槐(えんじゅ)の気持ち

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2015/02/10 10:15:00|医工連携
医工連携 診療検査データは生かされているか?(加齢黄斑変性治療)

  1. 医工連携 診療検査データは生かされているか?(2)
 
医工連携 加齢黄斑変性 治療体験

「眼科手術説明書」と「手術同意承諾書」
 眼科医院を転院し、3度目の通院で加齢黄斑変性の治療(手術)をすることになった。
「ルセンティス以上に効き目が顕著と言われているアイリーアによる治療をする」との医師による説明があった。2回目の通院時に、「日帰り手術を受けられる方へ」という説明書、治療当日持参する記名捺印する「眼科手術説明書」、「手術同意承諾書」及びアイリーアの製造元バイエル薬品株式会社と販売元の参天製薬株式会社による「アイリーアによる治療を始められる患者さまへ 加齢黄斑変性」というパンフレットをもらった。

 「日帰り手術を受けられる方へ」には、手術前の処置として、点眼液ペガモックスを手術前後各3日間点眼すること、手術日及び来院時刻、抗生剤内服薬の服用期間、洗顔、入浴開始可能日などが記載されている。

 また「眼科手術説明書」には、1.診断:右眼)加齢黄斑変性、2.手術方法 □術式:右眼)硝子体内注射(アイリーア)、□麻酔方法:局部麻酔、□手術時間:約10分、□術者:担当医師(実名)、3.スケジュール □手術日時、□来院時間、4.手術が必要な理由:レ手術をしないと視機能を維持できないため、5.他の選択肢:レ光線力学療法など×点眼薬や内服薬による治療×無治療で経過観察、6.手術をしない場合に予想される経過:レ失明などの状態の悪化×不変×自然治癒、7.緊急度:レ数週~数か月以内に手術が必要、8.手術によって期待できる結果:レその他:病気の進行予防、9.手術による危険性:レ麻酔・投薬によるアレエルギー反応やショック、レ感染、出血、網膜剥離、白内障などの手術特有の合併症、レ視力低下・屈折や視野の変化・歪視・福視の出現や後遺症、レ再発する可能性、レ再手術の可能性(以上の”レ”は選択枝の中から選択した項目、”×”は該当しない項目の意味)
と記載されていている。「眼科手術説明書」と「手術同意承諾書」は提出書類と本人控えの複葉となっている。

◆術前症状
アムスラーチャートという直線の歪みや欠落、暗視領域の有無をチェックする為のシートがあり、見え方は3つのタイプに分類される(画像1上)。自分の場合は、直線の歪みはあるが、欠落、暗視領域は無いタイプである。

網膜組織構造(正常眼との比較)
この様な見え方をするのは、画像1下に示す様に、本来凹曲面の黄斑部が、脈絡膜にある新生血管の成長が網膜色素上皮を突き上げ突き抜ける様に展延し、網膜下に於いて新生血管からの出血や漏れ出た血液中の水分(滲出液)により、黄斑部の中心窩が持ち上げられることが原因と「アイリーアRによる治療を始められる患者さまへ 加齢黄斑変性」というパンフレットに記載されている。

更に分かり易く、各組織の名称を加えてより分かり易くモデル図としたのが画像2上である。因みに実際の自分のOCT像を左眼(正常)と右眼(加齢黄斑変性)とを比較して画像2中&下に示した。左眼は正常、右目が罹病眼である。

