社労士からのおたより

 
2011/11/02 10:37:24|ねづ通信
11月号(46)
★年次有給休暇についてB
退職予定者の残っている年次有給休暇を買取しなければならないのか?
 労働基準法39条の基準を上回る年次有給休暇を与えている場合、上回る日数について労使合意の上で買い取ることは法律違反とはされていません。ただし、基準以内の年次有給休暇を買い取ることは違法とされています。
 例:継続3年勤務者⇒年次有給休暇は11日(基準内)
               その人に20日年次有給休暇を付与した場合、9日分は上回ることになり、
               この9日分を買い取ることができるということです。
 すなわち、労働基準法に規定されているのは、上記の事項についてのみですので、退職する者の残った年次有給休暇を買い取るか否かは、会社の任意であると言えます。買い取る場合には、労使協定を結び買取条件及び買取金額等決めることが大事になります。
 買い取り金額は平均賃金などにこだわらず、残日数に対し一律1日5,000円などと決めることも自由です。

 買取する旨の労使協定を結んだ場合には、就業規則に「退職する者の申出があれば、残日数の年次有給休暇を買取ることもできます。買い取り金額は、残日数1日につき○○○○円とする。」 と規定し、従業員に周知させることが大事になります。


退職前に、残日数を年次有給休暇で消化したいと申し出された場合、どうしたらいいの?
 本来なら引継ぎなどで出社してきてほしいと時季変更権をしようしたいところですが、退職する者からの申し出に対しては拒否や変更はできません。既に権利として付与されている年次有給休暇であるため、申し出に対してはきちんと対処することが重要です。
 ただ、引継ぎなどで会社として困る場合には、退職する者へ退職日をずらしてもらうとかその後アルバイトで短期間・短時間勤務していただくなど話し合いをし、納得していただくのが会社として混乱なく引継ぎ業務ができるのではないかと存じます。

★助成金申請先変更
(独)雇用能力開発機構の廃止に伴い、下H23.10.1から記の助成金の相談及び申請窓口が各都道府県労働局に変更されました。
  @中小企業基盤人材確保助成金
  Aキャリア形成促進助成金 等 ・・・   (@A以外にもあるので、詳細については労働局にご確認下さい)

職場での受動喫煙防止対策
 働きやすい職場環境をつくるための一環として平成8年から職場での喫煙対策がなされていますが、ここにきて職場環境の面からではなく肺がんや呼吸器障害などのリスクを負う労働者の健康障害防止の立場から受動喫煙防止対策を講じる必要があるとのことで、法改正に向け国は動いております。ちなみに、平成22年2月には公共的な空間では全面禁煙であるべきとの健康局長通知が出されています。







2011/09/28 14:02:43|ねづ通信
10月号(45)
★年次有給休暇
パートやアルバイトには、年次有給休暇が付与されますか?
当然、要件が充たされていれば、労働者からの請求により、法律で定められている年次有給休暇を与えなければなりません。
 @雇入れから6カ月(翌年は1年)以上継続勤務
 A善労働日の8割以上出勤

週所定  1年間の        日           数
労働日数 所定労働 6か月 1年6カ月 2年6カ月 3年6カ月 4年6カ月 5年6カ月 6年6カ月
5日以上 217日以上 10日  11日   12日    14日    16日    18日    20日 
4日     169〜
       216日以上 7日   8日    9日    10日    12日    13日    15日
3日    121〜
      168日以上  5日   6日    6日     8日     9日    10日    11日
2日    73〜
      120日以上  3日   4日    4日     5日     6日     6日     7日 
1日    48〜
      72日以上   1日   2日    2日     2日    3日     3日      3日

○年次有給休暇は、今までは1日単位で取得だったが、時間単位でもOK(年5日限度)
○労働者からの請求により与えなければならないが、事業主は業務の正常な運営を妨げる場合
 には、「時季変更権」により、他の日に年次有給休暇を与えることができます。
○年次有給休暇の買い取りは、法定基準を上回る日数を付与している部分についてのみ、労使間の
 合意により買い取ることはできます。
○年次有給休暇の時効は、2年間。時効で消滅する休暇の買い取りは違法ではありません(法に
 規定ないため)
○退職前の残日数を休暇で取得する申出に対しては、時季変更権使用できません。

