三ヶ島製材鰍フ進行中の現場のご紹介と家づくりに関する色々な情報をご提供するブログです。 木づくりの温かさと使い込むことによって味の出る良さをお伝えできればと思います。
 
2011/04/21 10:03:00|住まいの情報
思っている以上に怖い、シロアリのはなし
本日は、大事な住まいを食い荒らすシロアリについてです。


シロアリは蟻という名前が付いている事から蟻の仲間と思いがちですが、実は朽木を食べる

ゴキブリから社会性を発達させ分化した昆虫です。北海道北部を除いてほぼ日本全土に分布

していますが、関東ではほとんどがヤマトシロアリという種類、温暖な地域にはイエシロアリ

という種類が分布しています。最近被害が増えているのが輸入家具などと共に日本に上陸した

アメリカカンザイシロアリという種類で、これは水分をあまり必要としないため予防が難しいのです。


シロアリは自然界では大きな蟻塚を作りますが、人家では基礎などに土のトンネル『蟻道』

作ってその中を移動します。通常、1つの巣には数万匹がいて春には一部が羽アリとなって新しい

家族を作るため飛び出します。もし、お住まいから羽アリが発生していたら・・・、内部では大きな

被害の可能性があります。

こんな場合は要注意!
 ・雨漏りや水漏れ、雨水の床下流入・浸水があった。
 ・門柱や垣根の支柱の根元が細くなっている。
 ・近所で最近古い家屋を壊した、またはシロアリ駆除をした。 など

また最近、特にお年寄りのお宅に無理に床下点検に入る悪徳業者による被害が増えています。

大幅な値引きをする、しつこく契約を迫り帰らない、床下換気扇や耐震金具など白蟻防除以外の

商品を強く勧める、など不審な点がみられたら、「警察を呼ぶ」と言う位の毅然とした態度で対応

してください。


放置すると恐ろしいシロアリですが、定期的なメンテナンスをしていれば心配いりません。

シロアリ対策の予防効果は概ね5年間です。

最近の(阪神淡路大震災以降)新築住宅では防蟻工事が義務化されていますが、シロアリ対策

が不明な場合は家を建てた時やお付き合いのある工務店、またはお近くの害虫駆除業者に相談

されると良いでしょう。


それでは、本日もお読みいただき有難うございました!


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2011/04/14 13:13:48|住まいの情報
震災の影響と着工のご報告です。

本日は、建設業界での震災の影響と当社の対応のご報告です。

本日の全国紙にも大きな記事がありましたが、現在建設業界で

資材の不足値上がりが大きな問題になっています。原因は

主に建設資材の工場が津波などで破壊されてしまった事と、仮

設住宅など復興のため需要が増加した事です。

特に合板に関しては、国内生産の38%を占めていた大手の工

場が被災してしまったため、一時は全く供給が追いつかない状

況でした。4/14現在では、被災を免れた工場等の増産で震

災前の需要量16万立方メートルに対し15万5千立方メートルにまで

回復し、在庫分の8万立方メートルと合わせれば仮設住宅向けの

4万立方メートルを考慮しても供給体制は整いつつあります。ただ

まだ一部の買い占め等で混乱が収まっておらず、2週間に1回

12mm厚合板のみ50枚程度のみの入荷となっています。

また断熱材(グラスウール)は昨年9月頃からエコポイント制度

による需要増加で納期が3〜4ヶ月かかり必要量の半分程度

しか手当が出来なくなった上に、今回の震災で大手3社のうち

2社が甚大な被害を受け入荷の見通しが立たなくなっています。

そこで、今後しばらくは多くのところで性能は良いですが価格の

高いウレタンやポリウレタン系のものに切り替えなければなり

ません。

他に生産・流通が滞っているものは、ガラス・サイディング

壁材・コロニアル屋根材・和瓦の棟部材・システムバス・シス

テムキッチン・IHヒーター・エコキュート温水器・ガス給湯

器・トイレ便器・アスファルトルーフィング屋根防水シート・

水道用塩化ビニール管・電線類などです。

資材流通については日々状況が変化しており、全般的に

は予想より早く復旧しつつあると言えます。


また、原価高騰などで価格改定(値上げ)されたものもあります。

・合板類 20%〜30%アップ(建材問屋さんより通告)
・フィルム、シート類 5%〜15%アップ(メーカーより通告)


このような状況で、大手の住宅メーカーさんは新築の現場を

ストップしているようです。当社ではこの4月から、ある程度

資材の目処がついた事と不足する野地板などの部材を自社の

桧や杉を厚めに挽いて使用する事、コストアップになっても

仕様を変更するなどで着工し始めました。お客様を少しでも

お待たせしない事と日本国内の経済を少しでも動かすことで

復興を促すとの考えからです。(もちろん自社のためも大きい

ですが)

他のことにも言えると思いますが、不必要な買い占めや便

乗値上げはしないでいただきたいと思います。結果として、

それが日本全体の復興の足を引っ張る事になります。

また、必要な事には是非お金を使っていただき、国全体で

の活性化を図れればいいと思います。



それでは、本日もお読みいただき有難うございました!



