「ぶー亭」・・・石巻(宮城県)
宮城県石巻市のとんかつ屋さん。 あの東北大震災でまさに九死に一生を得たご夫婦がきりもりしておられます。
お二人共大津波に身体を一気に持っていかれ、まさに飲みこまれそうになった時、100M位奥の方のたまたま一軒だけ流されずに残っていた家の二階の手すりのちょうど真前に投げ出され、運よくお二人ともその手すりに掴まることができて奇跡的に助かったとのことです。
実は掴まるものがあるということがいかに重要なことかをこの大震災の体験談をお聞きしてわかりました。 同じ会社の社員のご両親が女川原発のそばに住んでいて大震災に会われた時の体験談です。女川町では公共の避難所を用意してあったので大勢の人達が避難所めがけて避難を始めたが一部の人達は近くにいた消防団員の情報で、公共の避難所は危ないという事で原子力発電所が独自に用意した避難所のほうへ逃げたということです。しかしそこにも海水がどんどん入り込み全員屋上に避難したがその屋上にまで海水が押し寄せてきてもうだめかと思った時、お二人のすぐ横にテレビのアンテナが立っていてそれに夢中になってしがみついてまさに間一髪で助かったとの事です。 尚、アンテナに掴まれなかった人達のほとんどが津波の犠牲になられたとお聞きしました。
仕事で仙台にいた頃、時々利用していた店です。 大震災があった年の9月に私が訪問したとき(お店は8月に再開)前もって連絡は入れておきましたがご夫婦は店を閉めて「本日休業」にしてくれました。しかも私が海老フライを食べることをわかっていて特別ご主人が仕入れてきたものを提供してくれました。私なんかのために本当に申し訳なく頭が下がる思いでした。そのあと震災の悲惨さを約3時間にわたってお聞きしました。涙なくして語れないお話を聞かせていただきました。
さて、この店で食事する方は、ほとんどがとんかつを注文しています。とんかつもボリュームがあり大変おいしいのですが、しかしここの名物は何といっても巨大なエビフライです。 手で持つとゆさゆさと揺れます。 見てください。この風格! ちなみに大皿は直径約30pです。 私も今まで沼津のレストランこがね(今年で閉店)や佐倉の幸などジャンボエビフライで有名な店に数多く行ったがここは別格!
最近のジャンボエビフライを売りにしている店の多くは海老をたたいて伸ばして大きく見せているところが多い。 だがこの店は海老に下手な小細工はしていない。厚みがすごいのでナイフとフォークがついてくるが、そのままガブリ!とやるのが旨い。顎が外れそうになる。海老自体が特大なのです。
今年(2015年)4月にも訪問したがその時の話では、最近はこの石巻にさえも中国人のバイヤーが買占めに来ていて海老の価格がうなぎのぼり?に高騰しているとのことで今後は提供が厳しくなるとのこと。 行くなら早めに!
特エビ定食 2000円弱・・・これで十分満足します。 ジャンボエビ定食 2500円…特特特大
お店の少し手前には水産会社の巨大な缶詰のモニュメントが当時の凄惨さを物語るように道路に横たわっていました。(現在は撤去済み) お店の情報はこちらです。 |
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