本日は、木の組成と調湿機能についてお話ししたいと思います。木の断面を見ると、ほとんどの木で内側が色が濃く、外側は薄い色なのがわかります。色の濃い部分は
「心材」あるいは
「赤身」といい、薄い部分は
「辺材」あるいは
「白太(しらた)」と呼びます。実は赤身の内
部はほとんどが
木化した細胞(細胞の死骸)で、これが束になって木を支えているわけです。
そして、この2つの間の白い帯状の部分が白線帯といわれ、木はここで微生物や虫が嫌う物質を生成し
内側の赤身に注入します。この物質で有名なものに
ヒノキチオールがあり、赤身が白太よりも耐久性
があって腐りにくいと言われるのはこのためです。
針葉樹は含水率が高く、特にスギの白太の部分は180〜200%と、かなり高いです。対して赤身は40〜
60%ですのでずいぶんと違います。細胞間を行き来する水分は
「自由水」と呼ばれ、これが乾燥によって
排出されると含水率は30%まで下がり、ここまでは木の収縮はほとんどありません。細胞壁に含まれる
水分(結合水と呼ばれる)が排出されると、自然乾燥では15〜20%まで下がり、この状態を
「気乾状態」と言います。またこのときの比重を気乾比重といい、
スギが0.38、
ヒノキが0.44、
ケヤキが0.69です。
そして、木材の調湿機能ですが、長さ3m、10センチ角の柱1本で一升ビン1本分(1.8L)もの水分を出し入
れできると言われています。ある実験では、
一般的なビニールクロス仕上げの部屋Aと、
柱が露出し一部に
スギの腰壁を貼った部屋Bでは、
Aが湿度の変化の幅が
40%だったのに対し、
Bはそれが
18%だったそう
です。また、梅雨時には
Bは
Aよりも10%程度湿度が低く、冬の乾燥した日では
Bは
Aよりも20%も湿度が
高いというデータが出ています。
ざっとではありますが、木の中身についてでした。木ってやはり家になってからも生き続けるのだなぁ、と
改めて感じました。
皆さんはいかがですか?
それでは、本日もお読みいただき有難うございました!
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