KL250はGoodな単車だったが,特に高速道路で振動の大きなことが弱点だった。当時のツーリング仲間は皆ロードモデルに乗っていたので平均速度が高い傾向にあり,高速道路ではこのことがネックだった。
そこで次に選択したのがXTという訳だ。元々DT1を理想と考えている私が選択するのだから,ヤマハに行き着いたのは自然な流れだった。とはいえ,XTに決めた最大の理由は,リアタイヤが18インチだったことにある。当時国内向けオフ車は皆17インチであり,タイヤ選択肢が限られていた。
新車時のXTは,KLと比較すれば車体の仕上げは良かった。しかし乗ってみると,ステアリングヘッドが締めすぎで,直進に難があった。手放ししてみると更に良く分かり,随分緩めた記憶がある。もしあの締め方がヤマハの標準なら,二輪車にとって重要なものが何かを,理解しないまま製造,出荷していたことになる。
エンジンは単気筒ながら,キャブレターがデュアルで付いていた。低速から高速まで,全域のトルクを稼ごうとしたのだろうが,オフ向きの特性ではなかった。振動が小さいのは良い点だったが,それ以外に見所がなく,後に所有するXR600の振動が大きくて手が痺れても,降りる気にならない理由となった。
新車時には綺麗だった車体,特にアルミ合金部品は,約1年で輝きを失った。意外にも,仕上げを心配したKLの方が圧倒的に経年変化が少なかった。
いろいろ問題があったが,最大はフレーム剛性の低さだった。ここに記載してない弱点も含め,問題点はフレームに集約される。これらのことから,XTの後継を選択する時,DT1を造ったヤマハはいったいどこに行ってしまったのか? と思いつつTT250Rではなく,初めてのホンダ車,XLR BAJAとした。
2010.7.23(金)