シネマ日乗

入間アイポットのユナイテッド・シネマ入間で観た映画の感想が中心になります(多分)。 ネタバレになってしまう可能性も・・・・・・。 その辺、ご留意ください。
 
2024/03/31 23:27:40|映画 た行
デューン 砂の惑星 PART2
 これ、観た人は「スターウォーズのパクリじゃんか」ってなるかもしれないんですけどね、トンデモナイ。原作小説は、自分が子供の時、既にハヤカワSF文庫になってた超古典。むしろ、おそらく「スターウォーズ」のエピソード5以降がこの作品にすごく影響を受けたんだろうな、という事が分かります。「スターウォーズ」エピソード4、つまり最初の作品が黒沢明を引っ張ってきているのは有名ですけど。

 だから、お話も凄く古典的というか、血脈だの、爵位だのって、なるわけですけど、それに伴う出来事や、背景の風景等々、よくもまあ、人の脳みそ一つで捻り出されたものよ……、となってしまうんですわ。で、これをよくもまあ映像化できる技術ができたものよ。。。。

 こうなると、デビット・リンチ版はどうなってるのか、知りたくなりますね。

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2024/01/26 20:11:00|映画 か行
ゴジラ-1.0/C
 ゴジラが怖い、怖すぎる・・・・・・。

 という事で、モノクロ版。厳密な白黒というより、モノクロ色調と考えるべきなんでしょうが、観ているうちになんだか「昔のドキュメンタリー映像」を観ている気分になります。本当にあったことなんじゃないか、と。

 で、視覚情報が抑えられた分、音楽や音響に耳がいくようになって、改めて凄いなあと。映画館で観るにふさわしい。アカデミー賞が楽しみです。

 







2024/01/25 0:07:34|映画 か行
君たちはどう生きるか
 今年のアカデミー賞ノミネート作品に、日本から3作品が入ったので、ビックリ仰天・・・・。でもないか。

 そのうち「ゴジラー1」と「Perfect days」は、観た。ノミネートされて当然、という気もするのですよ。で、最後の1作品。かなり観るのは躊躇ってたんですが。宮崎さんに説教されたくないわい、というのがあって。

 とにかく、宮崎さんの映像マジックに騙されないように観よう、と注意しつつ、あーやっぱりなあ〜〜〜、という結論になっちゃう。

 「君たちはどう生きるか」という小説は、一瞬出てきますが、プロットにもなってない。宮崎さんのイメージが暴走したファンタジーといっていいのではないかと思う。相変わらず、妙なところが具体的に表現されてるんですよ。鳥の歩き方とか、食べ方とか。で、そうなるんかい!という納得感のなさよ・・・・・・。

 それもこれも、自分が家族嫌いだからでしょうね。そーんなバカな、ってなっちゃう。ああいう、とってつけたような話に落ちるんかい、と思ってムカつくんだよなあ。

 それにしても、どうしてこう、男親がダメダメなんでしょうか?別にヒーローでなくていいから、なんとかまともな普通の男親ってのを出してください。という事で、好きになれないんだ。アメリカで評価される意味が分からん〜〜〜。

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P.S なんかねえ、この映画、そもそもの設定が気持ち悪いんだ。空襲かなんかで主人公の母親が死んだ、そしたらその妹に手を出して、すでにやることやってます、という男親。で、戦争成金。こういうのを見せられて、いきなり「母親」を押し付けられた男子がどうなるか?普通はこう。20歳にして女から金を借りてギャンブルだの酒だの、で、財産食いつぶして落ちぶれて、それでも人のせいにしてばかり、という人物の出来上がり、になりますよ。戦争成金といえば、「犬神家の一族」もそうですけど、まあ、先がない。子供が観る映画で、そんな親を正当化するように描いていいのか?納得いかん。







2024/01/21 21:27:32|映画 あ行
エクスペンダブルズ ニューブラッド
原題は「エクスペンダブルズ 4」。ええー、これ、もう4作目なの?

