食に感動・旅に感動

東京はじめ関東だけではなく私が体験した各地の誰でも 気軽に行けるような旨い店や変わった料理、食材、街で 見つけた気になる物や心に残る旅などを紹介していきます。
 
2016/10/05 11:26:00|日本蕎麦
人生最高の蕎麦
山の実 志賀竜王高原

今までの蕎麦の概念を一新させてくれる料理人。
” 素晴らしい!” の一言です。

スキー場のホテルがオフシーズン(4月末〜11月中旬頃)
のみ蕎麦の店として営業しています。
 ここは岡山の友人と一週間旅行した最後の日に旨い蕎麦を食おうと選んだ店で、9月中旬過ぎの晴れた日で空気が澄んでいたので景色もよくてすがすがしい気分で食事をすることができた。



店内はスキー客用に作られており普通の蕎麦屋の雰囲気とは違う。
でも外にテラス席もあり、雄大な景色を眺めながらゆったりと食事をすることもできる。


初めてなので店主自信作のほぼすべてを食べられる山の実セットを注文。


まず出てきたのが蕎麦の実のおかゆ
初めて食べる味。
まずは蕎麦そのものをストレートに味わってもらおうというおもてなしの一品。
蕎麦の実のほどよい食感と香りが心地よい。


次は、そばがき
このきれいな若草色!目にも鮮やか!
そして・・・何という香りと食感!
これを食べただけでここへ来た価値がある。
塩とわさびで食べる。
蕎麦特有の香りが口に入れた瞬間、鼻に抜ける。
そして素晴らしいもちもち感と素材を生かした適度なつぶつぶ感が口の中で混ざり合い言葉に表せない美味しさ!




待望の蕎麦!
この緑色を見てください。
何も混ぜていない蕎麦本来の色。
そしてこの蕎麦は生粉打ち蕎麦です。
蕎麦粉と水だけで打った十割蕎麦です。
それなのにこの極限と言っていいほどの細さ!

最初は塩を勧められたので塩とわさびを載せて食べる。
香りがふわーっと鼻に心地よく広がっていく。
そして抜群の食感。
塩で食べる場合はわさび無しのほうが旨い。
半分はきりっとしまった出汁つゆで食べる。


蕎麦好きなので名の通った蕎麦屋にもずいぶん通ったがこれ程の蕎麦を食べたことはない。
感動で震えそうな蕎麦だった。
蕎麦はこの地方の須賀川産とのこと。(福島の須賀川ではない)
何故このようなきれいな緑色が出せるのか?
後で聞いたところ、蕎麦を収穫したらすぐに冷凍するらしい。
そうすることにより、より高い蕎麦の香りや蕎麦本来の色を出すことができるらしい。

蕎麦ピッツァです。
長野県特産のエノキ茸をトッピングし蕎麦粉を混ぜ込んだピッツァ。
極薄のクリスピータイプです。
蕎麦粉の味はチーズに消されてしまったようで香りはあまりしなかったが薄くてぱりぱりして美味しかった。


ピッツァを焼いている窯です。


こちらはりんごピッツァ。
デザート感覚で私はこちらのほうがお勧めかな。
りんごの酸味と甘みがピッツァに大変マッチしている。
これは美味しい。




実はあまりに感動し忘れられない蕎麦だったので10日後に又来訪して食べた蕎麦セットをこのリンゴピッツァにした次第。

蕎麦の後に出てきたそば湯です。
そば湯はすこしどろーっとした濃い目の物。
入れ物にも凝っています。


店主と帰り際に話しをすることができた。
若い!まだ30代半ばくらいだろうか?
”素材がいいんです”と謙遜していたが、並々ならぬ技量の持ち主だという事は間違いない。
蕎麦の旨さをとことん追求している姿勢がうかがえた。こういう人がこれからの蕎麦業界を引っ張っていってくれると思うとうれしくなる。
帰るときに”死ぬ前に最低もう一度は必ず来る”と言って店を後にしたが、前述したとおり10日後にまた来てしまった。
(私の家からは200KM以上離れていて車でないと行けない)
それほど遠くても行く価値のある”最高にうまい蕎麦の店”です。

山の実です。







2016/09/26 11:23:00|寿司
鮨の名店
「石島」 銀座

以前から一度行ってみたかった銀座の寿司の名店「石島」に予約して訪問した。
お昼はコースのみ予約ができる。
(予約しないと行列ができてしまい順番によっては一時間程待つことになる)







