ナチス関連の映画、「関心領域」を観たばかりなんですが、もう一つの佳作。
「関心領域」を観た時、色々呼応して思い出したのが「シンドラーのリスト」で、ああ成程、「シンドラーのリスト」にあった、毛皮のコートをはぎ取られるシーンが、「関心領域」の毛皮のコートを着てみるシーンに繋がるのかあ、なんて嫌な思いを一々してたんです。ナチスといえば、やっぱり「シンドラーのリスト」のイメージ。脳に刷り込まれちゃってる。
この映画は、切り口が全然違います。隠れてたのに見つかって収容所送りになったユダヤ人家族は全滅、ただ一人生き延びたおじさんが、流れ流れてコロンビアに住み着いて。しかし、特にスペイン語を操れるわけでもなく、孤立して暮らしてるんです。隣にオンボロ屋敷があって、売りに出されてたんですけど、そこに引っ越してきたいわくありげな人物が、え、ひょっとしてヒトラーなんじゃないの?となって話が転がり出します。主に英語とドイツ語が使われるんですが、それが話の核の一つになる。後はバラの木、とか、犬、とか。
凄いのは、特に前半がコメディーであること。ナチス映画でこういうのは初めて。主人公のおじさんはなんとしても証拠を掴むぞ!!と前のめりになって、ヒトラーの本も買い込むし、高そうなカメラも買い込んであれこれやる。おかしいんですが、なんとも切ない。絶対に思い出したくない人物について調べまくる、という皮肉が、コメディータッチでないと、辛い・・・、ってなりますもん。
お隣同士だから、そうこうしてるうちになんとなく交流も始まって、しかし一方、という、ちょっとサスペンス要素も。どうなるでしょうか?
観終わって思うのは、あーこれ、舞台劇にできそう。登場人物も限られてるし、うまく脚本をつくって舞台にしてみてください。
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