サトルノジュウ ごった返した貧乏丸出しの、窮屈なとある団地。 季節は秋。ある日突然、弟、サトルがピストルを持って帰ってきた。 姉のミチコが理由を聞くと、サトルいわく、「組の連中が、おもちゃの銃で遊んでいたところ、本物のピストルに変えてくれたのだ。」という。サトルは、もと、暴走族。そういういかがわしい連中と、つるんだとしても、おかしくはない。 「もうすでに、扇道会と親しい中にある。」らしい。 ところで、ミチコには、子供がいる。シングルマザーで、『出戻り』だ。男の子で、名前を、、、、後々紹介しよう。 後々この男の子が、大出世することになるからだ。、、、といっても、『裏の世界』で、だ。 この窮屈な、こきたない団地に住んでいるのはこの二人だけではない。 ミチコの母、リエと、ミチコの1つ下の妹、サナエだ。ミチコは、3人兄弟の長女ということになる。一番下の長男が今回事件を起こした。 ある日普段つるんでいる、扇道会の、組員と共に、くそ狭い団地の一室に駆け込んできて、姉のミチコを、下に止めてあった、青い車に連れ込んでさらった。ミチコはかろうじて、幼い2歳の息子を抱っこして連れてきた。少しばかりの冬服を何枚か、重ね着させてあわてて車に乗せた。組員がせかす。「早くしろッ」 弟は、誰かを殺してきた後らしい。しかも、この薄汚い団地に住んでいる、なんと、隣の住人を、いま、殺してきたばかりなのだ。あわてて、逃げても、当然である。しかも、ミチコとその子供は、扇道会によって連れ去られてしまう。 逃げる途中、一番齢をとっていそうな、八幡というおっさんが何かとアドバイスをしてくれた。弟サトルと、姉ミチコと、八幡というおっさん、運転しているのは、、、なんと無人。車に付いたセンサーで
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