三ヶ島製材鰍フ進行中の現場のご紹介と家づくりに関する色々な情報をご提供するブログです。 木づくりの温かさと使い込むことによって味の出る良さをお伝えできればと思います。
 
2010/08/03 8:45:30|住まいの情報
こんな事もやっています。そのA 〜木製ティッシュ・ケース〜

本日は、建築以外のちょっと面白い作業のご紹介 そのAです。


これは、製材や工事で出た端材を利用した木製のティッシュ・

ケース
です。 もちろん無垢の木を使用していて、

左から 焼き杉ヒノキタモケヤキの4種類です。


通常の作業後に大工さんが作ってくれました。

下の部分の板がスライドして箱ティッシュを出し入れ出来る

ようになっています。

いわゆる工業製品ではなく一個一個手作りされた物なので、

素材と相まってとっても温かみが感じられます。

樹種それぞれの味がダイレクトに伝わってきますね。


残念ながら沢山作れる訳ではないので販売はしていないので

すが、もしご興味がある方はご連絡ください。


こんな事もやっています、のご紹介 そのAでした!

それでは、本日もお読みいただき有り難うございました!



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2010/07/30 12:33:47|杉並区 A邸
遣方を出してきました。 〜杉並区 A邸〜

本日は、杉並区 A邸の現場のご報告です。


先日地盤改良工事を行いましたが、いよいよ着工です!

ところで、タイトルの『遣方』読み方&何かご存じですか?

読み方は「やりかた」、どんな事かと言うと・・・

着工してまず行われるのが基礎工事ですが、その基礎工事を

行うにあたってどこに施工すればいいか、つまり建物の場所

および寸法・柱の位置を正確に出す作業が遣方なのです。


具体的には・・・

まず建物のおおまかな位置を出し、状況に応じて60〜80cm外
側に1.8m程度の間隔で杭を打ちます。
               ↓
その後、基礎の天端(上端)をレベルで計測し、その高さで貫板
を杭に打ち付けて行きます。
               ↓
ここからは正確に、境界線から角の柱の芯の位置を出し、これ
を基準に各々の柱の位置を貫板に記します。
               ↓
確認として反対の境界線からも測り、良ければトランシットと
いう機械で垂直を出しながら垂直方向も同じように位置出しし
ます。
               ↓
最後に四隅の柱芯を通る様に糸を張り、対角の長さを測って
同じであればOKです。(長方形の場合)


この遣方は、基礎工事が完了してその基礎に墨出しをするま

で建物の位置および寸法の基準となる非常に大事な作業です。

もし間違っていたら・・・壊してやり直しもあり得ます。

そのような事にならない様に、念には念を入れて位置を出して

いきます。すべての現場が平坦で障害物が無いとは限らないの

で、正確な位置を出すのも経験が必要です。

また、GLといって建物の高さの基準となる土地の高さの設定も

重要ですがこれがなかなか難しいんです。(これは設計段階の

作業ですが)

このあとは、基礎工事が行われます。


それでは、本日もお読みいただき有り難うございました!



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2010/07/26 7:52:25|入間市 S邸
木工事進行中です。 〜入間市S邸〜

本日は、入間市S邸の現場のご報告です。


4月の2階部分の建方から約3ヶ月、だんだんと内装の様子が

分かるぐらいになってきました。


この間、大工職人は一方で枠材の加工をし、一方で天井下地

や棚、階段の施工をしてきました。通常の住宅と比べると倍

くらいの時間を費やしていますが、それはこの現場がいかに

緻密な設計・作業の集積で進められているかを示しています。

実際、枠材などは非常に細かく分割された設計で、まるで組木

のようです。

また、トップライトとの取合いも非常にきれいに収まっていま

す。因みに、2階のトップライトから1階に外光が抜ける様に

吹き抜けにしてあるんです。


床、壁、天井は基本的にすべて檜の板張りです。同じ檜の板

でも表情が色々あって、どこにどういった物を使うかでかなり

視覚的に変わってきます。具体的には、節の有るもの・無いも

の、板目・柾目、赤身(木の中心部分)・太白(まわりの部分)

などです。

枠材などは通常、無節の柾目(木目が狭く平行になる様に取

ってある材)が正面になるように使います。

今回、床は無節、天井は節の少ない物、、壁は節有りの物を使

っています。

一般的には、節がある物は親しみやすく温かみのある雰囲気に

なり、無節の物は洗練されて上品な感じが出る事が多いと言わ

れますが、建築の用途や実際に住んでいるところをイメージし

て選択するのが良いと思います。

また、壁板は部屋・施工する箇所ごとに同じような柄・節の

入り方のものを揃えて使用しています。こうする事で仕上がり

が違ってきます。


この後も、一見ゆっくりですが着実に工事が進行していますの

で目が離せません。次回をお楽しみに!


それでは、本日もお読みいただき有り難うございました!