★最低賃金改定 
毎年、各地域によって最低賃金の改正が行われております。今回は、下記の通りとなっておりますので、賃金を1時間に換算して比較してください。会社は、最低賃金以上の賃金を支払わなくてはいけません。最低賃金法に違反した場合、50万円以下の罰金が科せられます。
 
○地域別最低賃金○
  東京都  837円(821円から16円アップ) H23.10.1 施行
  埼玉県  759円(750円から9円アップ)   〃
  千葉県  748円(744円から4円アップ)   〃 
※タクシー運転手は、歩合給であっても地域別最低賃金が適用になっていますので、ご注意ください。 







2011/08/29 12:47:11|ねづ通信
9月号(44)
★年次有給休暇
労働基準法第39条
働かなければいけない日に休んだ場合に、普通は賃金が支払われないが、「年次有給休暇」は当該勤務日に休んでも賃金を支払ってもらえる休暇です。そのためには、2つの要件を満たす必要があります。満たして初めて年次有給休暇の請求権が発生することになります。法的に保証された労働者の権利というわけです。
    
  @雇入れ日から起算して6か月間継続勤務していること
    ・・・病気等で欠勤していても雇用関係が継続している限り、継続勤務と認められる。
    ・・・6か月未満の短期雇用でも、契約更新して6か月以上継続勤務している場合も認めれれ
       る。
  A全労働日の8割以上出勤していること
    ・・・全労働日とは、雇用契約や就業規則等で労働日として定められている日のこと
    ・・・全労働日に含まれない日
        例 : 所定休日に労働させた場合のその日
            会社都合で休業した日
    ・・・全労働日に含まれる日
        例 : 業務災害で休業した期間
            育児・介護休業した期間
            産前(6週間)及び産後(8週間)の休業期間
            年次有給休暇を取得した日

   ↓    ↓    ↓    ↓   ↓   ↓

 6か月を超えると1年ごとに毎年付与される。しかし、前年の出勤率が8割未満の場合には、その年は年次有給休暇
は付与しなくて結構です。











 









 

勤続年数6か月1年6カ月2年6カ月3年6カ月4年6カ月5年6カ月6年6カ月
付与日数10日11日12日14日16日18日20日


雇用促進税制の創設(H23.4.1〜H26.3.31までの期間内に始まる事業年度対象)
事業開始後2カ月以内にはハローワークに「雇用促進計画」を提出し、1年間で10%以上かつ5人以上(中小企業は2人以上)従業員を増やす等要件満たす場合、従業員の増加1人当たり20万円の税f額控除ができる暫定制度です。
 その他の要件 @青色申告書提出事業主(個人事業主もOK)
           A適用年度とその前事業年度に、事業主都合による離職者がいないこと
           B給与等の支給額が、比較給与等支給額以上であること
             ・・・(前事業年度給与等支給額+前事業年度の給与等支給額×雇用増加割合
                 ×30%)
           C風俗営業等を営む事業主でないこと

※ ハローワークへの求人申し込みは、労働保険及び社会保険に加入していないと受けてもらえません。







2011/08/02 12:53:37|ねづ通信
8月号(43)
★休日
振替休日 ・・・ あらかじめ休日と定めてある日を他の日の労働日と振替えることをいいます。
          この場合、割増賃金35%以上は不要です。
          休日労働させたことにならない為、割増賃金発生しません
 
 代休    ・・・ 法定休日の労働させた代わりに、後で休日を与えることをいいます。この場合、
           休日割増賃金35%以上が必要となります。
  ※ 代休を与えても、日曜日は休日労働となるため、通常の賃金(100%)に加えて35%以上
    の賃金を支払うことになります。通常は、100%部分の賃金(休日労働分と代休日の賃金)を
    二重に支払うことはないように注意しなければなりません。休日労働に100%+35%支給
    すれば、代休日には100%支給しないとするか、さもなければ、休日労働は35%のみ支払い
    代休日に100%支給するというように就業規則等に定めることが必要になります。

