シネマ日乗

入間アイポットのユナイテッド・シネマ入間で観た映画の感想が中心になります(多分)。 ネタバレになってしまう可能性も・・・・・・。 その辺、ご留意ください。
 
2019/02/25 23:58:00|映画 た行
翔んで埼玉
 公開を結構待ちかねてましたね。慌てて行ってみたら、月曜の夜の上映にもかかわらず、わらわら人がいる。大いに楽しんで観ちゃいました。くう〜〜〜、封切り日に行けなかったのは残念無念。

 原作者は魔夜峰央さん。この人の「パタリロ!」は大好きで、愛読書に近い。ただ、「パタリロ!」のギャグネタって実は落語オチが多いんです。面白いに決まってるわなあ。「翔んで埼玉」は、人気に火が付いた時に購入して、そのまま病院の待合に置いてしまった。そしたら、なにかと患者さんが借りてゆく。今もどなたかに貸し出し中なんですよねえ。とりあえずは未完の作品なので、映画でどう決着するのか、楽しみにしてました。

  まあよくやるわあ、というくらい、確かに「茶番劇」!!でございました。ガクトさんは、かつて大河ドラマでも「GACKT謙信」でやってましたけど、ああいうコスプレ衣装が実にお似合いなんですよ。大河の時は、始まるときのテロップを観て、ガクトが出てなけりゃ即観るのやめる、という事をやってた女性陣は多かったんじゃないでしょうか。魔夜さんの漫画に出てくる男子軍団は基本マント姿って奴で、すなわち宝塚なんですが、それが似合う人って、やっぱりガクトさんしかいない。

 で、この映画、主人公は、実は二階堂ふみさん演ずる百美ちゃんなんですよね。で、二階堂さんをはじめとした、錚々たる俳優陣が本気でばからしいことをやってます。それは去年の「パンク侍」っぽいんですけど、はるかにこっちが洗練されてます。その辺は原作の力でしょう。

 ということで、自分的には百美ちゃんの金髪カツラが欲しいなあ、と本気で思ってしまった。

 あと、埼玉県人としては、色々問題もあるけど、埼玉ってかなり住みやすくていいとこです、というのを押さえていただいて、嬉しかったっす。ホント、名物的なのがないんだ、所沢名物が「焼き団子」と知ったときはマジがっかりしたもんなあ〜〜。

公式サイト







2019/01/15 23:21:00|映画 やらわ行
ロミオとジュリエット in Cinema
 あまりにも有名な物語のバレエ。音楽はプロコフィエフ、以前観たのは吉田都さんの引退公演で、英ロイヤルバレエの振付によるもの。今回はKバレエカンパニーの熊川さんの振付。超有名な「バルコニーのパ・ド・ドゥ」がどうなるのか、楽しみにしてました。

 とにかく美しくて〜〜。で、やはり、音楽なんですよね。プロコフィエフの不穏な音楽が悲劇へ一直線に進んでしまう若い二人に襲い掛かるようでね。。。

 原作じゃ、ジュリエットは、せいぜい13・4の少女といっていい人なんだけど、物語が進むにつれてどんどん成長する。一方のロミオは浅はかなままで、あーやっぱ男はダメだあ、という結論になっちゃってたんですけど、今回のバレエでは、ロミオもそれなりに頑張ってたんだなあという風に取れて、それはよかったと思います。あーそれなのにこうなっちゃう、悲劇が起きない方向にどうやっても向かない、というのがキツイ・・・・。

 このお話を更に翻案したのが「ウエスト・サイド物語」ですね。今回のバレエに、ふっとあのミュージカルの振付の影響が出ている感じがして、面白かったです。これはいい作品になりました。

映画予告編







2018/12/31 23:09:03|その他
今年のまとめ
 比較的観た年じゃないでしょうか。岩波ホールとか、行ったことない場所にも行ったし。

 邦画は「万引き家族」に尽きる感じですね・・・・。アカデミーはどうなるだろうか?洋画は、うーん、まだ「ボヘミアンラプソディー」を観てないからなあ・・・・。あまり印象に残った作品がないのだなあ。「メトロポリス」は、こないだのポール・マッカートニーのコンサートでもバック映像に使われててビックリしましたけども。旧作なので。これは!という話は新作から取り上げたいですもんね。

 気になること。子供の映画で優秀な奴がない。「スタンド・バイ・ミー」とか、ハックルベリーフィンみたいな、やつ。「ワンダー・君は太陽」はまあ子供の映画ではあるけど、もっとこう、はっちゃけた、大人を手玉に取るような奴。邦画では皆無。これ、なぜでしょうね?昔は「瀬戸内少年野球団」みたいな奴があったように思うんだけど。アイディアが出ませんか?青臭い、好きだ嫌いだ話って、すごく内向きで、こんな映画ばかりだと、なんとも面白くないんですよ。来年は、なにか出てこないか、期待しましょう。







2018/12/31 17:47:04|映画 その他
Ostwind 1・2
 これはドイツ映画です。この映画の存在は、FBだかYOUTUBEだかで知った。観たくて色々調べて、結局アマゾンでDVDを購入。これがなぜか、PC以外では観れないという・・・・。しかも、日本未公開作品ってことで、もちろん日本語字幕なんかない。吹き替えなんかトンデモナイ!DVDでは英語字幕は出るので、その英語を確かめつつ観ました。