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2010/07/21 17:56:08|住まいの情報
地鎮祭を行いました 〜所沢市 N薬局〜

本日は、地鎮祭についてお話ししたいと思います。


地鎮祭とは建物を建てたり土木工事を行うにあたって、その

土地の神々に趣旨目的を報告し、許しを得てまたご加護をお

願いする儀式です。神式と仏式がありますが一般には神式が

多いようです。

施主様がご用意いただくものは、
・酒(1升瓶)・・・2本(うち1本は式終了後に皆で乾杯し、残り
          は基礎着工時と上棟時に使用します。もう1本
          は神主さんに差し上げます。)
・・・ご飯茶碗1杯程度
・・・ご飯茶碗1杯程度
海の物・・・生魚(尾頭付き、鯛が一番良い)1尾
山の物・・・果実(りんごやみかん等)3個、5個など奇数個
根の野菜・・・大根や人参など 1本または3本
葉の野菜・・・ほうれん草やキャベツなど 1個
祝いの物・・・乾燥こんぶ 1枚
当日参加人数の紙コップ(式の終了後、安全祈念用に使用)
・・・500ml程度、ペットボトルに入れると良い

また、初穂料「御礼」または「奉献」と書いた熨斗袋に包み
ます。(金額は3万円が一般的です。)

施工会社が用意する物 (費用は施主様にてご負担)
・・・4間(8m程度)
・・・4本(真竹、高さ2.5mくらいのもの)
・・・バケツ1〜2杯(鍬入れの儀に使用)
鎌、鍬、鋤・・・(儀式用の木製のもの)
※雨が心配な場合など、天候の具合でテントも用意します。

通常、祭壇三方などは神社で用意してもらえます。

施主様が神社へ迎えに行く一方で施工会社が竹や縄などを準

備し、神主さんが到着して祭壇や紙垂をセットすると、いよいよ

地鎮祭が始まります。

式の主な流れは、
修祓(しゅばつ) ; 式に先立ち、参列者・お供え物を祓い清める。
              ↓
献饌(けんせん) ; 神にお供え物を召し上がっていただく儀式。
              ↓
祝詞奏上(のりとそうじょう) ; 土地に建物を建てる事を神に告
 げ、工事の安全を祈願する祝詞を奏上する。
              ↓
四方祓い(しほうはらい) ; 米と塩、半紙で土地の四隅を清める。
              ↓
鍬入れの儀(くわいれのぎ) ; 鎌・鍬・鋤で、盛った砂に刈初(か
 りそめ)・鍬入れ(くわいれ)・穿初(うがちぞめ)を行う。それぞれ
 施主様・設計会社・施工会社に振り分ける事が多い。
              ↓
玉串奉奠(たまぐしほうてん) ; 榊に神垂を付けた玉串を神前に
 奉り拝礼する。
              ↓
昇神(しょうしん) ; 神籬に降りていた神に戻っていただく儀式。


式が終了すると、皆でお酒で乾杯をします。元来、直来(なおら

い)
といってお供え物のお下がりを皆で食していましたが、最近

では神社へお持ち帰りいただく事が多いようです。

テントが設営されているのが今回の模様で、他の写真は別の現

場のものです。


ある神社の「地鎮祭について」という冊子には、

〜 私共は通常、土地の権利を持っていると考えがちですが、
権利とは「権(かり)の利」という意味であり、むしろ土地の本来
の持ち主である神々より拝借していると考えるべきでしょう。〜


とあります。色々な考え方があると思いますが、謙虚さを持って

平安に過ごす事も素敵だと思います。


それでは、本日もお読みいただき有り難うございました!



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2010/07/17 7:55:33|住まいの情報
大工職人伝統の技、『込み栓』

本日は、伝統技法のひとつである『込み栓』を紹介します。


現在では柱と梁など、木材の接合部はほとんどが金物で補強さ

れています。プレート状の金物をビスで固定したり、梁にボル

トを貫通させて柱に固定したりしています。もちろん、これは

非常に大事で特に地震の時などに木材同士が抜けて倒壊する

のを防いだり、そこまで行かなくとも建物の強度を確保し変形を

最小限に防いでくれます。


しかし、伝統的な日本の木造建築は金物をほとんど使って

いません。


ではどうやって、建物の強度を確保していたのでしょうか?

それは、今回ご紹介する込み栓を始めとする木を使った部

材・技法によってなのです。


写真は小ぢんまりした屋外トイレ(! かわいいですね〜 

でも中身は凄いんです)ですが、ここでその込み栓が使われて

いるんです。

2枚目の写真で、2本棒状のものが胴差から出ていますが、こ

れが『込み栓』です。通常は面に合わせてカットされますが、こ

の場合はデザインですね。

木材を継ぐ際は必ずダボやホゾを組みますが、込み栓はこれが

組まれた状態で貫通する様に打ち込まれます。(因みに突き抜

けたホゾを止める栓を鼻栓といいます)

素材は、多くが堅木のケヤキが使われていて、今回はケヤ

キの古材から削り出した手作りの物
を使用しています。


最近は金物との強度比較実験なども行われていますが、概ね

金物よりも強度が出る事が実証されています。また、金物と違い

同じ木で栓をする事で構造材の膨張・伸縮に追随するため、緩

まず狂いが出にくいのです。


それにしても、こんなカワイイ&凄いトイレがお庭にあるなん

て、羨まし過ぎますね〜。



それでは、本日もお読みいただき有り難うございました!



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