

B.1ヶ月60時間を超える労働時間が発生した場合、中小企業以外は50%増しの割増賃金を支払う
  義務が生じます。就業規則の変更も必要になります。
   60時間を超えた時も労使協定を結び、有給の代替休暇を与えることもできます。その場合
  には、50%増しは適用されず、従来の25%増しの割増賃金を支払えばOKです。

  ⇒労使協定で定めるべき事項として・・・
  @代替休暇として与えることができる時間の算定方法時間外労働80時間として20時間オーバー
  の場合、20×25%=5時間の代替休暇
  A代替休暇の単位(1日又は半日)
  B代替休暇を与えることができる期間(発生した月の末日の翌月から2ヵ月以内が限度)

C.年休の時間単位付与
  労使協定を結ぶ
  @時間単位年休の対象となる労働者の範囲
  A時間単位年休の日数(5日が限度)
  B時間単位年休の1日の時間数
  C時間以外の単位設定(1時間単位のほか、2時間単位、3時間単位なども可能)

※ BやCを中小企業も労使協定を結べば可能ですが、しかし事務的に面倒で煩雑な処理になります。あまりお勧めできませが、時間外労働が多いところでは代替休暇付与することで少しでも経費削減になるかもしれません。しかし、その前に労働時間の見直しをした方が確実に経費削減になります。
  また、60時間超えた場合、健康問題において使用者責任(民法)で損害賠償問題に発展する可能性もあります。事業所は、健康診断を少なくとも年1回実施する義務があります。(最近は特に健康問題に注目!)