久しぶりのヴィム・ヴェンダース作品。しみじみといい映画。
この映画の凄いところは、ほんの2分くらいのシーン・セリフで主人公の生い立ちや境遇がぱあっと明らかになる所。セリフったって、ほんの二言三言なんですが。しかも、主人公自身はしゃべらないし。これを海外の監督さんがつくったの??ビックリです。
振り返って考えると、主人公が、シフトが一緒になる若い奴を「嫌いじゃないけど、話そうとしない」理由もはっきり分かる。
ヴェンダース監督は「ベルリン・天使の詩」で、白黒とカラーの映像を巧みに使い分けて見せましたけど、今回も巧い。主人公は「スモーク」のタバコ屋店主みたいに昼休憩の時にちょこちょこ写真を撮ってます。それがフィルム写真で白黒。主人公の毎夜見る夢(多分悪夢)も白黒。そういうとこがね。渋谷が舞台だし、見慣れた・聞き慣れた風景の筈なんですけども。
石川さゆりさんが出演されてます。歌声も披露されてて、なんか得したなあ。ヴェンダースの作品、以前はジミヘンが出てたこともあった。ヴェンダース作品には、必ずといっていいくらいグラムロック系の音楽が使われるんですけど、今回も、あーこういう使い方かあ、と驚くこと多し。主人公が古本屋で買う本もいい。よくご存じですよねえ、幸田文なんて。
ところで、主人公の生活にかかるお金が気になって、ついつい映画を観つつ計算してしまって。どうなんだろう、実際生活可能かなあ?って。
起きて、缶コーヒー(多分¥100自販機)¥100
昼飯:サンドイッチ&牛乳(多分コンビニ)おおむね¥500
仕事終わって銭湯¥500
夕飯:駅ナカ大衆居酒屋っぽいとことで、いつも2千円+&置いてる風なので、高く見積もって¥2500
これが週6:¥21,600 4週で¥86,400
週1回コインランドリー:乾燥までやると大体¥1,000 4回で¥4,000
石川さゆり女将が一人で切り盛りしているスナックでは払うシーンはなかったけど、週1回として、スカイツリー近くだし、大体¥5,000、位かなあ。4回で¥20,000
写真現像代:¥2,000位。2週に一回として¥4,000
古本屋で古本¥100、読むのが遅そうだから、2週に1冊として¥200
あとガソリン代とか。これ、結構出てそうです。月当たり¥8,000位かなあ。
忘れちゃいけないのがアパート代、ボロくて風呂なしだけど、2階あるし、スカイツリー近くだから、まあ¥50,000位するかも。
月額いくら?¥172,600・・・・ぎゃあ~~~~。
という事で、生きるって、これほどささやかでもカネがかかるわい。便所掃除のお仕事って月額20万くらいもらえるのかなあ?朝シフトだから、割増はつきそうですけど。交通費は補助位出るのかしら?高速使ってたし・・・。住居費が大きそうだ・・・・。もちっと安いかなあ。と、ついつい世知辛い事を考えてしまうのは、自分が自営始めた当初の貧乏生活が身に沁み込んでるからさ。当時は、食費月額1万円台にしてましたっけ・・・・・・。
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