旨い寿司を提供してくれる店の中に入ると必ずと言ってよいほど凛とした空気がみなぎり、いやがうえにも期待が高まる。
親方と職人の二人で握ってくれます。
「早川光の最高に旨い寿司」(衛星放送テレビ)にも出ていたが親方は寡黙な方のようであまり言葉を発しない。
もう一人の同年代と思われる職人はいろいろ話しかけてくれ、居心地の良い空間を作ってくれます。

一貫目はまぐろ中トロ



江戸前特有の赤酢のシャリとのバランスが素晴らしい。
今日は北海道で獲れたマグロ。
マグロは数日間熟成しており客に出すタイミングに合わせて提供してくれる。
文句なしに旨い。
煮切りを塗って提供してくれるので醤油を使う必要はありません。

二貫目はシマアジ



阿久根産です。
今のシマアジは特に美味しい。噛むたびにうまみが口の中に広がっていく。

三貫目は函館の真イカのうに載せ



イカは縦に細かい包丁が入っており見た目も美しく歯切れもいい。
イカとウニは相性がいい。
ウニはムラサキウニでした。

四貫目は千葉産の鰹



この戻りガツオはうまい!
うまい鰹を選ぶのは素人ではなかなか難しい。
こういうカツオをを食べるには、目利きのしっかりとした店に来るしかない。

五貫目は待ちに待った静岡産のしんこ



今の時期しか食べることができない新子(9月中旬以降はこはだになる)
寿司ネタの為に生まれてきたとも言えるこのほれぼれする姿かたち!
見て食べて、ため息が出てしまうほどだ。
〆具合も最高!
何度も噛みしめて味わい、余韻にひたる。
しんこは小さいので何枚かを重ねて握る。
握るところを撮影させてもらった。



当然のことだが寿司職人の手は大変きれいだとつくづく思う。

白ほのかというサッポロビールの生


この生ビールは店でしか飲むことができないらしい。
きれいな薄黄色でヴァイツェンのような感じで苦みが弱くて大変飲みやすい。

ビールのつまみにホタテの磯辺焼き


おっきな肉厚のホタテを炙った香ばしい香り。
味も食感も十分満足の一品。

六貫目は三河産のタイラ貝(タイラギ)



芸術的な隠し包丁が入っており見ただけで美味しい。
それにしてもタイラ貝は数年前に比べて価格が倍以上になってしまった。
5年ほど前までは卸売り市場で300円〜400円で買えたが今は1000円近い。

七貫目は御前崎の生シラス



今だけの旬の味。
トロ〜 フワ〜 美味旬鮮。

八貫目は中落ち
実はこれは予約したコースには無かったものだが隣の客が食べているのを見てあまりにも美味そうだったので追加してもらった。


今、骨からこそげおとしたばかりのまぐろがたっぷり。
中落ちは庶民的な食べ物と思うが何故か美味しくて無性に食べたくなる。

九貫目は噴火湾のうに



私はあまり好きなネタではないが口に入れた瞬間ふくよかな甘みが広がっていく。

十貫目はあなご(江戸前)



見た目も美しい。
上からゆずがちらしてある。
すし屋の腕の良さはこういう手を加えたもので分かるというが、何度も食べたくなる逸品であった。

最後に玉


鱧と芝海老を擦って合わせた寿司職人のなせる技!
すばらしい味だった。

あまりに満足したのでその日のお勧めを聞いて追加で注文。

一番のお勧めの「北海しまえび」
握る前にその麗しい姿を見せてくれた。





贅沢に海老の王様を二尾付けである。
入荷もあまりないようで今日食べることができたのは非常に幸運だった。
甘みが大変強くてプリッとした適度な歯ごたえとネットリ感があり絶品!

もう一つは石垣貝(陸前高田産)



角(つの)が立ったような勝ち誇った王様のような姿!
貝特有の歯ごたえと磯の香り。
文句なく う ま い !
絶品という文字を何個も書きたくなるほど旨かった。

食べ終えて感動に近い満足感に全身が満たされました。
煮ハマグリが食べたかったが旬の時期はもう少し先なので1月過ぎにまた必ず来たいと思う。
ああ〜ッ うまかった。

石島の情報です。







2016/07/22 17:37:04|天ぷら
穴場の天ぷら屋さん発見
てんぬま 川越

川越の中心部から離れた名刹喜多院の裏手周辺は静寂が漂い、江戸の古き良き時代の風情が残る建物が点在する。
ひっそりと佇む天ぷら専門店「てんぬま」がその一角にあった。