治療効果
 何故新生血管が発生するのか?同パンフレットには、「新生血管が発生・発育して血液や滲出液が漏れだす原因物質としてVEGFが見つかっている。VEGFは正常な血管を形成し、維持するために不可欠な物質だが、本来は不可欠な物質だが、加齢黄斑変性では悪い働きをする」とある。
 アイリーアの治療は、VEGFの働きを抑える抗VEGF薬治療なのである。何故、血管新生が起こるか?ウィキペディアには、「健常な成人では血管が新生する必要は通常ない。血管新生が起こるのは、 創傷治癒の過程、 慢性関節リュウマチや糖尿病性網膜症または乾癬などの炎症部、 心筋梗塞や閉塞性動脈硬化症などでの虚血部位周囲での側副血行路の形成、 悪性腫瘍などである。」とある。過去関節リュウマチや脳梗塞、狭心症を罹病していて、現在糖尿病薬物治療を続けている我が身にとっては、残念ながら思い当たる節ばかりである。以下の血管新生について説明しているURLには、血管新生に関与する因子がVEGF以外にもあることが記述されている。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A1%80%E7%AE%A1%E6%96%B0%E7%94%9F
 更に、同様に抗VEGF薬のルセンティス治療をweb検索すると、分かり易い動画が紹介されている。
http://www.lucentis.jp/m_medical/lucentis_base/m_sayo/index.html
画像4上はその中の二つのシーンについて示していてVEGFとそれを捕らえる抗VEGF薬ルセンティスの作用機序が映像化されている。この作用機序はアイリーアも同じであろう。

治療手順
①手術に先だって、眼の感染予防として、三日前から、一日4回抗菌点眼剤「ベガモックス」を点眼する。
②手術当日は開始30分前に病院に到着し、看護師さんの説明に従い、手術着(上着のみ)のを着用、散瞳薬の点眼があり、前の人の治療が終わるまでリクライニングチェアで待機
③予定の開始時刻に手術室に徒歩にて移動。手術用リクライニングチェア座り、顔の向きを少し右に傾ける。右眼から溢れた麻酔薬、洗浄液が流れ落ちやすくするためだ。
④右眼だけが露出する穴の開いたビニール製の覆いを顔面に固定
⑤麻酔薬が溢れる程、何回も流す。そのうち右眼の感覚が無くなってきて視界がボケてくる。目玉を動かす筋肉が麻痺している感覚となる。
⑥「少しチクっとするかも知れません。」と医師の声とともに、眼の奥に強い圧迫感を感じる。思わず「ウっ」と声が出る。経鼻内視鏡を挿入した時の感じと似ているが刺された感覚とは程遠かった。
⑦「終わりました。」との声のあとは眼帯かと思ったがガーゼ状のもので抑えた後はその上から絆創膏で固定。「どの位の太さの注射針を使ったのですか?」と聞いたら、注射器を見せてくれながら、「32ゲージもあるのだけれど、今回は30ゲージを使った。」とのこと。因みに、1インチ(25.4mm)の1/30なので、外径0.85mmφ程度となる。
⑧手術室からリカバリールームへ戻り、着替えて、支払い(51,220円)を済ませ、片目で帰宅。
⑨昼食後から抗生剤内服薬を服用
⑩翌日8:30に通院し、眼帯を外し、眼底検査
⑪その週の金曜日4:58に通院し、術後経過を観察

術後のOCT像を撮り、術前との比較(画像3下)。僅かにふくらみは減っているが、画像3上に示された程顕著ではなかった。しかし医師は「きわめて順調な経過で、出血もじきに治る」とのこと。その他、看護師のオペレートで、眼圧、視力検査を行った。「PC操作を変わらずやっても問題無いか?」に対して「問題無い。」との事だった。画像4下に示す様に、「病状の進行は収まるが、視力が回復することは期待できない。」との事だった。とは言うものの少しでも視力が回復してもらいたいものだ。

 それにしても転院前の医院では、「まだ治療する程悪化していない」と、その病状の治療方針に結びつかない検査と、内服薬と点眼薬の処方のみの様子見だったが、このグラフは、「加齢黄斑変性と診断されたらなるべく初期の状態で治療を受けるべし」、ということを意味している。危ないところだった。金曜日の診察時に2回目の治療日を約一か月後の月曜日と決まった。
 






2015/02/07 13:08:53|医工連携
医工連携 診療検査データは生かされているか?
  1. 医工連携 診療検査データは生かされているか?
 