★年金の一部改正
@年金受給されている方は、平成23年4月分(6月15日支給分)から0.4%減額された年金が支給
 されています。22年度物価が0.4%下がったための対応となっております。
A年金受給されている方は、平成23年7月1日から住基ネットを活用した届出を利用することで、住
 所変更及び死亡届出が不要となりました。 ただし、住基ネットに入っていない国立市や外国人な
 どは従来通り届出が必要です。
  また、氏名変更届出は口座振込不能になる可能性もあり、今後も必要です。
  厚生年金基金や共済組合の年金受給されている方は住基ネットを利用できないため、住所変更
 等の届出は必要です。
B年金受給者の確定申告手続き簡素化
C年金受給者で申告の義務がある者で、かつ、税金の還付を受ける者は、申告提出時期を翌年1月
 1日からと早める案が成立しました。

★被災者雇用開発助成金 (平成23年5月2日〜)
被災地域の居住する求職者をハローワーク等の紹介で、H23.5.2以降継続して1年以上雇用することが見込まれる


        ・・・8/4〜9日まで夏季休業・・・







2011/06/28 14:52:47|ねづ通信
7月号(42)
★休日とは
労基法第35条に書かれている「休日」とは、
    原則 : 毎週少なくとも1回の休日を与えること
    例外 : 4週を通じ4日以上の休日を与えていればOK
  
休日は、労働者の労働義務を免除されている日です。また、労基法には、休日は必ずしも日曜日でなければならないと定めはされていません。各事業所で自由に設定ができます。ただし、「休日」には法定休日と法定外休日があり、法定休日に労働させた場合には休日割増賃金35%を支払わなければなりません。
法定外休日に労働させた場合には、労基法第32条の1週40時間を超えて労働の場合25%の時間外割増賃金が発生することになります。 法定休日に労働させるのが多い事業所では、10%の差は大きいものとなりますので、ご注意して下さい。
また、35%になるか25%になるかは重要な部分であるため、法定休日を特定しておくことが大事になり、就業規則等に定めておく必要があります。就業規則を作成していない事業所や雇い入れた時は、各自に交付する労働契約書に記載しなければなりません。(休日を「土日」としていただけでは、どちらが法定休日であるかわかりませんので・・・)
ところで、使用者の命令により、休日労働した場合に、その代りとなる日に休みを与えることもあります。
与え方には2つのパターンとして、「休日の振替」と「代休」があります。振替は、事前に通常の労働日と休日を変更しておく場合、「代休」は休日出勤したことに対し恩恵的に休日を与えることをいいます。
振替にするか代休にするかにより、割増賃金の支払い方に違いが出てきます。

★今後の行方
厚生労働省研究会の発表によると・・・・
 現在、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」が、平成18年度に施行されており、@定年の引上げ、A雇用継続雇用制度導入、B定年制の廃止 のいずれかを講じるように義務化されています。多くの会社は、A雇用継続雇用制度を採用しており、60歳から労働条件を変更し、再雇用制度をとっています。
 一応、65歳までは働ける環境作りが定着した感がある中で、厚労省研究会は、今後の方向性を打ち出してきました。

   @法定定年年齢を65歳まで引き上げること ・・・ (現状では、定年年齢は60歳を下回っては
    ならない)
   A希望者全員の65歳までの雇用確保 ・・・ @を実施しない場合の措置

 これらは、いずれも少子高齢化で労働力確保及び平成25年からの老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢の引き上げへの対応するための方策として、研究会がまとめあげたものです。
 今後、これが国会に提出され、可決された場合には、義務化されることになりますので、年齢に関係なく働ける場所の環境整備や労働者の体力や意欲等の個人差による多様な働き方に対応できるよう、各事業所は社内規定や環境を整えていくことになるでしょう。

変形労働時間制の年度途中変更可能へ
 変形労働時間制導入企業の年度途中の変更容認へ変形動労時間制を採用した場合、年度途中のスケジュールの変更は今までは認められなかったが、今年の夏の電力不足に対応するため、特例で認めることを6月6日発表をしました。詳細は、厚労省のHPを見てください。