三ヶ島製材鰍フ進行中の現場のご紹介と家づくりに関する色々な情報をご提供するブログです。 木づくりの温かさと使い込むことによって味の出る良さをお伝えできればと思います。
 
2011/06/24 18:54:45|住まいの情報
変わりゆく建築の儀式 〜上棟式〜

震災から3ヶ月以上が経過し、徐々に資材の供給が戻りつ
つありますが、住宅の着工が再開されてきました。
というわけで、本日は施工中の行事の一つの「上棟式」の
事をお話ししたいと思います。



上棟式は古くは平安時代初期から行われていたと言われ、

居礎(いしずえ)、手斧始め(ちょうなはじめ)、軒づけなど多く

の儀式のうちの1つでしたが、江戸時代になってこれらをまと

めて上棟式だけが行われるようになったようです。

本来、上棟式は棟が無事上がった事を喜び、神様に感謝する

儀式です。現在ではお施主さんが職人さんをもてなすお祝いの

意味合いが強くなっていて、正式な本儀上棟式はほとんど行わ

れず略式でされる方が多くなっています。

上棟式の流れ
・吹流しなどの飾り物を上げ、祭壇に弊束(へいそく/へいぐし)
 や神饌物(水・塩・米・御神酒・山海の幸・お餅など)を飾る
・建物の四隅の柱に水・塩・米・酒を撒き建物を清める
・棟梁の祈願のあと、参加者が祈願
・お餅、撒銭などが用意してある場合、集まった人に撒く
・お施主さんのあいさつ
・直会(なおらい…宴会のこと)
・引出物、ご祝儀を渡す

上記をすべて行う事は最近ではほとんどありませんが、弊束・

建物のお清め・お施主様のあいさつ等は行われる事が多いよ

うです。

引出物の内容はお酒や赤飯が多いですが最近では商品券やビ

ール券などを渡す方も増えています。また、渡す際はお施主さ

んから各職人さんへ手渡しで渡すと気持ちが伝わりますね。


上棟式を行う事で、大工さんはじめ職人さんへのねぎらいと安

全第一への願いの気持ちを伝える事が大切だと思います。


それでは、本日もお読みいただき有難うございました!



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2011/06/06 15:46:22|住まいの情報
生垣の病害にご注意を! 〜ベニカナメモチ〜

本日は、生垣や植栽のお話です。


今年の梅雨入りは記録的な早さだそうですが、この梅雨時は

植栽の植物にとっても憂鬱な日々(!?)なんです。


生垣に使用する定番とも言える「ベニカネメモチ」ですが、

別名の「レッドロビン」という名前をご存じの方も多いと思

います。厳密に言うと、日本・中国原産のベニカナメモチとオオ

カナメモチをアメリカで交配させたのがレッドロビンです。

どちらもバラ科の常緑広葉樹で新葉が赤いのが特徴ですが、

在来種のベニカナメモチは葉が小さめで刈り込みがしやすく、

枝葉が密で美しい生垣になりますが病害に弱く、一方外来種の

レッドロビンは葉が大きめで枝葉が疎になる傾向がありますが

病害に強いという特性があります。

刈り込みの適期は6月下旬〜7月下旬と9月上旬〜中旬の年2

回で、刈り込みの後に真っ赤な新芽が出てきます。


そして、この梅雨時に多いのが「ゴマ色斑点病」という、カビ

による病害です。もしも赤い葉に黒い斑点を見つけたらすぐに

落葉と共に処分し、病枝を剪定除去してください。ベンレート

水和剤
トップジンM水和剤(ホームセンターなどで購入できます)を

1週間〜10日おきに3〜4回散布すれば大丈夫です。


写真は、ゴマ色斑点病によって葉が全部落ちてしまったベニ

カナメモチです。可哀相ですね・・・


グリーンカーテンなど、植物に注目が集まっているこの夏です

ので、是非植栽共々健やかにお過ごし下さいね〜。


それでは、本日もお読みいただき有難うございました!