◆散瞳薬障害
糖尿病性加齢黄斑変性に罹病し、自宅から歩いて行ける距離にある眼科医院に通院していた。ところが眼底チェックの為、散瞳薬(観察しやすい様に瞳を広げる点眼薬)が使われる。そして注意事項として、「すぐ車を運転するな!」とある。実際、しばらく眩しくてとても運転どころではない。仕方なく一晩最寄りの眼科医院に行くしかなかった。
 
◆気休め検査が多い
その眼科医院での検査は、医療費明細書によると、初診料(保険点数:282)、屈折検査(同:69)、角膜曲率半径計測(同:84)、調節検査(同:70)、左右静的量的視野検査(同: 290@片側×2)、生体染色検査(同:48)、矯正視力検査(同:69)、精密眼圧検査(保険点数:82)、細隙燈顕微鏡検査(前眼部及び後眼部)(同:112)、精密眼底検査(同:112)、眼底三次元画像解析(同:200)、処方箋料(その他)、(同:68)、一般名処方加算(処方箋料(同:18)、コピー代(同:@10円×2)となっている。

 この稿を記載しているうちに気が着いたのだが、この医療費明細書には明細書発行医院の名称(医院名等)が記載されていない。因みにいくつかの他の医院から発行されている医療費明細書には、いずれにも医院の名称が記載されている。ここでの初診料は計1796@保険点数)となっている。尚、初診料を取られたのは受けなくてはいけない診療日に都合で行けず、隔月となってしまったので、既にカルテがあるにも拘わらず初診料を取られてしまったのは患者側の責任なので仕方がない。因みに再診料は(同:73)である。

 いろいろ不信感を持ち、結局転院したのだが、転院後病院の初診の時の医療費明細書を見ると、初診料(保険点数:282 同じ)、屈折検査(同:69 同じ)、矯正視力検査(同:69 同じ)、調節検査(同:70 同じ)、角膜曲率半径計測(同:84 同じ)、細隙燈顕微鏡検査(前眼部及び後眼部)(同:112 同じ)、ミドリンP点眼液1ml(保険点数:3 転院前の医院にはなし)、精密眼底検査(同:@56×2 同じ)、眼底カメラ撮影(自発蛍光撮影法)(同:510)、眼底三次元画像解析(同:200 同じ)ここでの初診料は計1593@保険点)であった。

 また、転院後の医院では、細隙燈顕微鏡検査、精密眼底検査、眼底カメラ撮影(自発蛍光撮影法)、眼底三次元画像解析検査は医師が自らオペレートしてくれたのと、気休めの薬は処方しない方針らしく、これまで服用していたカルナクリンやティアバランスの処方は無かった。

 転院前の医院では精密眼底検査、眼底カメラ撮影(自発蛍光撮影法)以外全て看護師であった。また転院前の医院では、左右静的量的視野検査で、いつもとランプが点灯する位置が違うので、おかしいと思いその旨、検査中に指摘しても、「問題無い」、と言い、検査データのコピーを欲しいと言ったところ、
「実は条件設定を間違っていたが、それでも良いか、コピー代が両目で20円かかる。」とまで言い、結局、再検査はしてくれなかった。もともとこの転院前の医院では、検査の中では比較的保険点数の高いこの視野検査を一回おきに行うのだが、検査結果のフィードバックを医師がしてくれたことは一度も無い。

 また加齢黄斑変性の治療方法として「友人がルセンティス治療をしているが、自分の場合まだそこまで悪くない。」と言われ相手にされなかった。しかし、転院後の医院では、「ルセンティスよりもっと治療効果の大きなアイリーアという薬があるので、それをやってみましょう。」と初診の際に言われ、2回目の通院時にアイリーア治療をすることになった。

 この治療内容は次回の投稿時に記載するが、転院をきっかけに、転院前の医院が如何にいい加減な診断(検査)治療をやっていたかを知るところになった。保険料を高くするばかりの気休め検査、薬の処方、そして治療方針に結びつかない診断(検査)をしている。

 眼科は高齢の患者が多く、また医療知識が無い高齢者が多く、検査のフィードバックもしてもらえず、言われたままの診療代を支払う。

 診療費の自己負担率を上げる前に、先ずは医院側の実態を調査し、気休め検査や投薬をなくすだけでも、保険医療に対する国庫負担が軽減することは明らかである。

 転院後の医院は、診料時間が長いという不評を聞いていた。しかし、それは一人一人丁寧に診ているからであり、疑問や心配ごとに対して時間を取って丁寧に説明してくれるからであることが分かった。看護師もベテランが多く、安心感がある。
 






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