| あのシルクロード第19回 D7-1:カシュガル・カラクリ湖@】 1)富士山の頂上より高い標高3600mのところにある湖を目指す。携帯用酸素ボンベと酸素封入バルーンを準備 2)スルーガイドの駱さん、カシュガル現地ガイドのグランベールさん、運転手のムハマットさんと自分の四人のクルー 3) 顕著に変化する山の形、色、樹木の種類、高さ等の風景、えんじ色に染まった山並とその麓を滔滔と流れる川が延々と続く。 4) 峰々のロケーションをグさんに教えてもらう。ヒンズー・クシ、カラコルム、パミール高原等、別世界の地名を聞く 5)通りがかった市場で車を降り、市場風景を写真に納める 南北に伸びる解放路と東西に伸びる人民路の交差点からみて解放北路を更に北に行くとカシュガル空港方面へ、解放南路を更に南に行くとホータン方面へ、人民東路を東にゆくと、南疆鉄路の終着駅、中国最西端の駅カシュガル駅に至り、人民西路を更に西に行くとカラコルム・ハイウェー方面へ行く。 1)富士山の頂上より高い標高3600mのところにある湖を目指す。携帯用酸素ボンベと酸素封入バルーンを準備 カラクリ湖はカラコルム・ハイウェー方面へ200km足らずの、コングル山(標高7719m)とムスタガタ山(7546m)との間の標高3600mのところにある湖である。狭心症で冠動脈にステントを留置させているわが身にとって高山病が気になり、携帯用酸素ボンベ「酸素マニア」(純度99.5%の酸素12リットルを内容積60ccの耐圧ボンベに圧縮して詰め込んだ130g程度のもの、(株)オーツー・サプライズ販売)の携行だけでなく,更に200元で酸素ガスでパンパンに膨らませた枕大のビニール袋をガイドのグランベールさんに依頼して準備した。 2)スルーガイドの駱さん、カシュガル現地ガイドのグランベールさん、運転手のムハマットさんと自分の四人のクルー そして、嵩張るそれを腹がかえにしてムハマットさん運転の車に乗り込んだ。助手席に駱さん、日本語の話せる現地ガイド、グランベールさんと自分が後部座席に乗り込んだ。 3) 顕著に変化する山の形、色、樹木の種類、高さ等の風景、えんじ色に染まった山並とその麓を滔滔と流れる川が延々と続く。 カシュガルの郊外になるほど,風景は顕著に変化し、山の形、色、樹木の種類、高さが変わって行く。民家もレンガつくりの住居や葡萄を干す高床の倉庫が目につき、それらも次第に数が少なくなってゆく。天気が良いとは言えないが、観光バス(?)に追いついたり、追い越されたりする。そして通行左手(=東側)に、えんじ色に染まった山並とその麓を滔滔と流れる川が目に入った(写1)。景色が良いので写真を撮るのに良いと言われているところに停車し、崑崙山脈の冠雪した峰々を背景に写真を撮った(写真2)。 4) 峰々のロケーションをグさんに教えてもらう。ヒンズー・クシ、カラコルム、パミール高原等、別世界の地名を聞く 車の中でグさんに教えを受けた峰々のロケーションをメモした(以下の通り); カシュガル近傍には7つの峰や高原、砂漠がある。北から天山、タクラマカン砂漠を挟み、その西の果ての峰が天山山脈と最近接する崑崙山脈、その南西にヒンズー・クシ、南にカラコルム、更に、その南にパミール高原がある。コングル山もムスタガタ山も共に崑崙山脈にある。したがって、その両峰の間にあるカラクリ湖も崑崙山脈にある、ということになる。 この道は三蔵法師一行が天竺からの帰りに通った道で、彼らは高山病にかかった形跡があるらしい。(陳瞬臣著:「天竺への道」) 5)通りがかった市場で車を降り、市場風景を写真に納める その後、北京時間10:40頃、通りがかった市場で車を降り、市場風景を写真に納める(写真3)。