社労士からのおたより

 
2010/12/14 9:31:52|ねづ通信
12月号(35)
★新設助成金のご案内
平成22年9月24日から助成金がスタートしていますので、ご案内いたします。
@3年以内既卒者トライアル雇用奨励金
  受給要件 : ・ハローワークに「既卒者トライアル求人」を提出
           ・ハローワークの紹介
           ・高校・大学等卒業後3年以内で就職活動中の人(1年以上の正規雇用経験なし)
         ・3ヶ月間有期雇用(トライアル)
         ・その後、正規雇用した場合
  助成金額 : 有期雇用期間中 ・・・ 1ヵ月10万円
           正規雇用から3カ月後 ・・・ 1人50万円
           正規雇用に至らない場合でも、原則として10万円×3月の返還不要

A3年以内既卒者(新卒扱い)採用拡大奨励金(トライアル雇用無しで、いきなり採用した場合)
  受給要件 : ・ハローワークに3年以内既卒者の求人募集を提出
          ・ハローワーク紹介 
          ・卒業後3年以内の者を正規雇用
  助成金額 : 正規雇用してから6カ月後に100万円支給(同一事業主1回限りの奨励金)

その他
 @キャリア形成促進助成金の厳格化(H22.10.1〜)
   教育訓練の助成金ですが、10月から有期実習型訓練の受講要件が厳格になり、支給限度額
   が設けられました。
 A介護職員処遇改善交付金の要件追加([H22.10.1〜)
   介護事業者向けの交付金に、キャリアパス、定量要件が導入され、これらの要件を満たさない
   場合には、交付金が減額となります。

改正予定 
 @若年者当正規雇用化特別奨励金、派遣労働者雇用安定化特別奨励金の拡充が予定されてい
  ます。(詳細が決まりましたら、お知らせいたします)

★被扶養者が少年院等に収容された場合の届出 
 少年院や監獄等に収容、拘禁されたときは、疾病・負傷・出産については給付が制限されます。被保険者のみならず、被扶養者が該当した場合でも給付制限対象者となります。ただし、埋葬料は支給制限されません。
会社の方では、「健康保険法第118条第1項該当・非該当届」を年金事務所に提出することになります。







2010/11/10 13:10:30|ねづ通信
11月号(34)
★雇用保険の遡及加入手続について(平成22年10月1日〜施行)
雇用保険料が天引きされていたけど、実際には雇用保険に未加入だった方の遡及加入手続きは、今までは、遡っても2年まででした。しかし、平成22年10月1日からは、雇用保険料が給与から控除されていることが明らかである場合は、2年を超えて遡り、雇用保険の加入手続きができることになりました。

対象者は・・・ @平成22年10月1日以降に離職した人 A在職中の方
要 件は・・・・ 給与明細で雇用保険料が天引きされている事実が確認できること
手続きは・・・ 給与明細、源泉徴収票など、ハローワークに持参すること
   ↓     ↓     ↓    ↓
 これで、雇用保険の被保険者資格を遡及して取得した方は、被保険者期間が長くなるので、失業手当の所定給付日数が増える可能性があります。
 反対に、事業所の事務処理が一時的ですが、煩雑になります。年度更新の修正申告が修正する年度分必要になります。(例:H19年10月に遡及加入なら、H19年度・H20年度・H21年度の確定分修正)

★新型インフルエンザワクチン接種の取り扱い変更(平成22年10〜施行)
昨年までは、季節性インフルエンザと新型インフルエンザの接種方法は、別々に行っていましたが、10月から新型と季節性(香港型及びB型)の3つの株が混合された3価ワクチンが製造・供給されることになりました。
 また、昨年は新型インフルエンザの接種順位に優先がつけられていましたが、10月以降からは全員が受けられることになりました。
 費用の方も、季節性インフルエンザと同じくらいの料金になるそうです。
 インフルエンザワクチンが原因で健康被害が生じた場合、医療費や年金など健康被害救済制度もあります。
新型インフルエンザは、感染すると脳炎や肺炎など合併症を起こし、重症化しますので、事前に予防しておくことをお勧め致します。

