シネマ日乗

入間アイポットのユナイテッド・シネマ入間で観た映画の感想が中心になります(多分)。 ネタバレになってしまう可能性も・・・・・・。 その辺、ご留意ください。
 
2021/10/13 12:11:47|映画 か行
科捜研の女−劇場版ー
 日本で働く女性を長年演じてきた沢口靖子さんの代表作が映画化です。めっちゃ面白かった〜〜〜。

 いいなと思ったのは、チーム制であること。一人があれこれ抱え込むんじゃなくて、チーム全体がそれぞれの特性を生かしてきびきび動くのが楽しい。なんかね、働く女というと、何でもかんでもワンオペみたいなのが強調されがち(子供を育てるんですらですもんね)なんですけど、このドラマシリーズを見ていると、結局人を使う方法とか、チームワークをいかにつくるか、みたいな所を世の女が全然訓練されてないんじゃないか、と思っちゃうんですよ。フラットな組織のあり方については、多分男女半々位がやりやすいんだろう(男だけだと上下関係・女だけだと好き嫌いに基づく派閥ができがち)と思うんですが、科捜研のチーム制が、理想的に見える。

 「総理の夫」とどうしても比較しちゃうんですけど、抱え込むからいかんのですよ、と総理に言いたくなってしまった。

 あと、かつて大学の研究室にいた時の感じを思い出して、それも楽しかったな。匂いまで思い出される。ウイルスだの細菌だの、厄介な共生者なんですけどね。

公式サイト







2021/10/06 23:25:00|映画 さ行
総理の夫
 うーん、まずねえ、「総理の夫」なら本になったり映画になったり、「総理の妻」じゃあ、本にも映画にもならん、どうなんでしょうね、こういうの?と思う訳なんですよ。

 仕掛けられるスキャンダルもねえ、なにこれ?って感じ。自分が当事者だったら、研究所なんかいられないっすよ。即仕事辞めてどっかに隠れちゃうよ。つーか、こんなしょーもない、仕事場にいられなくなるに違いない事に手なんか出しませんて。仕事を舐めてない?

 フランスの話。ミッテラン大統領は夜な夜な原チャリに乗って、愛人のとこに通ってたっていうけどねえ。勿論在任中の話ですけど。

 皇室の方がただ結婚するってだけでぎゃあぎゃあ小姑みたいな輩に糞みそ言われる、あれを見てると、日本のオヤジって糞どーしよーもないって思う訳。っていうか、男どもね。観てると、こりゃ、無理だ、、と思っちゃってね。という事で、後味が悪い。妊娠だ・出産だをネタにするというのもねえ、これ、彼女を総理にしたくなくて、あえて避妊しなかったんじゃないの、とか勘ぐっちゃうんですよ。つまりまあ、やっぱりオトコの側の問題に思える。だって、出張ばっかりの仕事じゃ、相手をサポートなんかできないっしょ、そもそも。お話の骨格が上滑りなんですよね。

 中谷美紀さんの衣装がとてもステキで、目の保養になりました。女性はだけど、ここも不利だよなあ。同じ服を着続けるってだけで文句言われそうでさ。男はなあ、同じスーツだとかなんとか、言われないっしょ。あーそーいうのも経費で落とさせろよ!

公式サイト







2021/10/03 23:43:05|映画 ま行
MINAMATA-ミナマタ
 ジョニデ、最高傑作。

 で、今も続いている嫌な現実があります。水俣市では、やっぱりチッソ抜きでは市の経済が成り立たない、という。水俣市は現地での上映のときコミットしなかった。できなかった、というか。やらなかった、というか。どっちなんですかね?
 つまりはカネなんだけど、地域経済の発展のために何を犠牲にするか、というのはヘンでしょ。犠牲になる人があってはならない、というのがフツー。そのフツーが踏みにじられる様、を切り取った写真がいかに撮られたか、という映画です。
 昔はフィルムだったから、現像しないと写真の出来なんか分からない。だから命を削るような感じでシャッターを切ってたんでしょう。その辺もとてもリアルです。

 当然ながら日本では撮影できなかったようなんです。でも、非常に巧く撮られていて違和感が全くない。そして、日米の俳優さん達の抑えた熱演が光ります。だから、いつもは悪目立ちするジョニデが全く浮かない。この映画の優れた点だと思います。

 もう一つ、ジョニデご自身の悔恨のようなものがなんとなく漂っているんです。仕事に追われてるうちに(まあ、スター俳優だからしょうがないっちゃしょうがないんでしょうけど)家族とゴタゴタして離婚、はジョニデご本人の話でもあって。その辺がセリフで出てくるんだけど、とてもリアルに響く。

