これ、アイポットでロングランしてて、無視しきれなくなりまして。批判的な意見が多いようなので、あまり気が進まなかったんですが。
で、観て、自分も批判側に回ってしまう。ちょっとダメダメ過ぎる、テーマもなにも。ここから先は思い切りネタバレになります。どうしても、話の内容を批判せざるを得ないので。
仮想空間のアプリがあって〜〜、というのは、「サマーウオーズ」と同じような感じなんですが、どうやらバージョンアップしてるようで、イヤホンを付けると、仮想空間中にまるごと入り込んじゃう事ができる。ただ、勿論実体ではなくアバターを作るわけなんだけども。
で、その中でいきなり超人気者になっちゃって、そこへ乱入してきた奴がいて、それを探して、一方、追っかけてくる奴もいて、混乱しそうですけど、ああ、成程、と分かりやすいのは、要は「美女と野獣」をパクった話だから。主人公のアバターの名前が「ベル」だし。
現実世界の主人公はさえない女子高生で、ガッコでぐじゅぐじゅやってるんだけど、それには理由があって、彼女の母親が誰かよその子を増水した川から助けようとして、子供は助かったけど、親は死んじゃって、それがしかも彼女の目前で起きた事だから。まずね、これが酷い。こういう設定って、ありですか?主人公じゃないよ、母親の行動がアホだと思う訳よ。人命救助の基本は「自分の命の確保」が鉄則なの。当たり前でしょうが。そうしないと、周囲の半径100qに禍根が残るんだから。
で、アバターの中で彼女とかかわった「竜」というのが、現実では父親に虐待されてる男の子だ、と突き止めて、彼女が一人で助けに行く、という設定がアホだ。あり得ない。虐待男に殺されますよ、下手すると。
主人公は結局、自分の母親と同じ事をやって、周囲の大人は止めもしない。なんですか、そりゃ。大体、子供が子供を助けられるわけない。
映画の中では、虐待男が彼女の髪をひっつかんで顔を傷つける。ハイ、傷害罪です。さっさと被害届を出して、警察に逮捕させなくちゃ。そうしないと、その男の子供が危ない。というか、彼女の父親だよ。あんた、何やってんの?自分の娘がそんな目に遭わされたら、半狂乱になる、のが当然なんじゃないですか?なに、ぼさっとしてるんだよ!!
あと、男の子に言いたいのは、さっさと逃げなさいよ、という事。児相でも警察でもいい、アバター世界であれだけできるんなら、父親の言動や行動を隠し撮りなんてっチャラいでしょうが。それを見せりゃ、全員が動くはず。逃げる方向が完全に間違ってる。大人は信用できない、じゃなくて、じゃあどうすればいいのか、の知恵を主人公周辺の大人が出すのかと思いきや、なんも出てこないし。だらしなさ過ぎ。
仮想世界で大人気の歌手ってことになってた彼女がその世界で身バレするんですけど、それも危険極まりない。それをきっかけにして「竜」と連絡が付く、のが目的で身バレしちゃったんだけど、そんな事、その仮想空間の人は知ってるわけない。という事で、その後の大騒ぎも目に見えちゃうんです。
という事で、こうも大人を「信用に足らん連中」という位置づけする、のは勘弁ならん。児相や警察の人が見たら怒っちゃうんじゃないでしょうか。
虐待する人間てのは、相当の人数で介入しないと、絶対に変わろうとはしないもんです。子供じゃとても無理。だから、現実離れした話になっちゃって、呆れてしまった。やりきれない・・・・・・。
ということで、がっかり度No.1映画になってしまいました・・・・・・。
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