アウンサンスーチーという人がいて。この人が自宅に軟禁されている間は、ミャンマーに対して非難ごうごうでしたっけ。しかーし、この人が社会に復帰して権力を持ったら。今度は彼女がやりたい放題やり始めて(としか思えないんだが)、それからこっち、この人、人相悪くなったな〜〜、と思うんですよ。権力を持つと、人間ろくなことにならない、という典型のような。
ことほどさように、権力というのは取り扱いが難しい、らしい。
こんな事を考えさせられる、というだけで、この映画はマーベルスタジオの映画群の中では1ランク上のような気がします。
主人公は、最初は皇太子なんですよ。先代の王(つまり彼の父親)がテロに巻き込まれて死んじゃって、彼は近くにいたけど助けられなくて、けどメソメソしている暇はない、すぐ次期国王にならないと、というところから話がはじまります。なーんか頼りなさそうなお兄ちゃんだなあ、と思いつつ見てたんですが、色々事件が起こって、それなりに王様らしくなってゆく、という話。この王様が君臨するワカンダという国は、アフリカにあるんだけど、極めて高度な文化や科学技術を持っている、という設定になってます。ブラックパンサーというのは一種のパワードスーツなんですね。ワカンダの科学技術の賜物なわけ。
もちろん、悪役がいなくちゃ話が進みません。この人は王族の血を引いてて、なんとかして王権を手に入れて、ワカンダの技術等々を使って世界征服チックなことができないかと考えている。で、すったもんだ、という。
この映画は美術がいいです。ワカンダは本当にありそうなリアリティをもって描かれてまして、アフリカの美術品等々から得たデザインが隙なくちりばめられてて、それに圧倒されました。音楽も、アフリカの太鼓等々を使った、とても印象的なもの。その辺、アフリカの文化にきちんと敬意を払ってつくられているのが分かる、好感が持てます。主人公達がしゃべる言葉も、ワカンダ語がちゃんとあって、英語はなまってる。ディテールがちゃんとしているから、リアルなんですね。CGだらけの映画なんだけど、そうやってリアル感をつくっているのがいいなあと思いました。
でね、観てて思ったんだけど、アフリカは実際にはヨーロッパの南蛮人の男どもにやりたい放題やられた挙句、勝手に国境まで決められちゃって、分割されちゃったでしょ。日本は実にラッキーだったんだなあと。マルコ・ポーロが「東方見聞録」でないことないこと書いてくれたおかげで、もし、太平洋&南米大陸がなかったら、日本は略奪の限りを尽くされた可能性が高い。アフリカも、搾取を受けなければワカンダみたいな国を作れてた可能性だって大いにあるわけで。ので、結局、こういう映画を観ても、なんか釈然としないというか、忌々しいのう、てなっちゃうんですよ。
ブラックパンサーさん、お次は「アベンジャーズ・なんちゃら」とかいうのに出るらしいんですけど、どうやら「強い奴のインフレ」映画みたいなんだ〜。北斗の拳かよ〜〜。
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