 「苦海浄土」をずいぶん前に読んだこともあるのだけど、色々改めて考えてしまう。ただ、これがきっかけで、日本の排水規制はめちゃめちゃ厳しくなったし、それを企業も守る。こういうのを輸出してほしいものです。

公式サイト




 







2021/09/08 13:43:58|映画 か行
キネマの神様
 この映画については、映画そのものより、主演の交代とそのいきさつが猛烈なインパクトで、映画の製作自体どうなっちゃうのか?という所まで行きました。恐らくはその後脚本をかなり見直したと思うんですが、その結果、とんでもない稀有な映画になったんじゃないかと思います。山田洋次監督と、スタッフ・キャストの熱量が、色んなことを吹っ飛ばしてしまいました。

 お話は、もう、映画を知ってる人間なら陳腐といっていいエピソードの連なりなんです。ダメじいさんがいて、家族に大苦労させている。それが一発逆転、という、いや、そうはならないんだけど。

 まず、主演を演じられた沢田研二さんですが。一言で言うと「名演」ではないかと思います。沢田さんのお芝居って、実は舞台で観たことがあって、しかも相手は志村けんさんだったんですが。志村さんとのコンビが本当に面白かったんだよなあ。この映画では、沢田さんに志村さんが乗り移っているような、しかし、沢田さんの存在感の大きさよ、という観ていて本当に不思議な気持ちになりました。こんな事ってあるんだ・・・・・。
 このじいさんが、なにかと「金貸してくれ」って言う訳。不快に思った、みたいな感想も読んだけど、自分はチャーミングだなあ、と。現実だったらドタマくるとは思うんだけど、なんか笑っちゃうんだ。
 その金は競馬・酒・麻雀に消えちゃって、しかも昔っから繰り返されてたみたいで、なぜにこんな奴とくっついてるのか、と娘が母親をなじる。それが、今風に言うと「それは依存症っていう脳の病気で、家族が本気で突き放さないと脱却のとっかかりさえつかめません」というのも、ちゃんと映画の中で説明されてて、それも凄いなと。山田監督は、家族の「分かっちゃいるけど〜〜〜」という葛藤もきちんと映し出しています。

 もう一つ、この映画の重要なエピソードはもちろん「映画」なんですが。要は山田監督の「思い出話」だと思う。それがヘンな郷愁やノスタルジーにまみれた話にならない。話自体は陳腐なはずなんだけど・・・・・。ちょっと信じられない。。。。。往年のスターを演じられた北川景子さんがとにかく美しいです。

 もう一つ、これも驚いたんだけど、今回のコロナ騒動がちゃんと描かれてます。ドラマ・映画含めて初めて観た。だから、客は観ていて否応なく志村さんを思い出しちゃうんですよ。辛いな・・・・・・。

 「東京物語」の1シーンも出てきて、小津安二郎の映画を一応観たことがある人間としては、嬉しかったです。ちょっとした小津批判も出てくるし。あー楽し楽し!

 ということで、映画を知ってる人間がすごく共鳴する映画だと思う。映画ファン必見!!

公式サイト







2021/08/17 22:04:00|映画 あ行
イン・ザ・ハイツ
 久しぶりに、「あ〜〜観てよかった〜〜〜〜!!」と思いました。いや〜〜楽しい!!

 ニューヨークを舞台にした傑作といえば、「スモーク」ですけど、それに迫る、傑作じゃないかと思います。というか、「スモーク」をミュージカルにしたような。
 舞台になってるワシントンハイツ地区は、「スモーク」の舞台のブルックリン地区にほど近くて、プエルトリコ等々の移民の方が多く住んでる場所。そこで暮らしている、アメリカに夢持って来たけど、アメリカに夢を奪われちゃった人達のお話です。
 主人公のお兄ちゃんは、「スモーク」の舞台と同じような、アメリカ風のコンビニ(というか、何でも屋)を親の代からやってるんだけど、まあ地域住民が客だから、儲からないんだ。客の皆様は、無理だろうけど一攫千金!と思って、毎日宝くじをこのお店で買ったりしてる。移民としての団結はあるけど、一方で、この町からさっさとおさらばしたい、とも思ってたり。そんな複雑な感情をミュージカルに落とし込むって凄いなあ・・・・・。

 移民の問題は、今やどの国も抱えてるわけだけど、アメリカはそもそも移民で国が成り立っているのに、どうしてこうなるかなあ?という大きい疑問があるんですけども。その国のメイン集団のために、周囲から人を入れて、低賃金でこき使う、というパターン、日本でも普通にある事ですが、一方、日本人が他の国に行けばやっぱり、周辺民として、同じ待遇が待っている。どうなんだろう?これ?

 ということで、この映画は入管管理局の役人に観てほしいと思います。

公式サイト