シネマ日乗

入間アイポットのユナイテッド・シネマ入間で観た映画の感想が中心になります(多分)。 ネタバレになってしまう可能性も・・・・・・。 その辺、ご留意ください。
 
2013/12/11 20:59:02|映画 か行
くじけないで
 この映画の主演を務められた八千草薫さんが、毎日新聞のインタビューで「今70歳代の自分が90歳代を演じるのは、全く未知の世界という感じで難しかった」とおっしゃっていたのが印象強くて、何とか観ようと。観れてよかったです。

 非常に良い作品だと思う。
 なんというか、登場人物がみんな役を「生きている」感じがあるんですよ。主演の八千草さんはもちろん、周囲の方々も。武田鉄矢さんは自堕落な息子の役。こういう方がこの人の本来っぽい感じ・・・・・・。金八先生のせいでこういう役が回ってこなかったんでしょうけども。八千草さんを見ていると、なるほど、高齢者となると、ついつい一律に感じてしまうが、70歳〜90歳って実は20年もある、確かに全然変わってしまうのに十分な時間なんですよね。

 でね、この映画、ちょっと視点を変えてみると、どーしてオトコはこーなんだ?という話になっちゃうところがあるんです。

 やっぱり「仕事しろ、働け」圧力のせいなのか?戦時中は、召集されない若い男は「戦争に行かない」というか「行けない」ことがすごく後ろめたかったらしい。それが変形して「仕事しない、できないやつ」が後ろめたく感じられるようになったのかなあ?
 にしても、男って、どうして、自分の父親のダメなとこ、悪い点ばかり写っちゃうんでしょう?物事に対する対応の仕方・考え方の癖、その悪いところばかりが受け継がれてしまうのはなぜ??それがすごくリアルに目に映るから、観ていてヤダヤダ、と。同情する気が失せる。その理由は、「変わろうとしない」依怙地さですかね。ちょっと対応を変えてみりゃいいだけなのにさ。何がおっかないんだよ!!!

 この映画の中で、とよさんの詩に揺さぶられるのが男ばかり、というのは示唆的だな、と思う。

 こういう映画を観ていると、今の年寄りが死んじゃう前に、とにかく聞き取り調査をしないとまずいんじゃないかと。NHKはかなり丁寧に戦争中の話を掘り起こしているけど。民俗学等の専門家がきちんとするべきなんじゃないかな。

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2013/12/10 23:38:01|映画 その他
Love letter
 ずうっと観たいなあと思ってたんですけど。やっと観れた〜〜〜。

 余韻がずうっと残る映画だと思う。

 この映画のたくらみは、主人公の亡くなった(多分)婚約者が、最初から最後まで全く現れないところ。その人のいた家・部屋・友人・家族から推測するのかなあ、と思ってたら、中学時代のその人が立ち現われてくる。重要人物自身がついに現れない話というと「アルルの女」なんかまさにそうなんですけど、それとはまた別の方法です。どんな人だったか、そこからひたすら推測することを、観る側が求められてゆく。だから、映画が単純な「思い出話」にならないんですね。

 この映画の重要な小道具が「図書カード」。これ、若い世代の方は全く分からんでしょうね。個人情報保護法なんてのが存在しなかった時代は、新聞なんかにヘーキで自分の名前も住所も書き込んで「文通してください」なんてやってたんですよ、我々の世代は。今そんな事したら大変なことになりかねない・・・・・・・。で、図書館の貸し出し本には必ず抜き差しできる「図書カード」なるものが貼ってあって、そこに自分の名前を書き込んで図書館側に渡して、「借りた証明」としていた。疑いもせずに本名を書き込んでたんだから、すごい時代だ。この映画の製作は1995年、同じように図書カードが重要な役割を演じる映画に「耳をすませば」がある。驚いたのだが、同じ1995年製作なんですよ!!どっちかがどっちかの設定を借りたのかなあ、と思ったくらい。もっとも、「耳をすませば」の原作は少女マンガ、設定をもらう可能性は0ですよね。こういう偶然も面白いなあ・・・・・・。

 こういう映画を観ると、「今ならこんなの・・・・」ってなりやすいでしょうね。住所はグーグルマップで検索して、名前はFBで探して、とか。でもね、どんな形ででも同姓同名の人を見つけたときって、やっぱり、妙な連帯感というか、不思議な感じがするんじゃないかな。そういう感覚が変化することはないんじゃないか、と思うんですよ・・・・・・・。そうした普遍的な感覚が、この映画のキモで、だから古びない、今観ていて、全く違和感を感じないのはそこがきちんと描かれているからでしょうね。

 自分と同姓同名の人、実は名前だけ知っている。文学者でどこかの大学の教授でいらっしゃるはずなのだが。そしたら、同級生だったという方が患者さんにいらっしゃるのだ。教えてもらってビックリ!!!したもんです。世の中狭い、と思って。妙な親近感があったのだけれど、その後ますますそう思うようになった。こういう感じは、なんとも不思議ですね・・・・・・。







2013/12/06 23:34:02|映画 その他
REDリターンズ
 スカッとする映画を観たかったんですが。で、これ。あんまりスカッとしなかった。

 うーん、どっちかにしてほしかったなあ・・・・・。つまり、いい年したおっさん&おばさんの恋バナがらみの大ゲンカ、か、ドタバタアクションか。どっちもちょっとハンパなんですよ。

 ブルース・ウイリスさんは、アクションから抜け出せないのかなあ?おまけにイ・ビョンホンって、こないだのG・Iジョーと同じ顔合わせじゃないすか、お二人とも、デジャヴ感なかったのかしら?