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2011/04/11 8:53:34|住まいの情報
木のはなし そのB 〜日本の森林の現状と価値〜
 
本日は日本の森林についてお話ししたいと思います。
 
 
現在、日本の森林面積は約2,500万ha(天然林55%,自然林45%)で国土の68.2%を占めています。
 
この比率ではフィンランドが73.9%で第1位、日本は第2位となっています。
 
年間木材供給量ではフィンランドが6,000万m3、日本は約1,800万m3と3倍以上の差があります。
 
日本の木材需要量は年9,000万m3ですので自給率は約2割です。
 
他方、日本の森林の蓄積量は毎年9,000万m3づつ増加していて、これだけで計算上は需要を完全に
 
まかなえる事になります。現在、この自給率を上げる為に国産材の使用を促進する政策が進め
 
られています。
 
 
木は60年位までの成長期にCO2を多く吸収し、その後は相対的に減少してゆきます。ケヤキなどの落葉
 
高木が1日に吸収するCO2の量は幹の太さ20cmで112L40cmで285Lほど、またヒトが1日に吐き出
 
す量は約300Lです。そして、日本の森林が吸収してくれる炭素量は年間約2,000万tです。
 
私達は年間3億tの炭素を排出しており、うち民生部門はおよそ1億tです。また、日本の木造住宅が貯蔵
 
している炭素量は全体で約1億5,000万tです。
 
これだけの量を実は日本の住宅は吸収して来たんですね。貢献してます。
 
ちなみに、平均的な住宅1戸を建てる時に発生するCO2は、
 ・木造・・・5,100kg
 ・鉄骨造・・・14,700kg(木造の約3倍)
 ・鉄筋コンクリート造・・・21,800kg(同 約4倍)
となっており、ここでも木がCO2削減に大きく役立っているという事がわかります。
 
森林にはこの他にも、表面浸食防止(山崩れを防ぐ)や水質浄化・水資源貯留、洪水緩和、化石燃料
 
代替など沢山の機能があり、その評価額は年間でなんと約70兆円にもなると言われます。
 
 
今回は数字が多く少々難しい内容になりましたが、日本で森林が皆さんの予想以上に重要だと言う事が
 
お分かりいただけたのではないかと思います。
 
これからも、環境にもやさしい快適な家づくりをしていきますのでよろしくお願いします。
 
 
それでは、本日もお読みいただき有り難うございました!
 
 







2011/04/04 17:49:31|住まいの情報
やはり地盤調査は大切ですね。〜地耐力と軟弱地盤〜
本日は、建物の下の地盤についてのお話です。

依然、被災された方々の報道が続いていますが、最近千葉県や埼玉県での被害状況の報道も

多くなってきました。入間市や所沢市などでは意外と言ってよいほどに被害は少なかったの

ですが、埼玉県中部や南東部では主に屋根瓦の崩落が多く報告されています。そして、これら

の被害状況にはその建物が建っている場所の地盤が大きく関係している事が分かっています。

つまり、地盤がしっかりしていない所に必要な措置をせずに施工されている建物の被害が大き

かったいう事です。

近年、新築住宅を建てる際には住宅瑕疵(かし)担保保険を介して地盤調査が義務付けられてい

ますが、それ以前に建てられた住宅は地盤調査をしていたりそうでなかったりというのが実状

です。瓦の崩落は特に棟部ののし瓦が、寄棟より切妻屋根の場合に多かったようです。

今回、正確には数値は出ていませんが、液状化した所とそうでない所では震度にして1程度の

差があったようです。震災時の液状化予想マップなどもありますが、家を建てる際には実際に

地盤改良などの措置を確実にするのが正しいと言えます。今回の震災では東北地方・茨城県

以外では特に千葉県が大きな被害がありましたが、地盤に対しての措置で回避できたものも

少なくありません。これから、私たちができる事はいろいろありますが、見落とされがちな地盤

の重要性を訴えていく事も大事だと思います。


それでは、本日もお読みいただき有難うございました!


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2011/03/28 16:45:01|住まいの情報
木のはなし そのA 〜伐採から製材まで〜

本日は、木が立っている状態から材木に製材されるまでの
お話しをしたいと思います。



材木を伐採するのに良い季節は、木が生長を止めるから

です。この時期木は水をあまり上げないので、伐採直後の含水

率の高い丸太を食べるキクイムシなどの被害を極力抑えられる

ためです。

伐採の際、まずワイヤーを固定します。このワイヤーを利用し

安全に切り倒し、ウインチを使って斜面を下ろします。

伐採された原木は製材所に運搬され、一部は原木市場に出さ

れ、競りにかけられます。


製材所に運ばれた原木は、皮剥き機で皮を剥かれたのち、出荷

される寸法よりやや大きめにカットされ、乾燥されます。

自然乾燥の場合、最低でも半年、平均して1年間の乾燥

期間が必要
です。カットする際、多くは木の芯をを中心に柱材

を取りその周りを板材や造作材として取ります。これを「木取り」

と言います。また、急激な乾燥による割れを防ぐ為に干し割れ

防止剤を板目(木目の巾が広い所)と木口に塗布し、割れの

心配がある所にはかすがいというコの字形の金具を打ちます。


乾燥が終了し、出荷される際に正確な寸法で製材されます。

このことにより、狂いや反りが防がれています。ただし、無垢

材の場合、さらなる乾燥により内部に割れが起こる事は避け

られません。


このように、材木では乾燥が重要です。現在、多くは高温の窯

で人工乾燥されます。この方法だと時間は短縮できますが、木

の脂分(その@でお話ししたヒノキチオールなど)が飛んでしま

い、木材としての粘りや防腐性が損なわれてしまいます。

ヒノキの場合はその美しいピンク色まで失われます。逆に、

自然乾燥でじっくりと時間をかけて製材されたものは年月を経

るにつれて味わいと強度が増してゆきます。

ヒノキの場合、伐採後200〜300年後に強度が最大と

なり、1000年後に元の強度に戻ると言われています。


う〜ん、すごいですね・・・

こうして製造された製品は市場や問屋さん、大手ハウスメー

カー向けのプレカット工場に出荷されてゆきます。

今日は、木の第二の人生(?)のスタートについてのお話でした。


それでは、本日もお読みいただき有難うございました!



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