7席のカウンター


この他に4〜5人用の小上がりが2つ。
席は他に無いのか尋ねたら店主が案内してくれました。
裏手のほうに座敷と個室もあります。

初めての店なので玄関前に書いてあったメニュー「彩り御前・・・限定20食」を注文しました。


!?これで1000円です。
素晴らしい投資対効果です。

天ぷら
カラッと揚がっていて美味しい。


刺身・・・生ものにも力を入れているようです。


焼き魚と自家製?がんも


このがんもが、まん丸で中身はふわっとして大変美味しかった。
焼き魚は今日は鯖とのこと。冬から春はサワラが出るらしい。残念ダウン

追加で頼んだのが小柱と稚アユと穴子


小柱は中身がぎっしりと詰まっていた。
そして夏の風物のアユの稚魚。
これが絶品のうまさ!
注文して大正解だった。



穴子は今の時期が旬。
店主はもう少し小さめのほうが美味しいと言っていたが、最近食べた中では脂がのっていて柔らかく秀逸のアナゴだった。

追加の料理も入れて2400円!
このおいしさと品数でこの値段です。
料理人の生み出す味を十分楽しませていただきました。
お勧めの店がまた増えました。
てんぬまの情報です。


後日、夜に伺いました。
4000円のコースです。
 







2016/06/29 10:02:00|アジア料理
あの名店のチリクラブ
シンガポールリパブリック 品川

たまに香辛料の効いた東南アジア料理が食べたくなる。
品川にシンガポール料理の名店「シンガポールリパブリック」がある(銀座店有り)。
品川駅高輪口の正面です。





メイン食材のカニがウヨウヨ。


料理人をはじめほとんどが現地の人です。
客層もアジア系の人達が多い。


私が案内された席は中庭のテラス席です。
今日はチリクラブを食べるのが目的。
チリクラブセットにはスープ、ビーフンサラダ、揚げパンが付き、そしてメインのチリクラブが登場する。



アジア的な香辛料がちょっぴり効いたあっさりスープ。



アジア料理には欠かせないシャキシャキ感たっぷりのビーフン。

揚げパン音符




私はシンガポールへ行ったことがないので、この揚げパンは初めて食べた。
これがすごく美味しかった。
中が真っ白で密度が濃いのにふわっとして口当たりが大変良い。
日本のパンにはちょっと無い食感。
このパンなら一週間に2〜3回は食べたくなる。
日本で売られているパンはフランスやイギリス等のヨーロッパから製法を学んだものがほとんど。アジアや他の国にも旨いパンがある事を日本のパン屋はもっと勉強して広めるべきと思う。
おそらくアジア食材店に売っている饅頭(マントゥ)の系統だと思うが・・・
このパンを今度探しに行ってこよう。





お待ちかねのチリクラブ。
見た目で食欲をそそります。
アジア料理特有の香辛料が効いているが玉子がその辛みを緩和していてちょっぴり甘いタレが蟹に纏わりついている。
こういう食べ方をするのは沖縄でマングローブ蟹を食べて以来かな。
やはり蟹の爪はうまい!

せっかく来たので麺のお勧めを聞いて注文したのが「チャーシューワンタンミー」


大好きな海老入りワンタンとシャキシャキ感たっぷりの細麺そして正統派のチャーシュー。
東南アジアは海老、蟹を食材に使うのでワンタンの中身は海老が多い。
蟹を食べて〆に海老入りワンタンを食べる。贅沢この上ない。

大変充実したお昼であった。
※銀座店はお昼はブッフェなのでチリクラブは食べることができない。
お店の情報はこちら







2016/05/01 16:52:00|寿司
仙台でうまい寿司を
北乃家

仙台にいた頃、住まいの近くでもあり、よく通ったお寿司屋さん。
中心部から離れ少し郊外にあるが穴場の店である。




ここの親方(右端)とは共通の話題があり、いつ行っても話し込んでしまい料理名はあまり覚えていない。しかもここへ行ったのは1年近く前のこと。
しかしすべての料理に工夫が凝らしてあり、いつ食べても美味しい。
まずはお通しから


茄子の煮浸しのうに載せ




稚貝の酒蒸し






海老とタケノコの天ぷら 抹茶塩で
季節を感じさせてくれて美味しい。


タコの柔らか煮
絶妙の柔らかさ。いつ食べてもうまい!


穴子と椎茸の焼き物




うにの握りはいつもこのスタイル
(イクラもこのスタイルです)


仙台沖でもいい穴子が獲れます。




これで5000円のコースです。
北乃家も4年前の大震災の時はすぐ近くの川が逆流して近所の家が飲み込まれたりして復旧に時間を要したようです。
奥様もたいへん気さくな方でこのすし屋に来るとホッとします。
静かな郊外にあり、人も味も大変いいので仙台に行ったら有名な店で堅苦しく食べるより是非お勧めします。

お店の情報はココ