あのシルクロード紀行(第六回)
【
@D2-4:トルファン・交河故城】
1)観光事務所に向かう馬車とそれに乗る地元の人達
2)前方どこを見ても、崩れたレンガや土盛りがある上り坂
3)レンガ造りで、威厳のある形を台地の上に残している建物
4)見る角度にとって異なる顔を見せる交河故城
時計は北京時間であるが、すでに19:00をまわっている。ついに交河故城にやってきた。トルファンの交河故城と高昌故城はシルクロードの象徴であり、来る直前に読んだ、「天竺への道」陳瞬臣にも頻繁に出てきた。二筋の川が交わる土の崖にあり、崖の長さ1650m、幅600mに、城門、道。役所、寺院、民居、洞窟、井戸などがある。
1)観光事務所に向かう馬車とそれに乗る地元の人達
片方の川に架かる橋を渡る前の光景で、観光事務所であろうか、その建物に向かう馬車とそれに乗る地元の人達(写真)の姿に、実に中国的な風情を感じた。写真の右上に見える土の崖の上が交河故城である。橋を渡る時、川にはアヒルの群と、川辺に佇み、彼らにえさを播いている老人の姿が見えた。
2) 前方どこを見ても、崩れたレンガや土盛りがある上り坂
橋を渡ると、崖の上に至る上り坂がある。前を見ても、横を見ても崩れたレンガや土盛りが見られる。それを背景に駱さん(手前)と李さんの写真を撮らせてもらった。(写真)ここに安西都護治所が置かれた唐の時代にも、彼女等と同じ年代の女性たちが生活していたに違いない。そのころも同じ様な気候であったなら、サングラスや日傘の様なものを携帯していたのだろうか。
レンガ造りで、威厳のある形を台地の上に残している建物
少し行って現れたのが、レンガつくりの建屋で、しっかりした形を台地の上に残している。一部を除き、建物や道路は台地を掘り下げて作られていて、南東部は居住区、中央は行政区、北部が寺院と墓所ということが出土品から分かっている。
3)見る角度によって異なる顔を見せる交河故城
少し北西部に歩き、太陽の光がまぶしく、土やレンガの突起構造物が濃い影を造るようになったが感覚的には、いまだ真昼間である。すのこが敷き詰められている、少しむこうには、いまだ発掘作業をしている現場の様な地点が点々と見える(写真)。北西方向に向かって、180°のつなぎ写真を創るべく、少しづつ角度を変えて写真をとったが、角度によって明度の差が大きく、景色の方を調整すると、空の明るさが不連続となり、満足できるつなぎ写真は出来なかった。パノラマモードで撮影すればよかったのだ。
あのシルクロード紀行(第六回A)
中国 新疆・ウィグル地区の旅(シルクロードの旅)-9-
【D2-5:トルファン・トルファンの夕べ】
1)バーベキュー広場に集まってくる人々
2)広場の入り口には葡萄姑娘の像
3)バーベキュー広場で、駱さんと夕食。ちゃっかり爺さん
4)宿泊ホテル入り口
1)バーベキュー広場に集まってくる人々D2の予定は、交河故城の見学で終り、ホテルに向かう。北京時間で既に21:00を過ぎているが、外はまだ明るい。しかし人々は三々五々とバーベキュー広場に集まってくる。(写真)
まだ明るいので、そこを通りすぎ人民広場へ、小さな女の子二人がくるくると舞っている。親から教わったのか、友達同士で練習しあったのか分からないが、リズム感溢れ、魅力的に踊っている。大人になったら一人前の踊り手として活躍するのであろう。
2)広場の入り口には葡萄姑娘の像
広場の入り口には葡萄姑娘の像が立ち、すり鉢状の底には演奏会のステージがあったが、その日が演奏当日ではないらしく静かなままだった。(写真)
人民広場を跡にして、先程のバーベキュー広場で、駱さんと夕食を摂った(写真)。
テーブルにつき、着席するや、やかんにお湯を入れて店の人が持ってきた。
3)バーベキュー広場で、駱さんと夕食。ちゃっかり爺さん
駱さんが席を離れ、料理を注文しに行っている間にどこからか頭に帽子を被り、白い服を着た、しわだらけのおじいさんが近づいてきて、なんの断りも無く、持ってきた大きな瓶にどくどくといれ、何事もないかの様に去って行った。ちゃっかり爺さんだ。
駱さんを通しビールを注文したら、予想外に冷えたビールが出てきて、シシカバブとラグメンを食べ、遅い夕食を終えた。シシカバブとラグメンはウィグル族にとってごく普通の家庭料理であり、これに葡萄を加えて、これ以降の旅行中にうんざりするほどの常食となる予感がする。おいしいのでそれは歓迎である。
4)宿泊ホテル トルファン大飯店
そして、ホテルに着いたのは、北京時間で、日付が変わる直前であった(写真)。ホテルの敷地内には、舞台が組まれていて、恐らくトルファンの歌舞音曲が演じられたのだろうが、我々がホテルに着いたときは完全に終わっていた。ウィグル人の歌舞音曲は賑やかである。
唱、楽器演奏、ダンスと踊りまくり、歌いまくり、奏でまくるのだ。
旅行中、どこにいても耳に入ってくる音楽があり、旅行後に駱さんに
「その曲の入ったCDを入手出来たらお願いする。」と言ったら早速送ってもらったが、無残にもバキバキに割れていた。そうしたら後日駱さんにガイドを依頼している日本人に託して日本にもちこみ、その人から郵便で手元に送られてきた。有難いことだ。スルーガイドの駱さんの信頼度が益々高まった出来事であった。
日付が変わる直前であれば当然かもしれないが、新疆時間では22:00少し前であった。明日のトルファン観光は、高昌古城、ゼベクリク石窟寺院等である。楽しみだ。
本稿 完 次稿につづく