 観たかった理由は、馬の映画だから。ただ、対象はおそらく子供〜ティーンの映画なので、英語字幕も平易です。つまり、物語が比較的わかりやすいのね。

 ミカという子がいます。彼女は学校の成績も散々だし、教師からも問題児と思われてるし、親ともどうもうまくいってない。イラついて物に当たり散らしているのを見て、親が彼女を無理に母方の祖母に預けるんです。夏休み中、そこで勉強してろってことね。祖母という人は、かつて障碍馬術でチャンピオンだった、という経歴があって、乗馬クラブを経営してる。
 そこで彼女は、誰の手にも負えない荒くれ馬のostwindに出会う。彼女は、その馬に惹かれて、馬も彼女を信頼するようになって、というお話。

 この映画には、色んな示唆があるのだけど、馬乗りとしては、馬という生き物をただ「可愛くて、かわいそうな生き物」なんてやってないのが気に入りました。馬が本気になって暴れりゃ、人間は大怪我する。ただし、馬が大暴れするのには、必ず「理由」があるわけ。大方はそれを考えないで馬のせいにしてますけどね。共感できる点多々あり。あと、馬という生き物をとてもダイナミック&美しく撮っています。その辺どうやって撮ったんだか、メイキングを観て納得。巧い!!のは、さすが馬術大国だからでしょう。トレーナーの人が馬を知り尽くしているんですね。

  考えてみれば、ヨーロッパ映画ってフランス映画を除くと日本に入ってこないですねえ、なぜ??この映画会社はなかなか面白そうな子供向け映画を作っているようです。「インディジョーンズ」の子供版みたいな。もっと紹介してもいいと思うんだけど。

 この映画、なんとか日本で公開できないかなあ・・・・・。ネットででもいい。ドイツでは、なんと4までつくられている。ドイツの乗馬界にはかなり影響を与えている作品の可能性もある。いい映画です。馬乗りにはぜひ観てもらいたい。

予告編







2018/12/12 12:08:00|映画 な行
日々是好日
 樹木希林さんの遺作。そういえば、加藤剛さんの遺作が「今夜、ロマンス劇場で」でしたね・・・・・。

  お茶をなんとなく習い始めて、なんとなく続いて、あらら、20年以上たっちゃった、というお話です。もちろん、その間に色々あるわけですが。

 出てくる茶道は表千家の方。他の流派はまた、色々所作に違いもあるんだろうと思うんですが。お茶と言えば、入間市=お茶なので、入間市民は観たほうが得する映画のような感じがします。くそー、入間市の子供らは茶道を学校で習ってるんだよね。うらやましい・・・・。
 茶道は四季折々の景色を汲んだ作法が多そうなんだけど、その景色がほぼ、お茶の先生のおうちの庭に限定されている、けど、それが非常に美しく撮られています。日本庭園(というところまでつくり込まれている庭ではないけど)の良さがよく分かる。最近流行りのイングリッシュガーデンじゃあ、こういう雰囲気はなかなか出せないよね。NHKとかが、もちっと日本庭園についての情報だのつくり方だの出してくれればいいのに、とも思う。

 自分はヴァイオリンを大学生の時に始めて(オーケストラに入ったもんだから)、ずるずる〜〜、あれれ、30年たってまだ弾いてるわい、という人間なので(ブランク期間が20年くらいありますけど)こういう話は、分かる。続けたもん勝ちのところがあるんですよ。ブランクがあった理由は、最初に教わったヴァイオリンの先生というのがしょうもない奴で、今でいうパワハラにげんなりして、「わざわざ金払って怒鳴られに行くなんて、バカらしい」と思ってやめちゃった、というのと、それ以来、先生につくのが怖いし嫌だし、というのと、教わったことが、てんで間違ってたんじゃないか、という疑いと、まあ、そんなこんなで独りであれこれやってて、それにちょっと限界が来て、自分的にはかーなーりー思い切ってまた先生に習うことにして、ダメだと思ったら、即切ろう、とレッスンに行って、幸いそこから2年以上続いてて、弾けるわけないと思ってた曲に手が届きつつある。仕事じゃなくて、習い事として続けていると、無心でやってれば、それなりにどこかに到達するものなんじゃないかと思う。無心というのが難しいんですけどね。

 で、上達とは何か、が語られてますが、結局上達=無駄な動きがなくなること、らしい。これは多分、どんなものにも通じることじゃないかと。茶道は、そこんとこを究極突き詰めて、型を叩き込む、んでしょう。で、型が入ったところで、その人なりのなにかが醸し出されてくる、ということか。なにか、に生きてりゃ色々あるさあ、というのが影響する、そういうお話なんです。

 日本人は、型に当てはめて、そこから美を紡ぎだす、タイプの芸事に秀でる人が多いよねえ。ヴァイオリンみたいな楽器・バレエ・フィギュアスケートなんかもそうか。こういう映画を観るとなんとなく納得してしまう。

 映画の中で、フェリーニの「道」の話が出てきます。この映画、自分も最初に見たのは中学生だったか、主人公と似ているので、共感しちゃいました。もっとも、「道」については、改めて観直した時、あまり感心しなかったんだけど。そこが違うか。

公式サイト 

P.S 茶道といえば、お茶道具。「なんでも鑑定団」」でおなじみですけど、この映画を観てて、うわ〜〜、金かかりそう、とつまんないことを考えてしまった。着物でも道具でも、季節ごとに揃えてとなると、えらいことになりそうだ・・・・。これ、茶道を習うにあたって、かなりハードルを上げてると思います。