 おっさん&おばさんのしょうもないケンカ話の傑作は「ラブリー・オールド・メン」。ジャック・レモン&ウオルター・マッソーがすごーく楽しそうに、仲が超悪い二人のおっちゃんを演じてましたよね。
 この映画の俳優陣も相当な人達なんだけどなあ・・・・・・・・。どうもなあ・・・・・・。

 というわけで、ここんとこ、洋画が今一つです。しかーし次にそそられてるのがまたしょうもなさそうな「47ローニン」ということで、なんとかしてスカッとする映画を探そう。

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PS.これ、困るなあと感じること。「トゥルー・ライズ」でも思ったんだけど、アメリカ人って、核兵器について根本的に認識が間違ってませんか?遠くで爆発したんだから大丈夫、なわけないじゃん。こんなレベルの認識だから、核兵器持っててへっちゃらなのかねえ?







2013/11/22 23:18:26|映画 か行
清須会議
 そうですねえ・・・・・・、ハズレ。
 冒頭、音楽がうるさい、煩わしいな、と思った時点でちょっとまずいかな?と思ったんですが・・・・・。

 今年はコメディが不作だなあ・・・・・。

 以前観た「笑の大学」はめちゃくちゃ面白かったんだけど・・・・・・・。なにがいけないんだろう?

 登場人物が多過ぎること。適材適所過ぎること。「この人なら、こんな感じの人物だろう」に一々当てはまるのはどうかと思う。
 人数については。「笑の大学」なんか、ほぼ2人芝居状態で、そのセリフの応酬が面白かったんですよ。それがどうも成り立ちにくいんだ、人が多すぎて。

画面が妙に暗くて見づらい、というのも問題だったかも。

 でねえ、どうしてこの人出てきたの?みたいな人も。西田敏行さんとか。多分10秒くらいじゃないでしょうか、出演時間。意味があったのか?

以前西田さんが出た、三谷喜劇でよーく覚えているのはNHKの「川いつか海へ」の競作ドラマ。今考えると凄い豪華キャストだった。西田さんと渡辺謙だもん!!この二人が爆笑芝居をやってくれて、あれは楽しかったんですけども。

というわけで、残念です。

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2013/10/28 23:34:01|映画 さ行
そして父になる
 なんか、感動した。

 20年近く前の話だが。親が1室持ってるマンション。管理組合の集金を幹部が使い込みしたんじゃないか、という事件が起きて、当時ちょうど回り持ちの管理組合長かなんかになってた父親が弁護士さんと一緒に右往左往していたんだけど。その弁護士さんのお嬢さんがエジプトで起きたテロ事件の犠牲になった、と聞いてビックリした覚えがある。確かに連日新聞で報道はされていたが、それに巻き込まれた人が身近にいる、というのは何とも言えない感じがして。
 その後、遺族の方々がエジプトに赴いて、その記念写真なるものが新聞に載った。同じ場所に同じ時間帯にたまたまいた、その結果、全く今まで知り合いでも何でもない人達が同じ問題に向き合うのはどんな感じがするものなのか、テロの現場でもあるピラミッドの前の「記念写真」に見入って考えてしまった。その写真は頭に刷り込まれてしまったようで、時々思い出してしまう。

 そういう事件に向き合わなければならなくなった2つの家族の話です。映画の最初は、家族間の格差みたいな説教臭い話なのかな、と思ったんだけど、全然違いました。

 観ながら考える。野々宮さんに凄く共感するんだ。そうだよね、そうそう!って。野々宮さんみたいな男の人って今でも多そうだよね。自分の父親みたいなこんな自堕落な奴になってたまるか!と思いつつ、物事に対する対応が結局同じ。クソまじめで気持ちのこわばりがほどけない。自分もそうだもの。このあたりは、現実にそういう事を経験していないと分かりにくいかもしれないが。

 で、一方では、自分の仕事から断言できるのね。血縁なんか大したことじゃないって。動物って、血縁もくそもないけど、皆さん大切にしちゃう。子供だってそうさ、きっと。

 この映画を観て、改めて、自分に子供はいないけど、それでよかった、と思う。なんか絶対に野々宮さんみたいになりそうだな、と思って。子供を直接育てるのに向いてないんですよ。その代わりと言ってはなんだが、子供を育ててる方の味方にはなれる。仕事を通じて、ささやかながらそれを続けているつもりなんですけどね。
 
 野々宮さんのとても偉い点は、そうしたご自分の欠陥を不器用ながら埋めようとなさるところ。これが、この映画の題名でもあり、テーマでもあると思います。それを10年続けたら、ヘンなお父ちゃんになれるよ!!とエールを送りたい。つくづく思うんです、物事は慣れだって。自分は全く親から褒められたことがない、から、褒め言葉がいつも喉に詰まってた。けど、一日100回言うぞ!!と決めたら、簡単に口に出せるようになりました。結局慣れだな、と、その経験から断言できるんです。

 この映画に出てくるピアノ曲。ブルグミュラーの曲は、ピアノをある程度まで習ったことのある人なら誰でも知っていると思う。こういう使われ方をするとは!!ゴルドベルク変奏曲も、グリーグの抒情小曲集もですが。使われ方が素晴らしいと思います。

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