  ちなみに、ワクチンには2種類あります・・・・@1価 (新型インフルエンザのみ)
                             A3価(新型と季節性(香港型及びB型))








2010/10/07 8:48:44|ねづ通信
10月号(33)
★最低賃金法改正でどのくらいまでアップするのか?
毎年、10月から実施される最低賃金だが、今年は地域別最低賃金を15円引上げる予定で検討中です。
埼玉県は、おおよそ15円引上げられ750円になる予定です。東京都は、30円アップし、821円となる予定となっています。日本は、まだ不景気であり、賃金も下がる方向にある中で、最低賃金が引上げになるのは事業主にとっても大変な負担となります。そこで、最低賃金はどのように決定されるのかを知る必要があるかと存じます。
 引上げ額の決定方法は、次の@Aのいずれか高い方で決定しています。
 @全国一律の引上げ目安 ・・・・ 10円
 A最低賃金額が生活保護水準を下回っている都道府県 ・・・ 差額解消のための調整額

 10円引上げは、公益委員会の意見 ・・・ 2020年までに最低800円にするためには、年平均
 15円アップする必要があるが、経済成長低迷の中、実現が厳しい。そこで、今年度はともかく引き
 上げ幅を10円に設定するという意見になったわけです。
 ただし、最低賃金額の最終結論はこれから出ます。(埼玉県:昨年度は9/17)

※ 各県における最低賃金確定 この文書作成後、今年の最低賃金が出そろいましたのでご覧下さい。

★不正競争防止法改正(H22.7.1施行)
@「不正の競争を目的としての行為」が処罰の対象だったが、ネット上に営業秘密を不正公開する
  などの行為は処罰外だったため、「不正の利益を得たり、営業秘密の保有者に損害を与えたり
  する目的」も処罰の対象に付け加えられました。
 A労働者が無断で営業秘密をコピーして持ち出す行為も処罰の対象となりました。

●営業秘密の3要件
 @秘密管理性(秘密として管理されている)
 A有効性(清算方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報)
 B非公知性(公然と知られていないもの)
  民事上 → 差し止め請求・損害賠償請求・信用回復措置請求
  刑事上 → 10年以下の懲役、又は、1,000万円以下の罰金

雇用契約締結時、労働者へ認識させるためにも秘密保持契約を別途結ぶことが望ましい。さらに、就業規則に規定し、労働者への周知させることも必要になります。
契約するチャンスとしては、@雇入れ時、A在職中(特定プロジェクトへの参加時など)、B退職時、が考えられます。

※秘密管理性が認められるためには、@情報にアクセルできる者が特定されていること、A上記の者がそれを秘密であると認識できること







2010/09/07 17:26:14|ねづ通信
9月号
★賃金支払いの5原則(労働基準法第24条)
労働基準法には、使用者がまもらなければならない最低基準を定めています。その基準に違反する場合
は、労働基準監督署より指導又は勧告処分がされます。今回は、賃金支払いについて、5つの原則がある
ので、ご紹介します。

通貨払い・・・通貨で支払うこと・・・・・・・(例外)同意があれば振込OK
直接払い・・・直接本人に支払うこと・・・(例外)単に使い(使者)であればOK
全額払い・・・全額支払うこと・・・・・・・・(例外)労使協定締結すれば、控除可能
毎月払い・・・隔月払いはできない・・・・・(例外)賞与や臨時支払いはOK
定期払い・・・毎月同じ日に支払うこと

 ここで、問題になるのが、全額払いの原則です。法的根拠のある控除(源泉所得税、社会保険料、雇用保険料)はできますが、その他立替、貸付分、クリーニング代などを給与から勝手に控除することはできません。控除を適性に行うためには、労働者の代表と「賃金控除に関する協定書」を締結しておく必要があります。ただし、締結しても労働基準監督署に提出する義務はありませんが、社内に保管しておく必要があります。

