社労士からのおたより

 
2011/08/29 12:47:11|ねづ通信
9月号(44)
★年次有給休暇
労働基準法第39条
働かなければいけない日に休んだ場合に、普通は賃金が支払われないが、「年次有給休暇」は当該勤務日に休んでも賃金を支払ってもらえる休暇です。そのためには、2つの要件を満たす必要があります。満たして初めて年次有給休暇の請求権が発生することになります。法的に保証された労働者の権利というわけです。
    
  @雇入れ日から起算して6か月間継続勤務していること
    ・・・病気等で欠勤していても雇用関係が継続している限り、継続勤務と認められる。
    ・・・6か月未満の短期雇用でも、契約更新して6か月以上継続勤務している場合も認めれれ
       る。
  A全労働日の8割以上出勤していること
    ・・・全労働日とは、雇用契約や就業規則等で労働日として定められている日のこと
    ・・・全労働日に含まれない日
        例 : 所定休日に労働させた場合のその日
            会社都合で休業した日
    ・・・全労働日に含まれる日
        例 : 業務災害で休業した期間
            育児・介護休業した期間
            産前(6週間)及び産後(8週間)の休業期間
            年次有給休暇を取得した日

   ↓    ↓    ↓    ↓   ↓   ↓

 6か月を超えると1年ごとに毎年付与される。しかし、前年の出勤率が8割未満の場合には、その年は年次有給休暇
は付与しなくて結構です。











 









 

勤続年数6か月1年6カ月2年6カ月3年6カ月4年6カ月5年6カ月6年6カ月
付与日数10日11日12日14日16日18日20日


雇用促進税制の創設(H23.4.1〜H26.3.31までの期間内に始まる事業年度対象)
事業開始後2カ月以内にはハローワークに「雇用促進計画」を提出し、1年間で10%以上かつ5人以上(中小企業は2人以上)従業員を増やす等要件満たす場合、従業員の増加1人当たり20万円の税f額控除ができる暫定制度です。
 その他の要件 @青色申告書提出事業主(個人事業主もOK)
           A適用年度とその前事業年度に、事業主都合による離職者がいないこと
           B給与等の支給額が、比較給与等支給額以上であること
             ・・・(前事業年度給与等支給額+前事業年度の給与等支給額×雇用増加割合
                 ×30%)
           C風俗営業等を営む事業主でないこと

※ ハローワークへの求人申し込みは、労働保険及び社会保険に加入していないと受けてもらえません。







2011/08/02 12:53:37|ねづ通信
8月号(43)
★休日
振替休日 ・・・ あらかじめ休日と定めてある日を他の日の労働日と振替えることをいいます。
          この場合、割増賃金35%以上は不要です。
          休日労働させたことにならない為、割増賃金発生しません
 
 代休    ・・・ 法定休日の労働させた代わりに、後で休日を与えることをいいます。この場合、
           休日割増賃金35%以上が必要となります。
  ※ 代休を与えても、日曜日は休日労働となるため、通常の賃金(100%)に加えて35%以上
    の賃金を支払うことになります。通常は、100%部分の賃金(休日労働分と代休日の賃金)を
    二重に支払うことはないように注意しなければなりません。休日労働に100%+35%支給
    すれば、代休日には100%支給しないとするか、さもなければ、休日労働は35%のみ支払い
    代休日に100%支給するというように就業規則等に定めることが必要になります。

★年金の一部改正
@年金受給されている方は、平成23年4月分(6月15日支給分)から0.4%減額された年金が支給
 されています。22年度物価が0.4%下がったための対応となっております。
A年金受給されている方は、平成23年7月1日から住基ネットを活用した届出を利用することで、住
 所変更及び死亡届出が不要となりました。 ただし、住基ネットに入っていない国立市や外国人な
 どは従来通り届出が必要です。
  また、氏名変更届出は口座振込不能になる可能性もあり、今後も必要です。
  厚生年金基金や共済組合の年金受給されている方は住基ネットを利用できないため、住所変更
 等の届出は必要です。
B年金受給者の確定申告手続き簡素化
C年金受給者で申告の義務がある者で、かつ、税金の還付を受ける者は、申告提出時期を翌年1月
 1日からと早める案が成立しました。

★被災者雇用開発助成金 (平成23年5月2日〜)
被災地域の居住する求職者をハローワーク等の紹介で、H23.5.2以降継続して1年以上雇用することが見込まれる


        ・・・8/4〜9日まで夏季休業・・・







2011/06/28 14:52:47|ねづ通信
7月号(42)
★休日とは
労基法第35条に書かれている「休日」とは、
    原則 : 毎週少なくとも1回の休日を与えること
    例外 : 4週を通じ4日以上の休日を与えていればOK
  