そして、相変わらず奇妙な色の山々や川の流れに付き合いながら車は南下する(写真上4) 【D7-2:カシュガル・カラクリ湖A】 6)相変わらずえんじ色に近い山肌で、草木一つ生えていない山と、その麓を直線的にあるいは蛇行し、また川幅を変え流れる川が続く 7)草木が目に入る 道路沿いの検問所で日本語を話す若い男に話しかけられる。 6)相変わらずえんじ色に近い山肌で、草木一つ生えていない山と、その麓を直線的にあるいは蛇行し、また川幅を変え流れる川が続く 更にカラクリ湖を目指し、車に乗り続ける。写真はいづれも車の中から撮ったもので、画質が悪い。山は相変わらずえんじに近い山肌で、山には草木一つ生えていない。その麓を流れる川は直線的にあるいは蛇行し、また川幅を変えて流れている。川幅が今は細くても河原全体は幅広く、雪解けが始まる頃は河原の幅一杯に水があるのであろう。 7)草木が目に入る 道路沿いの検問所で日本語を話す若い男に話しかけられる。 時折道路沿いには草木が目に入る(写真左列)。そこは検問所というのは大袈裟であるが、パスポートをチェックさせられるところであり、車からおりて河原の方を眺めていたら、日本語を話すスリムな若い男がニコニコと近づいてきて、話掛けてきた。 最初は「日本の何処から来たのか」などと話していたが、「この川は崑崙山脈から流れて来ているようだが、ホータンの白玉川の様に玉石が採れないか?」という話になり、「採れない。」とあっけない答え。検問所の建物の中には土産物も販売されていて、玉製の装飾品もあったので聞いてみたまでであったが、付け入る隙の無い答えであった。 日本人観光客が多いのでm専従係員なのかも知れない、 そして再び車上の人となり更に行くと、山と山の合間から川が流れ出している景色に出会うようになってきた。 【D7-3:カラクリ湖・B】 8) ホテルを出て約3時間、カラクリ湖に間近の地点まで来た。益々めまぐるしく変わる天気、曇りのち雨、のち晴と、目まぐるしい。 9)断層が見えていたり、まるで刃物の様に研いだ様な峻険な山肌から、草木が全く無い不毛の地へ 10)「前日に快晴でも、翌日に豪雨で道路が寸断されてしまうことがある」危険な道路だった。 8) ホテルを出て約3時間、カラクリ湖に間近の地点まで来た。益々めまぐるしく変わる天気、曇りのち雨、のち晴間と、目まぐるしい。雲の切れ目からの太陽光が妖しく山肌の色を変える 北京時間で11:40頃、ホテルを出て約3時間、カラクリ湖に間近の地点である。山肌がまるで砂で出来たような山々が道路に迫ってくる。また天気はめまぐるしく変わる。雨粒が車の窓ガラスを叩いていた(写真上2)かと思うと、いつの間にか晴れ間が出てくる(写真上1)。雲の切れ目からの太陽光が妖しく山肌の色を変える。その変わった部分はベージュの毛布の様な色を呈し、目に安堵感を与える(写真上3) 9)断層が見えていたり、まるで刃物の様に研いだ様な峻険な山肌から、草木が全く無い不毛の地へ それまでの山肌は断層が見えていたり、まるで刃物の様に研いだ様な峻険な山肌だっただけに余計そう感じたのかも知れない。草木は全く無い不毛の地であるが、そういったものがあれば、高原とでも言いたいところである。 10)「前日に快晴でも、翌日に豪雨で道路が寸断されてしまうことがある」危険な道路だった。 帰りに山間部を抜け出たあとに聞いた話では、「前日に快晴でも、翌日に豪雨で道路が寸断されてしまうことがある」とのこと。「そういう時は、その日のうちに帰ることは出来なくなる。」とのこと。帰りに山間部を抜け出たあとに聞いた話で良かった。 本稿 完 次稿へ続く |