★継続再雇用は同日得喪扱い(H22.9.1〜)
現在、60歳を超え64歳までの定年退職後、1日の空白期間なく同じ会社に雇用される場合は、資格喪失と資格取得届を同日に行うことで、標準報酬月額が変更されることになります。
 現行では、60歳を超え64歳までの間に継続再雇用されている場合は、被保険者資格も継続している取り扱いになっているため、再雇用により給与が下がっても3カ月経過後の4ヶ月目から標準報酬月額が変更され、在職老齢年金が計算されていましたが、9月からは該当者は「同日得喪」により、その月から新しい標準報酬月額により、在職老齢年金の計算が改められることになりました。
 ・・・3カ月早く在職老齢年金が多めに貰えることになるということですね。

★雇用保険の基本手当の日額等引き下げH22.8.1〜)
平成21年度の平均給与額が前年度より約2.3%ダウンしたことに伴い、8月1日から下記のとおり基本手当日額の最低及び最高額が引き下げされました。
(年齢)      (最高限度額))
    〜29歳 ・・・ 6,145円←(6,290円)  
30歳〜44歳 ・・・ 6,825円←(6,990円)
45歳〜59歳 ・・・ 7,505円←(7,685円)
60歳〜64歳 ・・・ 6,543円←(6,700円)
最低 1,600円 ←(1,640円)
高年齢雇用継続給付 限度額 327,486円←(335,316円)







2010/07/30 8:37:00|ねづ通信
8月号
★育児・介護休業法改正について
 施 行 日 : 平成22年6月30日
 改正内容 :
      改正前 →                    改正後
          ・事業主が1つ選択(義務化)  →  3歳に満たない子を養育する労働者に短時間
                                 勤務制度及び所定外労働の免除が義務化 ※
          ・看護休暇、年5日         → 2人以上いる場合、年10日の看護休暇付与
                               → 男性の育児休業取得促進 
                                   @父母共に取得する場合の休業期間延長
                                   A出産後8週間以内の育児休業取得促進
                                   B労使協定で専業主婦(夫)除外規定廃止
                               → 介護休暇新設 ※
                               → 育児・介護休業申出に対し、書面等で通知

         ※の部分のみ、常時100人以下の労働者を雇用する事業所は、H24.6.30まで
         猶予されます。
         就業規則等の整備を早急になさるようにして下さい。※部分は、猶予期間だとしても、
         いずれは実施するべきものなので、お早めにご検討ください。

★父子家庭にも児童扶養手当支給(H22.8.1〜)
  支給要件・・・@〜Dのいずれかに該当し、父がその子どもを監護し、かつ生計同一である場合
     @父母が離婚した子ども       
     A母が死亡した子ども     
     B母が一定の障害の状態にある子ども
     C母の生死が不明な子ども     
     Dその他(母が1年以上遺棄している子ども、母が1年以上拘禁されている子ども、母が
      婚姻によらないで懐胎した子どもなど)

  児童扶養手当の額・・・子どもの数や受給資格者の所得等に応じて決定されます。
     児童1人の場合には、41,720円(全部支給)。41,710円〜9,850円(一部支給)
     児童2人以上は、2人目5000円、3人目以降1人につき3,000円加算

  申請等・・・市区町村で手続きをします。
     申請時期:H22年7月31日までに支給要件該当している場合
                  ⇒ 11月30日までに申請すれば8月分から支給
            H22年8月1日〜11月30日までに支給要件該当する場合
                  ⇒ 11月30日までに申請すれば、該当した日の翌月分から支給
 ※ 11月30日を過ぎて申請すると、申請の翌月分からとなります。手続きはお早めにして下さい。


☆ 一言メモ ☆
H24.3.31で廃止される適格退職年金が、H22.3末現在、まだ17,184件(64,031億円)が移行していない現状です。生保や信託銀行等は、既に移行先として受付をしていないところが増加しています。移行期間に1年以上を要するため、最終的に廃止せざるを得ないでしょう。