休日は、労働者の労働義務を免除されている日です。また、労基法には、休日は必ずしも日曜日でなければならないと定めはされていません。各事業所で自由に設定ができます。ただし、「休日」には法定休日と法定外休日があり、法定休日に労働させた場合には休日割増賃金35%を支払わなければなりません。
法定外休日に労働させた場合には、労基法第32条の1週40時間を超えて労働の場合25%の時間外割増賃金が発生することになります。 法定休日に労働させるのが多い事業所では、10%の差は大きいものとなりますので、ご注意して下さい。
また、35%になるか25%になるかは重要な部分であるため、法定休日を特定しておくことが大事になり、就業規則等に定めておく必要があります。就業規則を作成していない事業所や雇い入れた時は、各自に交付する労働契約書に記載しなければなりません。(休日を「土日」としていただけでは、どちらが法定休日であるかわかりませんので・・・)
ところで、使用者の命令により、休日労働した場合に、その代りとなる日に休みを与えることもあります。
与え方には2つのパターンとして、「休日の振替」と「代休」があります。振替は、事前に通常の労働日と休日を変更しておく場合、「代休」は休日出勤したことに対し恩恵的に休日を与えることをいいます。
振替にするか代休にするかにより、割増賃金の支払い方に違いが出てきます。

★今後の行方
厚生労働省研究会の発表によると・・・・
 現在、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」が、平成18年度に施行されており、@定年の引上げ、A雇用継続雇用制度導入、B定年制の廃止 のいずれかを講じるように義務化されています。多くの会社は、A雇用継続雇用制度を採用しており、60歳から労働条件を変更し、再雇用制度をとっています。
 一応、65歳までは働ける環境作りが定着した感がある中で、厚労省研究会は、今後の方向性を打ち出してきました。

   @法定定年年齢を65歳まで引き上げること ・・・ (現状では、定年年齢は60歳を下回っては
    ならない)
   A希望者全員の65歳までの雇用確保 ・・・ @を実施しない場合の措置

 これらは、いずれも少子高齢化で労働力確保及び平成25年からの老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢の引き上げへの対応するための方策として、研究会がまとめあげたものです。
 今後、これが国会に提出され、可決された場合には、義務化されることになりますので、年齢に関係なく働ける場所の環境整備や労働者の体力や意欲等の個人差による多様な働き方に対応できるよう、各事業所は社内規定や環境を整えていくことになるでしょう。

変形労働時間制の年度途中変更可能へ
 変形労働時間制導入企業の年度途中の変更容認へ変形動労時間制を採用した場合、年度途中のスケジュールの変更は今までは認められなかったが、今年の夏の電力不足に対応するため、特例で認めることを6月6日発表をしました。詳細は、厚労省のHPを見てください。







2011/05/26 13:50:17|ねづ通信
6月号(41)
★法定3帳簿
労働監督署が調査する場合、必ず法定3帳簿をチェックします。また、労働基準法にも条文として記載されているほど重要な書類となっています。労基署の調査のみならず年金事務所の調査の場合にも必要となりますので、事業所に常に整備されていなければなりません。
  @労働者名簿
  A賃金台帳
  B出勤簿(タイムカードなど)
 
 上記記録の保存期間は、3年間です。雇用保険の資格取得及び喪失の場合には、退職後4年間となっています。また、社会保険の書類等は2年間保存しなくてはなりません。保存期間が、それぞれ違いますので煩わしいところですが、各事業所では管理しやすい方法で対応されていれば良いかと存じます。統一して5年間保存するという立場でも結構です。

 罰則  上記の作成義務に違反した場合、30万円以下の罰金が課せられます。

3帳簿は、調査のみならず、雇用保険得喪手続き、労災事故が発生したとき、休業したとき、傷病手当金申請などに必要になります。事務手続きをする上でもスムーズな対応ができることになりますし、助成金申請においても迅速に処理ができることに繋がります。この機会に是非事業所で整備しておかれることをお勧め致します。