 このシリーズ、なんだかんだで結局全部観てる気がするんですが、まあ、内容は大体同じ感じですよね、敵がいます。やっつけました。という話。今回は、スタローンさんはかなり下がって、ジェイソン・ステイサムが主役です。で、トニー・ジャーが相変わらずの切れるアクションを披露してます。こないだのドニー・イェンもそうですが、アジア系の本格アクションは、やっぱかっこいいですねえ〜〜。

 で、どうもこの映画、苦戦しているそうですが、なんとなく分かるなあと。まず、今って、割と「敵」をつくりにくい気がする。「ゴジラー1」はその辺が巧くて、戦争直後という時期を利用して話を膨らませています。しかし、今って、割合平和。そりゃ勿論、ロシアVSウクライナとか、あちこちで戦争は起きてるけど、21世紀が始まった頃の毎年・毎月・毎日のように自爆テロ、というのは落ち着いてる。なんかこう、「裏北斗の拳」みたいな感じに世の中がなってる現状。話をつくりにくいかも。

 映画そのものについては、夜&船上、というのが窮屈な感じ&何やってるのか、分かりにくいし、エクスペンダブルズの皆さんの作戦が雑過ぎて、こんなんでうまくいくんか?だめじゃ〜〜〜ん、という感じになっちゃうのがね・・・。という事で、脚本に問題があるかもしれません。

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2024/01/03 20:28:11|映画 ま行
メッセージ
 原題は「arrival」。この方が、テーマを伝えているような気もするんだけど・・・・。ずっと前に録画してて、正月休みってことでやっと観れた。かなり歯ごたえのある映画なので、観る時間がちゃんとある時に観て良かったと思います。

 言語コミュニケーションがテーマの一つ、でしょう。地球のあちこちに(日本の北海道にも!!)正体不明の楕円形した巨大物体が突然現れて宙にぽかっと浮かんで静止する。中には異星人らしき連中がいるらしくて、定期的に物体に入口が開くもんで、どうしたものか、コミュニケーションをとってみるかどうか?と悩んだアメリカ軍の関係者が、言語学者のルイーズさんと物理学者のイアン氏にその任務を発注する(結構有無を言わせない感じなんですけどね)。彼らは、墨をぱっと散らした円形の文字(?:墨で描いた丸に近いですね)を操るわけだけど、まさに手探りで、それでも二人はちょっとずつ彼らの言葉に近づいていく、その過程はかなりスリリングです。
 しかし、何しろ12個も同じのが地球のあちこちに散らばって、しかも違う国(仲良くない国にも)にもいるもんで、国ごとに対応が違う、で、段々彼らの言葉がみえてくると「武器」だのなんだの、という物騒な言葉が出てきて、これはもうやっつけなくちゃ、と世論が傾いていくんです。それを食い止められるのか?という話なんですが・・・・・・。

 観つつ、清水善範さんの「映画でボクが勉強したこと」なるエッセイに出てきた話を思い出しました。「太平洋の地獄」という映画。出演者が日本人(三船敏郎氏が演じてるそう)とアメリカ人の軍人二人だけで、二人で戦争してるんだけど、なんか変な具合に友人ちっくになってしまって、というのが大まかな筋らしい。未見ですが、要は日本語と英語、二人ともそれしか話さないから、意思の疎通がうまくいかない、という奴。清水さんは「話が通じないから戦争してるんじゃないか?という気にさせられる」と書いておられますけど・・・。
 しかし、一見それを主テーマに見せかけて、それだけじゃなさそうなんです。

 もう一つ思い出した映画が「リトル・ブッダ」。主人公の男の子は、仏教なんか全然無縁だったのに、「あなたが生まれ変わりだ」と言われる。で、チベットに行く途中、どこかの市場で「無常」を教わるんです。「ここにいる大勢の人達が、たった100年後にはもう、誰も残っていない。それを無常と言います」、これはね、観てた自分も衝撃を受けたセリフなんですが。この映画も、それが大きいテーマに見える。主人公は、別の切り口でそれを知ることになるんですが。

 と、かなり哲学というか、仏教的な視点を感じるんですが、それはなぜか、最先端の物理学からも同じ事が導き出されつつあるような、という事らしくて。

 ラストは色々な捉え方ができると思うけど、自分としては、希望を感じた。だって、主人公が視るビジョンは、違う時間軸だと思うもの。時間軸が変われば、未来も変化する、筈だものね。