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2011/05/20 16:47:15|住まいの情報
節電対策の工夫あれこれ

皆さんご存じの通り、この夏は電力供給不足が懸念されています。そこで、ご家庭で出来る「節電対策」をご紹介します。


窓の外に緑のカーテン(グリーンカーテン) 
 リビングや西日が当たる部屋などの窓の外にネットを設置
 し、ゴーヤや朝顔、フウセンカズラなどを這わせる。
 →葉の蒸散効果による冷却効果、室内最大3.8度低下。

クールブラインド 
 柔らかく光を通すので室内が明るい。
 →約95%の紫外線と約81%の日射熱をカット。

断熱フィルムをガラスに貼る
 →断熱ガラスと同様の省エネ効果が得られる。
  また、防犯効果や耐震補強にも有効。


家電機器の節電
 ・エアコン  設定温度を1度上げると △約10%
        フィルターをまめに掃除(2週間に1度) △約6%
 ・冷蔵庫  温度設定を「強」→「中」に △約11%
        ものを詰めすぎない  △約8%
 ・パソコン  使わない時は電源を切る  △約70〜90%
 ・照明器具  再点灯まで1分以上なら一度消灯する方が
         省エネ

省エネに対する意識も大分浸透してきていると感じますが、

この夏はエコ&グリーンで乗り切りましょう!

でも無理のしすぎにも気をつけて下さいね。


それでは、本日もお読みいただき有難うございました!



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2011/05/11 7:56:19|住まいの情報
木のはなし そのC 〜スギとヒノキ、西川材〜

本日は、スギとヒノキを中心に、材木のお話をしたいと思い
ます。



「谷スギ、尾根マツ、中ヒノキ」

スギはヒノキよりも湿潤な土壌を好み、松は水分・養分の少な

い土壌でもよく育つので、通常はスギを山腹から谷間に、松は

尾根に、ヒノキを尾根の下から中腹に植林します。こうした植

林の知恵が昔から代々伝えられ、上の言葉が残されています。


西川材について

西川材は、埼玉県の飯能市を中心に日高市・毛呂山町・越生町

で生産される、古くから優良とされるスギ材・ヒノキ材を言い

ます。江戸時代、いかだを組んで川を利用し江戸に材木を運ん

だので「西の方から川で来る材木」ということで西川材と呼ば

れるようになりました。

地域の大部分は秩父古生層からなる褐色森林土で、油脂分が

多くヒノキはピンク色が鮮やかといった特徴があります。

以前は飯能を中心に製材工場が数多くありましたが、近年は

補助金も出た為廃業したところも多く製材工場は減少してしま

いました。ヒノキ・スギの苗木を畑で育てる農家も4〜5戸にな

ってしまいました。


木材流通と構造材の強度

表からもわかるように、スギ・ヒノキとも生産量では西日本が

多くなっており、木材の市場価格は九州の市場価格が1つの

基準となっています。埼玉県は平成20年が69,000m3の

生産量、昭和39年が過去最大で301,000m3だったの

で、その4分の1以下にまで減少してしまっている事にな

ります。


KD材というのは乾燥材の事です。材質は一等材です。

材の等級は主に節のあり方によって決まり、一等・小節・

上小節・無節
(1面/2面/3面/4面)などがあります。価格は

一等材からだんだんに上がっていきます。


柱など構造材においてはその断面積が強度を保つために重要

です。表を見ると、住宅で一般的に使われている3.5寸角と

5寸角の柱の断面積では2倍の差がありますが、これは「坐屈

強度」
と呼ばれる折れにくさを測る強度をはじめ、総合的な

強度でそれだけの差があるという事です。

このように、使用する材木の寸法は、特に構造材において非

常に重要な要素です。


これからもっと地域の材料を使ってエコと埼玉県産材を盛り上

げていければと考えています。


それでは、本日もお読みいただきありがとうございました!



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2011/04/28 20:19:59|住まいの情報
山の下草刈りに行ってきました。

本日は、山林の管理についてのご報告です。

先日、会社が保有する植林地の下草刈りを行いました。

通常下草刈りは植林して5〜6年後までは毎年6〜7月頃に

行いますが、それ以降は定期的には行われません。理由

は、植林した杉や檜が2mくらいになると下草の影響を受け

なくなるためです。

今回の場所はおよそ50年前に檜を植林したところで、あと

10年ほど経たないと出荷できませんが、木はだいぶ大きく

なっています。今回は主に、大きくなってきたアオキやモチ

ノキを刈るためと、増えてきたシダやササを除去するために

下刈りを行いました。

実際、作業自体は結構大変でしたが、天気も良く非常に気

持ちが良かったです。

やっぱり森林浴は体に良いんですね〜。

今年の冬には、こちらの植林地で間伐を行う予定です。この

間伐も、良い木材を生産するためには大切な作業です。

生育の良くない木を中心に伐採することで、大きくなってき

た他の木のスペースを確保して適度な生長を促します。

近年では山林の管理がなかなかできないところが多いよう

です。この度の震災を契機に、日本の山林の整備が進んで

木材の自給率が上がると良いと思います。

みなさんも、この春は山へ行かれてみてはいかがでしょう

か? 狭山丘陵などオススメですよ!


それでは、本日もお読みいただき有難うございました!



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