★今後の行方
@自動車業界が夏場の節電で木曜日と金曜日休業の方針(5月12日)
 日本自動車工業会は、夏場の電力不足に備える節電対策として、電力消費量が多いとされる
 木曜日と金曜日の営業を7〜9月の間は全国の工場を休業とし、土曜日と日曜日に稼動させる
 方針を明らかにしました。
 それに伴って、多くの企業も土曜日・日曜日に稼働日を移す可能性が高まってきます。
 また、今年の夏季休暇は、例年の夏季休暇とは違う日程を設定してくる企業もでるでしょう。
 いずれにしても、今年の夏は企業も労働者にとっても過ごしにくい季節といえます。徹底した
 クールビズで夏を乗り切る工夫が求められます。

A介護保険料の納付対象者を40歳未満に拡大  厚労省検討(5月4日)
 厚生労働省は、政府の「税と社会保障の一体改革」において、介護保険料の納付対象者を40歳
 未満にも拡大する案を提示する方針を示しました。高齢化に伴う介護給付費の増加に対応する
 ためだそうです。
 負担が増える一方、不安定な労働環境の中でますます将来に対して希望を見出せない若年者が
 増えるのではないかと心配しますが、震災後、東北の若者の明るい笑顔に将来の望みをかけて
 みたくなります。

★商業・法人登記事務取扱の変更
6月6日から、標記の件について下記の通り変更します。ただし、登記事項証明書や印鑑証明書の交付に関しては、引き続き所沢支局でも取り扱うそうです。今後、面倒になりますね。
  法人登記業務は、所沢支局 ⇒ 本局(さいたま地方法務局法人登記部門・・・
                       最寄駅は与野本町駅)での取扱へ







2011/04/26 13:10:38|ねづ通信
5月号(40)
★変形労働時間制
労働基準法第32条 (労働時間)
 原則 :1日8時間、週40時間を超えて労働させていはいけない
  ↓
 しかし、デパート・小売・旅館業・サービス業など、特定の期間に繁忙期間が集中している場合、原則通りにいかないのが実情です。その場合、変形労働時間制を採用してみるのも一案かと思います。
 変形労働時間制には、1箇月単位・1年単位・1週間単位やフレックスタイム制などがあります。
例えば、月初と月末のみが忙しくていつも残業、・・・・原則通りだとその残業時間に対して、割増賃金が毎月発生し、会社にとっては経費の負担増となってしまいます。そこで、1箇月変形を採用し、1箇月平均して週40時間以内になれば、割増賃金の発生が抑制されることになります。忙しい時期は多く働き、暇なときはそれより短い時間で働き、トータルで1箇月間で平均して週40時間になればOKということです。
 4月・・・30日の場合、40h×30日/7日=171.4h  ⇒ 171.4時間の範囲内で
      週の時間を調整します。
    ex  第1週 労働時間合計50h  、 第4週 労働時間合計50h
        第2週 労働時間合計35h  、 第3週 労働時間合計35h
       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
       第1週目(月)10h、(火)10h、(水)10h、(木)10h、(金)10h  計50h
       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    ⇒ すなわち、1箇月171.4時間内に収まっているため、1週目に1日9時間労働しても
      割増賃金は不要となります。
      しかし、上記の第1週の労働時間が52時間になってしまったら、オーバーした2時間分の
      割増賃金の支払いは必要となります

★雇用調整助成金(震災)のお知らせ
 この度の東北地方大震災の影響で、日本各地において事業活動が縮小された企業が多いかと存じます。そのため、従来からの雇用調整助成金に加え、下記の事例等に該当する場合には、助成金の申請が可能になります。(厚生労働省のリーフレットより)

 事例 : @交通手段の途絶えにより従業員が出勤できない、来客がない・・・事業活動縮小
      A原材料の入手や製品の搬出ができない・・・・事業活動縮小
      B計画停電・・・・事業活動縮小
      C風評被害により観光客が減少したり、農作物の売上が減少
      D事業所、設備等が損壊し、修理業者の手配や部品の調達が困難なため早期の修復が
       不可能な場合など・・・生産量が減少
       ↓        ↓        ↓         ↓
 支給要件 @雇用保険の適用事業所である
        A生産量又は売上高など最近3カ月間の月平均値がその直前又は前期同期に比べ
         5%減少している
        B休業手当を支給している  
※ 詳細は、お近くのハローワークにお聞き下さい。


★継続雇用制度の基準について労使協定が必要(H23.4.1〜)
 H23.4月以降「継続雇用制度」の対象者の基準を、労使協定を締結せず、高年齢者が離職した場合には「事業主都合」による退職とみなされます。その場合、助成金を受けている事業所や受ける予定のある事業所は不支給となる可能性はありますので、ご注意下さい。