シネマ日乗

入間アイポットのユナイテッド・シネマ入間で観た映画の感想が中心になります(多分)。 ネタバレになってしまう可能性も・・・・・・。 その辺、ご留意ください。
 
2021/01/02 23:20:05|映画 やらわ行
ワンダーウーマン 1984
 前作がピンとこなかったので、観ようかどうしようかかなり迷ったんですが。思いがけず、これはいい作品と思います。ちょっとビックリ。続編の方がいい映画っていうのはT2以来かも。ただし、前半はただのデートムービーなのでご注意を。それが後半に生きてくる。

 というのは、この映画の大きなテーマは「1番がいい、だけじゃあ行き詰ります」だから。男社会のマッチョ思想じゃどうにもなりませんよ、というのを完全な娯楽映画の中で描いているのはちょっと初めて観たかもしれません。世界中でヒットしているそうですが、だとすれば、この思想に触れた人がたくさんいるわけで、世の中を動かす可能性があるんです。そうあってほしい。

 で、日本では苦戦しているそうですが、そりゃそうで、前作の時、あんなしょーもない宣伝しか打てない映画会社が、このテーマをうまく伝えられるはずがないんです。日本の男どもの「女の子は若くて可愛くてバカがちょうどいい」という思考からかけ離れた映画だもの。そうじゃない女を目にしたくないんでしょ。従って、まともな宣伝ができない、とこういう訳ですわ。

 あと、今回世界を「救った」のは、ワンダーウーマンじゃないんです。これも大きい。大人は心して観るように。

公式サイト

P.Sワンダーウーマンの子供時代を演じた女の子が、凄いです。とんでもない身体能力で(CGはあるけど、基本的に体をさばけないと無理ですわ)、将来末恐ろしい・・・・。







2020/12/31 18:07:19|その他
今年のまとめ
映画界は、前半はどうなることか、だったんですが、後半は「鬼滅の刃」でなんとかなりましたね、多分。ただ、新作がかからない分旧作や単館系作品もアイポットでかかったから意外と楽しめました。あと、特筆すべきは、人が集まる場所の中で、映画館はクラスター0ってことで、一番安全なんじゃないかと。来年も、映画館には引き続き通えそうなので、ホッとしてます。

 やっぱ、「パラサイト」?それとも「テネット」?うーん、「はちどり」がよかったなあ。なんともいえない繊細さ、日本と共通する問題の大きさも含めて。

で、来年ですが。公開延期作品は、本当に公開できるんでしょうか?今の状況では、かなり厳しいと言わざるを得ない。そうなると、旧作ですよ、やっぱ。旧作のいい作品をバンバンリバイバルしてほしいです。







2020/12/27 20:09:00|映画 た行
天外者
 この映画の主人公である五代友厚氏は、全日本的に名の通った人物ではないけれど、大阪では大有名人。東に渋沢栄一、西に五代友厚、という感じでしょうか。製作にあたっては、関西方面の商工会議所等々、一般の人達が集まってお金を出し合い、更にはふるさと納税も使って製作したとのこと。NHK様に「大河ドラマの主人公にしてよ〜〜」なんて泣きつかず、自分らで映画一本つくったる!という意気込みやよし、そこで、三浦春馬君らの最高なキャスティングを得て、出来上がった作品です。三浦君亡き今、彼の渾身の演技を大画面に残せた作品となってしまったわけですが・・・・・。

 映画としては、やや脚本がごちゃごちゃしてるというか、特に前半が駆け足なんです。エピソードを詰め込んでるので、ちょっとついていくのが難しい・・・。後半から人物が段々整理されて色々な事が見えるようになってきます。というか、それほどに、幕末というのは色んな人達がドカーンと爆発した時期だったんでしょう。
 この映画では、しかし、そうした時代の変わり目についていけない、または間に合わなかった、市井の人達の悲鳴のようなものもちゃんと描かれています。それに目を向けて、なんとか全員を引っ張り上げたい、そのためには仕事をつくらにゃ、産業を興さにゃ、という五代氏の奔走ぶりが空回りするさまがリアルなんですね。こういう「2歩半以上前が見えてしまう」人って、全く理解されないから。

 ということで、来年の大河ドラマと見比べたらどうなるか、と。でね、もう一つ、三浦春馬という前途ある若い俳優さんを全く支えられなかった、というのが今の日本社会の現実の一つで、それをどう考えればいいのか、と思っちゃうんですよ。

公式サイト







2020/12/09 22:11:00|映画 た行
トータル・リコール(1990年版)
 もう一回Movix昭島。この映画(R15とは知らなんだ)が本当は観たかったので。

 これ、ビデオで散々観てまして、筋もほぼ分かってるんですが、映画館で観れるのと、この映画の音楽がいいんですよ、サウンドトラックを買っちゃった位なので。それを思う存分聞きたかった、というのもあります。満足満足。

 原作はフィリップ・K・ディック。「ブレードランナー」や「マイノリティ・リポート」の原作もこの人なんですが、とにかくトチ狂った作風で、次から次へ話が二転三転するのが特徴。まあ、ヤク中だったから・・・。この映画の原作は和訳名が「追憶売ります」という短編なんです。それを大きく膨らませて、ついでに根本的なテーマもほぼ反対にしたのがこの映画。映画はメチャ面白いんですが、原作のテーマが「なにもしないけど、いなければならない」男の話、映画の「でかい事を成し遂げる」とは真逆なんですよ。ええんかいな〜〜??とは思うんですが、まあいいか。ちなみにディックさんは、この映画の製作中に亡くなったんじゃなかったっけなあ。。。

 今観ると、観た当時は「SFだなあ」と思った「電車の広告が動画」とか「リモコンで好きな風景動画を大画面で」なんてのがもはや軽く普通の風景になってしまっていることが驚きなんですが、アナログな手法で大掛かりなSF映画をつくっていた時代のラスト辺りの作品ってことで、逆にリアル感が増す。こないだの「テネット」もその手法を使ったもんだから大金が吹っ飛んでったようなんですが。
 あと、この映画にはシャロン・ストーンが出てます。エロカッコイイお姉さんで、シュワ氏の奥さん、というスゴイ配役。これだけでも見る価値あります。

公式サイト







2020/12/02 20:04:03|映画 さ行
十二単を着た悪魔
 主演した俳優さんのトラブル(どんなトラブルでしたっけ?)のせいなのか、あまり公開劇場が多くないようなんですが、面白そうだったので。MOVIX昭島で観る。

 原作は内館牧子さん。「プラダを着た悪魔」って映画(未見ですが)に触発されて書いた、との事。それの映画化です。主人公のお兄ちゃんからすると、一種の「タイムトラベル」もの、と言えなくもない。物語の中に入り込んじゃって、右往左往、なんですが、源氏物語で悪役になっている女の人達を、別視点から見たら、いや〜〜そうでもないんじゃない?というお話。それはそうで、物事というのは大体、別の場所から見ると同じ事が全然違っちゃうし。だから、何か事件が起こるたびにいつまでたっても「真実が分からん」とか言い続ける人が出てきちゃうんですよね。

 主人公を演じた伊藤健太郎君、かなりの力演じゃないでしょうか。何だったか忘れましたけど、ご本人のやらかしと映画の価値は全然別物と考えて観てみるとよいのではないかと思います。一種恋愛ものでもあって、その辺の描写は切なくてね。。。。
 
 こう見てみると、千年前の物語なのに、まあ切り口の多い事にビックリします。自分的には、ありゃうつ病小説だと思ってるんだけど、これも一種別の捉え方だし。多面性のあるお話なんですね。だから、未だに愛読者が多いということか。

公式サイト